「鉄旅日記」2013年春 初日(東京-和歌山)その1-米原、弁天町、大正、芦原橋、今宮、杉本町、堺市、東羽衣、鳳(東海道本線、大阪環状線、阪和線、東羽衣支線) 【爆弾低気圧襲来日、青春18きっぷで西へ】
鉄旅日記2013年4月7日その1・・・米原駅、弁天町駅、大正駅、芦原橋駅、今宮駅、杉本町駅、堺市駅、東羽衣駅、鳳駅(東海道本線、大阪環状線、阪和線、東羽衣支線)
2013・4・6 13:46 米原(まいばら)駅(東海道新幹線/東海道本線/北陸本線/近江鉄道本線 滋賀県)
日本列島を均等に襲う爆弾低気圧。
米原付近は強風に見舞われ、大垣から先の進行に支障をきたしている。
すでに椎名町池袋間、西岡崎安城間の踏切安全確認のため計画は狂っている。
人為的トラブルも天候がもたらしたものに比べればスケールに劣り、お天道様の思し召しじゃ仕方がないと、列車遅延による精神的ストレスを追いやることができている。
関ヶ原からの桜前線が美しい。
目で追っていたら佐和山城址に行き着いた。
伊吹山麓を眺めていてちょうど石田三成の逃避行に思いを馳せていたところだった。
彼が潜んだ413年前からさして変化を見せていなさそうな里山の風景だった。
鉄道の街、米原の駅前にも変化はなかった。
閑散としていて街と呼ぶには余りにも街的要素を欠いている。
この天候により出かける者も大幅に間引きされ、人気の絶えたホームには雨が吹き込み、駅弁売りのオバチャンの声が空しく響いていた。

15:33 弁天町(べんてんちょう)駅(大阪環状線/大阪市営地下鉄中央線 大阪府)
大阪駅で乗り換え。
大阪環状線から人が消えた。
爆弾低気圧は今日の経済に大きな影響を及ぼすのだろう。
交通博物館の街、弁天町。
阪神高速が脇を走り、駅横一帯はごみごみとして、御徒町の裏町あたりを歩いているような気にさせる。

15:45 大正(たいしょう)駅(大阪環状線/大阪市営地下鉄長堀鶴見緑地線 大阪府)
駅に沿ったガード下飲み屋街を歩く。
かつてザ・ローリング・ストーンズを見に行った大阪ドームが見える。
思い出に浸る間もなく列車がやってくる。


15:56 芦原橋(あしはらばし)駅(大阪環状線 大阪府)
なにわ筋と交差する駅。
太鼓正からのドンドンという音が車が水しぶきを撥ねる音に混じる。
困ったことに記すことが見当たらない。
東京に次ぐ大都会大阪の範疇をうろついているという事実関係以外に今オレがここで見ているものの特徴を捉えることができない。
駅前に店らしい店はなく、周囲には高層建築物が目立つ、たんなる都会的風景が広がっている。

16:10 今宮(いまみや)駅(関西本線/大阪環状線 大阪府)
東京で完全に散った桜が、大阪じゃまだ健在だった。
桜前線は西からやってくるが、列島では今何が起きているのか?
JR難波を始発とする関西本線が合流する駅は上下二層構造になっている。
街に下りた。
車通りもなく駅が発する音以外は無音の一帯が都会の顔をしていた。
ここでも御徒町あたりをイメージした。
街並に比して圧倒的に人の数が少ない。
普段はこうじゃないだろう。
爆弾低気圧は灰色の空の上を不気味に徘徊しているが、まだなりをひそめている。

16:39 杉本町(すぎもとちょう)駅(阪和線 大阪府)
天王寺で乗り換え。
数分の停車。
天王寺から高架を走っていた阪和線は地上に下り、雨音が聞こえだした。
駅を出ると浅草橋あたりの下町を連想させる狭い駅前風景があった。
サッカー・ワールドカップと世界陸上の開催で、世界が2度押し寄せた長居競技場を過ぎ、大和川を渡った。
少年の頃に見た「大坂夏の陣」を特集した歴史本に載っていた大和川を写した一枚を不意に思い出した。

16:49 堺市(さかいし)駅(阪和線 大阪府)
数分の停車。
天王寺を出てから似たような街が続いている。
ちょっとした商店街があって、高層マンションが見える。
都市の姿とはこういうものだろうか。
千葉周辺の街並を彷彿とさせる。
車掌が大型台風と警告する発達した低気圧がもたらすであろう酷い状況はまだ近畿一帯にかからず、関西人が戦々恐々と家路に着く中、オレは旅を完結させるべく呑気に和歌山に向かっている。


17:11 東羽衣(ひがしはごろも)駅(阪和線東羽衣支線 大阪府)
鳳で乗り換え。
終着駅へ。
高架から眺めた臨海都市堺の顔は前回と違って賑やかそうに見えた。
雨に濡れた2度目に訪れた街。
狭い駅前の先に南海本線羽衣駅がある。
この駅はどうもうまく撮れない。
この東羽衣駅もどうもうまく撮れない。
息つく暇もなく引き返す。
地上へ下りて民家へ。
そこに駅が現れた。

17:26 鳳(おおとり)駅(阪和線/東羽衣支線 大阪府)
そこにあったターミナル駅、鳳。
改札でオッサンが揉めている。
質屋が迎える横丁からアーケード本通りへ。
だんじり祭りを映したDVDの手書き広告を発見してふと見上げてみれば、アーケードが高い。
岸和田に限った話じゃなく、このあたりの祭りはだんじりらしい。
当たり屋御用達の和泉ナンバーに身構えたが、優しいドライバーだった。
雨降りの夕暮れ。
駅前の混雑に、特定は困難だが、かつてあったある日の夕方を思い出した。
それはとても幸せな記憶だった。

関連記事
-
-
「鉄旅日記」2014年夏 2日目(津山-鳥取)その2-金川、弓削、亀甲、美作滝尾、三浦、美作加茂、知和、智頭、用瀬、津ノ井、大岩、岩美、鳥取(津山線、因美線、山陰本線) 【青春18きっぷで、中国ぶらぶら旅】
鉄旅日記2014年8月14日その2・・・金川駅、弓削駅、亀甲駅、美作滝尾駅、三浦駅、美作加茂駅、知和
-
-
「車旅日記」2004年春 初日(東京-旭川-紋別)走行距離339㎞-深川駅、留萌駅、おひら鰊番屋、士別駅、にしおこっぺ花夢、紋別セントラルホテル 【旭川に下りて、思う存分に北の大地を走った旅の記録でございます】
車旅日記2004年5月1日・・・深川駅、留萌駅、おひら鰊番屋、士別駅、にしおこっぺ花夢、紋別セントラ
-
-
「鉄旅日記」2003年冬 初日(宇部-博多)その2-博多の夜 【ご縁と別れがあり、34歳の誕生日を北九州で迎えた日の記憶でございます。】
鉄旅日記2003年2月15日 2003・2・15 サンシティ博多フレックス21 507号 とうとう
-
-
「鉄旅日記」2017年冬 初日(東京-会津若松)その3-七日市、塩川、姥堂、会津若松(只見線/磐越西線)/鶴ヶ城 【会津へ。会津へ行きたかったのでございます。】
鉄旅日記2017年12月2日・・・七日市駅、塩川駅、姥堂駅、会津若松駅(只見線/磐越西線)/鶴ヶ城
-
-
「鉄旅日記」2020年盛夏 3日目(肥前鹿島-門司港)その3‐諫早、松原、千綿(大村線) 【コロナ禍の内緒旅VOl.2。宮島へ。錦帯橋へ。筑豊へ。島原へ。千綿駅へ。そして若松~戸畑の渡船。日本晴れの4日間の記録でございます。】
鉄旅日記2020年8月15日・・・諫早駅、松原駅、千綿駅(大村線) 11:37
-
-
「鉄旅日記」2012年晩秋【休日おでかけパスで、相模線途中下車旅】保土ヶ谷、大船、香川、北茅ヶ崎、厚木、社家、相武台下、原当麻、下溝、片倉、八王子、猿橋、西八王子、武蔵小金井、東小金井(横須賀線、東海道本線、相模線、横浜線、中央本線)
鉄旅日記2012年11月17日・・・保土ヶ谷駅、大船駅、香川駅、北茅ヶ崎駅、厚木駅、社家駅、相武台下
-
-
「鉄旅日記」2021年春 初日(東京-松本)その3 ‐小淵沢、甲斐大泉、中込、三岡、小諸(小海線) 【週末パスで信濃へ。妙高高原駅で引き返し、松本の友人を訪ね、大糸線を旅して思い出の白馬へ。先の旅から一週間後のことでございました。】
鉄旅日記2021年4月24日・・・小淵沢駅、甲斐大泉駅、中込駅、三岡駅、小諸駅(小海線) 1
-
-
「鉄旅日記」2009年皐月【四国へ、途中下車の旅】2日目(三ノ宮-琴電琴平)-三ノ宮、元町、和田岬、兵庫、須磨、西明石、加古川、網干、上郡、和気、高松、志度、琴電屋島、瓦町、一宮、琴平(山陽本線、和田岬支線、瀬戸大橋線、予讃本線、高徳本線、琴平電鉄志度線、琴平電鉄琴平線)
鉄旅日記2009年5月2日・・・三ノ宮駅、元町駅、和田岬駅、兵庫駅、須磨駅、西明石駅、加古川駅、網干
-
-
「鉄旅日記」2019年年始 初日(東京-一ノ関)その1-金町、上野、高崎、六日町、長岡、見附(常磐線/高崎線/上越線/信越本線) 【雪が見たくて北へ向かいました。そして初めて仙台空港線に乗ったのでございます。】
鉄旅日記2019年1月5日・・・金町駅、上野駅、高崎駅、六日町駅、長岡駅、見附駅(常磐線/高崎線/上
-
-
「鉄旅日記」2006年晩夏-伊勢崎、桐生、西桐生、下仁田、上州富岡、高崎(高崎線/両毛線/上信電鉄) 【ふと誘われるように、上州へ向かう列車に乗ったのでございます。】
鉄旅日記2006年9月2日・・・伊勢崎駅、桐生駅、西桐生駅、下仁田駅、上州富岡駅、高崎駅(高崎線/両
