「鉄旅日記」2020年晩秋【大人の休日倶楽部パスで北陸へ。新幹線、在来線特急乗り放題でございます。魚津、雨晴をめぐり、氷見線、万葉線、城端線、七尾線、えちぜん鉄道、福武線、北陸鉄道との再会でございます。】初日(東京-砺波)その3 ‐氷見、雨晴、越中国分、伏木、中伏木(氷見線/万葉線)/義経岩/伏木神社
鉄旅日記2020年11月21日・・・氷見駅、雨晴駅、越中国分駅、伏木駅、中伏木駅(氷見線/万葉線)/義経岩/伏木神社
12:40 氷見(ひみ)駅(氷見線 富山県)
雨晴に差し掛かる頃、車窓に絶景が現れる。富山湾の背後に立山連山が壁のように連なり、人々は浮き立ち車窓に向かう。只見線などでも見られた車窓風景だった。
終点の氷見での滞在は12分。かつてと変わらぬ鉄筋の駅舎の前に瓦を乗せた庇ができていた。
歩きだす時間もなく、再訪の感慨もなく、雨晴駅で降りた先のことを考えている。
願ってもない快晴の下で旅をしている。
12:53 雨晴(あまはらし)駅(氷見線 富山県)にて
13:05 義経岩にて
13:27 越中国分(えっちゅうこくぶ)駅(氷見線 富山県)にて
13:44 伏木神社にて
13:57 伏木(ふしき)駅(氷見線 富山県)にて
14:34 中伏木(なかふしき)駅(万葉線 富山県)
景勝雨晴で降りる。中国人カップルが立山連山を前に大声で話している。男は女を置いてさらに立山を写す。
氷見方面に見えていた大陸は能登半島らしい。
線路に沿って海岸道路が敷かれている。
これからそれなりに遠大な道を往く。これがやりたいこと。ただし計画通りに目的地に到着できるかは分からない。自信ならある。
義経岩は観光地でもあり、向かいには道の駅がある。線路を渡ると、そこに多くの先客があった。
平泉への逃避行の途中、義経主従がこの大岩の下で雨宿りをしたという伝説がある。
勧進帳の舞台として名高い小松での苦難を乗り越えた先に待ち受けたにわか雨。英雄伝説とは詩的でもある。
鳥居の先、岩場の上に義経社が鎮座する。
海辺の岩づたいに進み女岩が浮かぶ富山湾を写す。万葉集にも収められているまさに絶景。富山湾の先に立山の壁がある。
観光客の目当ては英雄伝説よりもむしろこの絶景だろう。
義経岩を離れ、歩きながらも撮影は続いた。鉄路と海と立山。すべてが揃っていた。
国道のトンネルを抜けた先、目立たない場所に越中国分駅がある。線路は海から離れたが、雨晴方面の先には青い広がり。高岡方面に目を向けると工場の煙突から煙が上がっている。
それからしばらく線路に沿って。
神功皇后を御祭神とする伏木神社は威厳に満ちている。まるで必然のように足が向く。
まさに厳かな神社で、本殿に参拝するとほのかに雅な音楽が聞こえている。
祓い清め祈る。雑念が消えていくのが分かった。石段を下りると近所のお年寄りが鳥居前で2礼2拍手1礼を行っていた。
伏木は古国府。角に石柱が立つ。伏木駅にも中核駅としての威厳があり、駅員さんの姿もある。駅前通りは広く、ちょっとした都会を思わせる家並。
踏切で高岡行を見送り、錆びた鉄道基地にはSLが止まり、その脇に架かる伏木万葉大橋を渡る。
小矢部川が海に到達する姿と川辺の工場群。立山を前にした絶景は雨晴の鄙から街へと姿を変え、渡り終わる頃には万葉線の雄姿が見えた。
そこは路面区間。誰ともすれ違わない道を歩き、中伏木駅へ。
橋にも駅にも歌人で越中国主だった大伴家持の歌がある。ここは万葉の里。
ガタゴトと乗ると軽妙な路線案内が流れる。声の主は噺家の立川志の輔さん。彼の生家が沿線にあるという。
関連記事
-
「鉄旅日記」2017年夏【私鉄王国で過ごす夏】初日(東京-大垣)その2-郡上八幡、北濃、美濃白鳥、郡上八幡、関、美濃太田、岐阜(長良川鉄道/高山本線)
鉄旅日記2017年8月11日・・・郡上八幡駅、北濃駅、美濃白鳥駅、関駅、美濃太田駅、岐阜駅(長良川鉄
-
「鉄旅日記」2003年冬【ご縁と別れがあり、34歳の誕生日を北九州で迎えた日の記憶でございます。】初日(宇部-飯塚-博多)その1-山口宇部空港、宇部新川、宇部、下関、小倉、折尾、飯塚、博多(宇部線/山陽本線/鹿児島本線/筑豊本線/篠栗線)
鉄旅日記2003年2月15日・・・山口宇部空港、宇部新川駅、宇部駅、下関駅、小倉駅、折尾駅、飯塚駅、
-
「鉄旅日記」2009年秋【遅い夏休みをとり、長崎までの切符を買いました。】5日目(松浦-若松)その1-松浦、有田、伊万里、唐津、筑前前原、姪浜、天神、西鉄福岡、博多(松浦鉄道/筑肥線/福岡市地下鉄空港線)
鉄旅日記2009年9月22日・・・松浦駅、有田駅、伊万里駅、唐津駅、筑前前原駅、姪浜駅、天神駅、西鉄
-
「鉄旅日記」2020年盛夏【コロナ禍の内緒旅VOl.2。宮島へ。錦帯橋へ。筑豊へ。島原へ。千綿駅へ。そして若松~戸畑の渡船。日本晴れの4日間の記録でございます。】初日(東京-防府)その5‐北河内、川西、西岩国、櫛ケ浜、防府(錦川鉄道/岩徳線/山陽本線)/錦帯橋
鉄旅日記2020年8月13日・・・北河内駅、川西駅、西岩国駅、櫛ケ浜駅、防府駅(錦川鉄道/岩徳線/
-
「鉄旅日記」2020年如月【東日本大震災で被害を受けた大船渡に泊まりにまいりました。山田線完全乗車も目指しておりましたが・・。】2日目(大船渡-釜石)その4‐宮古、陸中山田、釜石(三陸鉄道リアス線)
鉄旅日記2020年2月23日・・・宮古駅、陸中山田駅、釜石駅(三陸鉄道リアス線) 16:22 宮古(
-
「車旅日記」2005年初夏【長岡、会津、庄内。戊辰戦争ゆかりの地を巡りたかったのだと記憶しております。】初日(長岡-会津-福島-山形)走行距離388㎞ その1-長岡駅、小出駅、田子倉駅、只見駅、会津水沼駅、会津坂下駅、猪苗代駅
車旅日記2005年7月16日・・・長岡駅、小出駅、田子倉駅、只見駅、会津水沼駅、会津坂下駅、猪苗代駅
-
「車旅日記」2004年春【旭川に下りて、思う存分に北の大地を走った旅の記録でございます】4日目(旭川-稚内)走行距離428㎞その2-雄武町日の出岬、マリーンアイランド岡島、千畳岩、神威岬、クッチャロ湖、さるふつ公園、宗谷岬、稚内駅
車旅日記2004年5月4日・・・雄武町日の出岬、マリーンアイランド岡島、千畳岩、神威岬、クッチャロ湖
-
「鉄旅日記」2019年師走【由利高原鉄道鳥海山ろく線に乗りにいきました。初冬の日本海は荒々しく、美しゅうございました。】初日(東京-酒田)その3‐新潟、村上、羽後本荘(信越本線/白新線/羽越本線)
鉄旅日記2019年12月7日・・・新潟駅、村上駅、羽後本荘駅(信越本線/白新線/羽越本線) 11:4
-
「鉄旅日記」2012年春【青春18きっぷで、銚子へ、房総へ。】その2-猿田、旭、八日市場、八街、成東、本納、茂原、千倉、佐貫町、姉ヶ崎、市川(総武本線、東金線、内房線、外房線)
鉄旅日記2012年3月12日その2・・・猿田駅、旭駅、八日市場駅、八街駅、成東駅、本納駅、茂原駅、千
-
「鉄旅日記」2020年盛夏【コロナ禍の内緒旅VOl.2。宮島へ。錦帯橋へ。筑豊へ。島原へ。千綿駅へ。そして若松~戸畑の渡船。日本晴れの4日間の記録でございます。】3日目(肥前鹿島-門司港)その4‐南風崎、ハウステンボス、早岐(大村線)/小佐々弾正・甚五郎塚
鉄旅日記2020年8月15日・・・南風崎駅、ハウステンボス駅、早岐駅(大村線)/小佐々弾正・甚五郎
- PREV
- 「鉄旅日記」2020年晩秋【大人の休日倶楽部パスで北陸へ。新幹線、在来線特急乗り放題でございます。魚津、雨晴をめぐり、氷見線、万葉線、城端線、七尾線、えちぜん鉄道、福武線、北陸鉄道との再会でございます。】初日(東京-砺波)その2 ‐電鉄魚津、西魚津、新魚津、魚津、高岡(富山地方鉄道本線/あいの風とやま鉄道)/魚津城跡
- NEXT
- 「鉄旅日記」2020年晩秋【大人の休日倶楽部パスで北陸へ。新幹線、在来線特急乗り放題でございます。魚津、雨晴をめぐり、氷見線、万葉線、城端線、七尾線、えちぜん鉄道、福武線、北陸鉄道との再会でございます。】初日(東京-砺波)その4 ‐越ノ潟、末広町、高岡、城端(万葉線/城端線)/高岡大仏