「鉄旅日記」2019年弥生Part.3 初日(東京-多治見)その3-笠寺、熱田、熱田神宮、神宮前、大江、名古屋東港、金山(東海道本線/名鉄常滑線/名鉄築港線/名鉄名古屋本線) 【明知鉄道、名鉄築港線。その2線に乗るために、東海道を下っていったのでございます。】
鉄旅日記2019年3月23日・・・ 笠寺駅、熱田駅、神宮前駅、大江駅、名古屋東港駅、金山駅(東海道本線/名鉄常滑線/名鉄築港線)
15:50 笠寺(かさでら)駅(東海道本線 愛知県)
日本ガイシスポーツプラザの他に特に目につくものはなく、脇を新幹線が音速で通りすぎる町。



日本ガイシホールは、オレには旧称レインボーホールの方が通りがいい。
音楽コンサートのこけら落としはオフコース。
プロレス興行でも何度かその名を目にしている。
こんなところにあったのか。
夕暮れの町はどこか気だるく、まだ冷たさを失っていない風を避けるように、人々は跨線橋で次の列車の到着を待つ。
オレもそこに混じる。
そして彼女へ送る返事を考えていた。
16:03 熱田(あつた)駅(東海道本線 愛知県)にて

16:13 熱田神宮にて

16:22 神宮前(じんぐうまえ)駅(名鉄名古屋本線/名鉄常滑線 愛知県)
笠寺から1駅。
熱田で降りる。
神宮商店街を歩きながら、桶狭間に向かう際に熱田神宮に立ち寄った織田信長や、源氏のことを漠然と考えていた。
源義朝の正妻は熱田神宮大宮司の娘由良姫で、源頼朝を産んでいる。



熱田の杜は広い。
恋人に桜色の「なでしこ守り」を購入してすぐに引き返す。
大人の女性に渡すお守りとしては相応しいものではなかったのかもしれない。
でも熱田の神様は、そんな些細なことに拘泥しないだろう。
オレの波動をこめて恋人に渡す。
きっと彼女を守る。
16:32 大江(おおえ)駅(名鉄常滑線/名鉄築港線 愛知県)
中部国際空港に向かう急行列車で1駅。
名古屋東港へ向かう線が分岐する駅に降りた。


駅前は特に何があるわけでもない。
用を済ませて駅を写せば乗換時間の8分は過ぎる。
名鉄旅をしたのは4年前。
2日間を乗り鉄に徹して、8つの終着駅へ行き着いたが、瀬戸線の尾張瀬戸駅と名古屋東港だけは計画に組み込むことはできなかった。
尾張瀬戸には去年の9月に降りている。
名古屋東港へはここからひと駅。
名鉄築港線は日中9:00~15:00台の運行はない。
17:07 名古屋東港(なごやひがしこう)駅(名鉄築港線 愛知県)
大江に戻る列車がやってきた。
一人の客も運んでこなかった。
発車時刻が近づくとどこからともなく人々が現れる。
三菱重工へと向かう引き込み線が延び、空地には裁断された車両が放置されている。


関係者以外立入禁止と書かれた埠頭に出る。
名古屋港は都会の海で、左手には港を横断する大橋が架かっている。
去年の9月に降りた金城ふ頭のあたり。
あれから最愛の存在とは会えなくなり、心の支えにしていた女性も年の暮れに静かに去り、そして彼女が劇的なまでに現れた。
一週間後にオレたちは深く愛し合う。
誰もいない港で、そんな恋人のことを考えていた。



17:17 大江(おおえ)駅(名鉄常滑線/名鉄築港線 愛知県)にて

17:37 金山(かなやま)駅(東海道本線/中央本線/名鉄名古屋本線/名古屋市営地下鉄名城線/名古屋市営地下鉄名港線 愛知県)
大江に戻り、急行列車で2駅。
神宮前の次が金山総合駅になる。

改札を出ると人波の中。
これほどの往来を持つこの街は、愛知県では名古屋に次ぐ地位を持つのではないだろうか。
商業施設は音楽ライブの最中で、あまり上手いとは思えない演奏が聞こえてくる方を向けば、人々が跳び跳ねている。
まるでそこだけが別世界のような景観だった。
再び駅へ。
人波へ。
かき分けるように進むうちに、オレと彼女が出会った奇跡を思った。
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