「鉄旅日記」2018年如月【冬の町を見たくて、週末パスを買いました。】最終日(直江津-六日町-大前-東京)その1-直江津、土底浜、犀潟、虫川大杉、六日町、塩沢(信越本線/北越急行ほくほく線/上越線)
鉄旅日記2018年2月11日・・・直江津駅、土底浜駅、犀潟駅、虫川大杉駅、六日町駅、塩沢駅(信越本線/北越急行ほくほく線/上越線)
2018・2・11 6:25 直江津(なおえつ)駅(信越本線/えちごトキめき鉄道/北越急行ほくほく線 新潟県)
あたたかな雨。
積み上げられていた雪は、一晩でどれほど溶けたのだろう。
泊まったホテルは府中八幡宮の脇にあったが、上杉謙信も詣でた所縁のある八幡様らしい。
昨夜歩いたアーケード街を駅へ。
夜明けはまだだが、昨夜よりは明るい駅前を写す。
変わってしまった様々を想い、昨日の情念を捨て去る。
6:39 土底浜(どそこはま)駅(信越本線 新潟県)にて
7:11 犀潟(さいがた)駅(信越本線/北越急行ほくほく線 新潟県)
土底浜で降りると、あたりはカラスの声に包まれている。
雪の積まれた朝に出歩く者の姿はない。
福井豪雪で一昼夜立往生の車列ができた8号国道を、ひと駅歩く。
日本海は見えず、弱い雨の中を歩く。
その行為に理由があるわけじゃない。
たんに土底浜で降りたかっただけだ。
そして適当な時間に犀潟まで戻る列車がなかっただけだ。
途中、美しい景観を渡った。
ありふれたものかもしれない。
でも別れについて考えていたオレには、そう見えた。
犀潟駅は色が塗り変わっていた。
7:48 虫川大杉(むしかわおおすぎ)駅(北越急行ほくほく線 新潟県)
近くに杉の大木があるようだ。
それが駅名の由来。
暖房は入っていないが、シックな待ち合い室があり、スキー客が迎えの車を待っている。
どこに行くというわけにもいかず、ホーム脇の待合室にいる。
ひとつ手前の「うらがわら」は町だったが、人の気配が希薄な一帯を「ほくほく線」は往く。
北陸新幹線の開通で、越後湯沢を始発として、直江津から先の北陸本線区間を福井まで走っていた在来線特急が廃止となり、存在意義を問われもしただろうが、どうにか生き延びてほしい。
新潟はやはり美人が多い。
8:44 六日町(むいかまち)駅(上越線/北越急行ほくほく線 新潟県)
上杉謙信の義兄、長尾政景が築いた「湯のまち」。
彼の死は、領内の湖で溺死という不可解なもので、謀殺説など様々取り沙汰されている。
「ほくほく線」終点の町で2度目の下車。
17号国道まで続く商店街を往復。
ビジネスホテルがある。
いつかこの町に泊まるのもいいかもしれない。
夜にも風情があるだろう。
線区の半分がトンネルという豪雪地帯に敷かれた鉄道は、若者のスキー客をはじめ、地域の足として欠かせないものにはなっているようだ。
確かに直江津から1時間で六日町に至る方法を、人類は他に明示できていないし、そんな挑戦に首を突っ込む者が今後現れることもないだろう。
ボックスシートでの雪見酒。
車内ではそんな時間を過ごした。
麗しい時だった。
9:11 塩沢(しおざわ)駅(上越線 新潟県)
六日町から水上方面にひと駅。
そこで降りる。
そして次の長岡行がきたら、また六日町方面に引き返す。
牧之通りという観光通りがある。
でも2月のあたたかな雨は、町へと誘うことはなく、穏やかな時を待合室で過ごした。
谷間の一帯を塞ぐ全山は雪で覆われ、昨日の北アルプスの様子がまるで嘘のようだ。
六日町に着く。
「ほくほく線」を待つ列ができている。
子供が手を振っている。
その「ほくほく線」の到着の遅れがこの列車にも影響して、しばしの遅れ。
構わないさ。
オレは急がない。
関連記事
-
「鉄旅日記」2015年夏【日本最南端の終着駅、枕崎までの往復旅】2日目(新南陽-鹿児島中央)その2-直方、新飯塚、彦山、豊前桝田、夜明、御井、川尻、住吉、三角(筑豊本線/後藤寺線/日田彦山線/久大本線/鹿児島本線/三角線)
鉄旅日記2015年8月13日その2・・・直方駅、新飯塚駅、彦山駅、豊前桝田駅、夜明駅、御井駅、川尻駅
-
「鉄旅日記」2019年如月【週末パスで東京から伊豆。そして上州、信州へ。友人は言ったものでございます。何気に大層な移動距離だと。】初日(東京-安中)その2-伊豆急下田、伊豆高原、橋本、八王子、東福生、福生、拝島(伊豆急行線/横浜線/八高線/青梅線)
鉄旅日記2019年2月9日・・・伊豆急下田駅、伊豆高原駅、橋本駅、八王子駅、東福生駅、福生駅、拝島駅
-
「鉄旅日記」2019年弥生Part.1【和歌山電鐵に乗るために、青春18きっぷで紀伊半島一周を思い立ったのでございます。】初日(東京-紀伊田辺)その1-金町、名古屋、多気、川添、三瀬谷(常磐線/東海道本線/関西本線/伊勢鉄道/紀勢本線)
鉄旅日記2019年3月2日・・・金町駅、名古屋駅、多気駅、川添駅、三瀬谷駅(常磐線/東海道本線/関西
-
「鉄旅日記」2009年秋【女川を目指した旅。ここには震災前の女川の姿が残されております。】最終日(新庄-東京)その1-新庄、最上、鳴子温泉、岩出山、北浦、小牛田、鹿又、石巻(陸羽東線/石巻線)
鉄旅日記2009年10月11日・・・新庄駅、最上駅、鳴子温泉駅、岩出山駅、北浦駅、小牛田駅、鹿又駅、
-
「鉄旅日記」2020年睦月【秋田内陸縦貫鉄道に乗りにいきました。五能線の名所も歩いた旅初めでございます。】最終日(鷹ノ巣-東京)その4‐中条、新発田、新津、長岡(羽越本線/信越本線)
鉄旅日記2020年1月13日・・・中条駅、新発田駅、新津駅、長岡駅(羽越本線/信越本線) 17:34
-
「鉄旅日記」2008年皐月【旅は京都から始まり、山陰から下関へ。そして四国へと渡ったのでございます。】4日目(徳島-善通寺)その2-海部、桑野、阿南、穴吹、佃、琴平、善通寺(牟岐線/徳島本線/土讃本線)
鉄旅日記2008年5月5日・・・海部駅、桑野駅、阿南駅、穴吹駅、佃駅、琴平駅、善通寺駅(牟岐線/徳島
-
「鉄旅日記」2019年弥生Part.2【青春18きっぷ常磐旅。この当時、常磐線は富岡止まりでございます。そしてこの季節、臨時駅の偕楽園駅に列車が止まります。】その3-常陸太田、東海、大甕、南中郷、石岡(水郡線常陸太田支線/常磐線)
鉄旅日記2019年3月10日・・・常陸太田駅、東海駅、大甕駅、南中郷駅、石岡駅(水郡線常陸太田支線/
-
「鉄旅日記」2019年霜月【津軽鉄道、弘南鉄道に乗りにいきました。羽州街道を歩いた晩秋の旅でございます。】初日(東京-五所川原)その1‐金町、北千住、上野、宇都宮、黒磯、新白河(常磐線/東北本線)
鉄旅日記2019年11月2日・・・金町駅、北千住駅、上野駅、宇都宮駅、黒磯駅、新白河駅(常磐線/東北
-
「鉄旅日記」2015年夏【日本最南端の終着駅、枕崎までの往復旅】4日目(西鉄柳川-広島)その1-西鉄柳川、西鉄久留米、西鉄甘木、甘木、基山、けやき台、原田、桂川(西鉄本線、西鉄甘木線、甘木鉄道、鹿児島本線、筑豊本線)
鉄旅日記2015年8月15日その1・・・西鉄柳川駅、西鉄久留米駅、西鉄甘木駅、甘木駅、基山駅、けやき
-
「鉄旅日記」2014年夏【青春18きっぷで、中国ぶらぶら旅】2日目(津山-鳥取)その2-金川、弓削、亀甲、美作滝尾、三浦、美作加茂、知和、智頭、用瀬、津ノ井、大岩、岩美、鳥取(津山線、因美線、山陰本線)
鉄旅日記2014年8月14日その2・・・金川駅、弓削駅、亀甲駅、美作滝尾駅、三浦駅、美作加茂駅、知和