「鉄旅日記」2022年新春 2日目(湯瀬温泉-三沢)その2 ‐東大館、大館、弘前(花輪線/奥羽本線) 【巨大な土偶が貼りつく木造駅を見たくて冬の東北を旅しました。】
鉄旅日記2022年1月9日・・・東大館駅、大館駅、弘前駅(花輪線/奥羽本線)
9:53 東大館(ひがしおおだて)駅(花輪線 秋田県)にて


10:41 大館(おおだて)駅(奥羽本線/花輪線 秋田県)
東大館着9:52。以前から大館の全容を知るには東大館に降りなければならないと思っていた。その機会は大雪が上がった朝に訪れた。
秋田犬の置物が迎えてくれる東大館駅。駅前は見事な銀世界。


たんに東大館駅で降りただけじゃ街は分からない。駅前にはちらほらとスナックや飲食店、ホテルが屋並の中に見える。



やがてスナック街。そして長く続くアーケード街。その様には驚かされた。大館の繁栄はここにあったかと、昭和50年代に全日本プロレスがこの街でテレビマッチを組んだ合点がいった。
1978年のチャンピオン・カーニバルでは後半戦の天王山の会場となり、ジャイアント馬場×大木金太郎、ジャンボ鶴田×アブドーラ・ザ・ブッチャー、ドン・レオ・ジョナサン×キング・イヤウケアの公式戦が組まれ、首位を走っていた馬場は大木の急所攻撃からの頭突きで敗れたが、仙台で行われた決勝戦でブッチャーを破り優勝している。
1981年には元NWA世界王者ジャック・ブリスコדキングコング”ブルーザー・ブロディの夢の対決が実現している。



街の繁栄は長木川を渡った先まで続く。


「懺悔懺悔」「六根清浄」。山伏や登山者が霊場を歩く際に唱える言霊を発しながら、雪の積もった歩きにくい道をひたすらに歩く。
途中に小坂鉄道の廃線跡が鉄道パークになっているところに差し掛かる。これまでに気づくことはなかった。完全に雪に埋もれている。
小坂精練が小坂鉱山の鉱石輸送のために運営していた小坂鉄道。1908年に開業して旅客営業は1994年まで。その後2009年まで貨物路線として生きたが廃線。初めてこの街を訪ねた頃は町中に軌道が残っていた。


素敵な街角を過ぎる。

線路に沿って歩くうちにかつて宿泊した展望浴場が象徴的なロイヤルホテル。駅はもうすぐそこ。
大館駅が街で一番閑散としていた。その一帯をこれまで大館と表現してきた。街の実力を見直し、これまでの無礼を詫びる。

しかし大館駅周辺は以前からこのようだったのだろうか。再開発とは言えないが、駅前には新たな商業施設が建ちつつある。
江戸時代には山林資源で潤い、戊辰戦争では久保田藩と南部藩による戦闘で戦火に包まれ、城も落ちた大館。街を歩いたことによりそうした歴史も知った。
10:38秋田行に間に合えば次の下川沿駅で降りる駅旅をして、そこで下りを待って弘前への道をたどるつもりでいた。タッチの差で間に合ったが、ドア故障で列車は動かない。今も動かない。乗客は降ろされ待合室へ。それが今。皮肉だが大館駅に賑わいが戻った。
弘前行も7分の遅れ。どうやら計画に支障はもたらされないレベルで収まったようだ。車内で交わされる地元民の会話はまるで理解できない。
12:35 弘前(ひろさき)駅(奥羽本線/五能線/弘南鉄道弘南線 青森県)
津軽平野は一面の雪。快晴だった空はにわかに曇り、同じく銀世界。
大鰐温泉、石川と、森進一さんが歌う「襟裳岬」の情景に描かれる「寒い人々」が乗ってきて、座席はほぼ埋まった。
定刻より5分遅れで弘前着。津軽三味線の音色が発車音。青森行が出ていく。
駅構内にはピアノ演奏者による美しい音色が流れ、和のオブジェに世界遺産縄文遺跡群、白神山地へ誘う広告がガラス窓全面を埋めている。


大雪に困惑しているような津軽雄都の昼下がり。



深浦行12:40発に乗る。
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