*

「鉄旅日記」2016年春 最終日(石巻-東京)その1-石巻、西塩釜、下馬、塩釜、岩切、利府、伊達、郡山、白河(仙石線、東北本線、利府支線) 【下北半島から東日本大震災被災地へ】

公開日: : 最終更新日:2025/05/29 旅話, 旅話 2016年

鉄旅日記2016年3月21日その1・・・石巻駅、西塩釜駅、下馬駅、塩釜駅、岩切駅、利府駅、伊達駅、郡山駅、白河駅(仙石線、東北本線、利府支線)

2016・3・21 5:21 石巻(いしのまき)駅(石巻線/仙石線 宮城県)
ここは漫画の国だという。

駅にも街中にも石ノ森章太郎の描いたサイボーグ009や仮面ライダーがいる。

旧北上川まで歩こうとした7年前。

だけどとても遠くて行き着けなかったことを思い出している。

港の工場の煙突から煙が上がっている。
津波はあのあたりにやってきたのだろう。

今週末のダイヤ改正から、この石巻に仙石線の新しい駅が生まれる。

仙石線車窓風景

西塩釜(にししおがま)駅(仙石線 宮城県)にて

下馬(げば)駅(仙石線 宮城県)にて

6:45 塩釜(しおがま)駅(東北本線 宮城県)
野蒜に差し掛かる地区が朝日に照らされ崇高な姿を見せた。

松島も光に満ちて神々しい。

またしばらくのお別れだ。

旅行者を除いて石巻から乗り込んだ人々は、5年前にほぼ例外なく親族友人知己または己のために哭き、そして悲しみをこらえた人々だ。
眠りこけていたあの女性もそうだ。

そう思うと優しい気持ちになる。

西塩釜で降りて線路に沿って歩く。

下馬駅までは約10分。
下馬は多賀城市に属しているようだ。

入れ違いで行ってしまった列車を恨む様子もなく、駅にやってきた女子高生は静かに改札前の椅子に座った。
彼女はあれから20分近く待つことになる。

手にしていた地図に載っていない道に見当をつけて、まず踏切を渡り坂を駆け上がる。

空がきれいで、こんな時間にこんな縁のない場所を走っているオレがおかしくて笑った。
滑稽で。
だけど楽しくて。
「坂の上の雲」という小説のタイトルが思い浮かぶ。

坂を下りてヨークベニマルを過ぎれば塩釜駅。

西塩釜から三角に歩いた朝だった。

塩釜というと、大きな結婚式場をイメージする。
いつ刷り込まれたのだろう。

いずれにしろ宝船みたいな目出度い街という印象を持ったまま、ここを離れる。

7:05 岩切(いわきり)駅(東北本線/利府支線 宮城県)
東北人はすでにコートを脱いでいた。

ここから仙台までは2駅。
人々がひっきりなしにやってきて改札口を抜けていく。

繁華な物はすべて仙台に託したかのような駅前はすっきりとして見所はない。

仙山国境線に雪を被った山並みが見えて、駅のホームでケータイを向けた。

7:20 利府(りふ)駅(利府支線 宮城県)
利府線に乗る計画は随分前から上がっていて、ようやく日の目を見た。

何もない田園地帯に岩切から支線がまっすぐに延びている。

万葉の歌枕に歌われた十符の里とのことだが、なぜこの地まで鉄路が枝分かれして、この地が終着駅になったのかは不明のままだ。

利府高校は天下の強豪仙台育英、東北高校を時に凌ぎ、甲子園に現れたことがある。

朝の利府駅には活気があったが、各車両とも疎らな人数を乗せて仙台方面に向けて走りだしている。

駅横には昨日の矢幅駅よりも大きな横丁ができていた。

9:06 伊達(だて)駅(東北本線 福島県)
伊達駅は「東北の駅100選」に選ばれている。

新幹線高架の先に火の見櫓がある。

駅前で目につくのはそれのみで、商店の類の進出は見られない。

日が差してきたが空気は冷たく、白く染まった奥羽山脈がきれいに見えている。

県内無敵を誇る聖光学院の豪華な野球グランドがある沿線風景は、オレにとってはもはや馴染みだ。

伊達政宗は米沢に来る前はここにいた筈だが、地名の由来を記す案内板に彼の名はなかった。

仙台地区で人身事故が発生してダイヤが狂った。

10:43 郡山(こおりやま)駅(東北本線/磐越東線/磐越西線 福島県)
福島で乗り継ぐ。

伊達から五百川まで、みちのくの山はずっと見えていた。
晴れた日というのは、空の色と気分に関係するだけじゃなく、こういうものなのだとあらためて感じる。

ずっと奥に頭だけ見えていたのが磐梯山、松川で正面に見えたのが安達太良山脈。

南福島金谷川間での里山の眺めは見事で、お蔭で眠れなかった。

ここ郡山には「駅そば」を食べに降りた。

ここのそばになぜかいい印象を持っていなかったが、麺は平たくて素朴な濃い味でとても美味しかった。

友人のEさんとの再会は叶わなかったけど、東北との再会は感動的だった。

その思いとともに東京に帰る。

白河城址にて

11:56 白河(しらかわ)駅(東北本線 福島県)
関東に入る手前に白い山脈が立ちはだかっている。
あれが奥州関門。

その先の白河城で遊んだ。

それなりの観光客を集めている。

天守閣に上がるのは無料とのことだが、気が進まない。
戊辰戦争の際に東北での戦端が開かれたのもここで、争奪戦、奪還戦があり、やがて理想郷を夢見た東北の願いは様々な理由により潰えた。

6年前の震災は白河を巻き込み、石垣の修復工事中だった。

仙台銘菓「萩の月」を買って帰りたかったけど叶わず、代わりは白河うどん。
えらい違いだ。
でもきっと美味しかろう。

それにしても冷たい風だ。

商店街はこんな規模だったかと記憶を手繰った。

歴史的な駅が残る奥州道中路白河。

気高い街だ。

関連記事

「鉄旅日記」2019年弥生Part.1 初日(東京-紀伊田辺)その1-金町、名古屋、多気、川添、三瀬谷(常磐線/東海道本線/関西本線/伊勢鉄道/紀勢本線) 【和歌山電鐵に乗るために、青春18きっぷで紀伊半島一周を思い立ったのでございます。】

鉄旅日記2019年3月2日・・・金町駅、名古屋駅、多気駅、川添駅、三瀬谷駅(常磐線/東海道本線/関西

記事を読む

「鉄旅日記」2019年弥生Part.3 最終日(多治見-東京)その2-中津川、坂下、落合川、南木曽、十二兼、洗馬、塩尻(中央本線) 【明知鉄道、名鉄築港線。その2線に乗るために、東海道を下っていったのでございます。】

鉄旅日記2019年3月24日・・・中津川駅、坂下駅、落合川駅、南木曽駅、十二兼駅、洗馬駅、塩尻駅(中

記事を読む

「鉄旅日記」2016年春 最終日(石巻-東京)その2-久田野、新白河、豊原、白坂、黒磯、西那須野、那須塩原、矢板(東北本線) 【下北半島から東日本大震災被災地へ】

鉄旅日記2016年3月21日その2・・・久田野駅、新白河駅、豊原駅、白坂駅、黒磯駅、西那須野駅、那須

記事を読む

「鉄旅日記」2021年春 初日(東京-米内沢)その1‐金町、上野、古川、陸前谷地(常磐線/東北新幹線/陸羽東線) 【大人の休日倶楽部パスで東北へ。新幹線、在来線特急乗り放題でございます。続くコロナ禍ではございますが、約半年の辛抱の時を過ぎて、天候にも苛まれながら秋田内陸縦貫鉄道に乗りに行きました。】

鉄旅日記2021年4月17日・・・金町駅、上野駅、古川駅、陸前谷地駅(常磐線/東北新幹線/陸羽東線

記事を読む

「鉄旅日記」2015年春【浜名湖周辺で遊ぶ一日】その2-鷲津、新居町、浜松、新浜松、第一通り、西鹿島、遠州森、円田、遠江一宮、原谷、掛川、安倍川(東海道本線/遠州鉄道/天竜浜名湖鉄道)

鉄旅日記2015年3月28日その2・・・鷲津駅、新居町駅、浜松駅、新浜松駅、第一通り駅、西鹿島駅、遠

記事を読む

「鉄旅日記」2021年師走 初日(東京-古川)その2 ‐水沢江刺、盛岡、上米内(東北新幹線/山田線)【特急乗り放題の大人の休日倶楽部パスで冬の国へ。山田線完全乗車と鳴子温泉郷を始めとした陸羽東線沿線を歩くことが目的でございました。】

鉄旅日記2021年12月4日・・・水沢江刺駅、盛岡駅、上米内駅(東北新幹線/山田線) 9:4

記事を読む

「鉄旅日記」2022年皐月 初日(東京-磐梯熱海)その2 ‐文挟、鹿沼、鶴田、宇都宮(日光線) 【日光線全駅乗降を果たし、猪苗代湖畔に遊び、磐梯熱海の湯につかり、国定忠治を訪ねた旅でございます。】

鉄旅日記2022年5月7日・・・文挟駅、鹿沼駅、鶴田駅、宇都宮駅(日光線) 7:32&nbs

記事を読む

「車旅日記」2004年秋 2日目(宇野-城崎)走行距離377㎞ その1-宇野駅、児島駅、下津井港、倉敷駅、総社駅、備中高梁駅、新見駅 【瀬戸内から山陰へ。そんな旅がしたかったのでございます。】

車旅日記2004年11月21日・・・宇野駅、児島駅、下津井港、倉敷駅、総社駅、備中高梁駅、新見駅

記事を読む

「鉄旅日記」2020年盛夏 初日(東京-防府)その3‐三滝、横川、宮島口フェリー乗場、宮島フェリー乗場、広電宮島口、宮島口(可部線/山陽本線/JR西日本宮島フェリー) 【コロナ禍の内緒旅VOl.2。宮島へ。錦帯橋へ。筑豊へ。島原へ。千綿駅へ。そして若松~戸畑の渡船。日本晴れの4日間の記録でございます。】

鉄旅日記2020年8月13日・・・三滝駅、横川駅、宮島口フェリー乗場、宮島フェリー乗場、広電宮島口

記事を読む

「鉄旅日記」2022年水無月 最終日(中山平温泉-東京)その4 ‐土浦、ひたち野うしく、亀有(常磐線)【鳴子温泉郷の湯を求めての旅でございます。】/葛西神社~江戸川堤葛飾情緒

鉄旅日記2022年6月12日・・・土浦駅、ひたち野うしく駅、亀有駅(常磐線)/葛西神社~江戸川堤葛

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 ※ が付いている欄は必須項目です

「鉄旅日記」2023年七夕月 初日(東京-輪島)その3‐富山、岩瀬浜、金沢、七尾、穴水(富山地方鉄道富山港線/北陸新幹線/七尾線/のと鉄道七尾線)【令和6年能登半島地震の半年前に能登を、輪島を訪ねておりました。】

鉄旅日記2023年7月15日・・・富山駅、岩瀬浜駅、金沢駅、七尾駅、

「鉄旅日記」2023年七夕月 初日(東京-輪島)その2‐東京、富山、電鉄富山、越中八尾(北陸新幹線/高山本線)【令和6年能登半島地震の半年前に能登を、輪島を訪ねておりました。】

鉄旅日記2023年7月15日15日・・・東京駅、富山駅、電鉄富山駅、

「鉄旅日記」2023年七夕月 初日(東京-輪島)その1‐金町、北千住、日暮里(常磐線)【令和6年能登半島地震の半年前に能登を、輪島を訪ねておりました。】

鉄旅日記2023年7月15日・・・金町駅、北千住駅、日暮里駅(常磐線

「鉄旅日記」2023年桜時 ツレと訪ねた横須賀~大宮旅でございます。そして江戸川堤菜の花の頃。佐野元春さん「sweet 16」永遠にありのままで。/横須賀駅/横須賀中央駅/大宮駅/内宿駅【Facbookへの投稿より振り返ります。】

【雨の軍都から江戸川堤。そして静かな午後】 2週にまたがる週末

「車旅日記」2001年盛夏 最終日(松山-東京)その3-伊吹PA、浜名湖SA、由比PA、足柄SA、海老名SA、葛飾金町【思い出深き四国初上陸でございます。福山に帰省していた友と待ち合わせ、いつも想っていたのは京都の彼女のことでございます。】

車旅日記2001年8月15日・・・伊吹PA、浜名湖SA、由比PA、足

→もっと見る

    PAGE TOP ↑