「鉄旅日記」2013年如月【休日おでかけパスで、上総下総途中下車旅】その2-久留里、上総亀山、横田、木更津、巌根、袖ヶ浦、長浦、姉ヶ崎、八幡宿、浜野(久留里線、外房線)
鉄旅日記2013年2月17日その2
17:32 久留里(くるり)駅(久留里線 千葉県)
総武本線で蘇我で乗り換え、外房線で木更津で乗り換える。
ここが再訪を望んでいた駅なんだ。
「関八州古戦録」では、久留里城に拠った里見一族が、攻め寄せてくる小田原北条氏に何度も手痛い目に遭わせている。
駅前地図を眺めるとその久留里城跡がある。
でも車窓からはその存在を掴めず、歩いていくだけの時間も設けていない。
町があったと記憶していたが、記憶と同規模の町はここにはなかった。
がらんとしたロータリーがあって、その先線路と並行する道に灯が連なっている。
あそこまでいけばそれっぽいものは見られたのかもしれないが、いずれにしろ久留里線沿線に町はなかった。
18:05 上総亀山(かずさかめやま)駅(久留里線 千葉県)
変わらない悠久の終着駅。
ひとりになるにはいい場所だ。
ゴミ箱もあれば便所もきれいだ。
かつて訪れたのは1月だった。
何年前かはもう忘れた。
亀山湖を見ようと彷徨った挙句に辿り着けず、今回はまたこうして再訪して暗闇に浮かぶ駅を眺める。
酒を飲んで煙草を吸った。
それだけだ。
それだけをやりにここにきたんだよ。
18:56 横田(よこた)駅(久留里線 千葉県)
真っ暗だったよ。
タクシー会社の存在だけは確認したのか?
とにかく真っ暗だったんだ。
駅前通りも真っ暗なんだ。
19:24 木更津(きさらづ)駅(外房線/久留里線 千葉県)
帰ってきたスタン・ハンセンが全日本プロレスに初登場した街。
「ダンプガイ」阿修羅・原をウエスタン・ラリアットでKOした強烈な印象を残すデビューだった。
オレにとっちゃ歴史的な出来事だ。
あれから木更津の名はそう多くは聞かない。
千葉より南にプロレス興行がいくことも今じゃ稀だ。
東京湾横断道路に三井アウトレット。
昔は潮干狩り。
駅から海は見えないが、海が近くにあることを空気が教えてくれる。
千葉にはそんな町がいくつかある。
19:42 巌根(いわね)駅(外房線 千葉県)
人通りの絶えた内房の町。
寿司屋、焼鳥屋、他に飲み屋が一軒。
コンビニまで歩き煙草を吸う。
ここらあたりにはまだ旅先の風情がある。
快速列車に見捨てられていることを恨む看板が駅前に立つ。
一日が終わった町で感慨にふける。
19:57 袖ヶ浦(そでがうら)駅(外房線 千葉県)
袖ヶ浦の空は広い。
駅横の空地はまるで空港滑走路のようだ。
臨海工場の煙突が雲のような煙を上げ、商店の見当たらない駅前からおそらく2、3分の距離のところにホテル割烹のネオンサインが見える。
20:09 長浦(ながうら)駅(外房線 千葉県)
海辺にちなんだ駅名が続く内房の道。
だんだん都会が近づいてくる予感は、ラブホテルや品のない構造物を目にすることからたいてい始まる。
煙突も近づいてくる。
上りの乗客は少ない。
20:22 姉ヶ崎(あねがさき)駅(外房線 千葉県)
おそらく去年と同じ列車に乗り合わせているのだろう。
姉ヶ崎にいるのはこれで3度目になる。
都会的な駅前だが閑散としている。
日曜日の内房には祭のあとの儚さのようなものが漂う。
臨海道路も混雑する季節ではない。
20:40 八幡宿(やわたじゅく)駅(外房線 千葉県)
駅名にひかれていた。
降りた町は廃れていた。
房総へ至る宿場町だったのだろう。
今は巨大臨海工業地帯に組み込まれているが、鉄道はその経済的余波かつ夜景を主とする景観美を、車窓風景として取り込むことはできなかった。
20:59 浜野(はまの)駅(外房線 千葉県)
コンビニ以外に何もない駅だった。
町の姿に対してのオレの予測が外れ続けて久しい。
想像以上にこの国は廃れていっているのかもしれない。
千葉まで3、4駅に位置している八幡宿、浜野の姿をポジティブに表現する言葉を持たない。
人の集まる場所は、もう少しだけでも賑やかであってほしいとオレは思ってる。
これからも様々な駅から、その町や街が辿った変遷から、この国を見ていきたいと思う。
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