「鉄旅日記」2022年新春 2日目(湯瀬温泉-三沢)その5 ‐青森、三沢(青い森鉄道)/ホテル天水 【巨大な土偶が貼りつく木造駅を見たくて冬の東北を旅しました。】
鉄旅日記2022年1月9日・・・青森駅、三沢駅(青い森鉄道)/ホテル天水
17:17 青森(あおもり)駅(奥羽本線/津軽線/青い森鉄道 青森県)
雪が降り積もる青森。かつては津軽海峡に通じていた長いホームの先に美を感じる。以前もそうしてスマホを向けたかもしれない。

振り向けば跨線橋が新しくなっている。早くも駅の改装なったかと思えば改装中。ビュープラザに待合室らしきものを認めて外へ。
まるで恐竜がうずくまるように、大都市青森は雪に降り込められて動きを止めているかのように見えた。


適当な土産物屋もなく、青森を諦めてビュープラザでウイスキーハイボールを飲んで時間をつぶしていた。こんな雪の日には津軽海峡旅情も沈黙。先を急ぐように温かく濡れずに済む建物を目指した。
もう行ってしまうのか?でもオレと青森の仲だ。分かってくれるさ。
18:45 三沢(みさわ)駅(青い森鉄道 青森県)にて

20:35 ホテル天水305号
野辺地、乙供。アイヌ語であろう駅を過ぎていく。北の寒い人々がすれ違う青い森鉄道。車窓は曇り、外の様子がつかめないが、降り続いてはいるようだ。
三沢はどうだろう。変わらない。降り続いている。
すっかり変わってしまった三沢駅。知っているのは20年近く前の姿。十和田観光鉄道が走り、第三セクターではなく、JR駅だった。
十鉄につながる通路に「駅そば」があり、並んでそばをすする少年たちの姿の先には仁王立ちの駅長さん。味のある駅だった。
現在は橋上駅になり、ところどころにテーブルセットが配置され、1階には三沢空港行きをはじめとするバスターミナルの待合所がある。地域のコミュニティセンターも兼ねている。
十鉄の「駅そば」が健在なのは事前に知っていた。それは1階の奥にあった。

きれいな店内。鉄道利用者以外にも需要はあるだろう。大盛りラーメン600円。あっさりしていてとても美味しゅうございました。

駅を写していると、今日は閉めている駅前食堂のご主人が声をかけてきた。彼は雪かきをしていたんだ。「記念に駅を写しているのですか?」「はい、駅ずいぶん変わりましたね」「2年くらい前に」。
そこでオレは信号を渡ってしまった。後悔している。もう少し話を聞けばよかった。彼も旅行者に何かを伝えたかったのだろう。
オレが生まれた1969年に太田幸司投手を擁して甲子園で決勝に上がり、松山商業との延長再試合による決着という伝説を作った三沢高校。そして三沢基地。十和田観光の拠点でもある街。
現在の姿、駅前にコンビニすら持たない姿を陸奥人はどう思っているのだろう。あるいは静かでいいと思っているかもしれない。
それならそれでいい。オレも多くを望まずこうして静かに過ごしている。
こんな雪の中も月が出ていた。明日に上弦を迎えるお月さま。

駅前食堂のご主人が声をかけてきたのは、駅じゃなく月を写している時だった。実はさっきの後悔の話は、月との関係を気づかれたのではないかと思い、早々に話を打ち切ったという裏話がある。
青森では、青森とオレの仲という表現を使った。その意味するところは、東京で暮らす何者でもないオレが、青森にいることに特別感を持たないことを指している。だから新装なった青森駅をやがて目にするだろう。
月との関係はそれどころじゃない。
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