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「鉄旅日記」2017年冬【会津へ。会津へ行きたかったのでございます。】初日(東京-下今市-会津高原尾瀬口-会津若松)その2-会津荒海、会津田島、会津下郷、塔のへつり、湯野上温泉、西若松(会津鉄道)

公開日: : 最終更新日:2023/04/29 旅話, 旅話 2017年

鉄旅日記2017年12月2日
12:28 会津荒海(あいづあらかい)駅(会津鉄道 福島県)
下今市からフリーとなった3両の特急列車の乗客は、鉄道会社が気の毒になるほどわずかだった。

風のない日差しの下ではまるで春を生きるよう。

「御蔵入り天領の詩」と駅名標に記されているのは、ここが天領だったことを指すのか。

会津西街道も荒海宿に至り、ようやく商店街のような造りを形成してきて、消防役場をはじめ人の気配を感じ、さっきから鶏が一定の間隔を置いて鳴いている。

比較的新しそうな駅舎内に人の匂いはなく、たまに避難に来るのであろう鳥たちの糞に所々汚れている。

カラスの鳴き声が周囲にこだまして、こうした場所では人以外に実に多くの生き物がいることを実感する。

やってきた会津田島行。
乗り込んだ車両にはただのひとりの乗客もいなかった。

13:19 会津田島(あいづたじま)駅(会津鉄道 福島県)
汽笛が聞こえる駅はいい。
大きな駅はいい。
「あぁ賑やかそうな町に着いた」と思わせる駅はいい。

米沢、村上、新発田といった諸侯が通った会津西街道。
当時と今の街道事情の違いは興味深い。

街道を行く車の量は増えていた。

喜多方ラーメンが食べられたらうれしいと思い降りた町。
会津ラーメンとソースカツ丼の幟を出した店が気になったけど、値段も高く、喜多方ラーメンに占められたオレの脳を翻意させる魅力は感じられず、どっかりと腰を落ち着けるほどの時間もなく、コンビニでビールを買ってフリースペースで駅前風景を眺めていた。

2歳くらいのかわいらしい幼児が、ぬいぐるみを抱いてトコトコと歩いてくる。
彼の姿が一番オレの目を奪ったよ。

13:45 会津下郷(あいづしもごう)駅(会津鉄道 福島県)
列車行き違いで4分停車。

周囲の山々に雪が見えてきた。

おむすびを連想させる三角の山がいくつかあり、目を引く。
ああいう造形となった理由があるのだろう。

会津の山並みは目に優しい。

ボックスシートの客車を走らせる会津鉄道。
このサービスはうれしい。

14:16 塔のへつり
土産物屋で酒をあたためてもらい、南会津の大川にできた険しい断崖を眺めている。

冬の寒い一日。
川辺の名所を訪ねる人は多くないが、この青空の下、これはおつだ。

ご主人の好意でお試しの品をつまませてもらっている。
ささやかだが、お礼の意味も込めて、土産に犬の置物と天狗の面を買う。

吊り橋を渡れば対岸の散歩も楽しめるが、やめておいた。
やっぱり酒がいい。

数年前にたまたま見たテレビ番組でその存在を知り、会津鉄道に乗るのならと計画に組み込んだ今日。
肌寒くはあるけど、心からこの時間を楽しんでいる。

この楽しみ方以上は、たぶんオレにはない。

塔のへつり(とうのへつり)駅(会津鉄道 福島県)にて

14:57 湯野上温泉(ゆのかみおんせん)駅(会津鉄道 福島県)
大川の岸は塔のへつりに劣らぬ渓谷美を見せ続け、やがて大内宿への最寄り駅に到着。

「藁葺き屋根のある駅」としてその筋には知られた駅は、鄙びた駅かと思いきや、脇には足湯に浸かる人々がいて、わずかながらも喧騒と呼べるものがある。

なるほど、ここも会津。
周囲には見事な風景が展開されている。

15:25 西若松(にしわかまつ)駅(会津鉄道 福島県)
目覚めると街の入口に着いていた。

鶴ヶ城の最寄り駅で、ここから歩く。
従って街中はこのあたりかと思いきや、楽天トラベルでは西若松でヒットする宿は出てこなかった。

いよいよ会津へ。
40年前に家族で泊まった東山温泉はその先にある。

西若松という響きに、道理も何もなくたまらない旅情を感じていたが、橋上に改札口がある駅の構造はだいぶイメージを外していた。

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