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「鉄旅日記」2013年春【青春18きっぷで、関東途中下車旅】その1-赤羽、岡本、烏山、大金、宝積寺、氏家、石橋、自治医大、小金井、小山(東北本線、烏山線)

公開日: : 最終更新日:2020/08/29 旅話 * 結婚後2013年

鉄旅日記2013年3月31日その1
2013・3・31 5:20 赤羽(あかばね)駅(東北本線/高崎線/京浜東北線/埼京線 東京都)
ちょうど一週間前、この街の善意に救われた。
警察官も善良だった。
安心したあとのステーキとビールは格別だった。

あの日、騒ぎとは別にオレは駅周辺を見渡しボーリング場を探した。
話は18歳の時まで遡る。

当時北浦和で暮らしていた友人を剣道部連中で訪ねた翌日、みんなで投げた場所なんだ。
そこでオレはかなりのハイスコアを叩き出したと記憶している。
もはやそのボーリング場はないだろうと踏んでいた。
そして実際見当たらなかった。

この街の一角に場所を占めてからおそらく不変と思われる「一番街」に足を踏み入れ、明け方の酔客を見かけて、一人だった頃を想った。

女が男を待っていた。
もうオレはあれに似たような情景の主役を張ることもないけど、その代わりに得たものが唯一無二のものだ。
焦がれていた暮らしとは必ずしも言えないまでも、明かりのついた家のドアを開ける時はいつも幸福感に包まれる。

誰かの嘔吐物をかわして駅へ戻る。
外はしとしと雨。
風がなきゃ雨の日も悪くない。

7:17 岡本(おかもと)駅(東北本線/烏山線 栃木県)
関東平野の外れにいる。
薄曇りだ。
オールドスタイルの連結車がやってきて、これからオレを烏山に運ぶ。

宇都宮からの車中、AKB48の大島優子さん似の笑顔がとても素敵な女性と乗り合わせた。
あまりにも可愛らしいのでなんとなく目を離せずにいたら、彼女の友人が合流しタガログ語が聞こえてきたことに衝撃を受けた。

そして今、別の列車に乗り込んだオレに、先に乗っていたフィリピン人女性5名が咎めるような視線を向けた。
彼女たちは人生の目標をどこに置きながら異国暮らしをしているのだろうか。

4号国道バイパスを見下ろす岡本の町。
10分も歩けばあれば十分な町だったが、飲食店にスーパー、ビジネスホテルが散見され、比較的大きな街で見られるような駅があった。

すでに旅情の中にいる。

8:26 烏山(からすやま)駅(烏山線 栃木県)
滞在24分じゃ足りなかった。

角のNTTから294号国道には駅入口まで商店が並び、若鮎を謳う町に相応しく釣具店は早くも店を開け、祭の中心地、山あげ会館周辺にはアメリカンなビール屋が2、3に寿司屋、そば屋、スナックなどが並び、駅前には旅館がある。
そして未だ冬枯れのお寺の山門。

この町は面白い。
住んでも面白い。
そう思ったよ。

霧雨、花冷えの烏山。
東京とは気温にして2、3度違うだろう。

温泉旅館のような駅舎の正面に駅そばが営業していた。

8:46 大金(おおがね)駅(烏山線 栃木県)
駅名にあやかり駅舎横に大金神社がある。
駅舎にも小判があしらわれている。

駅を出たドンツキにJAの建物。
地方でよく見かける風景のひとつだ。

じきに佐々木健介率いるプロレスがこの町にやってくる。

岡本で記した行きの5人組はここで降りていった。
周辺には肥料の匂いが漂っていた。

9:21 宝積寺(ほうしゃくじ)駅(東北本線/烏山線 栃木県)
烏山線との分岐駅で降りて、外の「ちょっ蔵」脇で一服。

散り始めた桜の木が冷たい雨に凍えている。

白河の関が近いこのあたりには陸奥の風が吹き込む。

駅で待つ者はみな震え、車内には冬の装いが目立つ。

9:48 氏家(うじいえ)駅(東北本線 栃木県)
宝積寺から黒磯方面にひと駅。

このあたりで氏家という性を名乗る大名が関ヶ原の頃にいたかもしれない。
司馬遼太郎さんの「関ヶ原」にその男は出てくる。

駅前商店街に琴平通り商店街。
駅前旅館、かえるの塩焼き、蔵造り参番館、割烹三好屋、ホテル結婚式場の清水荘・・・。
二つの商店街を抜けると県道に出て飲食スナックを集めたビルやそば屋、洋品店が並ぶ。

この町の小振りな賑わいを愛でた20分だった。

宇都宮方面に戻る。

10:31 石橋(いしばし)駅(東北本線 栃木県)
4号国道に向かって商店が延び、碁盤の目のような町が広がっていた。
この駅前の夜の灯をきっとオレは気に入るだろう。

新幹線高架下の駅で、地鳴りのような音が頭上を行き交い、駅前には教会のモニュメントが建ち、塔の一番上で花嫁花婿が幸せを発信している。

町にあったプラザホテルからは従業員が去り、次の入居者を募集していた。

10:52 自治医大(じちいだい)駅(東北本線 栃木県)
駅名に冠された大学病院が視界左手にその巨大な姿を見せる町。

マクドナルド、TSUTAYA、タリーズ。
造られた町には東京で馴染みの看板が似合う。

町に出ると人通りは多かった。

11:05 小金井(こがねい)駅(東北本線 栃木県)
車両基地の町には駅前にそれと判る車輪をかたどったモニュメントが置かれている。
その隣に薄墨桜。

松葉旅館が迎える小金井下野風土記と国分寺の町。
お勧めの散策路には紫式部の墓をはじめ興味深い字句が並んでいた。

関東に京女の墓?
歴史には謎が多い。
嘘も多いのだろう。
それぞれの人生のように。

11:32 小山(おやま)駅(東北新幹線/東北本線/両毛線/水戸線 栃木県)
奥行のない鉄道の街。

子供の頃に散々TVCMを流していた小山遊園地は確か閉鎖されてから何年も経つ筈だ。

以前にこの街に降りてからからは10年近くになるのだろうか。
まったく何もなかった反対口に街ができている。

そうした事情で出現した街はどこも似ている。
宇都宮、長野、名古屋。
あの京都八条口でさえそうだった。

小山と言えば思い出す友人がいる。
話に聞いていた彼のお母上と妹さんはご健勝だろうか。

現在の小山は、513年の昔に上杉征伐に会津へ向かう天下の大軍がこの地で重要な会議を開き、関ヶ原の戦いにおける東軍の陣容が決まった故事により「決断の地」と謳っている。

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