*

「鉄旅日記」2018年師走 最終日(神島-鳥羽港-伊良湖岬-三河田原-豊橋-東京)その1-神島山海荘あじさい、神島漁港、菅島漁港、鳥羽城址(城山公園)、旧鳥羽小学校(鳥羽市営定期船) 【伊勢のいくつもの終着駅に降りまして、神島で2018年最後の満月を眺めたのでございます。】

公開日: : 最終更新日:2025/05/10 旅話, 旅話 2018年

鉄旅日記2018年12月24日・・・神島山海荘あじさい、神島漁港、菅島漁港、鳥羽城址(城山公園)、旧鳥羽小学校(鳥羽市営定期船)

2018・12・24 6:42 神島山海荘あじさい
横になりながら夢を見ながら、外を吹く風の音は聞こえていた。

昨夜から波が荒れることは予測され、島と伊良湖を結ぶ船は欠航が決まっていた。

伊良湖を見物した後に豊橋に出て、飯田線で長篠古戦場に行く計画でいたがご破算となり、ひとまず鳥羽へ戻る。

部屋からは荒れる水平線の上空と、青空の中に所を移した昨夜の満月が今もなお輝いて見える。





8:26 神島漁港
山海荘を出て寺への階段を上り左へ。
八代神社の鳥居は見えている。

庭だか路地だか分からない道を上り下りして石段下へ。

石段に向けて祈りというより御礼を言っていた。

何に?
昨夜の奇跡に。

そしてこれから訪れる輝かしい未来に。

狭い階段を下っていく。
昨日石段に座っていた猫が老婆と共に歩いていた。



この島にはやはり何かがある。

かつてこの島で時を知らせる唯一の場所だった時計台跡には、今も時計が置かれている。

振り返ってはスマホを向け、一旦乗り込んだ船からまた這い出てはスマホを向けた。





近い将来、彼女を連れて再訪するだろう。
そんな未来が見えている。

8:35に船は港を離れる。

8:57 菅島漁港
鳥羽の港が見える。

水道を跨ぐ巨大な橋が印象的な島で、やはり全島が山地で、神島のように集落も港付近に見えたものがすべてかもしれない。

海女の島、菅島。
神島の何倍も大きく、船内はにわかに賑やかになり、子供の姿も多く見える。



海から眺める鳥羽は白いリゾートマンションが筍のように山の中に立つ、まさにマリンリゾート。
稀有な街だ。

10分で鳥羽に到着。

9:36 鳥羽城址(城山公園)
鳥羽から多気、亀山を経て名古屋に出る鉄旅で帰ることも考えていたが、船旅の魅力に気づき、船で伊良湖に戻ろうと決めて波止場に下りたら、伊勢湾フェリーの船着き場は別にあるとのこと。

山海荘でご一緒したご夫婦と会話を交わして、やがて導かれたこの場所。

戦国時代の大海賊九鬼嘉隆の海軍城にいる。

彼は伊勢湾を牛耳り、関ヶ原では西軍に着いて徳川家康を悩まし、激怒させ、男を見せて、やがて自害。

ここから見える答志島に彼の首塚、胴塚が遺されている。

快晴下の鳥羽湾を見下ろす場所が彼が最後にいた場所。
かつて紀勢本線の九鬼駅でも彼を偲んだが、大海賊の人生を語るにはここの方が相応しい。

風は優しく日差しに満ちてあたたかい。

この場所に導かれた幸運を感謝する。









9:58 旧鳥羽小学校
9年前まで現役だった小学校が城跡の片隅に有形文化財として残されている。

昭和4年建造のモダン建築。

ただ、今は暗く薄汚れてすでに遺跡になっている。

子供たちの歓声が消えた場所は寂しく切ない。

【Facebookへの投稿より】
神島でクリスマスイブの朝を迎えました。

本日天気晴朗にして浪高く、わずか15分の距離にある伊良湖への小型定期船は動かず、菅島を経由して一旦鳥羽に戻り、あらためて伊勢湾フェリーで伊良湖岬に向かっております。

真珠で有名な鳥羽は美しい街で、戦国時代の大海賊、九鬼嘉隆が築いた鳥羽城址に上り鳥羽湾を一望いたしました。

九鬼嘉隆は関ヶ原の折りには西軍につき、東軍の進行を海上から脅かし、徳川家康を悩まし激怒させ、ついには自害する硬骨の人生を送った海賊大名でございます。

朝に出港した神島を右手に過ぎました。
思わぬ再会でございました。

関連記事

「鉄旅日記」2017年夏 最終日(十三-東京)その1-十三、大阪梅田、大阪、東淀川、茨木、島本、桜井の繹跡、桂川、京都(阪急電鉄宝塚本線/東海道本線) 【私鉄王国で過ごす夏】

鉄旅日記2017年8月14日・・・十三駅、大阪梅田駅、大阪駅、東淀川駅、茨木駅、島本駅、桂川駅、京都

記事を読む

「鉄旅日記」2005年秋 最終日(小諸-東京)その2-高崎、新前橋、前橋、中央前橋、小山、水戸、東京葛飾金町(信越本線/両毛線/水戸線/常磐線) 【軽井沢で挙式する身内を祝うために、初めて鉄道で旅をいたしました。】

鉄旅日記2005年11月7日・・・高崎駅、新前橋駅、前橋駅、中央前橋駅、小山駅、水戸駅(信越本線/両

記事を読む

「鉄旅日記」2018年秋 最終日(松戸-五井-大原-安房鴨川-松戸)その1-市川塩浜、五井、上総牛久、馬立、上総鶴舞、里見(京葉線/外房線/小湊鉄道)【サンキューちばフリーパスでめぐる上総下総安房旅】

鉄旅日記2018年9月23日・・・市川塩浜駅、五井駅、上総牛久駅、馬立駅、上総鶴舞駅、里見駅(京葉線

記事を読む

「鉄旅日記」2009年皐月【四国へ、途中下車の旅】初日(東京-三ノ宮)-金町、東京、静岡、浜松、弁天島、大垣、美濃赤坂、石山寺、膳所、尼崎、西宮、芦屋、三ノ宮(東海道本線、美濃赤坂支線、京阪石山坂本線)

鉄旅日記2009年5月1日・・・金町駅、東京駅、静岡駅、浜松駅、弁天島駅、大垣駅、美濃赤坂駅、石山寺

記事を読む

「鉄旅日記」2009年初夏【上信越ひとり旅】2日目(十日町-長岡)-十日町、戸狩野沢温泉、長野、松本、信濃大町、南小谷、直江津、柿崎、長岡(飯山線/篠ノ井線/大糸線/北陸本線/信越本線)

鉄旅日記2009年7月19日・・・十日町駅、戸狩野沢温泉駅、長野駅、松本駅、信濃大町駅、南小谷駅、直

記事を読む

「鉄旅日記」2008年初秋 2日目(羽咋-福井)その1-羽咋、七尾、穴水、和倉温泉、北鉄金沢、内灘、粟ヶ崎、金沢(七尾線/のと鉄道/北陸鉄道浅野川線) 【秋になると北陸に行きたくなるものでございます。能登半島をはじめ、いくつもの終着駅へと行き着いたのでございます。】

鉄旅日記2008年9月14日・・・羽咋駅、七尾駅、穴水駅、和倉温泉駅、北鉄金沢駅、内灘駅、粟ヶ崎駅、

記事を読む

「鉄旅日記」2020年晩秋 2日目(砺波-武生)その2‐倶利伽羅、森本、宇野気、高松(IRいしかわ鉄道/七尾線) 【大人の休日倶楽部パスで北陸へ。新幹線、在来線特急乗り放題でございます。魚津、雨晴をめぐり、氷見線、万葉線、城端線、七尾線、えちぜん鉄道、福武線、北陸鉄道との再会でございます。】

鉄旅日記2020年11月22日・・・倶利伽羅駅、森本駅、宇野気駅、高松駅(IRいしかわ鉄道/七尾線

記事を読む

「鉄旅日記」2020年文月 初日(東京-香住)その4‐太秦、撮影所前、帷子ノ辻、保津峡、千代川(山陰本線) 【コロナ禍でございます。内緒の旅でございました。余部鉄橋へ。萩へ。霧の街へ。東京五輪延期で浮いた4連休の記録でございます。】

鉄旅日記2020年7月23日・・・太秦駅、撮影所前駅、帷子ノ辻駅、保津峡駅、千代川駅(山陰本線)

記事を読む

「鉄旅日記」2019年弥生Part.2 その3-常陸太田、東海、大甕、南中郷、石岡(水郡線常陸太田支線/常磐線) 【青春18きっぷ常磐旅。この当時、常磐線は富岡止まりでございます。そしてこの季節、臨時駅の偕楽園駅に列車が止まります。】

鉄旅日記2019年3月10日・・・常陸太田駅、東海駅、大甕駅、南中郷駅、石岡駅(水郡線常陸太田支線/

記事を読む

「鉄旅日記」2020年文月 最終日(三次-東京)その2‐万能倉、神辺、井原、吉備真備(福塩線/井原鉄道)【コロナ禍でございます。内緒の旅でございました。余部鉄橋へ。萩へ。霧の街へ。東京五輪延期で浮いた4連休の記録でございます。】

鉄旅日記2020年7月26日・・・万能倉駅、神辺駅、井原駅、吉備真備駅(福塩線/井原鉄道)

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

「鉄旅日記」2022年新春 2日目(湯瀬温泉-三沢)その3 ‐川部、五所川原、木造(五能線)/神武食堂 【巨大な土偶が貼りつく木造駅を見たくて冬の東北を旅しました。】

鉄旅日記2022年1月9日・・・川部駅、五所川原駅、木造駅(五能線)

「鉄旅日記」2022年新春 2日目(湯瀬温泉-三沢)その2 ‐東大館、大館、弘前(花輪線/奥羽本線) 【巨大な土偶が貼りつく木造駅を見たくて冬の東北を旅しました。】

鉄旅日記2022年1月9日・・・東大館駅、大館駅、弘前駅(花輪線/奥

「鉄旅日記」2022年新春 2日目(湯瀬温泉-三沢)その1 ‐湯瀬温泉、鹿角花輪、十和田南(花輪線)/和心の宿姫の湯 【巨大な土偶が貼りつく木造駅を見たくて冬の東北を旅しました。】

鉄旅日記2022年1月9日・・・湯瀬温泉駅、鹿角花輪駅、十和田南駅(

「鉄旅日記」2022年新春 初日(東京-湯瀬温泉)その3 ‐盛岡、渋民、八幡平、湯瀬温泉(IGRいわて銀河鉄道/花輪線) 【巨大な土偶が貼りつく木造駅を見たくて冬の東北を旅しました。】

鉄旅日記2022年1月8日 盛岡駅、渋民駅、八幡平駅、湯瀬温泉駅(I

「鉄旅日記」2022年新春 初日(東京-湯瀬温泉)その2 ‐竜田、原ノ町、鹿島、仙台、小牛田、一ノ関(常磐線/東北本線) 【巨大な土偶が貼りつく木造駅を見たくて冬の東北を旅しました。】

鉄旅日記2022年1月8日・・・竜田駅、原ノ町駅、鹿島駅、仙台駅、小

→もっと見る

    PAGE TOP ↑