*

「鉄旅日記」2013年夏 3日目(南宮崎-隼人)その2-宮崎、清武、田野、山之口、西都城、餅原、都城、京町温泉、えびの、吉松(日豊本線、吉都線) 【青春18きっぷで、鹿児島県志布志へ】

公開日: : 最終更新日:2025/06/10 旅話, 旅話 2013年

鉄旅日記2013年8月12日その2・・・宮崎駅、清武駅、田野駅、山之口駅、西都城駅、餅原駅、都城駅、京町温泉駅、えびの駅、吉松駅(日豊本線、吉都線)

13:30 宮崎(みやざき)駅(日豊本線/日南線/宮崎空港線 宮崎県)
さすがに宮崎。
ビールが冷えている。

9年前の夜は閑散としていた駅へ車の列は続き、人は流れ、ホームには次々と電車がやってくる。
南国宮崎らしい暑い一日が訪れている。

大淀川を越えると南宮崎。
これだけの大河を間に置いていれば、宮崎と南宮崎で文化も違うことだろう。

13:45 清武(きよたけ)駅(日豊本線 宮崎県)
数分の停車。

海国ではなく、山国宮崎の入口みたいな駅と町だ。
清潔感がある。
意外だが駅員がいる。

発車して5分。
列車は山林と畑地の中を走っている。

14:00 田野(たの)駅(日豊本線 宮崎県)
数分の停車。
太陽益々盛んだ。

「わにつか堂」という菓子屋が駅に入っていて、ひとりの若者が表のベンチでかき氷と格闘していた。

駅前の大きな案内板には古墳その他歴史的なものは何もなく、ただ田野町の機能がどこにあるのかが示されていた。

14:25 山之口(やまのくち)駅(日豊本線 宮崎県)
数分の停車。
駅員はいないが、あまり見かけたことのない外観が立派な駅を降りると郵便局があって、一杯飲み屋がある。

日豊本線と並行する道に出たら何を見ただろう。
ここには町があった。

14:57 西都城(にしみやこのじょう)駅(日豊本線 宮崎県)
ここも再訪。
前回は8年前の2月だった。
正確にはもう思い出せないレベルの過去だ。

何か変わったという印象は受けない。
国道に面したシュールな構造物を見て記憶も蘇った。

ビールを買った酒屋で四万十市がとうとう気温41度を記録したと聞いた。

一つ手前の都城から吉都線に乗るが、乗り換えまで時間があるので都城を越して、宮崎方面に戻る。

15:31 餅原(もちばる)駅(日豊本線 宮崎県)
西都城から3駅宮崎方面に戻る。
約1時間前の山之口駅はさらに宮崎方面へ1駅目。

真夏の南国。
ド田舎の駅にひとりという状況を描いたけど、先客が二人いる。
知ったことではないが、彼等の今日一日に興味はある。
1時間前に乗っていた西都城行の列車でこの駅に降りたのは見ていた。
それからまだそこに座っていたのかと。

行きの車窓から眺めていて駅舎もなければ周辺にも何もないことは分かっていた。
でも駅から数段の階段を上がった先に見える原野のような風景に用があった。
トウモロコシ畑と肥溜めの匂いが漂い、老農夫はのんびりと車を動かし、普段のオレの生活に見られるものは何もなく、普段想像もしていないものだけがあった。

文明に見放されているという者もいるだろうけど、オレはそれを文化と呼ぶ。

再び都城方面へと戻る。


16:07 都城(みやこのじょう)駅(日豊本線/吉都線 宮崎県)
街に戻って、覚えているものもあれば、忘れているものもある。
たぶん後者の方が多いだろう。
だから離れ難かった。

駅も記憶より立派で、なぜかその事実に接して、あらゆる意味であの頃は自身の完成には程遠かったのだと知った。
もちろん今も完成を目指しているところだけれど。

列車は都城を出てからもう30分になろうとしている。
突然の夕立が都城を出てから早々に降りていった若者たちを濡らし、最近の暑さで熱を溜め込んだ九州の大地を冷ますかと思ったが、高崎新田に至ると雨が落ちた形跡すらなかった。

18:00 京町温泉(きょうまちおんせん)駅(吉都線 宮崎県)
ひと雨降って涼しくなり、また蒸してきた。

8年前に見た、いくつものぼんぼりに照らされた冬の温泉街は幻だったのか。
それに類する光景は駅周辺には見られない。

駅周辺に点在する温泉街は京町銀天街から成っている。
閉鎖され打ち捨てられたままの旅館、いくつものスナック、フィリピンダンサーズを雇うクラブ、猫が居座る足湯場。

この温泉街は営業しているのだろうか。
一向に灯を入れそうにない温泉街のたたずまいはこの駅の無用なまでに長いホームに通じるものがある。
都城でも感じたよ。
栄光が去ったあとに残るものには哀しさがつきまとう。
まるで人生のように。

吉都線開業100周年だという。
当り前のように動いている鉄道だが、よくもまあと思う。

煙草がやけに美味くてこれから2本目に火をつける。
ビールはもう空だ。
思いがけず、だけどごく自然に、望んでいた時間が訪れた。

あとはこうして蝉の声を聞きながら列車が来るのを待てばいい。
じきにくる。
踏切の警笛が聞こえてきた。


18:40 えびの駅(吉都線 宮崎県)
ひと駅戻る。

開業当初は「霧野」という駅名だったらしい。
その頃からのものと思われる歴史的建造物に腰掛けている。
オレにはこれを懐かしいと喜ぶ心がある。

駅を出て、街には見るべきものは何もなかったが、改装が終了してたくさんの人を集める東京駅より、オレはここにいたい。

七夕飾りはそのままに、夏はまだ続く。
たまらない風情と愛すべき本物の日本の夏がここにある。

そして夕暮れを迎える。
秋の訪れの前に駅はビヤガーデンになるという。




19:34 吉松(よしまつ)駅(肥薩線/吉都線 鹿児島県)
南国の人懐っこさに、酒屋のご主人に「いい夕暮れですね。」と声をかけた。

吉松では時間がありすぎると思っていたが、愛すべきこの国の夕暮れをまたしても堪能できた。
暮れゆく本願寺派のお寺。川内川は霧島が源流か。ここで再会できてうれしい。商店の灯は僅かで夜の早い町、湧水町。

吉都線に入ってから、この旅はやけにロマンティックなものになった。

これから肥薩線で隼人に向かう。


関連記事

「鉄旅日記」2020年文月 初日(東京-香住)その4‐太秦、撮影所前、帷子ノ辻、保津峡、千代川(山陰本線) 【コロナ禍でございます。内緒の旅でございました。余部鉄橋へ。萩へ。霧の街へ。東京五輪延期で浮いた4連休の記録でございます。】

鉄旅日記2020年7月23日・・・太秦駅、撮影所前駅、帷子ノ辻駅、保津峡駅、千代川駅(山陰本線)

記事を読む

「鉄旅日記」2009年秋 5日目(松浦-若松)その2-宇美、西戸崎、香椎、福間、赤間、折尾、若松(鹿児島本線/香椎線/筑豊本線) 【遅い夏休みをとり、長崎までの切符を買いました。】

鉄旅日記2009年9月22日・・・宇美駅、西戸崎駅、香椎駅、福間駅、赤間駅、折尾駅、若松駅(鹿児島本

記事を読む

「車旅日記」1997年梅雨明け【疲れきった若き日々。またしても向かうのは北でございました。】(東京-鳴子温泉)初日-町田、用賀、築地、北松戸、荒川沖駅、美野里パーキング、常陸多賀駅、いわき久ノ浜パーキング

車旅日記1997年7月19日 1997・7・19 19:42 東京町田 さしたる感慨も浮かばない。

記事を読む

「鉄旅日記」2008年皐月 4日目(徳島-善通寺)その1-徳島、中田、旧小松島駅、南小松島、阿南、牟岐、海部、甲浦(牟岐線/安佐海岸鉄道) 【旅は京都から始まり、山陰から下関へ。そして四国へと渡ったのでございます。】

鉄旅日記2008年5月5日・・・徳島駅、中田駅、旧小松島駅、南小松島駅、阿南駅、牟岐駅、海部駅、甲浦

記事を読む

「鉄旅日記」2018年エイプリルフール その1-金町、上野、鹿沼、日光、東武日光、宇都宮、野崎(常磐線/東北本線/日光線) 【8年振りに金町に帰ってまいりました。青春18きっぷはまだ3日分残っております。呼んでくれたのは会津でございました。】

鉄旅日記2018年4月1日・・・金町駅、上野駅、鹿沼駅、日光駅、東武日光駅、宇都宮駅、野崎駅(常磐線

記事を読む

「鉄旅日記」2006年如月 その1-取手、土浦、勝田、阿字ヶ浦、那珂湊、日立、大津港(常磐線/茨城交通) 【房総半島から1週間。常磐線に乗って、下っていったのでございます。】

鉄旅日記2006年2月11日・・・取手駅、土浦駅、勝田駅、阿字ヶ浦駅、那珂湊駅、日立駅、大津港駅(常

記事を読む

「鉄旅日記」2012年春 その2-川原湯温泉、岩島、群馬藤岡、高麗川、拝島、昭島、中神、武蔵溝ノ口、武蔵中原、鹿島田、尻手(吾妻線、八高線、青梅線、南武線) 【青春18きっぷで、ダム湖に水没する鉄路へ】

鉄旅日記2012年4月1日その2・・・川原湯温泉駅、岩島駅、群馬藤岡駅、高麗川駅、拝島駅、昭島駅、中

記事を読む

「鉄旅日記」2009年晩秋 初日(東京-倉敷)その2-北条町、姫路、播州赤穂、日生、備前片上、西片上、倉敷(北条鉄道/加古川線/山陽本線/赤穂線) 【陰陽を行き来した3日間。この国の秋は美しゅうございました。】

鉄旅日記2009年11月21日・・・北条町駅、姫路駅、播州赤穂駅、日生駅、備前片上駅、西片上駅、倉敷

記事を読む

「鉄旅日記」2020年晩秋 最終日(武生-東京)その1‐越前武生、武生、三方、美浜(北陸本線/小浜線) 【大人の休日倶楽部パスで北陸へ。新幹線、在来線特急乗り放題でございます。魚津、雨晴をめぐり、氷見線、万葉線、城端線、七尾線、えちぜん鉄道、福武線、北陸鉄道との再会でございます。】

鉄旅日記2020年11月23日・・・越前武生駅、武生駅、三方駅、美浜駅(北陸本線/小浜線)

記事を読む

「鉄旅日記」2020年如月 2日目(大船渡-釜石)その3‐宮古、蟇目、茂市(山田線)/蛇の目寿司 【東日本大震災で被害を受けた大船渡に泊まりにまいりました。山田線完全乗車も目指しておりましたが・・。】

鉄旅日記2020年2月23日・・・宮古駅、蟇目駅、茂市駅(山田線)/蛇の目寿司 13:25 宮古蛇

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

「鉄旅日記」2022年盛夏 4日目(高松-大津)その3 ‐野里、香呂、仁豊野、溝口、鶴居、寺前(播但線)【讃州高松に時空の友を訪ねて。小海線、津山線、播但線、山陰本線の駅旅も印象深い旅でございます。】

鉄旅日記2022年8月14日・・・野里駅、香呂駅、仁豊野駅、溝口駅、

「鉄旅日記」2022年盛夏 4日目(高松-大津)その2 ‐法界院、野々口、津山、佐用、播磨新宮、姫路(津山線/姫新線)【讃州高松に時空の友を訪ねて。小海線、津山線、播但線、山陰本線の駅旅も印象深い旅でございます。】

2022年8月14日・・・法界院駅、野々口駅、津山線、佐用駅、播磨新

「鉄旅日記」2022年盛夏 4日目(高松-大津)その1 ‐高松、鬼無、坂出、岡山(予讃本線/本四備讃線)【讃州高松に時空の友を訪ねて。小海線、津山線、播但線、山陰本線の駅旅も印象深い旅でございます。】

鉄旅日記2022年8月14日・・・高松駅、鬼無駅、坂出駅、岡山駅(予

「鉄旅日記」2022年盛夏 3日目-友と過ごす一日をFacebookへの投稿より振り返ります ‐東浜恵美須神社、北浜恵美須神社、片原町駅、三津浜駅、梅津寺駅、高浜駅、龍神社、三津駅【讃州高松に時空の友を訪ねて。小海線、津山線、播但線、山陰本線の駅旅も印象深い旅でございます。】

鉄旅日記2022年8月13日・・・東浜恵美須神社、北浜恵美須神社、片

「鉄旅日記」2022年盛夏 2日目(伊那市-高松)その3 ‐相生、岡山、坂出、高松(山陽本線/本四備讃線/予讃本線)【讃州高松に時空の友を訪ねて。小海線、津山線、播但線、山陰本線の駅旅も印象深い旅でございます。】

鉄旅日記2022年8月12日・・・相生駅、岡山駅、坂出駅、高松駅(山

→もっと見る

    PAGE TOP ↑