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「鉄旅日記」2013年春【青春18きっぷで、関東途中下車旅】その2-結城、下館、川島、岩瀬、笠間、十王、小木津、磯原、湯本、内原、羽鳥、土浦、ひたち野うしく(水戸線、常磐線)

公開日: : 最終更新日:2019/07/27 旅話 * 結婚後2013年

冒険家志望のあなたへ【1話】

 

鉄旅日記2013年3月31日その2
12:03 結城(ゆうき)駅(水戸線 茨城県)
関東平野に一級の寒気が張りついている。

室町の頃の結城合戦ではこの地に天下の軍勢が押し寄せた。
茨城地域は反抗的な土地柄なのか歴史上に大きな騒動の記録をいくつか残している。

古くは平将門。
最近では水戸天狗党、幕末の大鳥圭介、土方歳三軍の転戦記。

しかしそんな歴史の痕跡は見当たらず、廃屋の目立つ駅前には葬儀屋が雇った車両誘導員が所在なげに立ち尽くし、飲食スナックは駅前通りを外れた駐車場エリアで灰色にうずくまっている。
ホテルが2軒あって市役所口には巨大な集合施設がそびえていた。

12:29 下館(しもだて)駅(水戸線/真岡鐵道/関東鉄道常総線 茨城県)
茨城で起こった歴史上の騒動には明治の加波山事件もある。
その志士たちが眠る墓がある。

私鉄含め3線が乗り入れる下館は鉄道の街。
駅は北九州の折尾駅を彷彿とさせる洋館建築で古いものに違いない。

街の地図には城跡、蔵の町並みといったものが記されている。
利根川につながる水運で栄えた街なのだろう。

前回ここに寄った時と今との間に13年の歳月がある。

12:52 川島(かわしま)駅(水戸線 茨城県)
2駅戻る。

日立ケミカルの工場に通じていた線路が剥がされていた。

寿司屋以外特に目に付くもののない駅前に平成ホテルとビジネスホテルがある。
工場利用者用だろうか。
ここじゃ桜は満開だ。

再び水戸方面へ。
車窓から眺める今日2度目の下館の街はとても大きく見える。

14:06 岩瀬(いわせ)駅(水戸線 茨城県)
小貝川を渡り、湿原のような大池を跨ぎ、大和駅に思いを残し、だだっ広い岩瀬駅前で途方に暮れる。

50号国道に出てマクドナルドに寄り、あったかいコーヒー。
こんな寒い日の居場所として悪くなかったが、注文したすべてを腹に入れたらすぐに古い町並を歩き駅に戻った。
やけに中華料理屋の多い通りだった。

平将門が大乱を起こした地はもう過ぎたのだろうか。
水郷筑波の表示だけが案内板に踊っている。

今日は花見旅。
50号国道では見えなかった旅情の中にいる。

14:49 笠間(かさま)駅(水戸線 茨城県)
日本三大稲荷の街。

駅前は過疎と不景気、そして今日の花冷えに暗く沈んでいる。

40年前に国際プロレスはディック・マードック、ダスティ・ローデスのジ・アウトローズを呼び、この街でタイトル戦を組んだ。

駅からじゃお稲荷さんも体育館も遠く、雑居ビルの壁は剥がれ、「旅館いなみ」裏の駅前横丁のドアは朽ち、どちらも夢の跡を晒していた。

16:26 十王(じゅうおう)駅(常磐線 茨城県)
水戸偕楽園は梅祭りで臨時駅を開放し、二人の梅美人に着物を着せ観光アピールをしていた。
水戸駅で常磐線に乗り換える。

勇ましい駅名のこの地に焦がれてから4年になるのか。
降りたら何もなく、洒落た造りのきれいな駅に「喧嘩どころ茨城」の怒声が聞こえた。

発生場所は喫煙所で声の主は二人の若者。
ふざけ合い、笑い合っていた。

16:57 小木津(おぎつ)駅(常磐線 茨城県)
ひと駅戻る。

日立電線の城下町だった。
行けども行けども工場で、グレーの三角屋根が果てしなく連なっている。

今日は日曜日。
操業が休みなら町もお休み。
通りで見かけた者はいない。
この町にもシティホテルがある。

骨にまで染みわたるような春の寒さだ。

17:52 磯原(いそはら)駅(常磐線 茨城県)
跨線橋から海が見える。

歩いていこうと思ったけど6号国道まで出たところで断念した。
遠いし寒い。

北茨城の佑都磯原。
でも日曜日はやはり休みだな。
いま寿司屋の電灯が点った。

列車が走りだして2年前に津波が襲った海岸に出た。
雨情の町を、あれ以上先には行けなかったけど、あったかい列車に乗ってオレはさらに北へと向かっている。

18:37 湯本(ゆもと)駅(常磐線 茨城県)
みちのくの風が体を冷やす。

寒さへの耐性に自信を持つこのオレを凍えさせる寒さが東北、北関東という土地柄だ。

湯本に着いて、山頂まで連なる橙の提灯行列が駅を出るまでもなく見えて、何事かを持った町に着いたことを知った。

湯のあたたかさまでは伝わらないが、真実のいわきを知った。
かつて常磐炭坑で栄え、磐高(ばんこう)こと磐城高校は夏の甲子園で準優勝の実績を持ち、漫画「ドカベン」でも、いわき東高校を夏の甲子園の決勝まで送り込んだいわきの実力を見た気がした。

ハワイアンリゾートは地図の外れ、山あいに位置していた。

東京方面へ戻る。

20:26 内原(うちはら)駅(常磐線 茨城県)
数分の停車。

メールが届いた。
どうやら東京も寒いらしい。
当たり前の話だ。

駅前は柵に囲われ、広大なロータリーのムコウに交番が光を放つ。
他に見えたのは街路灯の明かりだけだった。

20:44 羽鳥(はとり)駅(常磐線 茨城県)
特急通過待ちで5分の停車。

町の灯はすべて落ち、駅名を照らす電灯も消えていた。

あたたかい車内がありがたい。

21:16 土浦(つちうら)駅(常磐線 茨城県)
10分近く停車。
亀城公園に下りる。

巨大な駅ビルだったことに前回降りた時には気づいていたのだろうか。
外に出て1階に下りて駅を振り返って初めて事態に気づいた。
大きな街の明かりがそこにあった。

かつて土浦から筑波山麓へと通じる鉄道が走っていた。
オレが生きていく歴史は続いていくが、その間に様々な歴史に終止符が打たれ、またこれからも繰り返されるのだろう。

21:30 ひたち野うしく(ひたちのうしく)駅(常磐線 茨城県)
数分の停車。
かつての筑波万博駅だと知ったのはWeb上でのことだった。

まるでNASAの関連施設だ。
未来型の光を発した駅の周囲は広大な駐車場にあてられ、その無機的なたたずまいはこの上なく人工的だ。

ここから未来なり宇宙なりに行ければいいが、今現在ここを発着しているのは上野行きであり、北の方へは今どこまで行けるのだろう。

原発事故により常磐線は分断され、全線開通の見通しに対してオレが知っている情報はない。

話がだいぶ逸れた。
そんな駅だが、西友の他に存在したものを挙げることはできない。

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