*

「鉄旅日記」2020年晩秋 2日目(砺波-武生)その2‐倶利伽羅、森本、宇野気、高松(IRいしかわ鉄道/七尾線) 【大人の休日倶楽部パスで北陸へ。新幹線、在来線特急乗り放題でございます。魚津、雨晴をめぐり、氷見線、万葉線、城端線、七尾線、えちぜん鉄道、福武線、北陸鉄道との再会でございます。】

公開日: : 最終更新日:2025/05/04 旅話, 旅話 2020年

鉄旅日記2020年11月22日・・・倶利伽羅駅、森本駅、宇野気駅、高松駅(IRいしかわ鉄道/七尾線)

7:24  倶利伽羅(くりから)駅(IRいしかわ鉄道/あいの風とやま鉄道 石川県)
かつての1月。この場所でワンカップの日本酒とともにいた濃密な時間を覚えている。

でもあの日は駅前広場の歴史案内には気づかなかったようだ。駅に降りればそれで満足。そんな頃も確かにあった。

この駅を再訪するのも今回の大いなる目的のひとつだった。

黒光りする古い駅舎は旅情をまとい、ここが歴史のある一地点で何事かが起きた場所なのだと証明するかのような威厳をたたえている。

倶利伽羅峠合戦での「火牛の計」を模した銅像に見いるオレに日が差し、お日さまに向けて神社式の礼をとる。スマホもかざし、祓い清められていくわが身と待ち受け画面で微笑む最愛の存在を感じていた。

木曽義仲公と縁のある年。義仲寺に参ったのは9月だった。古戦場はここから3kmのところにある。

山中に7万人もの大軍で待ち構えた平家軍。中には雅な恋を置いてきた公達の姿もある。

奇計を編み出した義仲公は名将だったのだろう。猛り狂った牛に追いたてられて地獄谷に落ちた者多数。京都へ逃げ延びた平家軍の中に、先の公達の姿はなかった。

駅には松尾芭蕉が義仲公へ手向けた句も紹介されている。芭蕉翁と朝日将軍義仲公は同じ義仲寺で眠る。

芭蕉翁が大将軍に感じたのはたんなる縁だったのか。あるいは血縁にもからむことだったのか。オレも今似たようなものを感じている。

朝日将軍が率いたのは信濃兵。道々軍団は膨れ上がり、京都に上がった頃には数万人を数えるも、その後の戦いで凋落の姿をとると、有象無象は四散。宇治川で源範頼、義経軍と対峙した時は1,000騎ほどまでに減っていた。

義仲公の最期までつき従ったのも信濃兵だったのだろう。その中にご先祖もしくは前世のオレがいたと感じている。

味わい深い23分をここで過ごして再び金沢方面に向かっている。

7:48  森本(もりもと)駅(七尾線/IRいしかわ鉄道 石川県)
能登に向かう。津幡、森本、東金沢のいずれかで七尾行に乗り換えなければならない。

津幡には降りたことがある。次の森本に決まった。滞在時間は6分。新幹線高架下の駅はとても絵になっていた。

歌舞伎柄を施した角の飲み屋に何事かを感じて階段を上がる。

8:10  宇野気(うのけ)駅(七尾線 石川県)
行き違い3分の停車。駅正面は上りホームに移ったが、西口にも簡易駅舎がある。

上りホームに向けて階段を上る人々の姿がある。あの中を掻き分けていく自身の姿は描けなかった。ビールを朝から3本空けてることもあるが、あるいはトシを感じる一歩目だったのか。

簡易駅舎を写す。委託事務員さんの姿がある。

ここはかほく市という、昭和から生きてきた身からすれば見慣れない市制の元にある。

8:20  高松(たかまつ)駅(七尾線 石川県)
行き違い2分の停車。下りホーム側に駅舎があり、迷わず降りる。

広々とした駅前ロータリー。立派な駅舎には駅員さんの姿がある。

旅の計画時に、こうして様々な駅で数分の停車時間を持つ七尾行を見つけた時は狂喜に近い思いにひたり、実際に今日この日に享受した。これからまだまだ降りたことのない駅での数分の停車がある。

沿線は田舎風景。使われなくなったものはそのままに、冬枯れていく能登路。

海山川。そうしたもののないフラットな田舎風景を七尾線は往く。

関連記事

「鉄旅日記」2022年弥生vol.2 2日目(焼津-静岡)その1 ‐焼津、金谷、千頭、井川(東海道本線/大井川鐡道本線/大井川鐡道井川線)/焼津温泉やいづマリンパレス 【念願の大井川鐡道に乗る旅。帰りは身延線経由、武蔵野線全駅下車達成でございます。】

鉄旅日記2022年3月20日・・・焼津駅、金谷駅、千頭駅、井川駅(東海道本線/大井川鐡道本線/大井

記事を読む

「鉄旅日記」2015年春【浜名湖周辺で遊ぶ一日】その1-掛川、掛川市役所前、西掛川、天竜二俣、西気賀、寸座、浜名湖佐久米、三ケ日、新所原(天竜浜名湖鉄道)

鉄旅日記2015年3月28日その1・・・掛川駅、掛川市役所前駅、西掛川駅、天竜二俣駅、西気賀駅、寸座

記事を読む

「鉄旅日記」2017年冬 初日(東京-会津若松)その2-会津荒海、会津田島、会津下郷、塔のへつり、湯野上温泉、西若松(会津鉄道) 【会津へ。会津へ行きたかったのでございます。】

鉄旅日記2017年12月2日・・・会津荒海駅、会津田島駅、会津下郷駅、塔のへつり駅、湯野上温泉駅、西

記事を読む

「鉄旅日記」2020年晩秋 最終日(武生-東京)その1‐越前武生、武生、三方、美浜(北陸本線/小浜線) 【大人の休日倶楽部パスで北陸へ。新幹線、在来線特急乗り放題でございます。魚津、雨晴をめぐり、氷見線、万葉線、城端線、七尾線、えちぜん鉄道、福武線、北陸鉄道との再会でございます。】

鉄旅日記2020年11月23日・・・越前武生駅、武生駅、三方駅、美浜駅(北陸本線/小浜線)

記事を読む

「鉄旅日記」2022年弥生vol.2 2日目(焼津-静岡)その2 ‐奥大井湖上、接岨峡温泉(大井川鐡道井川線) 【念願の大井川鐡道に乗る旅。帰りは身延線経由、武蔵野線全駅下車達成でございます。】

2022年3月20日・・・奥大井湖上駅、接岨峡温泉駅(大井川鐡道井川線) 13:18 奥大

記事を読む

「鉄旅日記」2020年卯月 初日(東京-新津)その4‐置賜、高畠、米沢(奥羽本線) 【緊急事態宣言発令直前のことでございます。常磐線全線運転再開を祝して人知れず旅に出たのでございます。】

鉄旅日記2020年4月4日・・・置賜駅、高畠駅、米沢駅(奥羽本線) 15:32 置賜(

記事を読む

「鉄旅日記」2020年睦月 初日(東京-湯沢)その4‐ゆだ錦秋湖、ほっとゆだ、横手、湯沢(北上線/奥羽本線)/慶 【秋田内陸縦貫鉄道に乗りにいきました。五能線の名所も歩いた旅初めでございます。】

鉄旅日記2020年1月11日・・・ゆだ錦秋湖駅、ほっとゆだ駅、横手駅、湯沢駅(北上線/奥羽本線)/慶

記事を読む

「鉄旅日記」2018年弥生 最終日(会津若松-新潟-吉田-三条-東京)その2-新潟、白山、内野、巻、吉田、燕(越後線/弥彦線) 【青春18きっぷを握り、目指したのはまたしても会津。練馬から旅立つ最後の旅でございます。】

鉄旅日記2018年3月4日・・・新潟駅、白山駅、内野駅、巻駅、吉田駅、燕駅(越後線/弥彦線) 11

記事を読む

「鉄旅日記」2020年睦月 2日目(湯沢-鷹ノ巣)その1‐湯沢、四ツ小屋、秋田、森岳(奥羽本線) 【秋田内陸縦貫鉄道に乗りにいきました。五能線の名所も歩いた旅初めでございます。】

駅旅日記2020年1月12日・・・湯沢駅、四ツ小屋駅、秋田駅、森岳駅(奥羽本線) 2020・1・1

記事を読む

「鉄旅日記」2020年盛夏 2日目(防府-肥前鹿島)その1‐防府、新山口、宇部、小野田(山陽本線)/防府天満宮 【コロナ禍の内緒旅VOl.2。宮島へ。錦帯橋へ。筑豊へ。島原へ。千綿駅へ。そして若松~戸畑の渡船。日本晴れの4日間の記録でございます。】

鉄旅日記2020年8月14日・・・防府駅、新山口駅、宇部駅、小野田駅(山陽本線)/防府天満宮

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

「鉄旅日記」2022年皐月 初日(東京-磐梯熱海)その1 ‐金町、上野、宇都宮(常磐線/東北本線) 【日光線全駅乗降を果たし、猪苗代湖畔に遊び、磐梯熱海の湯につかり、国定忠治を訪ねた旅でございます。】

鉄旅日記2022年5月7日・・・金町駅、上野駅、宇都宮駅(常磐線/東

「鉄旅日記」2022年弥生vol.2 最終日(静岡-東京)その5 ‐東浦和、東川口、吉川、吉川美南、南流山(武蔵野線) 【念願の大井川鐡道に乗る旅。帰りは身延線経由、武蔵野線全駅下車達成でございます。】/江戸川堤菜の花絶景

2022年3月21日・・・東浦和駅、東川口駅、吉川駅、吉川美南駅、南

「鉄旅日記」2022年弥生vol.2 最終日(静岡-東京)その4 ‐西国分寺、北府中、新小平、青梅街道、北朝霞、朝霞台(武蔵野線) 【念願の大井川鐡道に乗る旅。帰りは身延線経由、武蔵野線全駅下車達成でございます。】

鉄旅日記2022年3月21日・・・西国分寺駅、北府中駅、新小平駅、青

「鉄旅日記」2022年弥生vol.2 最終日(静岡-東京)その3 ‐南甲府、金手、甲府、八王子、京王八王子(身延線/中央本線)/甲府城跡 【念願の大井川鐡道に乗る旅。帰りは身延線経由、武蔵野線全駅下車達成でございます。】

鉄旅日記2022年3月21日・・・南甲府駅、金手駅、甲府駅、八王子駅

「鉄旅日記」2022年弥生vol.2 最終日(静岡-東京)その2 ‐十島、鰍沢口、甲斐住吉、国母、常永(身延線) 【念願の大井川鐡道に乗る旅。帰りは身延線経由、武蔵野線全駅下車達成でございます。】

鉄旅日記2022年3月21日・・・十島駅、鰍沢口駅、甲斐住吉駅、国母

→もっと見る

    PAGE TOP ↑