「鉄旅日記」2019年弥生Part.3 最終日(多治見-東京)その1-多治見、瑞浪、明智、岩村、極楽、恵那(中央本線/明知鉄道) 【明知鉄道、名鉄築港線。その2線に乗るために、東海道を下っていったのでございます。】
鉄旅日記2019年3月24日・・・多治見駅、瑞浪駅、明智駅、岩村駅、極楽駅、恵那駅(中央本線/明知鉄道)
2019・4・24 7:13 多治見(たじみ)駅(中央本線/太多線 岐阜県)
陶都の空は青く晴れ上がり、陶都大橋の先の風景は澄んでいる。
夏になればまた記録的な暑さに見舞われるであろう多治見。
でも今はそんな夏のことなどを思う者はなく、春の澄んだ朝を駅へと向かう。
北口には市役所があり、感じのいい公園があり、脇にTULLY’Sがある。
シートに一列に並ぶ土岐商業羽球部の少女たちが賑やかで愛らしい。
7:34 瑞浪(みずなみ)駅(中央本線 岐阜県)
特急通過待ちで7分停車。
降りてみる。
古い街並に左手角の古いビル。
あの古いビルがオレにとっての瑞浪駅前の象徴だった。
あの日も3月。
確か7年ほど前の話だ。
あれから何度もこの木曽路を通っている。
そういう人生。
恋人から便りが届いた。
彼女と往く2019年。
未来は常に楽しみだ。
9:18 明智(あけち)駅(明知鉄道 岐阜県)
明智光秀生誕の地、明知城はここから山間に進むこと約1.8km地点にある。
斎藤道三、義龍親子の確執から美濃を2つに割る争いが勃発。
道三についた明智家は滅ぼされ、逃れた光秀は流浪する。
小栗栖で果てるまでの彼の人生には哀愁が目立つ。
今その地は日本大正村を謳い、橋にはガス灯が置かれ、大正ロマン的洋館に所々で出くわす。
そんな坂の町を歩いてみた。
江戸時代は旗本遠山氏の陣屋が置かれていたという。
遠山氏とは岩村に縁の深い一族で、戦国時代には織田軍と武田軍の狭間で翻弄され、多くの悲劇も経験している。
明知鉄道の終着駅、明智。
1985年までの国鉄時代は明知駅だったとのこと。
恵那から急勾配を上がり、いくつもの山を越えた果てに現れる、今にして思えば幻のような町だった。
10:36 岩村(いわむら)駅(明知鉄道 岐阜県)
城下町を上がる中腹にちょっとした広場があり、舞台にはバンドセットが置かれ、周囲には屋台が並んでいる。
今日は岩村ひな祭り。
まるで江戸の町並そのままが延々と続く岩村城下町。
お城はさらに上へと上がる。
女城主の町を謳う岩村。
確かにその通りで、件の女城主は織田信長のおばにあたり、彼女はその信長の手により刑死する運命をたどった。
織田軍による凄惨な殺戮現場でもある日本三大山城。
その歴史は町並には見受けられず、江戸時代は平和なままに暮れた。
朝のドラマ「半分青い」の舞台になった町で、五幣餅が随分評判になったらしい。
立ち寄った酒屋には女将と中村雅俊さんが並んで写った写真が飾られていて、店先でビールとともに五平餅を味わっていたら一台の車が乗り付けて、べらべらと喋る一団が降りてきた。
どうやらドラマに映ったお店らしい。
女将が電話に出ている間に、オレは彼女の愛犬を撫でていた。
そうした穏やかな時間も去り、立ち上がる。
駅へ。
明智に岩村。
ここを訪ねたことにより、日本への興味はより深まった。
10:50 極楽(ごくらく)駅(明知鉄道 岐阜県)にて
11:33 恵那(えな)駅(中央本線/明知鉄道 岐阜県)
ホームからぼんやりと景色を眺めたら真っ白な山が見えた。
日本百名山に数えられる恵那山か。
日差しは暖かく空気は冷たい。
凛とした春の空気に映える恵那の山々は気高い。
彼女に愛の言葉を送り、駅では小さな子供に笑顔を送り、街を写して、あとは冷たい風に吹かれていた。
二人の少女が寒さを避けるように、おんぶするような格好で体を密着させている姿が愛らしかった。
【Facebookへの投稿より】
明智から岩村へ。
この国は美しゅうございます。
来年のNHK大河ドラマの主人公、明智光秀の里は大正ロマンな町でございました。
女城主がいた岩村もまた、朝の連ドラの舞台にもなり、その独特な江戸的町並みは山城の麓まで延々と続いてまいります。
岩村の現在の輝かしい町並みを汚すつもりは毛頭ございませんが、この地は織田信長と武田勝頼による争いの中で凄惨な殺戮現場になった過去を持っております。
武田家臣団の末裔として、若干の悼みとシンパシーを感じて訪ねた岩村は、最前申したとおり、美しい町並みでございました。
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