「鉄旅日記」2020年晩秋【大人の休日倶楽部パスで北陸へ。新幹線、在来線特急乗り放題でございます。魚津、雨晴をめぐり、氷見線、万葉線、城端線、七尾線、えちぜん鉄道、福武線、北陸鉄道との再会でございます。】2日目(砺波-武生)その2‐倶利伽羅、森本、宇野気、高松(IRいしかわ鉄道/七尾線)
鉄旅日記2020年11月22日・・・倶利伽羅駅、森本駅、宇野気駅、高松駅(IRいしかわ鉄道/七尾線)
7:24 倶利伽羅(くりから)駅(IRいしかわ鉄道/あいの風とやま鉄道 石川県)
かつての1月。この場所でワンカップの日本酒とともにいた濃密な時間を覚えている。
でもあの日は駅前広場の歴史案内には気づかなかったようだ。駅に降りればそれで満足。そんな頃も確かにあった。
この駅を再訪するのも今回の大いなる目的のひとつだった。
黒光りする古い駅舎は旅情をまとい、ここが歴史のある一地点で何事かが起きた場所なのだと証明するかのような威厳をたたえている。
倶利伽羅峠合戦での「火牛の計」を模した銅像に見いるオレに日が差し、お日さまに向けて神社式の礼をとる。スマホもかざし、祓い清められていくわが身と待ち受け画面で微笑む最愛の存在を感じていた。
木曽義仲公と縁のある年。義仲寺に参ったのは9月だった。古戦場はここから3kmのところにある。
山中に7万人もの大軍で待ち構えた平家軍。中には雅な恋を置いてきた公達の姿もある。
奇計を編み出した義仲公は名将だったのだろう。猛り狂った牛に追いたてられて地獄谷に落ちた者多数。京都へ逃げ延びた平家軍の中に、先の公達の姿はなかった。
駅には松尾芭蕉が義仲公へ手向けた句も紹介されている。芭蕉翁と朝日将軍義仲公は同じ義仲寺で眠る。
芭蕉翁が大将軍に感じたのはたんなる縁だったのか。あるいは血縁にもからむことだったのか。オレも今似たようなものを感じている。
朝日将軍が率いたのは信濃兵。道々軍団は膨れ上がり、京都に上がった頃には数万人を数えるも、その後の戦いで凋落の姿をとると、有象無象は四散。宇治川で源範頼、義経軍と対峙した時は1,000騎ほどまでに減っていた。
義仲公の最期までつき従ったのも信濃兵だったのだろう。その中にご先祖もしくは前世のオレがいたと感じている。
味わい深い23分をここで過ごして再び金沢方面に向かっている。
7:48 森本(もりもと)駅(七尾線/IRいしかわ鉄道 石川県)
能登に向かう。津幡、森本、東金沢のいずれかで七尾行に乗り換えなければならない。
津幡には降りたことがある。次の森本に決まった。滞在時間は6分。新幹線高架下の駅はとても絵になっていた。
歌舞伎柄を施した角の飲み屋に何事かを感じて階段を上がる。
8:10 宇野気(うのけ)駅(七尾線 石川県)
行き違い3分の停車。駅正面は上りホームに移ったが、西口にも簡易駅舎がある。
上りホームに向けて階段を上る人々の姿がある。あの中を掻き分けていく自身の姿は描けなかった。ビールを朝から3本空けてることもあるが、あるいはトシを感じる一歩目だったのか。
簡易駅舎を写す。委託事務員さんの姿がある。
ここはかほく市という、昭和から生きてきた身からすれば見慣れない市制の元にある。
8:20 高松(たかまつ)駅(七尾線 石川県)
行き違い2分の停車。下りホーム側に駅舎があり、迷わず降りる。
広々とした駅前ロータリー。立派な駅舎には駅員さんの姿がある。
旅の計画時に、こうして様々な駅で数分の停車時間を持つ七尾行を見つけた時は狂喜に近い思いにひたり、実際に今日この日に享受した。これからまだまだ降りたことのない駅での数分の停車がある。
沿線は田舎風景。使われなくなったものはそのままに、冬枯れていく能登路。
海山川。そうしたもののないフラットな田舎風景を七尾線は往く。
関連記事
-
「鉄旅日記」2019年年始【雪が見たくて北へ向かいました。そして初めて仙台空港線に乗ったのでございます。】初日(東京-一ノ関)その3-米沢、福島、仙台、一ノ関(奥羽本線/東北本線)
鉄旅日記2019年1月5日・・・米沢駅、福島駅、仙台駅、一ノ関駅(奥羽本線/東北本線) 17:34
-
「車旅日記」2000年春【一年のブランクを経て、旅再開。出発場所は東京町田から、下町葛飾へと変わっております。】3日目(象潟‐秋田‐盛岡‐鳴子温泉)象潟海岸、秋田駅、角館花葉館、田沢湖駅、紫波SA、前沢SA、古川駅
車旅日記2000年5月5日 8:54 象潟海岸 636㎞ 朝、人気のない海もいい。 車を降
-
「車旅日記」2003年晩秋【紀伊半島に焦がれる日々。南海道を往くのは2度目でございます。】3日目(伊勢志摩-吉野-奈良-京都)走行距離239㎞ -大王崎、御座港、鵜方駅、飯高駅、天誅組終焉之地、吉野駅、吉野神宮駅、吉野口駅、京都ホーユウコンフォルト二条城
車旅日記2003年11月24日・・・大王崎、御座港、鵜方駅、飯高駅、天誅組終焉之地、吉野駅、吉野神宮
-
「鉄旅日記」2014年春【青春18きっぷで、紀伊半島へ】初日(東京-紀伊勝浦)その1-熱田、尾頭橋、八田、四日市、亀山、一身田、津、高茶屋、松阪(東海道本線、関西本線、紀勢本線)
鉄旅日記2014年3月8日その1・・・熱田駅、尾頭橋駅、八田駅、四日市駅、亀山駅、一身田駅、津駅、高
-
「鉄旅日記」2018年神無月【北陸へ。信州へ。友を訪ねての巡礼旅でございます】初日(東京-米原-福井-越前大野)その1-金町、大垣、米原、近江塩津、王子保、湯尾(常磐線/東海道本線/北陸本線)
鉄旅日記2018年10月6日・・・金町駅、大垣駅、米原駅、近江塩津駅、王子保駅、湯尾駅(常磐線/東海
-
「鉄旅日記」2020年盛夏【コロナ禍の内緒旅VOl.2。宮島へ。錦帯橋へ。筑豊へ。島原へ。千綿駅へ。そして若松~戸畑の渡船。日本晴れの4日間の記録でございます。】初日(東京-防府)その2‐新白鳥、古市橋、梅林、可部、あき亀山(可部線)
鉄旅日記2020年8月13日・・・新白島駅、古市橋駅、梅林駅、可部駅、あき亀山駅(可部線)
-
「鉄旅日記」2015年夏【日本最南端の終着駅、枕崎までの往復旅】2日目(新南陽-鹿児島中央)その1-新南陽、新山口、阿知須、宇部新川、小野田港、下関、八幡、陣原(山陽本線/宇部線/小野田線/鹿児島本線)
鉄旅日記2015年8月13日その1・・・新南陽駅、新山口駅、阿知須駅、宇部新川駅、小野田港駅、下関駅
-
2020年水無月【緊急事態宣言から解放された週末。石和温泉につかりにいった記憶をSNS風に綴ります。】-甲府、善光寺、酒折、石和温泉、大月(中央本線/身延)
鉄旅日記2020年6月20日~21日・・・甲府駅、善光寺駅、酒折駅、石和温泉駅、大月駅(中央本線/
-
「鉄旅日記」2014年春【青春18きっぷで、丹後若狭から北陸、信州へ】初日(東京-西舞鶴)その2-東雲、宮津、天橋立、豊岡、国府、和田山、梁瀬、福知山、西舞鶴(北近畿タンゴ鉄道宮津線/山陰本線)
鉄旅日記2014年3月21日その2・・・東雲駅、宮津駅、天橋立駅、豊岡駅、国府駅、和田山駅、梁瀬駅、
-
「鉄旅日記」2017年夏【私鉄王国で過ごす夏】初日(東京-大垣)その2-郡上八幡、北濃、美濃白鳥、郡上八幡、関、美濃太田、岐阜(長良川鉄道/高山本線)
鉄旅日記2017年8月11日・・・郡上八幡駅、北濃駅、美濃白鳥駅、関駅、美濃太田駅、岐阜駅(長良川鉄