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「鉄旅日記」2020年弥生【富山地方鉄道に乗りにまいりました。太多線、高山本線に乗るのも楽しみにしていたのでございます。】初日(東京-高山)その6‐渚、高山(高山本線)

公開日: : 最終更新日:2024/04/13 旅話, 旅話 2020年

鉄旅日記2020年3月20日・・・渚駅、高山駅(高山本線)
17:54 渚(なぎさ)駅(高山本線 岐阜県)
上り特急通過待ちで7分の停車。

暮れなずむ飛騨路。
高山に着くまで、もう停車はない。

残念だが、でも高山本線でオレはかなり多くの駅に降りてきたのだろう。
この愛すべき線区がより身近になった。

時刻表で7分。
実際には2分ほど早く到着したため時間はあった。

川辺に寄った。



最近思う。
こうまで水辺を好む理由について。
きっと前世からの倣いなのだと、51歳になったオレは矛盾もなく感じている。

灌木に視界を遮られた川辺は寂しく寒々しく、だけど残照を残した空には吸い込まれる。

あれが記憶に残る渚駅での情景。

波打ち際を意味する渚の文字。
こうした川辺にその名が現れることが新鮮でもある。

18:28 高山(たかやま)駅(高山本線 岐阜県)にて

22:05 高山セントラルホテル404
高山駅は大きく変貌していた。
この姿になってしばらく経つらしい。

駅前で記念写真を撮る人は引きも切らないが、街を歩く人の姿は極端に少ない。
明らかにコロナの影響だ。

しばらく歩くとアーケード通りに行き当たる。
この通りだけは覚えていたよ。
そして変わりない。

観光地区の古い町並みはそこから川向こうにある。

照明を落とした店構え。
街の雰囲気を損なわない見事さ。
そこで商売を営む人々の誇りを感じる。






駅近くの蕎麦屋に入ろうと思っていた。
適度に空いていたし、居心地もよさそうだった。

でも町外れのアーケード通りに一軒だけ明かりを灯した店に入った。
うどんを謳っているが、ラーメン、飛騨牛。
たくさんのメニューが貼られていた。

「うま宮」というお店。
先客はすぐに出ていき、ご主人との二人の時間を過ごした。

飛騨牛の串焼き、イカと海老の串焼き、漬け物盛り、牛スジ煮込み。
よもやま話に花が咲き、互いの人生に共感し、どぶろくやつまみをサービスしてくれる。

悪いから「一杯奢らせてください」と言うと、ご主人は恭しく自らに生ビールをついだ。

高山料理とは野菜料理と知り、ご主人自慢の漬け物には舌鼓を打った。
漬け物ステーキなるものもメニューにはある。

濃い時間は過ぎて席を立つ。
気持ちよく酔った。

「また来てください」とのご主人の言葉に素直に頷いた。

さらに先には寺が並び、外国人観光客に人気だと聞いていたので歩く。
寺はまだ先にあったのだろう。
白山神社で立ち止まる。



祈ることはいつも同じ。
可愛い狛犬を労い、駅への帰路につく。
「うま宮」は閉まっていた。

ホテルには温泉がある。
ここの湯も温まる。

【Facebookへの投稿より】
この連休も旅に出ております。

甲州路では南アルプスを仰ぎ、木曽路には名残雪が舞っておりました。

木曽谷を下り、美濃、飛騨へ。
高山に宿泊いたしました。

外国人観光客の消えた街に人通りはなく、静かな夜を過ごしたのでございます。

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