*

「鉄旅日記」2015年春【名鉄電車2DAYフリーきっぷで行く、中京旅】初日その3(東京-岩倉)-太田川、常滑、中部国際空港、上小田井、西春、岩倉(名鉄常滑線/名鉄空港線/名鉄犬山線)

公開日: : 最終更新日:2024/05/29 旅話, 旅話 2015年

鉄旅日記2015年3月7日その3・・・太田川駅、常滑駅、中部国際空港駅、上小田井駅、西春駅、岩倉駅(名鉄常滑線/名鉄空港線/名鉄犬山線)

19:04 太田川(おおたがわ)駅(名鉄河和線/名鉄常滑線 愛知県)
駅構内に太田川駅の古めかしい写真が飾ってあった。
中部国際空港開港から名鉄常滑線はおそらく大きく変貌を遂げたのであろう。

たった今、ホームにいるオレの前を超特急が走り抜けた。
その間、約1秒。あっという間の出来事だった。

ここは古い町なのだろうが、冒頭の事情により新しく生まれ変わったように見える。
駅前はだだっ広い広場になっていて、飲食店が集まった建物がBARを巨大化させたような明かりを闇に浮かべている。
駅は3層構造になっていて名古屋方面行きは一番上の階層を使用している。
やけに高い場所から駅前を見下ろしていた。

雨脚はさらに強まっている。

19:32 常滑(とこなめ)駅(名鉄常滑線/名鉄空港線 愛知県)
やけに何もない駅前だ。
やけに明かりの少ない街だ。

想像とのあまりの相違に途方に暮れかけたが、思いを振りきって4分後にやってきた特急に乗った。
滞在時間はたった4分。
線路は続いているが、この先から空港線と線名が変わる。

もうすぐ終点の空港駅で、車内に厳かなムード音楽が流れてきた。
飛行機に乗って目的地が近づくと同じような事が起こる。
ワルくないが、なぜだか笑いが込み上げてくる。
これがオレが勝手に感じている名古屋的野暮ったさなのだろう。

19:50 中部国際空港(ちゅうぶこくさいくうこう)駅(名鉄空港線 愛知県)
大都市の人口比とはこんな場所でよく分かるものなのだろう。

開港当初からさして汚れを身にまとっていないであろう空港も駅も新しいままで、そして人の姿は圧倒的に少ない。
関空が、ましてや羽田や成田がこんな状態であったことなどおそらく一度としてないであろう。
喫煙所にも煙草の臭いは染み付いていない。

空港内を歩く気分はいい。
それはどこの空港でも変わらないけど、国際空港だけあってイメージしたのは漠然とした海外だった。

特定しろと言うのならホノルルだ。
「アカペラのジングル。
FMステーションからエアポートの声が流れだす~。
ホノルル行きは1時間遅れ。
いつか行こうと約束のままね。」と確か1度は口ずさんだ。

外国人はアラブ系のみを見かけ、駅の売店のおばちゃんにビールを出してコンニチワと挨拶したら、彼女は自分の知り合いにこんな顔のヤツはいたかと一瞬怪訝そうな表情を浮かべた後、ただの挨拶だと分かって、バツの悪そうな表情を浮かべた。

帰りに通り過ぎた常滑駅はより一層閑散としていた。

20:56 上小田井(かみおたい)駅(名鉄犬山線 愛知県)
名古屋高速環状2号線の高架道路下を走る302号国道脇にある駅。
大都市の音と光が交錯するが、駅前には商店の類いは見事なまでに何もない。

一緒に降りた人々が方々に散ると薄暗い街角になる。
名古屋とはこういう街だとのオレの認識はほぼ構築され、誤りを指摘されないレベルに達しつつあるだろう。

腰掛けていれば始終貧乏揺すりをして、あちこちを移動しながら絶えず歯をほじくっている男がいた。
きちんとした身なりをして顔も悪くない。
だから名古屋はなどと言うつもりはないが、次にいつ下り立つか判らないオレのようなよそ者にとっては、彼は名古屋を印象づける決定的な存在になったりする。

21:08 西春(にしはる)駅(名鉄犬山線 愛知県)
行政区分は北名古屋市となっている。
大都市の匂いは消え、犬山方面行き急行を待つのはオレを含めて二名のみ。

人気の絶えた商店街が雨に煙ってぼんやりと浮かぶ様は映画「ブレードランナー」的な退廃を漂わせ、とうに過ぎ去った名古屋駅周辺の明かりもまたあまりにも暗かったと、今更ながらに思い出している。

23:27 ビジネスホテル岩倉205
路上青年が歌う「ワインレッドの心」が聞こえる改札を抜けて地上に出てみれば想像通りの平凡な街並みで、歩いてきた道程にコンビニは一軒のみ。
そこで仕入れた物を広げて楽しんでいる。

雨を気にはしていなかったが、この街に着いて疲労を感じるとともに気になり始め、そこでようやく傘を必要とした。
駅を出た当初から使っていれば不必要な気持ちにならずに済んだのに。
オレの性格と今までの人生が垣間見えた。

テレビはつけていない。
聞こえてくるのはエアコンの音と濡れた路面を行き交う車の音のみ。

明日になれば結局オレはこの街のどこにも寄らずに始発電車で離れていく。
何も知らずに離れていく。

オレと岩倉の付き合いとは何だったのか。
オレの中では放っておいてもいい問題ではない。
犬山で育った知人の話じゃ、岩倉は暴力団の抗争で過去に危険なことがあったという。

ここからは小牧が近い。
小牧とは名古屋から見たら一体どこにあるのかという地理的な問題はこれで片付いた。

長久手古戦場という駅があることはこの計画を立て始めた頃に知った。
秀吉と家康が衝突した小牧での対陣は長期間に及び、戦線は南北に伸びて長大を極めたという。
このあたりも戦場だったのだろう。

東京から名古屋に行くということは西へ向かうわけだが、正確に言えば愛知県に入ってからは北西に向かい、安城あたりからは北上する。
織田信長はつまり制覇戦のはじめは北へ向かった。
岐阜に向かった。

西でも東でもどうでもいいことだが、この国の地図をずっと誤解しながら生きてきたことに恥じるよりもむしろ新鮮な気持ちでいる。

関連記事

「鉄旅日記」2007年新春【本格的に鉄旅が始まりまして、まずは冬の北陸を目指したのでございます。】初日(東京-高岡)-東京、岐阜、美濃太田、下呂、高山、角川、猪谷、富山、高岡(東海道新幹線/高山本線/北陸本線)

鉄旅日記2007年1月6日・・・東京駅、岐阜駅、美濃太田駅、下呂駅、高山駅、角川駅、猪谷駅、富山駅、

記事を読む

「鉄旅日記」2017年夏【私鉄王国で過ごす夏】2日目(大垣-姫路)その1-大垣、能登川、栗東、草津、石部、三雲、甲南、油日、甲賀、柘植(東海道本線/草津線)

鉄旅日記2017年8月12日・・・大垣駅、能登川駅、栗東駅、草津駅、石部駅、三雲駅、甲南駅、油日駅、

記事を読む

「鉄旅日記」2020年文月【コロナ禍でございます。内緒の旅でございました。余部鉄橋へ。萩へ。霧の街へ。東京五輪延期で浮いた4連休の記録でございます。】初日(東京-香住)その2‐静岡、浜松、豊橋、名古屋、大垣(東海道本線)

鉄旅日記2020年7月23日・・・静岡駅、浜松駅、豊橋駅、名古屋駅、大垣駅(東海道本線) 8

記事を読む

「鉄旅日記」2009年秋【遅い夏休みをとり、長崎までの切符を買いました。】4日目(佐賀-松浦)その2-大村、竹松、早岐、佐世保、佐世保中央、中佐世保、左石、佐々、たびら平戸口、松浦(大村線/佐世保線/松浦鉄道)

鉄旅日記2009年9月21日・・・大村駅、竹松駅、早岐駅、佐世保駅、佐世保中央駅、中佐世保駅、左石駅

記事を読む

「車旅日記」1997年夏【男鹿半島を目指した夏。友と過ごし、旧友と再会したみちのく旅でございます。】3日目(田沢湖近辺-男鹿半島-鳴子)-和田駅、入道崎、八望台、男鹿駅、道川駅、矢島駅、鳴子サンハイツ

車旅日記1997年8月15日 1997・8・15 9:04 和田駅 855㎞ 友と19時間をとも

記事を読む

「鉄旅日記」2008年初秋【秋になると北陸に行きたくなるものでございます。能登半島をはじめ、いくつもの終着駅へと行き着いたのでございます。】2日目(羽咋-福井)その1-羽咋、七尾、穴水、和倉温泉、北鉄金沢、内灘、粟ヶ崎、金沢(七尾線/のと鉄道/北陸鉄道浅野川線)

鉄旅日記2008年9月14日・・・羽咋駅、七尾駅、穴水駅、和倉温泉駅、北鉄金沢駅、内灘駅、粟ヶ崎駅、

記事を読む

「鉄旅日記」2020年文月【コロナ禍でございます。内緒の旅でございました。余部鉄橋へ。萩へ。霧の街へ。東京五輪延期で浮いた4連休の記録でございます。】3日目(萩-三次)その1‐萩、玉江、東萩(山陰本線)

鉄旅日記2020年7月25日・・・萩駅、玉江駅、東萩駅(山陰本線) 2020・7・25&nb

記事を読む

「鉄旅日記」2018年秋【「JR東海&16私鉄乗り鉄☆たびきっぷ」でめぐる東海旅】初日(東京-岳南江尾-豊橋-三河田原-岡崎-尾張瀬戸-勝川-枇杷島-桑名)その2-吉原、岳南江尾、本吉原、吉原本町、吉原、富士川、新蒲原、西焼津、新豊橋、三河田原(岳南電車岳南線/東海道本線/豊橋鉄道渥美線)

鉄旅日記2018年9月15日・・・吉原駅、岳南江尾駅、本吉原駅、吉原本町駅、富士川駅、新蒲原駅、西焼

記事を読む

「鉄旅日記」2017年春【近鉄に乗る日々】2日目(新大宮-大阪難波)その1-近鉄奈良、新田辺、三山木、JR三山木、狛田、下狛、新祝園、祝園、学園前、学研奈良登美ヶ丘(奈良線/京都線/けいはんな線)

鉄旅日記2017年3月18日・・・近鉄奈良駅、新田辺駅、三山木駅、JR三山木駅、狛田駅、下狛駅、新祝

記事を読む

「車旅日記」2004年夏【九州を一周してみよう。そう思いたった、真夏の日々でございます。】2日目(別府-阿蘇-宮崎)走行距離337㎞その2-高森駅、高千穂駅、延岡駅、日向市駅、佐土原駅、アーバンキット宮崎

車旅日記2004年8月12日・・・高森駅、高千穂駅、延岡駅、日向市駅、佐土原駅、アーバンキット宮崎

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

「鉄旅日記」2021年夏【4度目の緊急事態宣言前。飯山線に乗りたくて旅を思い立ちました。湯檜曽駅で夏の第一声を聞き、信越路を歩いた記録でございます。】初日(東京-上田)その4 ‐長野、御代田、小諸、上田(信越本線/しなの鉄道)

鉄旅日記2021年7月10日・・・長野駅、御代田駅、小諸駅、上田駅(

「鉄旅日記」2021年夏【4度目の緊急事態宣言前。飯山線に乗りたくて旅を思い立ちました。湯檜曽駅で夏の第一声を聞き、信越路を歩いた記録でございます。】初日(東京-上田)その3 ‐しんざ、十日町、越後鹿渡、津南、戸狩野沢温泉(北越急行ほくほく線/飯山線)

鉄旅日記2021年7月10日・・・しんざ駅、十日町駅、越後鹿渡駅、津

「鉄旅日記」2021年夏【4度目の緊急事態宣言前。飯山線に乗りたくて旅を思い立ちました。湯檜曽駅で夏の第一声を聞き、信越路を歩いた記録でございます。】初日(東京-上田)その2 ‐湯檜曽、水上、越後湯沢、六日町(上越線)

鉄旅日記2021年7月10日・・・湯檜曽駅、水上駅、越後湯沢駅、六日

「鉄旅日記」2021年夏【4度目の緊急事態宣言前。飯山線に乗りたくて旅を思い立ちました。湯檜曽駅で夏の第一声を聞き、信越路を歩いた記録でございます。】初日(東京-上田)その1 ‐金町、上野、高崎、水上(常磐線/高崎線/上越線)

鉄旅日記2021年7月10日・・・金町駅、上野駅、高崎駅、水上駅(常

「鉄旅日記」2021年皐月【ツレと房総に出かけました。宿泊地は勝浦でございます。房総横断鉄道に乗り、養老渓谷でも思い出深い時を過ごしたのでございます。】最終日-勝浦駅、大原駅、大多喜駅、上総中野駅、養老渓谷駅、五井駅(外房線/いすみ鉄道/小湊鉄道)/養老渓谷2階建てトンネル

鉄旅日記2021年5月23日・・・勝浦駅、大原駅、大多喜駅、上総中野

→もっと見る

    S