「鉄旅日記」2020年文月 2日目(香住-東萩)その4‐出雲市、直江、五十猛、馬路(山陰本線) 【コロナ禍でございます。内緒の旅でございました。余部鉄橋へ。萩へ。霧の街へ。東京五輪延期で浮いた4連休の記録でございます。】
鉄旅日記2024年7月24日・・・出雲市駅、直江駅、五十猛駅、馬路駅(山陰本線)
15:19 出雲市(いずもし)駅(山陰本線 島根県)
乃木~玉造温泉~来待にかけての宍道湖の眺めが素晴らしい。
優雅な水面は負念を吸収する。
さらに宍道にかけても素晴らしい。
空は青も見せるが、降る雨は激しい。いつまで待てばいいのか分からない。山陰本線は現在止まっている。




そういえば、5年前も山陰ではこうして計画を狂わされた。
これが常だとするのなら、何度この遠くの街まで足を運べばいいというのか。
まさに荒天。代官通りあたりを歩いている頃は空の意思は青に転ずると思われたものの、今じゃホームの待合室まで雨が吹き込む。この遅れは倒木の影響によるという。
12年前に宿泊した出雲市駅周辺。あの日よりも多く歩き、より街を知り、出雲の歓楽街の規模に興を覚え、アーケード街では人っ子ひとりいない情景に出くわした。








あとはいい加減な天気は気にせずに、大判焼きを購入して飲んでいたよ。土産もここで購入した。
これだけ不意に時間が生まれたんだ。必然だろう。
不要不急の外出自粛奨励の中を出かけたのか!という会社の連中の突っ込みに対して、そんなもんクソ食らえだと大笑いする光景を思い浮かべていた。
おそらくそれは現実となる。
15:35 直江(なおえ)駅(山陰本線 島根県)
出雲市駅で待っていると遅れていた米子行が到着するという。
待つことに飽きていたし、予定も変更になったことだ。ひと駅戻って下りを待つことにした。
途中、斐伊川を越す。美しい眺めだ。



この地でスサノオがヤマタノオロチを退治した伝説が残るが、ヤマタノオロチとは大雨が降るたびに氾濫を繰り返し、いく筋にも分かれて手がつけられなかった斐伊川のことを指していると何かの書で目にした。
直江駅はなぜか駅舎が閉鎖されていて、南北につなぐ跨線橋を伝って下界に下りた。


空はまるで冗談のように晴れている。
17:04 五十猛(いそたけ)駅(山陰本線 島根県)
眠りから覚めてしばらく経つ。
ヒグラシの声が聞こえている。穏やかな夕暮れ。
だが列車はここで停止して動かない。上り列車を2本やり過ごすために微動だにしない。
2020年に対して恨みが募る。俳優の三浦春馬さんはこの状況に耐えきれずに酒に溺れ、オレを含めて日本中を悲しませることになった。
コロナに負けるなとFacebookの友達が言う。オレに限ってそれはないとたかをくくっていたけれど、時に負けそうになる。
負けないために外に出た。

五十猛の地名はスサノオの息子、五十猛神(いそたけるのかみ)に由来する。
天から出雲に降りたスサノオの行いはひどく、やがて神々によって追放され、息子と共に朝鮮半島を経て、再び出雲の地に上陸した場所がここの海岸とのこと。
線路下の通路を抜けると駅舎はなく、平凡な山陰の駅前風景を見た。


17:23 馬路(まじ)駅(山陰本線 島根県)
強烈な西日が車内を照らしている。まるで皮肉だ。
今度は倒木の撤去作業で、いつ果てるともしれない停車が再開された。
外に出たオレに誘われるようにそれとわかる鉄道オタクが這い出て、ローカル線によく見られる一風景が生まれた。
ホームには駅名標の他に、駅名をもじった「まじ?!」なるもうひとつの駅名標をこさえて、世界遺産石見銀山にまつわる名所を紹介している。


駅に着く前に日本海が見えて、馬路は海辺の駅かと思ったが、少し内陸に収まった。駅舎は持たない。
ホームからわずかに日本海が覗ける。

関連記事
-
-
「車旅日記」1996年黄金週間【友を訪ねて大阪へ。そして約束の地、金沢へ。夢を見ながら国道を走った日々でございます。】最終日 北陸より東京へ‐その2(R8→R18→R19)直江津駅、新井、豊野町、長野駅、道の駅信州新町、道の駅大岡村
車旅日記1996年5月6日 6:58 直江津駅 恋する女よ、いつの間にか日本海とさよならしていたよ
-
-
「鉄旅日記」2012年春 その1-新子安、石川町、山手、磯子、根岸、大磯、二宮、鴨宮、早川、根府川、伊東、熱海、函南、東田子の浦(京浜東北線、根岸線、東海道本線、伊東線) 【青春18きっぷで、相模・駿河・甲斐途中下車旅】
鉄旅日記2012年3月20日その1・・・新子安駅、石川町駅、山手駅、磯子駅、根岸駅、大磯駅、二宮駅、
-
-
「鉄旅日記」2008年初夏 初日(東京-和歌山)その1-浜松、豊橋、大垣、京都、六地蔵、城陽、京終、帯解、天理、桜井(東海道本線/奈良線/桜井線) 【まほろばの路から紀州へ。紀伊半島で過ごした短い夏の記憶でございます。】
鉄旅日記2008年7月19日・・・浜松駅、豊橋駅、大垣駅、京都駅、六地蔵駅、城陽駅、京終駅、帯解駅、
-
-
「鉄旅日記」2003年冬 初日(宇部-博多)その1-山口宇部空港、宇部新川、宇部、下関、小倉、折尾、飯塚、博多(宇部線/山陽本線/鹿児島本線/筑豊本線/篠栗線) 【ご縁と別れがあり、34歳の誕生日を北九州で迎えた日の記憶でございます。】
鉄旅日記2003年2月15日・・・山口宇部空港、宇部新川駅、宇部駅、下関駅、小倉駅、折尾駅、飯塚駅、
-
-
「鉄旅日記」2020年文月 初日(東京-香住)その6‐上川口、養父、豊岡、香住(山陰本線) 【コロナ禍でございます。内緒の旅でございました。余部鉄橋へ。萩へ。霧の街へ。東京五輪延期で浮いた4連休の記録でございます。】
鉄旅日記2020年7月23日・・・上川口駅、養父駅、豊岡駅、香住駅(山陰本線) 18:35&
-
-
「鉄旅日記」2018年弥生-小手指、西所沢、西武遊園地、小川、東村山、西武園、西武遊園地、萩山、小平(池袋線/狭山線/山口線/多摩湖線/国分寺線/拝島線/西武園線/新宿線)【西武線を楽しむ日。いくつかのターミナル駅に降りてみたかったのでございます。】
鉄旅日記2018年3月17日・・・小手指駅、西所沢駅、西武遊園地駅、小川駅、東村山駅、西武園駅、西武
-
-
「鉄旅日記」2009年秋-越生、坂戸、小川町、寄居、羽生、久喜、新越谷、南越谷(東武越生線/東武東上線/秩父鉄道/東武伊勢崎線/武蔵野線)【関東ぶらぶら旅その3-武蔵国で遊ぶ日。7つの交差点へ。】
鉄旅日記2009年11月3日・・・越生駅、坂戸駅、小川町駅、寄居駅、羽生駅、久喜駅、新越谷駅、南越谷
-
-
「鉄旅日記」2016年春 初日(東京-下北)その2-村崎野、六原、盛岡、八戸、野辺地、下北(東北本線、IGRいわて銀河鉄道、大湊線) 【下北半島から東日本大震災被災地へ】
鉄旅日記2016年3月19日その2・・・村崎野駅、六原駅、盛岡駅、八戸駅、野辺地駅、下北駅(東北本線
-
-
「鉄旅日記」2009年晩秋 最終日(和田山-東京)その2-大阪、桜島、西九条、阪神西九条、久宝寺、放出、京橋、京阪京橋、近江舞子、近江今津、近江塩津(大阪環状線/桜島線/関西本線/おおさか東線/学研都市線/湖西線) 【陰陽を行き来した3日間。この国の秋は美しゅうございました。】
鉄旅日記2009年11月23日・・・大阪駅、桜島駅、西九条駅、阪神西九条駅、久宝寺駅、放出駅、京橋駅
-
-
「鉄旅日記」2017年夏 3日目(姫路-十三)その3-高速神戸、湊川神社、神戸三宮、甲陽園、夙川、西宮北口、宝塚、箕面、石橋、北千里、十三(阪急電鉄神戸高速線/神戸本線/甲陽線/今津線/宝塚本線/箕面線/千里線) 【私鉄王国で過ごす夏】
鉄旅日記2017年8月12日・・・高速神戸駅、神戸三宮駅、甲陽園駅、夙川駅、西宮北口駅、宝塚駅、箕面
