*

「鉄旅日記」2019年弥生Part.1 最終日(紀伊田辺-東京)その1-紀伊田辺、箕島、和歌山、伊太祈曽、貴志(紀勢本線/和歌山電鐵貴志川線) 【和歌山電鐵に乗るために、青春18きっぷで紀伊半島一周を思い立ったのでございます。】

公開日: : 最終更新日:2025/05/10 旅話, 旅話 2019年

鉄旅日記2019年3月3日・・・紀伊田辺駅、箕島駅、和歌山駅、伊太祈曽駅、貴志駅(紀勢本線/和歌山電鐵貴志川線)

2019・3・3 5:37 紀伊田辺(きいたなべ)駅(紀勢本線 和歌山県)
昨夜歩いた歓楽街は「味光路」と名付けられているようだ。

スナックのネオンが目を引き、建物の1階は迷路のようなカーブを描き酔客を誘う。

「ええ加減にしいや」と女の怒声が響く土曜の夜だった。

この街の闘鶏神社は世界遺産に指定されている。

その名は源平合戦にちなむ。

「平家物語」にも描かれている。
田辺水軍を率いる湛増は、源平のどちらにつくか悩み、鶏を紅白2色に分けて闘わせ、白が勝ったことから源氏につく。

そして船団は壇ノ浦に向かった。

街の案内板には、田辺の出と伝わる武蔵坊弁慶を模したような「たなべえ」という、ゆるキャラの姿がある。

田辺城水門跡も駅前地図には描かれていた。

駅は工事中で、かつて降りた際に愛でた駅舎は失われていた。

6:54 箕島(みのしま)駅(紀勢本線 和歌山県)
全国制覇の町は鳥のさえずりに満ちている。

寒い朝だ。
ここは有田市だという。

みかんの産地で、太刀魚の漁獲料日本一を誇っている。

徳島の池田と同じく高校野球好きには垂涎の町で、あの懐かしいユニフォームが甲子園に戻ってくることを待っている。

夏の名場面には、箕島×星稜の18回に及ぶ死闘が必ず映される。

紀伊田辺からは複線区間となり、昨日のように列車行き違いなどによる停車はなくなる。
この箕島駅には降りたくて降りている。

どことなくかわいらしい駅で、感じのいい駅前だった。

次の初島を過ぎると、左手に巨大な石油工場が現れた。

傾斜の急な山肌が迫っている。

7:44 和歌山(わかやま)駅(紀勢本線/和歌山線/阪和線/和歌山電鐵貴志川線 和歌山県)
紀州人は人懐こく、礼儀正しい。

和歌山出身の唯一の友人もそうだった。
オレと出会う前は不良で、相当なワルだったらしいが、底抜けにいいヤツだった。

田辺でも感じていたんだ。
客と土産売場の女性との親しげな会話も聞こえてくる。

忙しなく駅前を写し、駅に戻る。


これまでに2度宿泊した街だ。
和歌山城へと続く街並はまだ記憶にも新しい。

和歌山電鐵は一番端の9番ホームから発車する。

窓口の切符売場に列ができている。

乗車に間に合うか危ぶんだが、大事ない。

乗り込んだ列車は「いちご電車」だった。

8:05 伊太祈曽(いだきそ)駅(和歌山電鐵貴志川線 和歌山県)
行き違い4分の停車。

「きのくに」に雨が落ちてきた。

小さな命を救おうと駅では謳う。


伊太祁曽神社が徒歩5分の場所にあるとのこと。

木国神話の社で、紀伊國一之宮と看板にはある。
木の神様を祀り、木材関係者の信仰を多く集めているようだ。

そして貴志川線の車両基地がここにある。

この先の終点はどんなところなのか。

列車は山峡へと分け入り、やがて大池が現れた。

8:25 貴志(きし)駅(和歌山電鐵貴志川線 和歌山県
猫の「たま」が駅長を勤める駅として、全国的にも有名な終着駅は、かわいらしい猫の外観を持ち、駅舎内にお洒落なカフェを持つ。




まだ営業前で、「たま駅長」は10時に出勤すると、和歌山駅窓口の話好きの駅長さんから聞いた。

食器棚のような「たま駅長」の仕事場もきれいに片付いている。

以前は牧歌的な駅風景だったのだろう。
何かの番組で見たのはそんな駅だった。

貴志では、いちご狩りができるらしい。

それで行きも帰りも「いちご電車」。

大池遊園を再び通る。

素晴らしい景観だが、池に面した大池荘は閉鎖されているのか、やけに汚れていて人の気配が感じられない。

関連記事

「鉄旅日記」2020年文月 3日目(萩-三次)その5‐備後落合、備後庄原、三次(芸備線)【コロナ禍でございます。内緒の旅でございました。余部鉄橋へ。萩へ。霧の街へ。東京五輪延期で浮いた4連休の記録でございます。】

鉄旅日記2020年7月25日・・・備後落合駅、備後庄原駅、三次駅(芸備線) 17:10  備

記事を読む

「鉄旅日記」2019年霜月 初日(東京-五所川原)その1‐金町、北千住、上野、宇都宮、黒磯、新白河(常磐線/東北本線) 【津軽鉄道、弘南鉄道に乗りにいきました。羽州街道を歩いた晩秋の旅でございます。】

鉄旅日記2019年11月2日・・・金町駅、北千住駅、上野駅、宇都宮駅、黒磯駅、新白河駅(常磐線/東北

記事を読む

「鉄旅日記」2020年晩秋 2日目(砺波-武生)その2‐倶利伽羅、森本、宇野気、高松(IRいしかわ鉄道/七尾線) 【大人の休日倶楽部パスで北陸へ。新幹線、在来線特急乗り放題でございます。魚津、雨晴をめぐり、氷見線、万葉線、城端線、七尾線、えちぜん鉄道、福武線、北陸鉄道との再会でございます。】

鉄旅日記2020年11月22日・・・倶利伽羅駅、森本駅、宇野気駅、高松駅(IRいしかわ鉄道/七尾線

記事を読む

「鉄旅日記」2021年夏 最終日(上田-東京)その1 ‐上田、滋野、長野(しなの鉄道/信越本線) 【4度目の緊急事態宣言前。飯山線に乗りたくて旅を思い立ちました。湯檜曽駅で夏の第一声を聞き、信越路を歩いた記録でございます。】

鉄旅日記2021年7月11日・・・上田駅、滋野駅、長野駅(しなの鉄道/信越本線) 2021・

記事を読む

「鉄旅日記」2016年夏【じきに廃線を迎える留萌~増毛に用がありました】最終日(大館-東京)-大館、十和田南、荒屋新町、前沢、一ノ関、愛宕、国府多賀城、陸前山王、北白川、東白石、蒲須坂、片岡(花輪線/東北本線)

鉄旅日記2016年8月13日・・・大館駅、十和田南駅、荒屋新町駅、前沢駅、一ノ関駅、愛宕駅、国府多賀

記事を読む

「車旅日記」2004年春【旭川に下りて、思う存分に北の大地を走った旅の記録でございます】初日(東京-旭川-紋別)走行距離339㎞-深川駅、留萌駅、おひら鰊番屋、士別駅、にしおこっぺ花夢、紋別セントラルホテル

車旅日記2004年5月1日・・・深川駅、留萌駅、おひら鰊番屋、士別駅、にしおこっぺ花夢、紋別セントラ

記事を読む

「鉄旅日記」2016年夏【じきに廃線を迎える留萌~増毛に用がありました】4日目(富良野-大館)その2-南千歳、苫小牧、登別、東室蘭、北舟岡、伊達紋別、長万部、森、新函館北斗、大館(千歳線/室蘭本線/函館本線/北海道新幹線/奥羽本線)

鉄旅日記2016年8月13日・・・南千歳駅、苫小牧駅、登別駅、東室蘭駅、北舟岡駅、伊達紋別駅、長万部

記事を読む

「車旅日記」2006年初夏【これが最後の車旅でございます。鈴鹿山脈を回るように、終着駅を探して走ったのでございます。】最終日(近江八幡-長浜-揖斐-岐阜)-ホテルはちまん、近江八幡駅、安土駅、彦根駅、長浜駅、垂井駅、美濃赤坂駅、揖斐駅、木知原駅

車旅日記2006年7月17日・・・ホテルはちまん、近江八幡駅、安土駅、彦根駅、長浜駅、垂井駅、美濃赤

記事を読む

「車旅日記」2006年皐月【東京から出かける最後の車旅。関東、東北を2,265㎞走った記録でございます。】4日目(大曲-阿仁合-弘前-三厩-青森)その2-弘前駅、道の駅つるた、毘沙門駅、津軽中里駅、三厩駅、中小国駅、駅前ホテルニュー青森館

車旅日記2006年5月5日・・・弘前駅、道の駅つるた、毘沙門駅、津軽中里駅、三厩駅、中小国駅、駅前ホ

記事を読む

「鉄旅日記」2021年春 初日(東京-松本)その1 ‐金町、神田、吉祥寺、国立(常磐線/中央本線) 【週末パスで信濃へ。妙高高原駅で引き返し、松本の友人を訪ね、大糸線を旅して思い出の白馬へ。先の旅から一週間後のことでございました。】

鉄旅日記2021年4月24日・・・金町駅、神田駅、吉祥寺駅、国立駅(常磐線/中央本線) 20

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

「鉄旅日記」2021年師走 初日(東京-古川)その1 ‐金町、東京、くりこま高原(常磐線/東北新幹線) 【特急乗り放題の大人の休日倶楽部パスで冬の国へ。山田線完全乗車と鳴子温泉郷を始めとした陸羽東線沿線を歩くことが目的でございました。】

鉄旅日記2021年12月4日・・・金町駅、東京駅、くりこま高原駅(常

「鉄旅日記」2021年秋 最終日(飯坂温泉-東京)その5 ‐仙台、鹿島、原ノ町、浪江、常陸多賀(常磐線) 【4度目の緊急事態宣言明け。これ以降そのようなものが発令されることはございませんでした。阿武隈急行、峠駅、立石寺。お宿は飯坂温泉。秋の東北を満喫すべく常磐線に乗りました。】

鉄旅日記2021年10月10日・・・仙台駅、鹿島駅、原ノ町駅、浪江駅

「鉄旅日記」2021年秋 最終日(飯坂温泉-東京)その4 ‐山寺(仙山線)/立石寺山門売店/高砂屋本舗 【4度目の緊急事態宣言明け。これ以降そのようなものが発令されることはございませんでした。阿武隈急行、峠駅、立石寺。お宿は飯坂温泉。秋の東北を満喫すべく常磐線に乗りました。】

鉄旅日記2021年10月10日・・・山寺駅(仙山線)/立石寺山門売店

「鉄旅日記」2021年秋 最終日(飯坂温泉-東京)その3 ‐米沢、赤湯、中川、山形、北山形(奥羽本線) 【4度目の緊急事態宣言明け。これ以降そのようなものが発令されることはございませんでした。阿武隈急行、峠駅、立石寺。お宿は飯坂温泉。秋の東北を満喫すべく常磐線に乗りました。】

鉄旅日記2021年10月10日・・・米沢駅、赤湯駅、中川駅、山形駅、

「鉄旅日記」2021年秋 最終日(飯坂温泉-東京)その2 ‐峠(奥羽本線)/力餅商店/峠の力餅売り/峠駅今昔物語 【4度目の緊急事態宣言明け。これ以降そのようなものが発令されることはございませんでした。阿武隈急行、峠駅、立石寺。お宿は飯坂温泉。秋の東北を満喫すべく常磐線に乗りました。】

鉄旅日記2021年10月10日・・・峠駅(奥羽本線)/力餅商店/峠の

→もっと見る

    PAGE TOP ↑