*

「鉄旅日記」2017年冬 初日(東京-会津若松)その2-会津荒海、会津田島、会津下郷、塔のへつり、湯野上温泉、西若松(会津鉄道) 【会津へ。会津へ行きたかったのでございます。】

公開日: : 最終更新日:2025/05/15 旅話, 旅話 2017年

鉄旅日記2017年12月2日・・・会津荒海駅、会津田島駅、会津下郷駅、塔のへつり駅、湯野上温泉駅、西若松駅(会津鉄道)

12:28 会津荒海(あいづあらかい)駅(会津鉄道 福島県)
下今市からフリーとなった3両の特急列車の乗客は、鉄道会社が気の毒になるほどわずかだった。

風のない日差しの下ではまるで春を生きるよう。

「御蔵入り天領の詩」と駅名標に記されているのは、ここが天領だったことを指すのか。

会津西街道も荒海宿に至り、ようやく商店街のような造りを形成してきて、消防役場をはじめ人の気配を感じ、さっきから鶏が一定の間隔を置いて鳴いている。

比較的新しそうな駅舎内に人の匂いはなく、たまに避難に来るのであろう鳥たちの糞に所々汚れている。

カラスの鳴き声が周囲にこだまして、こうした場所では人以外に実に多くの生き物がいることを実感する。

やってきた会津田島行。
乗り込んだ車両にはただのひとりの乗客もいなかった。

13:19 会津田島(あいづたじま)駅(会津鉄道 福島県)
汽笛が聞こえる駅はいい。
大きな駅はいい。
「あぁ賑やかそうな町に着いた」と思わせる駅はいい。

米沢、村上、新発田といった諸侯が通った会津西街道。
当時と今の街道事情の違いは興味深い。

街道を行く車の量は増えていた。

喜多方ラーメンが食べられたらうれしいと思い降りた町。
会津ラーメンとソースカツ丼の幟を出した店が気になったけど、値段も高く、喜多方ラーメンに占められたオレの脳を翻意させる魅力は感じられず、どっかりと腰を落ち着けるほどの時間もなく、コンビニでビールを買ってフリースペースで駅前風景を眺めていた。

2歳くらいのかわいらしい幼児が、ぬいぐるみを抱いてトコトコと歩いてくる。
彼の姿が一番オレの目を奪ったよ。

13:45 会津下郷(あいづしもごう)駅(会津鉄道 福島県)
列車行き違いで4分停車。

周囲の山々に雪が見えてきた。

おむすびを連想させる三角の山がいくつかあり、目を引く。
ああいう造形となった理由があるのだろう。

会津の山並みは目に優しい。

ボックスシートの客車を走らせる会津鉄道。
このサービスはうれしい。

14:16 塔のへつり
土産物屋で酒をあたためてもらい、南会津の大川にできた険しい断崖を眺めている。

冬の寒い一日。
川辺の名所を訪ねる人は多くないが、この青空の下、これはおつだ。

ご主人の好意でお試しの品をつまませてもらっている。
ささやかだが、お礼の意味も込めて、土産に犬の置物と天狗の面を買う。

吊り橋を渡れば対岸の散歩も楽しめるが、やめておいた。
やっぱり酒がいい。

数年前にたまたま見たテレビ番組でその存在を知り、会津鉄道に乗るのならと計画に組み込んだ今日。
肌寒くはあるけど、心からこの時間を楽しんでいる。

この楽しみ方以上は、たぶんオレにはない。

塔のへつり(とうのへつり)駅(会津鉄道 福島県)にて

14:57 湯野上温泉(ゆのかみおんせん)駅(会津鉄道 福島県)
大川の岸は塔のへつりに劣らぬ渓谷美を見せ続け、やがて大内宿への最寄り駅に到着。

「藁葺き屋根のある駅」としてその筋には知られた駅は、鄙びた駅かと思いきや、脇には足湯に浸かる人々がいて、わずかながらも喧騒と呼べるものがある。

なるほど、ここも会津。
周囲には見事な風景が展開されている。

15:25 西若松(にしわかまつ)駅(会津鉄道 福島県)
目覚めると街の入口に着いていた。

鶴ヶ城の最寄り駅で、ここから歩く。
従って街中はこのあたりかと思いきや、楽天トラベルでは西若松でヒットする宿は出てこなかった。

いよいよ会津へ。
40年前に家族で泊まった東山温泉はその先にある。

西若松という響きに、道理も何もなくたまらない旅情を感じていたが、橋上に改札口がある駅の構造はだいぶイメージを外していた。

関連記事

「鉄旅日記」2022年弥生vol.1 最終日(熱海-東京)その2 ‐茅ヶ崎、南橋本、上溝、橋本(相模線) 【金沢シーサイドライン、根岸線、湘南モノレール、横須賀線、大雄山線、鶴見線、南武線etc.駅旅人本領発揮の旅でございます。】

鉄旅日記2022年3月6日・・・茅ヶ崎駅、南橋本駅、上溝駅、橋本駅(相模線) 11:03&n

記事を読む

「鉄旅日記」2021年秋 初日(東京-飯坂温泉)その2 ‐竜田、原ノ町、鹿島、新地、岩沼(常磐線/東北本線) 【4度目の緊急事態宣言明け。これ以降そのようなものが発令されることはございませんでした。阿武隈急行、峠駅、立石寺。お宿は飯坂温泉。秋の東北を満喫すべく常磐線に乗りました。】

鉄旅日記2021年10月9日・・・竜田駅、原ノ町駅、鹿島駅、新地駅、岩沼駅(常磐線/東北本線)

記事を読む

「鉄旅日記」2022年弥生vol.1 初日(東京-熱海)その1 ‐金町、桜木町、関内、新杉田(常磐線/京浜東北・根岸線) 【金沢シーサイドライン、湘南モノレール、横須賀線、大雄山線、鶴見線、南武線etc.駅旅人本領発揮の旅でございます。】

鉄旅日記2022年3月5日・・・金町駅、桜木町駅、関内駅、新杉田駅(常磐線/京浜東北・根岸線)

記事を読む

「鉄旅日記」2020年文月 最終日(三次-東京)その1‐三次、上下、府中(福塩線) 【コロナ禍でございます。内緒の旅でございました。余部鉄橋へ。萩へ。霧の街へ。東京五輪延期で浮いた4連休の記録でございます。】

鉄旅日記2020年7月26日・・・三次駅、上下駅、府中駅(福塩線) 2020・7・26&nb

記事を読む

「鉄旅日記」2020年盛夏 2日目(防府-肥前鹿島)その2‐厚狭、美祢、長門湯本、長門市(美祢線) 【コロナ禍の内緒旅VOl.2。宮島へ。錦帯橋へ。筑豊へ。島原へ。千綿駅へ。そして若松~戸畑の渡船。日本晴れの4日間の記録でございます。】

鉄旅日記2020年8月14日・・・厚狭駅、美祢駅、長門湯本駅、長門市駅(美祢線) 7:34&

記事を読む

「鉄旅日記」2009年晩秋 2日目(倉敷-和田山)その2-郡家、若桜、智頭、京口、福崎、寺前、和田山(因美線/智頭急行/播但線) 【陰陽を行き来した3日間。この国の秋は美しゅうございました。】

鉄旅日記2009年11月22日・・・郡家駅、若桜駅、智頭駅、京口駅、福崎駅、寺前駅、和田山駅(因美線

記事を読む

「鉄旅日記」2022年弥生vol.1 初日(東京-熱海)その6 ‐谷峨、山北、足柄、沼津、熱海(御殿場線/東海道本線) 【金沢シーサイドライン、根岸線、湘南モノレール、横須賀線、大雄山線、鶴見線、南武線etc.駅旅人本領発揮の旅でございます。】

鉄旅日記2022年3月5日・・・谷峨駅、山北駅、足柄駅、山北駅、熱海駅(御殿場線/東海道本線)

記事を読む

「鉄旅日記」2020年初秋 3日目(高松)その2 ‐金刀比羅宮、善通寺駅、高松港公園、八十場駅、白峰宮、天皇寺、磯禅師墓 【時空の友を訪ねて讃州高松へ。金比羅さん、瀬戸大橋、大歩危、小歩危などを友とめぐり、義仲寺に寄り、直島に渡り、水島臨海鉄道にも乗った4日間の記録でございます。】

車旅日記2020年9月21日・・・金刀比羅宮、善通寺駅、高松港公園、八十場駅、白峰宮、天皇寺、磯禅

記事を読む

「鉄旅日記」2018年師走 初日(東京-津)その3-河曲、富田浜、河原田、津(関西本線/伊勢鉄道) 【伊勢のいくつもの終着駅に降りまして、神島で2018年最後の満月を眺めたのでございます。】

鉄旅日記2018年12月22日・・・河曲駅、富田浜駅、河原田駅、津駅(関西本線/伊勢鉄道) 18:

記事を読む

「鉄旅日記」2012年晩秋【休日おでかけパスで、相模線途中下車旅】保土ヶ谷、大船、香川、北茅ヶ崎、厚木、社家、相武台下、原当麻、下溝、片倉、八王子、猿橋、西八王子、武蔵小金井、東小金井(横須賀線、東海道本線、相模線、横浜線、中央本線)

鉄旅日記2012年11月17日・・・保土ヶ谷駅、大船駅、香川駅、北茅ヶ崎駅、厚木駅、社家駅、相武台下

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

「鉄旅日記」2022年水無月 初日(東京-中山平温泉)その2 ‐いわき、竜田、原ノ町、鹿島、新地、仙台(常磐線)【鳴子温泉郷の湯を求めての旅でございます。】

鉄旅日記2022年6月11日・・・いわき駅、竜田駅、原ノ町駅、鹿島駅

「鉄旅日記」2022年水無月 初日(東京-中山平温泉)その1 ‐金町、石岡、友部、水戸(常磐線)【鳴子温泉郷の湯を求めての旅でございます。】

鉄旅日記2022年6月11日・・・金町駅、石岡駅、友部駅、水戸駅(常

「鉄旅日記」2022年皐月 ツレと訪ねた下部温泉~富士宮~田子の浦旅でございます。最終日(下部温泉-東京) ‐下部温泉、波高島、身延、甲斐大島、内船、西富士宮、富士宮、東田子の浦(身延線/東海道本線)/富士浅間神社【Facbookへの投稿より振り返ります。】

鉄旅日記2022年5月29日・・・下部温泉駅、波高島駅、身延駅、甲斐

「鉄旅日記」2022年皐月 ツレと訪ねた下部温泉~富士宮~田子の浦旅でございます。初日(東京-下部温泉) ‐市川大門、下部温泉(身延線)【Facbookへの投稿より振り返ります。】

鉄旅日記2022年5月28日・・・市川大門駅、下部温泉駅(身延線)

「鉄旅日記」2022年皐月 最終日(磐梯熱海-東京)その3 ‐駒形、前橋大橋、高崎、本庄(両毛線/高崎線)【日光線全駅乗降を果たし、猪苗代湖畔に遊び、磐梯熱海の湯につかり、国定忠治を訪ねた旅でございます。】

鉄旅日記2022年5月8日・・・駒形駅、前橋大島駅、高崎駅、本庄駅(

→もっと見る

    PAGE TOP ↑