*

「鉄旅日記」2015年春 初日その3(東京-岩倉)-太田川、常滑、中部国際空港、上小田井、西春、岩倉(名鉄常滑線/名鉄空港線/名鉄犬山線) 【名鉄電車2DAYフリーきっぷで行く、中京旅】

公開日: : 最終更新日:2025/06/12 旅話, 旅話 2015年

鉄旅日記2015年3月7日その3・・・太田川駅、常滑駅、中部国際空港駅、上小田井駅、西春駅、岩倉駅(名鉄常滑線/名鉄空港線/名鉄犬山線)

19:04 太田川(おおたがわ)駅(名鉄河和線/名鉄常滑線 愛知県)
駅構内に太田川駅の古めかしい写真が飾ってあった。
中部国際空港開港から名鉄常滑線はおそらく大きく変貌を遂げたのであろう。

たった今、ホームにいるオレの前を超特急が走り抜けた。
その間、約1秒。あっという間の出来事だった。

ここは古い町なのだろうが、冒頭の事情により新しく生まれ変わったように見える。
駅前はだだっ広い広場になっていて、飲食店が集まった建物がBARを巨大化させたような明かりを闇に浮かべている。
駅は3層構造になっていて名古屋方面行きは一番上の階層を使用している。
やけに高い場所から駅前を見下ろしていた。

雨脚はさらに強まっている。

19:32 常滑(とこなめ)駅(名鉄常滑線/名鉄空港線 愛知県)
やけに何もない駅前だ。
やけに明かりの少ない街だ。

想像とのあまりの相違に途方に暮れかけたが、思いを振りきって4分後にやってきた特急に乗った。
滞在時間はたった4分。
線路は続いているが、この先から空港線と線名が変わる。

もうすぐ終点の空港駅で、車内に厳かなムード音楽が流れてきた。
飛行機に乗って目的地が近づくと同じような事が起こる。
ワルくないが、なぜだか笑いが込み上げてくる。
これがオレが勝手に感じている名古屋的野暮ったさなのだろう。

19:50 中部国際空港(ちゅうぶこくさいくうこう)駅(名鉄空港線 愛知県)
大都市の人口比とはこんな場所でよく分かるものなのだろう。

開港当初からさして汚れを身にまとっていないであろう空港も駅も新しいままで、そして人の姿は圧倒的に少ない。
関空が、ましてや羽田や成田がこんな状態であったことなどおそらく一度としてないであろう。
喫煙所にも煙草の臭いは染み付いていない。

空港内を歩く気分はいい。
それはどこの空港でも変わらないけど、国際空港だけあってイメージしたのは漠然とした海外だった。

特定しろと言うのならホノルルだ。
「アカペラのジングル。
FMステーションからエアポートの声が流れだす~。
ホノルル行きは1時間遅れ。
いつか行こうと約束のままね。」と確か1度は口ずさんだ。

外国人はアラブ系のみを見かけ、駅の売店のおばちゃんにビールを出してコンニチワと挨拶したら、彼女は自分の知り合いにこんな顔のヤツはいたかと一瞬怪訝そうな表情を浮かべた後、ただの挨拶だと分かって、バツの悪そうな表情を浮かべた。

帰りに通り過ぎた常滑駅はより一層閑散としていた。

20:56 上小田井(かみおたい)駅(名鉄犬山線 愛知県)
名古屋高速環状2号線の高架道路下を走る302号国道脇にある駅。
大都市の音と光が交錯するが、駅前には商店の類いは見事なまでに何もない。

一緒に降りた人々が方々に散ると薄暗い街角になる。
名古屋とはこういう街だとのオレの認識はほぼ構築され、誤りを指摘されないレベルに達しつつあるだろう。

腰掛けていれば始終貧乏揺すりをして、あちこちを移動しながら絶えず歯をほじくっている男がいた。
きちんとした身なりをして顔も悪くない。
だから名古屋はなどと言うつもりはないが、次にいつ下り立つか判らないオレのようなよそ者にとっては、彼は名古屋を印象づける決定的な存在になったりする。

21:08 西春(にしはる)駅(名鉄犬山線 愛知県)
行政区分は北名古屋市となっている。
大都市の匂いは消え、犬山方面行き急行を待つのはオレを含めて二名のみ。

人気の絶えた商店街が雨に煙ってぼんやりと浮かぶ様は映画「ブレードランナー」的な退廃を漂わせ、とうに過ぎ去った名古屋駅周辺の明かりもまたあまりにも暗かったと、今更ながらに思い出している。

23:27 ビジネスホテル岩倉205
路上青年が歌う「ワインレッドの心」が聞こえる改札を抜けて地上に出てみれば想像通りの平凡な街並みで、歩いてきた道程にコンビニは一軒のみ。
そこで仕入れた物を広げて楽しんでいる。

雨を気にはしていなかったが、この街に着いて疲労を感じるとともに気になり始め、そこでようやく傘を必要とした。
駅を出た当初から使っていれば不必要な気持ちにならずに済んだのに。
オレの性格と今までの人生が垣間見えた。

テレビはつけていない。
聞こえてくるのはエアコンの音と濡れた路面を行き交う車の音のみ。

明日になれば結局オレはこの街のどこにも寄らずに始発電車で離れていく。
何も知らずに離れていく。

オレと岩倉の付き合いとは何だったのか。
オレの中では放っておいてもいい問題ではない。
犬山で育った知人の話じゃ、岩倉は暴力団の抗争で過去に危険なことがあったという。

ここからは小牧が近い。
小牧とは名古屋から見たら一体どこにあるのかという地理的な問題はこれで片付いた。

長久手古戦場という駅があることはこの計画を立て始めた頃に知った。
秀吉と家康が衝突した小牧での対陣は長期間に及び、戦線は南北に伸びて長大を極めたという。
このあたりも戦場だったのだろう。

東京から名古屋に行くということは西へ向かうわけだが、正確に言えば愛知県に入ってからは北西に向かい、安城あたりからは北上する。
織田信長はつまり制覇戦のはじめは北へ向かった。
岐阜に向かった。

西でも東でもどうでもいいことだが、この国の地図をずっと誤解しながら生きてきたことに恥じるよりもむしろ新鮮な気持ちでいる。

関連記事

「車旅日記」2006年初夏 2日目(岐阜-近江八幡) その1-東横イン名鉄岐阜、大垣駅、養老駅、阿下喜駅、西藤原駅、湯の山温泉駅、四日市駅、鈴鹿サーキット稲生駅 【これが最後の車旅でございます。鈴鹿山脈を回るように、終着駅を探して走ったのでございます。】

車旅日記2006年7月16日・・・東横イン名鉄岐阜、大垣駅、養老駅、阿下喜駅、西藤原駅、湯の山温泉駅

記事を読む

「鉄旅日記」2021年春 初日(東京-松本)その2 ‐高尾、大月、塩山、甲府、日野春(中央本線) 【週末パスで信濃へ。妙高高原駅で引き返し、松本の友人を訪ね、大糸線を旅して思い出の白馬へ。先の旅から一週間後のことでございました。】

鉄旅日記2021年4月24日・・・高尾駅、大月駅、塩山駅、甲府駅、日野春駅(中央本線) 7:

記事を読む

「鉄旅日記」2012年春 その1-扇町、浅野、海芝浦、国道、大川、保土ヶ谷、東戸塚、網代、伊豆多賀、宇佐美、熱海(鶴見線、海芝浦支線、大川支線、東海道本線、伊東線) 【青春18きっぷで、鶴見線・伊豆・駿河途中下車旅】

鉄旅日記2012年4月8日その1・・・扇町駅、浅野駅、海芝浦駅、国道駅、大川駅、保土ヶ谷駅、東戸塚駅

記事を読む

「鉄旅日記」2000年晩秋【京都の女性に恋をしていた頃がございました。その京都時代のはじまりでございます。】-京都タワーホテル

鉄旅日記2000年11月23日~24日 2000・11・23 0:03 京都タワーホテル924号室

記事を読む

「鉄旅日記」2017年夏 (姫路-十三)その1-山陽姫路、山陽網干、飾磨、大塩、高砂、山陽垂水、垂水、滝の茶屋、山陽塩屋、塩屋、山陽須磨(山陽電車本線/山陽電車網干線) 【私鉄王国で過ごす夏】

鉄旅日記2017年8月13日・・・山陽姫路駅、山陽網干駅、飾磨駅、大塩駅、高砂駅、山陽垂水駅、垂水駅

記事を読む

「鉄旅日記」2019年弥生Part.1 初日(東京-紀伊田辺)その2-滝原、三野瀬、尾鷲、宇久井、田並(紀勢本線) 【和歌山電鐵に乗るために、青春18きっぷで紀伊半島一周を思い立ったのでございます。】

鉄旅日記2019年3月2日・・・滝原駅、三野瀬駅、尾鷲駅、宇久井駅、田並駅(紀勢本線) 14:14

記事を読む

「鉄旅日記」2018年師走 初日(東京-津)その1-金町、西桑名、楚原、阿下喜、麻生田、丹生川(常磐線/三岐鉄道北勢線/三岐鉄道三岐線) 【伊勢のいくつもの終着駅に降りまして、神島で2018年最後の満月を眺めたのでございます。】

鉄旅日記2018年12月22日・・・金町駅、西桑名駅、楚原駅、阿下喜駅、麻生田駅、丹生川駅(常磐線/

記事を読む

「鉄旅日記」2012年夏 【青春18きっぷで、北海道途中下車旅】4日目(岩見沢-羽後本荘)-岩見沢、札幌、銭函、小樽、倶知安、蘭越、長万部、中ノ沢、五稜郭、上磯、釜谷(函館本線、江差線)

鉄旅日記2012年8月14日・・・岩見沢駅、札幌駅、銭函駅、小樽駅、倶知安駅、蘭越駅、長万部駅、中ノ

記事を読む

「鉄旅日記」2019年霜月 初日(東京-五所川原)その3‐小牛田、一ノ関、盛岡、八戸、野辺地(東北本線/IGRいわて銀河鉄道/青い森鉄道) 【津軽鉄道、弘南鉄道に乗りにいきました。羽州街道を歩いた晩秋の旅でございます。】

鉄旅日記2019年11月2日・・・小牛田駅、一ノ関駅、盛岡駅、八戸駅、野辺地駅(東北本線/IGRいわ

記事を読む

「鉄旅日記」2009年皐月【四国へ、途中下車の旅】4日目(高知-宇和島)-高知、朝倉、伊野、斗賀野、須崎、窪川、中村、宿毛、宇和島(土讃本線、土佐くろしお鉄道中村線/宿毛線、予土線)

鉄旅日記2009年5月4日・・・高知駅、朝倉駅、伊野駅、斗賀野駅、須崎駅、窪川駅、中村駅、宿毛駅、宇

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

「鉄旅日記」2022年水無月 最終日(中山平温泉-東京)その4 ‐土浦、ひたち野うしく、亀有(常磐線)【鳴子温泉郷の湯を求めての旅でございます。】/葛西神社~江戸川堤葛飾情緒

鉄旅日記2022年6月12日・・・土浦駅、ひたち野うしく駅、亀有駅(

「鉄旅日記」2022年水無月 最終日(中山平温泉-東京)その3 ‐勝田、水戸、友部、宍戸(常磐線/水戸線)【鳴子温泉郷の湯を求めての旅でございます。】

鉄旅日記2022年6月12日・・・勝田駅、水戸駅、友部駅、宍戸駅(常

「鉄旅日記」2022年水無月 最終日(中山平温泉-東京)その2 ‐小牛田、松島、高城町、陸前浜田、榴ヶ岡、仙台(東北本線/仙石線)【鳴子温泉郷の湯を求めての旅でございます。】

鉄旅日記2022年6月12日・・・小牛田駅、松島駅、高城町駅、陸前浜

「鉄旅日記」2022年水無月 最終日(中山平温泉-東京)その1 ‐中山平温泉、鳴子温泉(陸羽東線)/旅館三之丞湯【鳴子温泉郷の湯を求めての旅でございます。】

鉄旅日記2022年6月12日・・・中山平温泉駅、鳴子温泉駅(陸羽東線

「鉄旅日記」2022年水無月 初日(東京-中山平温泉)その3 ‐小牛田、古川、上野目、池月、鳴子温泉、中山平温泉(陸羽東線)【鳴子温泉郷の湯を求めての旅でございます。】

2022年6月11日・・・小牛田駅、古川駅、上野目駅、池月駅、鳴子温

→もっと見る

    PAGE TOP ↑