*

「鉄旅日記」2017年冬 初日(東京-会津若松)その1-大泉学園、北千住、東武動物公園、上三依塩原温泉口、中三依温泉、会津高原尾瀬口、七ヶ岳登山口、会津山村道場(西武池袋線/東武伊勢崎線/東武鬼怒川線/野岩鉄道/会津鉄道) 【会津へ。会津へ行きたかったのでございます。】

公開日: : 最終更新日:2025/05/15 旅話, 旅話 2017年

鉄旅日記2017年12月2日・・・大泉学園駅、北千住駅、東武動物公園駅、上三依塩原温泉口駅、中三依温泉駅、会津高原尾瀬口駅、七ヶ岳登山口駅、会津山村道場駅(西武池袋線/東武伊勢崎線/東武鬼怒川線/野岩鉄道/会津鉄道)

2017・12・2 5:05 大泉学園(おおいずみがくえん)駅(西武池袋線 東京都)
衆議院総選挙での自民党圧勝、福岡ソフトバンク×横浜DeNAの日本シリーズにおける激闘、大相撲九州場所初日以後の醜聞、横綱日馬富士引退。

暦は師走になり、ひとつの友人グループとは忘年会で一年を労い、初秋からほぼ週休一日で忙しく働いてきた仕事は、困ったことに落ち着きを見せ始め、SNSで得た友人たちとは当日の健闘を誓い合う。

そのSNSでは、ひとりの女性と毎日のように互いの無事と幸福を祈り合う大切な関係も築けた。
もちろん会ったことはない。

これからクリスマス、年の瀬、正月とくるが、どんな心地で過ごすのか。
決まって正月前に「とらや」を出ていった車寅次郎の哀愁に満ちた後ろ姿が浮かぶ。

冬の国へ。
会津に向かうべく始発から数本後の列車に乗っている。
こうしてる間にもう池袋。

始発列車は朝を待ちきれない人々でたいてい埋まっているが、この便は、この時間じゃこんなもんだろうと合点するだけの人々を乗せて、粛々と終点に向かっている。

6:00 北千住(きたせんじゅ)駅(常磐線/東武伊勢崎線/東京メトロ千代田線/東京メトロ日比谷線/つくばエキスプレス 東京都)
池袋駅山手線外回りのホームへの階段を上がると、丁度乗る列車が到着したところで、驚くべき人々の波に階段の途中で呑まれた。
忘年会シーズンが本格的に始まったようだ。

車内も通常の通勤時間帯の混雑と変わらない。
これが東京という街だ。

西日暮里で地下鉄千代田線に乗り換える。

列車の到着を待つスーツ姿の若い男がホームに胡座をかいている。
その姿は男らしくはあるが、ズボンが汚れることに抵抗を持たないことは理解できない。
昔は相当に泥酔した者以外にそんな姿は見かけなかった。

久しぶりに降りた北千住は懐かしく感じた。
金町にいた頃は毎日通り、かつて心を寄せていた女性は今もこの街に暮らしているのだろう。

新橋で小さなスナックのママをしている彼女。
会いに行けないことはないが、会わせる顔はまだできていない。
でも得意先に行く時にはいつも店の前を通る。

ルミネを従えた北千住駅。
スマホを横にして写真を撮ったら、てっぺんが収まらなかった。

6:46 東武動物公園(とうぶどうぶつこうえん)駅(東武伊勢崎線/東武日光線 埼玉県)
日光線への乗り換え列車を待っている。

ここで夜明け。
大きな太陽が北千住方面から上がり、どことなく侘しいターミナル駅が輝きに満ちた。

20年以上前にこの町の動物園に行ったことを思い出している。
小さな動物を肩に乗せてはしゃいでいた恋人の姿。
他はすべて忘れていた。

駅に寄ったのはその際か。
あるいは仕事で和戸に納品に行った際かもしれない。

車窓から冬枯れの景色を見ていた。
この景色は普段暮らしているあたりにはなく、旅に出ている実感を強くする。

日の出の写真をmessengerで送る。
こうして毎朝交誼を深めている。

9:20 上三依塩原温泉口(かみみよりしおばらおんせんぐち)駅(野岩鉄道 栃木県)
南栗橋、下今市で乗り継ぐ。

小雪が舞っている。
日差しも覗く。

冬枯れたアスファルトを男鹿川まで歩く。
会津西街道は山間に差しかかり、次の町は遠く、歩いてはいけない。

かつて闇の中に浮かんで見えた駅に女性駅員はいるが、当時の印象に違わず、あたりに集落はなく、高所にあるこのホームからはわずかな家屋しか認められない。

風は冷たいが、まるで希望のようにたまに降り注ぐ日差しはあたたかい。

ホームに立つ身はひとり。
たまらなく愛しい時を生きている。

9:52 中三依温泉(なかみよりおんせん)駅(野岩鉄道 栃木県)
駅前にある三依霊山宝蔵院の由緒書きによると、三依地区は会津藩領で、戊辰戦争では一村を除いて焼かれたとある。

ここから会津若松は遠い。
戦争とはそういうものか。

東京より冬の訪れが早い村で暫し。

風は冷たく、柿は収穫を得ずに腐り、ガソリンスタンドは撤退し、会津西街道を往く車もなく、駅裏のそば打ち道場には人の姿がある。

駅前に組まれた櫓にはクリスマスイルミネーションの仕掛けがついている。
どの村にもささやかであれクリスマスはくる。

しかしこの風の冷たさを、おそらく東京ではこの冬経験しない。
さっき挨拶を交わした掃除夫のおじさんも上り列車の運転手に寒いとこぼす。

10:24 会津高原尾瀬口(あいづこうげんおぜぐち)駅(会津鉄道/野岩鉄道 福島県)
かつての会津線の終着駅でストーブにあたる。

いくつかの土産物屋を除きあたりにめぼしいものは見られず、この駅に止まる列車は、田島までの各駅の存在をしばらく無視する。
オレはそういう存在に用があってこうして乗り継いできた。

NHK大河ドラマで描かれた「八重さん」の故郷をこれから歩く。

11:21 七ヶ岳登山口(ななつがたけとざんぐち)駅(会津鉄道 福島県)
変哲のない会津西街道を歩いていく。

七ヶ岳への登山は現在禁じられ、街道にこの駅へと誘う表示はない。

通る車は疎らで風は穏やかで音もなく、車を操る者の他に見かける人はない。

11:58 会津山村道場(あいづさんそんどうじょう)駅(会津鉄道 福島県)
会津西街道を阿賀川に沿って歩いていく。

荒海宿の木札が温泉地を示し、やはりここにも駅を示す表示は見られない。

12時の時報は「恋は水色」。
不意に不自然な音が聞こえ、冷たい風にも慣れて外に出るとコンセントを発見して拝借。スマホを充電。
これで焦燥も消える。

真っ青な空の下、冬枯れと表現したかった道中は春のような日差しを浴びて、とても豊かな風情をまとい、囲む山々に白いものは見られない。

途中、ここが義経逃避行路であるとの新しい石碑が立っていた。

諸説あるだろう。
義経一行は日本海側をたどり、やがて平泉へと東北を横断する。

白河の関は過ぎた。
この道を行ったのかもしれない。

関連記事

「鉄旅日記」2021年春 最終日(松本-東京)その2 ‐神城、千国、南小谷、小滝(大糸線)【週末パスで信濃へ。妙高高原駅で引き返し、松本の友人を訪ね、大糸線を旅して思い出の白馬へ。先の旅から一週間後のことでございました。】

鉄旅日記2021年4月25日・・・神城駅、千国駅、南小谷駅、小滝駅(大糸線) 7:53 神城

記事を読む

「鉄旅日記」2019年霜月 最終日(北上-東京)その3‐仙台、国見、愛子、山形(仙山線) 【津軽鉄道、弘南鉄道に乗りにいきました。羽州街道を歩いた晩秋の旅でございます。】

鉄旅日記2019年11月4日・・・仙台駅、国見駅、愛子駅、山形駅(仙山線) 14:39 仙台(せん

記事を読む

「鉄旅日記」2022年文月 ツレと訪ねた佐久海ノ口温泉~諏訪湖旅でございます。初日(東京-佐久海ノ口) ‐甲府、小淵沢、清里、野辺山、佐久海ノ口(中央本線/小海線)【Facbookへの投稿より振り返ります。】

鉄旅日記2022年7月23日・・・甲府駅、小淵沢駅、清里駅、野辺山駅、佐久海ノ口駅(中央本線/小海

記事を読む

「鉄旅日記」2023年新春 初日(東京-泉佐野)その3 ‐みさき公園、多奈川、紀ノ川(南海本線/南海多奈川線)【南海各支線、水間鉄道、阪堺電気軌道、泉北高速鉄道、信楽高原鉄道、、、関西乗り鉄旅でございます。】

鉄旅日記2023年1月7日・・・みさき公園駅、多奈川駅、紀ノ川駅(南海本線/南海多奈川線)

記事を読む

「鉄旅日記」2015年夏 4日目(西鉄柳川-広島)その1-西鉄柳川、西鉄久留米、西鉄甘木、甘木、基山、けやき台、原田、桂川(西鉄本線、西鉄甘木線、甘木鉄道、鹿児島本線、筑豊本線) 【日本最南端の終着駅、枕崎までの往復旅】

鉄旅日記2015年8月15日その1・・・西鉄柳川駅、西鉄久留米駅、西鉄甘木駅、甘木駅、基山駅、けやき

記事を読む

「鉄旅日記」2023年新春 2日目(泉佐野-彦根)その5 ‐関、柘植、貴生川(関西本線/草津線/信楽高原鐡道)【南海各支線、水間鉄道、泉北高速鉄道、阪堺電気軌道、、、、関西乗り鉄旅でございます。】

鉄旅日記2023年1月8日・・・関駅、柘植駅、貴生川駅(関西本線/草津線) 15:21 関(

記事を読む

「鉄旅日記」2009年秋-川口、浦和、深谷、倉賀野、寄居、東飯能、飯能、寒川、茅ヶ崎、辻堂、新橋(京浜東北線/高崎線/八高線/相模線/東海道本線)【関東ぶらぶら旅その2-武蔵から相模へ】

鉄旅日記2009年10月27日・・・川口駅、浦和駅、深谷駅、倉賀野駅、寄居駅、東飯能駅、飯能駅、寒川

記事を読む

「鉄旅日記」2023年浅春 初日(東京-松本)その2 ‐辰野、信濃川島、小野、野尻、上松(辰野支線/中央本線)【友を訪ねての信濃旅でございます。篠ノ井線全駅下車を果たした旅でもございました。】

鉄旅日記2023年3月4日・・・辰野駅、信濃川島駅、小野駅、野尻駅、上松駅(辰野支線/中央本線)

記事を読む

「鉄旅日記」2013年春【青春18きっぷで、甲斐駿河途中下車旅】その1-新宿、初狩、笹子、酒折、善光寺、甲斐岩間、波高島、内船、芝川、西富士宮(中央本線、身延線)

鉄旅日記2013年3月3日その1・・・新宿駅、初狩駅、笹子駅、酒折駅、善光寺駅、甲斐岩間駅、波高島駅

記事を読む

「鉄旅日記」2013年夏 3日目(南宮崎-隼人)その1-南宮崎、伊比井、北郷、飫肥、日向大束、志布志、油津、日南、木花、田吉、宮崎空港(日南線、宮崎空港線) 【青春18きっぷで、鹿児島県志布志へ】

鉄旅日記2013年8月12日その1・・・南宮崎駅、伊比井駅、北郷駅、飫肥駅、日向大束駅、志布志駅、油

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 ※ が付いている欄は必須項目です

「鉄旅日記」2023年七夕月 初日(東京-輪島)その3‐富山、岩瀬浜、金沢、七尾、穴水(富山地方鉄道富山港線/北陸新幹線/七尾線/のと鉄道七尾線)【令和6年能登半島地震の半年前に能登を、輪島を訪ねておりました。】

鉄旅日記2023年7月15日・・・富山駅、岩瀬浜駅、金沢駅、七尾駅、

「鉄旅日記」2023年七夕月 初日(東京-輪島)その2‐東京、富山、電鉄富山、越中八尾(北陸新幹線/高山本線)【令和6年能登半島地震の半年前に能登を、輪島を訪ねておりました。】

鉄旅日記2023年7月15日15日・・・東京駅、富山駅、電鉄富山駅、

「鉄旅日記」2023年七夕月 初日(東京-輪島)その1‐金町、北千住、日暮里(常磐線)【令和6年能登半島地震の半年前に能登を、輪島を訪ねておりました。】

鉄旅日記2023年7月15日・・・金町駅、北千住駅、日暮里駅(常磐線

「鉄旅日記」2023年桜時 ツレと訪ねた横須賀~大宮旅でございます。そして江戸川堤菜の花の頃。佐野元春さん「sweet 16」永遠にありのままで。/横須賀駅/横須賀中央駅/大宮駅/内宿駅【Facbookへの投稿より振り返ります。】

【雨の軍都から江戸川堤。そして静かな午後】 2週にまたがる週末

「車旅日記」2001年盛夏 最終日(松山-東京)その3-伊吹PA、浜名湖SA、由比PA、足柄SA、海老名SA、葛飾金町【思い出深き四国初上陸でございます。福山に帰省していた友と待ち合わせ、いつも想っていたのは京都の彼女のことでございます。】

車旅日記2001年8月15日・・・伊吹PA、浜名湖SA、由比PA、足

→もっと見る

    PAGE TOP ↑