*

「鉄旅日記」2013年如月【休日おでかけパスで、上総下総途中下車旅】その2-久留里、上総亀山、横田、木更津、巌根、袖ヶ浦、長浦、姉ヶ崎、八幡宿、浜野(久留里線、外房線)

公開日: : 最終更新日:2025/06/16 旅話, 旅話 2013年

鉄旅日記2013年2月17日その2・・・久留里駅、上総亀山駅、横田駅、木更津駅、巌根駅、袖ヶ浦駅、長浦駅、姉ヶ崎駅、八幡宿駅、浜野駅(久留里線、外房線)

17:32 久留里(くるり)駅(久留里線 千葉県)
総武本線で蘇我で乗り換え、外房線で木更津で乗り換える。

ここが再訪を望んでいた駅なんだ。
「関八州古戦録」では、久留里城に拠った里見一族が、攻め寄せてくる小田原北条氏に何度も手痛い目に遭わせている。

駅前地図を眺めるとその久留里城跡がある。
でも車窓からはその存在を掴めず、歩いていくだけの時間も設けていない。

町があったと記憶していたが、記憶と同規模の町はここにはなかった。
がらんとしたロータリーがあって、その先線路と並行する道に灯が連なっている。

あそこまでいけばそれっぽいものは見られたのかもしれないが、いずれにしろ久留里線沿線に町はなかった。

18:05 上総亀山(かずさかめやま)駅(久留里線 千葉県)
変わらない悠久の終着駅。

ひとりになるにはいい場所だ。
ゴミ箱もあれば便所もきれいだ。

かつて訪れたのは1月だった。
何年前かはもう忘れた。
亀山湖を見ようと彷徨った挙句に辿り着けず、今回はまたこうして再訪して暗闇に浮かぶ駅を眺める。

酒を飲んで煙草を吸った。
それだけだ。
それだけをやりにここにきたんだよ。

18:56 横田(よこた)駅(久留里線 千葉県)
真っ暗だったよ。

タクシー会社の存在だけは確認したのか?
とにかく真っ暗だったんだ。
駅前通りも真っ暗なんだ。

19:24 木更津(きさらづ)駅(外房線/久留里線 千葉県)
帰ってきたスタン・ハンセンが全日本プロレスに初登場した街。

「ダンプガイ」阿修羅・原をウエスタン・ラリアットでKOした強烈な印象を残すデビューだった。
オレにとっちゃ歴史的な出来事だ。
あれから木更津の名はそう多くは聞かない。
千葉より南にプロレス興行がいくことも今じゃ稀だ。

東京湾横断道路に三井アウトレット。
昔は潮干狩り。
駅から海は見えないが、海が近くにあることを空気が教えてくれる。

千葉にはそんな町がいくつかある。

19:42 巌根(いわね)駅(外房線 千葉県)
人通りの絶えた内房の町。

寿司屋、焼鳥屋、他に飲み屋が一軒。
コンビニまで歩き煙草を吸う。

ここらあたりにはまだ旅先の風情がある。
快速列車に見捨てられていることを恨む看板が駅前に立つ。

一日が終わった町で感慨にふける。

19:57 袖ヶ浦(そでがうら)駅(外房線 千葉県)
袖ヶ浦の空は広い。
駅横の空地はまるで空港滑走路のようだ。

臨海工場の煙突が雲のような煙を上げ、商店の見当たらない駅前からおそらく2、3分の距離のところにホテル割烹のネオンサインが見える。

20:09 長浦(ながうら)駅(外房線 千葉県)
海辺にちなんだ駅名が続く内房の道。

だんだん都会が近づいてくる予感は、ラブホテルや品のない構造物を目にすることからたいてい始まる。
煙突も近づいてくる。

上りの乗客は少ない。

20:22 姉ヶ崎(あねがさき)駅(外房線 千葉県)
おそらく去年と同じ列車に乗り合わせているのだろう。
姉ヶ崎にいるのはこれで3度目になる。

都会的な駅前だが閑散としている。
日曜日の内房には祭のあとの儚さのようなものが漂う。

臨海道路も混雑する季節ではない。

20:40 八幡宿(やわたじゅく)駅(外房線 千葉県)
駅名にひかれていた。
降りた町は廃れていた。

房総へ至る宿場町だったのだろう。
今は巨大臨海工業地帯に組み込まれているが、鉄道はその経済的余波かつ夜景を主とする景観美を、車窓風景として取り込むことはできなかった。

20:59 浜野(はまの)駅(外房線 千葉県)
コンビニ以外に何もない駅だった。
町の姿に対してのオレの予測が外れ続けて久しい。
想像以上にこの国は廃れていっているのかもしれない。

千葉まで3、4駅に位置している八幡宿、浜野の姿をポジティブに表現する言葉を持たない。
人の集まる場所は、もう少しだけでも賑やかであってほしいとオレは思ってる。

これからも様々な駅から、その町や街が辿った変遷から、この国を見ていきたいと思う。

関連記事

「鉄旅日記」2020年文月 2日目(香住-東萩)その1‐香住、柴山、餘部(山陰本線)/余部鉄橋 【コロナ禍でございます。内緒の旅でございました。余部鉄橋へ。萩へ。霧の街へ。東京五輪延期で浮いた4連休の記録でございます。】

鉄旅日記2020年7月24日・・・香住駅、柴山駅、餘部駅(山陰本線)/余部鉄橋 2020・7

記事を読む

「鉄旅日記」2012年夏【青春18きっぷで、北海道途中下車旅】3日目(室蘭-岩見沢)-室蘭、苫小牧、鵡川、静内、様似、追分、夕張、新夕張、清水沢(室蘭支線、室蘭本線、日高本線、石勝線、夕張支線)

鉄旅日記2012年8月13日・・・室蘭駅、苫小牧駅、鵡川駅、静内駅、様似駅、追分駅、夕張駅、新夕張駅

記事を読む

「鉄旅日記」2018年春 初日(東京-飯田)その2-野田城、長篠城、大海、三河大野、浦川、門島、桜町、飯田(飯田線) 【伊那谷へ。長篠へ。安曇野へ。木曽へ。青春18きっぷを握ったそんな旅でございます。】

鉄旅日記2018年4月7日・・・野田城駅、長篠城駅、大海駅、三河大野駅、浦川駅、門島駅、桜町駅、飯田

記事を読む

「鉄旅日記」2020年卯月 初日(東京-新津)その2‐水戸、いわき、原ノ町、鹿島(常磐線) 【緊急事態宣言発令直前のことでございます。常磐線全線運転再開を祝して人知れず旅に出たのでございます。】

鉄旅日記2020年4月4日・・・水戸駅、いわき駅、原ノ町駅、鹿島駅(常磐線) 7:40 水戸(みと

記事を読む

「鉄旅日記」2014年冬 初日(東京-鬼怒川温泉)-下今市、新藤原、川治湯元、川治温泉、湯西川温泉、龍王峡、鬼怒川公園、新高徳、鬼怒川温泉(東武鬼怒川線/野岩鉄道) 【まるごと日光・鬼怒川 東武フリーパスで、野州旅】

鉄旅日記2014年12月6日・・・下今市駅、新藤原駅、川治湯元駅、川治温泉駅、湯西川温泉駅、龍王峡駅

記事を読む

「鉄旅日記」2020年盛夏 最終日(門司港-東京)その3‐宇部、富海、福川、戸田(山陽本線)/富海海岸 【コロナ禍の内緒旅VOl.2。宮島へ。錦帯橋へ。筑豊へ。島原へ。千綿駅へ。そして若松~戸畑の渡船。日本晴れの4日間の記録でございます。】

鉄旅日記2020年8月16日・・・宇部駅、富海駅、福川駅、戸田駅(山陽本線)/富海海岸 8:

記事を読む

「鉄旅日記」2019年霜月 初日(東京-五所川原)その3‐小牛田、一ノ関、盛岡、八戸、野辺地(東北本線/IGRいわて銀河鉄道/青い森鉄道) 【津軽鉄道、弘南鉄道に乗りにいきました。羽州街道を歩いた晩秋の旅でございます。】

鉄旅日記2019年11月2日・・・小牛田駅、一ノ関駅、盛岡駅、八戸駅、野辺地駅(東北本線/IGRいわ

記事を読む

「鉄旅日記」2020年晩秋 初日(東京-砺波)その1 ‐金町、東京、黒部宇奈月温泉、新黒部(常磐線/北陸新幹線/富山地方鉄道本線) 【大人の休日倶楽部パスで北陸へ。新幹線、在来線特急乗り放題でございます。魚津、雨晴をめぐり、氷見線、万葉線、城端線、七尾線、えちぜん鉄道、福武線、北陸鉄道との再会でございます。】

鉄旅日記2020年11月21日・・・金町駅、東京駅、黒部宇奈月温泉駅、新黒部駅(常磐線/北陸新幹線

記事を読む

「鉄旅日記」2019年長月 最終日(宮古-東京)その2‐陸前赤崎、大船渡、気仙沼、一ノ関(三陸鉄道リアス線/大船渡線) 【三陸鉄道、八戸線に乗りにいきました。区界、吉里吉里など、駅旅の者として見過ごせない駅にも寄りましてございます。】

鉄旅日記2019年9月23日・・・陸前赤崎駅、大船渡駅、気仙沼駅、一ノ関駅(三陸鉄道リアス線/大船渡

記事を読む

「鉄旅日記」2019年如月 初日(東京-安中)その3-高麗川、丹荘、児玉、高崎、安中(八高線/信越本線) 【週末パスで東京から伊豆。そして上州、信州へ。友人は言ったものでございます。何気に大層な移動距離だと。】

鉄旅日記2019年2月9日・・・高麗川駅、丹荘駅、児玉駅、高崎駅、安中駅(八高線/信越本線) 18

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

「鉄旅日記」2022年皐月 初日(東京-磐梯熱海)その3 ‐黒磯、泉崎、白河、郡山(東北本線) 【日光線全駅乗降を果たし、猪苗代湖畔に遊び、磐梯熱海の湯につかり、国定忠治を訪ねた旅でございます。】

鉄旅日記2022年5月7日・・・黒磯駅、泉崎駅、白河駅、郡山駅(東北

「鉄旅日記」2022年皐月 初日(東京-磐梯熱海)その2 ‐文挟、鹿沼、鶴田、宇都宮(日光線) 【日光線全駅乗降を果たし、猪苗代湖畔に遊び、磐梯熱海の湯につかり、国定忠治を訪ねた旅でございます。】

鉄旅日記2022年5月7日・・・文挟駅、鹿沼駅、鶴田駅、宇都宮駅(日

「鉄旅日記」2022年皐月 初日(東京-磐梯熱海)その1 ‐金町、上野、宇都宮(常磐線/東北本線) 【日光線全駅乗降を果たし、猪苗代湖畔に遊び、磐梯熱海の湯につかり、国定忠治を訪ねた旅でございます。】

鉄旅日記2022年5月7日・・・金町駅、上野駅、宇都宮駅(常磐線/東

「鉄旅日記」2022年弥生vol.2 最終日(静岡-東京)その5 ‐東浦和、東川口、吉川、吉川美南、南流山(武蔵野線) 【念願の大井川鐡道に乗る旅。帰りは身延線経由、武蔵野線全駅下車達成でございます。】/江戸川堤菜の花絶景

2022年3月21日・・・東浦和駅、東川口駅、吉川駅、吉川美南駅、南

「鉄旅日記」2022年弥生vol.2 最終日(静岡-東京)その4 ‐西国分寺、北府中、新小平、青梅街道、北朝霞、朝霞台(武蔵野線) 【念願の大井川鐡道に乗る旅。帰りは身延線経由、武蔵野線全駅下車達成でございます。】

鉄旅日記2022年3月21日・・・西国分寺駅、北府中駅、新小平駅、青

→もっと見る

    PAGE TOP ↑