「鉄旅日記」2013年夏 4日目(隼人-岩国)その1-隼人、鹿児島、鹿児島中央、上伊集院、薩摩松元、川内、出水、新水俣、新八代(日豊本線、鹿児島本線、肥薩おれんじ鉄道) 【青春18きっぷで、鹿児島県志布志へ】
鉄旅日記2013年8月13日その1・・・隼人駅、鹿児島駅、鹿児島中央駅、上伊集院駅、薩摩松元駅、川内駅、出水駅、新水俣駅、新八代駅(日豊本線、鹿児島本線、肥薩おれんじ鉄道)
2013・8・13 5:04 隼人(はやと)駅(日豊本線/肥薩線 鹿児島県)
昨夜、楽しみにしていた「まんさくラーメン」は閉まっていた。
過去2度、車で駅前を通った際に胃袋を満たしてくれたとても美味しいラーメン屋さんだった。
地方の町だから、あるいは閉店時間は早いかもしれないと思い、竹で覆われた涼し気な隼人駅を愛でる前に見に行ったのだけれど。
その結果、駅前の「Aco-op」で九州の魚で埋め尽くされた刺身盛りを購入した。
とても美味しかったけど、ひとりには多すぎた。
今朝こうして暗いうちに隼人を離れていく。
線路と並行した駅前通りが一本あるだけの賑やかさには欠ける町で、隼人塚、鹿児島神宮が近くの名所として挙げられる。
隼人塚は列車から見える。
鹿児島神宮は、西郷さん所縁の地を謳っている。

鹿児島(かごしま)駅(鹿児島本線/日豊本線 鹿児島県)にて


鹿児島市内



6:35 鹿児島中央(かごしまちゅうおう)駅(九州新幹線/鹿児島本線/日豊本線/指宿枕崎線 鹿児島県)
車内から見える錦江湾と桜島。
平行する10号国道でも変わらずはっきりと見える。
特に竜ケ水あたりからの眺めはとても見事で、タメ息が出るほどだ。
でも今日は残念だ。
錦江湾は靄リ、桜島の姿はおぼろ気だった。
今日もよく晴れてとても暑いのだけれど。
鹿児島駅から広い街中を歩く。
要した時間は53分。
山形屋百貨店の偉容と路面電車がシンクロする様に惚れ惚れとする。
鹿児島に実家を持つ友人の話だと、週末に家族で山形屋に買い物に買い物に出かけて食事をするのが何よりの楽しみだったという。
オレにもそんな過去がある。
オレの場合は東京都町田市の小田急百貨店だが。
マイアミ通りからドルフィンパークへ。
そして大汗をかきながら、まだ完成を見ない工事中の鹿児島中央駅へ。
市内の至るところに幕末維新の偉人たちが銅像となって蘇っていた。
明治維新と世界王座交代劇の街、鹿児島。
ジャイアント馬場は昭和49年師走にこの街でジャック・ブリスコを破り、当時「世界最強の男」として称されたNWA世界王者になっている。
6:53 上伊集院(かみいじゅういん)駅(鹿児島本線 鹿児島県)
洋館風のイカした駅だ。
市内を出るとすぐに山間に入る。
住宅地ができつつあるが、まだ鬱蒼とした木立に囲まれている。
鹿児島中央から2駅。
本格的で美味しそうなパンを駅横のコンビニで購入する。

7:15 薩摩松元(さつままつもと)駅(鹿児島本線 鹿児島県)
傾斜地に建設された駅。
ホームは駅の入口から薄暗い階段を上ったところにある。
地元民の請願によって全額地元負担で駅の建設が実現したという経緯が入口に記されている。
高台にあるホームから素朴な九州の里山風景が見渡せる。


9:19 川内(せんだい)駅(九州新幹線/鹿児島本線/肥薩おれんじ鉄道 鹿児島県)
川内から先、八代までの県境をまたぐ区間は、九州新幹線開通により鹿児島本線から切り離されて、第三セクター「肥薩おれんじ鉄道」となり、乗り換えが必要になる。
乗り換え時間は5分。
青春18きっぷを見せると乗り降り自由のお得なフリー切符が購入できるが、窓口に列ができている。
駅員の段取りが悪く、乗り遅れてしまった。
オレに向かって発車した列車を止めてくれなどと言う。
さらに受け取った釣り銭が1,000円足りなかった。
結局取り戻したが、著しく気分を害する。
計画は立て直され、清潔な便所にはいけたし、思いがけず街も歩けた。
土産も買えた。
ビールも飲んだ。
もう大丈夫。
鹿児島から九州の玄関口の門司へと至る3号国道。
川内市内は、川内川の手前までがアーケード街になっている。
昨日吉松で再会した川内川はここで東シナ海に出る。
大河だ。
3号国道に並行して歓楽街がある。
日本一の大綱引きがあるそうだが、そうなると去年の夏に降りた秋田の刈和野の立場はどうなるのか。
かの地でも日本一の大綱引きを謳っている。
8年前に川内に寄った時は九州新幹線開業当初だったこともあって駅は大賑わいだった。
中には新幹線の姿を直に見るのは初めてだという素朴な薩摩人もいたことだろう。
その騒ぎはもはや落ち着き、一地方都市の姿に戻っていた。



10:30 出水(いずみ)駅(九州新幹線/肥薩おれんじ鉄道 鹿児島県)
10数分の停車。
白鳥の飛来地として知られた街だという。
以前に立ち寄った際にも見た古めかしい旧国鉄駅舎は健在だった。
使われている様子は見られない。
反対側の新幹線口を覗くことをためらい、そのままホームへと戻る階段を下った。
駅前には何もなく、街の全貌を掴むことはできない。
出水は知人の奥さんの出身地でもある。
街の明かりが見える高台で、ホタルが乱飛する様を見て仰天したと、いつか彼から聞かされた。

11:02 新水俣(しんみなまた)駅(九州新幹線/肥薩おれんじ鉄道 熊本県)
2分の停車。
3号国道沿いの新駅だ。
9年前に通ったよ。
ここには街も何もない。
肥薩おれんじ鉄道の駅舎もない。
ひとつ手前が水俣。
水俣病の話は今も続いていて、街のイメージを落としてはいるが、機会があれば降りてみたい街ではある。

12:13 新八代(しんやつしろ)駅(九州新幹線/鹿児島本線 熊本県)
八代の工場の煙突からもうもうと白煙が上がっている。
途中の上田浦あたりを日本の地中海と呼ぶらしい。
八代海の先に天草諸島が見える絶景地だ。
必死になって線路を追い、駅を探した8年前。
車窓から食い入るように眺め、あの日に車を止めた場所を特定できた。
海に面したお寺の石段下。
横溝正史の小説に出てきそうな風情漂う場所だが、2月の太陽に照らされてあの日はとても暖かく、お年寄りの話す熊本弁が新鮮だった。
今回はあっという間に通り過ぎた。
再訪の思いがもたげてくる。
ここ新八代駅は最近まで空地だったところだろう。
周囲はとても静かで何もなかったよ。
ここで鹿児島本線に乗り換える。

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