「鉄旅日記」2019年年始 最終日(一ノ関-東京)その1-一ノ関、陸中門崎、千厩、猊鼻渓、気仙沼(大船渡線) 【雪が見たくて北へ向かいました。そして初めて仙台空港線に乗ったのでございます。】
鉄旅日記2019年1月6日・・・一ノ関駅、陸中門崎駅、千厩駅、猊鼻渓駅、気仙沼駅(大船渡線)
2019・1・6 5:47 一ノ関(いちのせき)駅(東北・北海道新幹線/東北本線/大船渡線 岩手県)
昨夜の雪はやんでいた。
明かりの消えた街の上空。
星の煌めきが際立っている。
スマホであれを美しく撮れたらいいのに。
昔のガラケーからすれば今でも十分だけど。
始発列車は盛岡からIGRいわて銀河鉄道に乗り入れる滝沢行5:46発。
次いで常磐線との分岐駅でもある岩沼行5:56発。
朝一番の列車は長距離を走る宿命を負わされているのか
三番目がこの気仙沼行5:59発。
一ノ関駅の朝も早い。


かつて歩いたのはグリーンホテルからほんの先までだろう。
商圏はそこで絶えている。

平泉への玄関口を謳う街で、約40年前にはジャンボ鶴田×ビル・ロビンソンのUN選手権が組まれている。
まるで古代遺跡のような栄光の事実だ。
駅のホームにある駅そばのラーメンが美味いんだ。
それを食した頃のオレもまた栄光の時を生きていたが、これからまたやってくる栄光の始まりを迎える。
どういう類いのムリもなく、オレはそう思っているんだよ。
6:18 陸中門崎(りくちゅうかんざき)駅(大船渡線 岩手県)
行き違い4分の停車。
畑に積もった雪が白く浮き上がる様が泉のように見える。
上りホームには3人ほど待ち人がいた。

一週間前はまだ2018年。
風景も違ったものに見えていただろうかと思いもしたが、実際は変わらないだろう。
変わるのは人々の心持ち。
正月3日、故郷からの帰りの道で旧友の母親に会った。
約40年振りだ。
その地点に到達する前に走り去った車があったが、そこに旧友は乗っていたという。
叔母からは懇切な便りが届いていた。
右手に工場夜景が見えた。
煙も上がっている。
この地元の誇りであることを願う。
7:14 千厩(せんまや)駅(大船渡線 岩手県)
6:54着。
この町で30分を過ごし、猊鼻渓まで3駅を引き返す。



これがオレの旅。
オレがやりたいこと。
朝の日はまぶしく冷気は厳しい。
道行く人が挨拶をくれた。


坂を下りて角のコンビニへ。
酒に飽きがきていたがビールと昼飯におにぎりを購入。
商店街が国道に沿って続く駅前風景を愛している。
古い家並だが、駅前食堂をはじめ今も営業しているのだろうか。
それだけが気掛かり。


金山一揆集結場所という史蹟が駅前地図にあった。
奥州仕置き後にとられた豊臣秀吉による産金税制への不満から、悲壮な思いで松澤神社へと集まった3,000人にも上るという堀子たちに、こんな寒い朝だからこそシンパシーを感じる。
一揆は、伊達政宗により派遣された軍隊によって鎮圧された。
7:52 猊鼻渓(げいびけい)駅(大船渡線 岩手県)
輝かしい冬の朝。
昨夜のうちに降り積もった雪が白銀の世界を作り出している。
目をつぶる気にはならない。
観光地猊鼻渓は駅から徒歩3分ほどの船着き場から揺られていくようだ。
車窓からも景勝地の一部が見える。
歩いていきたかったよ。
でも滞在時間8分にその余裕はなく、トイレに行きコンビニでビールを購入して駅に戻る。

今は気仙沼行に乗って雪見酒。
金がかかるもんじゃないが、これがオレにとって一番の贅沢。

8:54 気仙沼(けせんぬま)駅(大船渡線/気仙沼線 宮城県)
気仙沼まで下りてくると雪はほぼ消えて、代わりに空が陰ってきた。
3年振りの気仙沼。
待合室は小さく感じられ、人で埋まっていた。



ここには10分しかいられない。
パールホテルが聳える駅前風景に変化はない。

すでにBRT専用ルートを走り出して、さっきまで乗っていた大船渡線とも分かれた。
気仙沼線はまさしくここに敷かれた鉄路を走っていたのだと心から感じて、3本目の酒を開けた。
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