*

「鉄旅日記」2016年春 最終日(石巻-東京)その2-久田野、新白河、豊原、白坂、黒磯、西那須野、那須塩原、矢板(東北本線) 【下北半島から東日本大震災被災地へ】

公開日: : 最終更新日:2025/05/29 旅話, 旅話 2016年

鉄旅日記2016年3月21日その2・・・久田野駅、新白河駅、豊原駅、白坂駅、黒磯駅、西那須野駅、那須塩原駅、矢板駅(東北本線)

12:12 久田野(くたの)駅(東北本線 福島県)
白河から1駅戻る。

街道を外れた集落にぽつんと駅がある。
便所がとてもきれいで感心した。

しかし何もないから空でも眺めているしかないな。
とてもきれいな青だ。

白いキャップを被った美しく若い女性と乗り合わせた。

彼女のためにもずっときれいな駅であってほしい。

よく見るとお腹が大きい。
立ち姿が愛らしい。
どうぞご無事に安産を!

12:34 新白河(しんしらかわ)駅(東北新幹線/東北本線 福島県)
開業当初は磐城西郷駅といったという。

新幹線開業に伴ってできた駅だとばかり思っていた。

友人Eさんとの思い出が残る駅でもある。

ここは当時彼が暮らしていた石川からとても遠いのに何度か送ってくれたんだ。
彼はずっとそういう人だった。
あまりの人の好さに戸惑ったこともある。
オレなどとてもとても及びもつかない。

駅前のファミレスで食事もした筈だ。
あの頃からどうやら何も変わっていない。
あのレンタカー屋はあったかな。

ひとりで旅をするようになる前からあった思い出の街。
思えばそんな街は郡山と大阪、神戸、宇部しかない。

どれも友人のTさん、Eさん所縁の街だ。
彼らは大切な友人なんだ。

白河だるまラーメンが土産物リストに加わった。

12:48 豊原(とよはら)駅(東北本線 栃木県)
とても残念だが、ここには降りたことがあるという記録だけを残して、2分後に入線する下り列車に乗ることになる。

ピンクに縁どられた木造駅舎が好ましい。

ここから1駅戻る白坂にかけての国境の景観はとても見事だ。

13:14 白坂(しらさか)駅(東北本線 福島県)
皮篭溜池を前にして中華料理の来来軒がある。

昼時だ。
駐車場には客のものと思われる車が数台止まっている。

ここにアウシュビッツ平和博物館なるものがある不思議。

置かれた貨物車は強制収容所への道を示すオマージュか。

朽ちそうな豪農屋敷に赤レンガ倉庫。
脇には原発災害情報センターがある。
さらにソーラーパネル。

人の気配はごく微量だ。
こんな上天気の下でかつて世界で起きた悲惨な出来事を想像することになるとは。

誰が意図してこういったものが置かれるようになったのか知らないが、あまりにも不自然な一画だった。

白坂は奥州道中の宿場。
コンビニに行くには約2キロの道を歩かなければならない。

白坂駅周辺風景


栃木福島県境車窓風景

13:59 黒磯(くろいそ)駅(東北本線 栃木県)
駅前通りを眺めながらビールを飲んでいる。

関東に帰ってきた。
吹く風も柔らかく日差しに満ちている。

いい気分だ。

黒磯とはこんな街だったかと、思いをあらためてもいる。
宿場町の風情を残した奥州関門手前の街だ。

白河を境にした戦乱の歴史はあまり伝わっていないが、多くの人々や軍隊の往来があったことを偲ばせる。

「駅そば」の記憶はなかったが、去年閉店したという紙が貼られたスペースが店構えもそのままに残り、整然としていて、箸置きにはたくさんの箸が当時の姿のまま置かれていた。

14:28 西那須野(にしなすの)駅(東北本線 栃木県)
日光山塊に向けてメインストリートが真っ直ぐに伸びる様が美しい。

繁華街なんてものはない町に、ビジネスホテルと2、3の飲食店。

冒頭の通りはもちろん商店街だ。
歩いて行けば何かあるだろう。

乗客の装いが田舎じみてきて、栃木を感じている。

14:53 那須塩原(なすしおばら)駅(東北新幹線/東北本線 栃木県)
ひと駅戻る。

黒滝連山、那須連山の眺望が素晴らしい。
大倉山に積もった雪は当分消えそうにない。

降りてみないと分からない魅力が駅にはある。

国会移転が法律で決まってから随分時が流れた。
新幹線が停車するこの地が有力だと聞いたことがあり、それを匂わす横断幕だかを見かけたけど、霞が関は気乗り薄だ。

でもここはいい。
多くの旅行者で賑わってもいる。

雑踏に子どもの泣き声が交じるのはお馴染みだが、その声に反応する人生になったことを喜んでいる。

またここにも降りて、あの山々を一緒に眺めよう。


15:35 矢板(やいた)駅(東北本線 栃木県)
宇都宮から先は深い山の中。
東北道を走っているとそんな感覚になる。

矢板で降りても日光山塊から続く山並みを見渡すことができる。
その山並みはだいぶ低くなり、もはや山頂に雪は見られない。

ここ矢板は那須地域よりも街の体裁は整い、いくつか時代を過ぎてきた痕跡が見て取れる。

駅前の「SHARP」の看板を掲げたビルは元はホテルだったのだろう。
地図の同じ場所には「京」という名が記されていて、今は1階にタクシー会社が収まっている。

古い結婚式場に新しいシティ・ホテル、路地を覗けばスナックが連なり、商店街は日光山塊に向かって途切れることを知らないかのように真っ直ぐに伸びている。

田舎じみて古びているがステキな街だ。
ここが最後でよかった。

そしてまた旅に出たくなる。
でも今日はもう帰るよ。

矢板の町並

関連記事

「鉄旅日記」2022年皐月 初日(東京-磐梯熱海)その2 ‐文挟、鹿沼、鶴田、宇都宮(日光線) 【日光線全駅乗降を果たし、猪苗代湖畔に遊び、磐梯熱海の湯につかり、国定忠治を訪ねた旅でございます。】

鉄旅日記2022年5月7日・・・文挟駅、鹿沼駅、鶴田駅、宇都宮駅(日光線) 7:32&nbs

記事を読む

「鉄旅日記」2018年如月 最終日(直江津-六日町-大前-東京)その3-金島、中之条、川原湯温泉、大前、羽根尾、高崎問屋町(吾妻線) 【冬の町を見たくて、週末パスを買いました。】

鉄旅日記2018年2月11日・・・金島駅、中之条駅、川原湯温泉駅、大前駅、羽根尾駅、高崎問屋町駅(吾

記事を読む

「鉄旅日記」2015年春【浜名湖周辺で遊ぶ一日】その2-鷲津、新居町、浜松、新浜松、第一通り、西鹿島、遠州森、円田、遠江一宮、原谷、掛川、安倍川(東海道本線/遠州鉄道/天竜浜名湖鉄道)

鉄旅日記2015年3月28日その2・・・鷲津駅、新居町駅、浜松駅、新浜松駅、第一通り駅、西鹿島駅、遠

記事を読む

「鉄旅日記」2014年春 最終日(紀伊勝浦-東京)その1-紀伊勝浦、太地、湯川、那智、三輪崎、新宮、鵜殿(紀勢本線)/丹鶴城公園 【青春18きっぷで、紀伊半島へ】

鉄旅日記2014年3月9日その1・・・紀伊勝浦駅、太地駅、湯川駅、那智駅、三輪崎駅、新宮駅、鵜殿駅(

記事を読む

「鉄旅日記」2020年弥生 初日(東京-高山)その3‐上諏訪、塩尻、洗馬、中津川(中央本線) 【富山地方鉄道に乗りにまいりました。太多線、高山本線に乗るのも楽しみにしていたのでございます。】

鉄旅日記2020年3月20日・・・上諏訪駅、塩尻駅、洗馬駅、中津川駅(中央本線) 10:27 上諏

記事を読む

「車旅日記」2005年冬 初日(熊本空港-都城)走行距離270㎞-羽田空港、熊本空港、立野駅、高森駅、湯前駅、小林駅、都城グリーンホテル 【どこへ行こうか。まっさきに浮かんだのが、昨夏に旅した南九州でございました。】

車旅日記2005年2月11日・・・羽田空港、熊本空港、立野駅、高森駅、湯前駅、小林駅、都城グリーンホ

記事を読む

「鉄旅日記」2020年文月 初日(東京-香住)その5‐並河、園部、胡麻、下山、福知山(山陰本線) 【コロナ禍でございます。内緒の旅でございました。余部鉄橋へ。萩へ。霧の街へ。東京五輪延期で浮いた4連休の記録でございます。】

鉄旅日記2020年7月23日・・・並河駅、園部駅、胡麻駅、下山駅、福知山駅(山陰本線) 16

記事を読む

「鉄旅日記」2018年春 初日(東京-飯田)その1-国立、高尾、宮田、伊那八幡、三河東郷、新城、三河一宮(中央本線/飯田線)【伊那谷へ。長篠へ。安曇野へ。木曽へ。青春18きっぷを握ったそんな旅でございます。】

鉄旅日記2018年4月7日・・・国立駅、高尾駅、宮田駅、伊那八幡駅、三河東郷駅、新城駅、三河一宮駅(

記事を読む

「鉄旅日記」2017年秋 その1-東長崎、本鵠沼、鵠沼海岸、藤沢、石上、柳小路、鵠沼、湘南海岸公園、鎌倉(西武池袋線/小田急電鉄江ノ島線/江ノ島電鉄) 【湘南へ向かう休日。江ノ電に乗りに行ったのでございます。】

鉄旅日記2017年11月12日・・・東長崎駅、本鵠沼駅、鵠沼海岸駅、藤沢駅、石上駅、柳小路駅、鵠沼駅

記事を読む

「鉄旅日記」2016年夏 4日目(富良野-大館)その1-富良野、滝川、岩見沢、白石、新札幌、北広島、恵庭、千歳、新千歳空港(根室本線/函館本線/千歳線/石勝線) 【じきに廃線を迎える留萌~増毛に用がありました】

鉄旅日記2016年8月13日・・・富良野駅、滝川駅、岩見沢駅、白石駅、新札幌駅、北広島駅、恵庭駅、千

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

「鉄旅日記」2022年水無月 初日(東京-中山平温泉)その2 ‐いわき、竜田、原ノ町、鹿島、新地、仙台(常磐線)【鳴子温泉郷の湯を求めての旅でございます。】

鉄旅日記2022年6月11日・・・いわき駅、竜田駅、原ノ町駅、鹿島駅

「鉄旅日記」2022年水無月 初日(東京-中山平温泉)その1 ‐金町、石岡、友部、水戸(常磐線)【鳴子温泉郷の湯を求めての旅でございます。】

鉄旅日記2022年6月11日・・・金町駅、石岡駅、友部駅、水戸駅(常

「鉄旅日記」2022年皐月 ツレと訪ねた下部温泉~富士宮~田子の浦旅でございます。最終日(下部温泉-東京) ‐下部温泉、波高島、身延、甲斐大島、内船、西富士宮、富士宮、東田子の浦(身延線/東海道本線)/富士浅間神社【Facbookへの投稿より振り返ります。】

鉄旅日記2022年5月29日・・・下部温泉駅、波高島駅、身延駅、甲斐

「鉄旅日記」2022年皐月 ツレと訪ねた下部温泉~富士宮~田子の浦旅でございます。初日(東京-下部温泉) ‐市川大門、下部温泉(身延線)【Facbookへの投稿より振り返ります。】

鉄旅日記2022年5月28日・・・市川大門駅、下部温泉駅(身延線)

「鉄旅日記」2022年皐月 最終日(磐梯熱海-東京)その3 ‐駒形、前橋大橋、高崎、本庄(両毛線/高崎線)【日光線全駅乗降を果たし、猪苗代湖畔に遊び、磐梯熱海の湯につかり、国定忠治を訪ねた旅でございます。】

鉄旅日記2022年5月8日・・・駒形駅、前橋大島駅、高崎駅、本庄駅(

→もっと見る

    PAGE TOP ↑