*

「鉄旅日記」2016年夏 2日目(弘前-小樽)その2-赤井川、姫川、東森、渡島砂原、森、野田生、山越、八雲、長万部、ニセコ、小樽(函館本線/渡島砂原支線) 【じきに廃線を迎える留萌~増毛に用がありました】

公開日: : 最終更新日:2025/05/27 旅話, 旅話 2016年

鉄旅日記2016年8月11日・・・赤井川駅、姫川駅、東森駅、渡島砂原駅、森駅、野田生駅、山越駅、八雲駅、長万部駅、ニセコ駅、小樽駅(函館本線/渡島砂原支線)

13:21 赤井川(あかいがわ)駅(函館本線 北海道)
思いがけず特急の通過待ちで数分の停車。

ここには民家らしきものは見当たらない。

七飯を出てからはずっと人煙稀なところに線路が敷かれていた。

躾のために男の子が置き去りにされる事件が起きたのが確か七飯のあたりだった。
無事に保護されたと聞いた時は心からほっとしたよ。

大沼と駒ケ岳は絶景と言っていい。

車中から素晴らしい写真が撮れてうれしい。

日差しが強くなってきた。

13:48 姫川(ひめかわ)駅(函館本線 北海道)
列車の行き違い待ち5分の停車。

なるほど夏だ。
特別列車でも走らせたのだろう。
事前に見ていた時刻表の運行とは違っている。

ここ周辺にも民家は見えず、舗装されていない道が駅まで通じていた。

駅舎までは線路を渡らなきゃならない。

踏切が下りているところを渡ったら、5歳くらいのかわいらしい男の子から「いけないんだよ」とたしなめられた。

彼の頭を撫ぜて誤魔化すしかなかったよ。

森~東森間(徒歩)

14:31 東森(ひがしもり)駅(函館本線渡島砂原支線 北海道)
港町森にさっきの男の子の元気な声が響く。
微笑ましくも輝かしい人類の未来を想う。

ビール片手に線路に沿って歩く。

こんな上天気なら駒ケ岳はいつもそこにある。
そんな暮らしを少しだけ想像したけど、その意味を見出せずに止めた。

物音が少ない分カラスの声がよく響く。

それにしてもここ東森駅への案内表示がないのはなぜなのか。

長年の経験からくる「あれが駅に違いない」という勘がなければ、ここには辿り着けなかった。

東森には一日に上下12本しか列車は止まらない。

15:30 渡島砂原(おしまさわら)駅(函館本線渡島砂原支線 北海道)
東森からさらに歩いてこの駅に辿り着く計画を立てていた。

列車に乗ってみて、その計画がいかに無謀だったか分かった。
それよりも絶妙のタイミングで函館に戻る列車があってよかった。

ここは降りるべき駅だった。

海辺へと坂道を下りていく。

波打ち際に行く道が見つからず、しばらく歩くとお稲荷さんがあった。

石段を上がるにつれて駒ケ岳が頭頂部から姿を現してくる。
駒ケ岳がより身近に感じられた。

石段を下りてビールを買う。
商店の奥さんはやけにオレの来訪に驚いていた。
他所の人間が降りる駅じゃないのだろう。

海の先には大陸が見える。
あれはどうやら室蘭で、その先は日高らしい。

空も海も青く、駅には内地では見かけない飛族が存在を音に表しながら飛んでいる。
寄ってこないのがありがたい。

土地土地の違いをあらためて感じている。
何より4年前に思いを残したこの駅にこれてうれしい。

さっきの男の子のことを思い出している。
ニューヨークもハワイもいいけど、北海道もいいよな。

いろいろある人生だけど、
オマエ負けるなよ。
踏みとどまれよ。
どうにか持ちこたえろよ。

そんな内なる声が聞こえた。

渡島砂原駅周辺風景



森(もり)駅(函館本線/函館本線渡島砂原支線 北海道)にて

17:07 野田生(のだおい)駅(函館本線 北海道)
森駅前の気温表示は16時を過ぎて36度を示していた。
壊れてないか?

ただ暑いには暑い。
ものすごく暑い。

遠慮会釈なく焼かれた首筋や腕が不満を訴えている。
リュックにはTシャツしか入っていないんだ。
どうしてやることもできない。

森駅で30分以上停車したためビールと名物いかめしを買い込んだ。
いかめし650円。

味はワルくない。
ただ、似たようなイカの煮物を口にしたことがある。
つまりもう二度と食べる機会が訪れないとしても、オレはがっかりすることはないだろう。

小さな男の子連れの家族を気にかけつつ眠り、無人駅で降りて5号国道を北上している。

右に見える大陸は室蘭だという。

なるほど北の大地。
海の向こうにまでその姿を誇示するとは何という大きさか。

ところでオレの行動のおかしさよ。

五稜郭桔梗間では部活で走る学生とすれ違ったけど、都市から外れ、大型トラックが行き交う幹線国道を歩いていく酔狂なヤツは、オレ以降なかなか現れることはないだろう。

右手には太平洋と大陸。

行けども風景に変化はない。

強い日差しに焼かれ続け、眩しく歩いている。

野田生~山越間(徒歩) 関所跡の夜泣き石

18:04 山越(やまこし)駅(函館本線 北海道)
あれから行けども風景に変化はない。

西日がだいぶ傾いたくらいだ。

道を往く者1名とすれ違い、たった今蜘蛛の巣に引っかかった。
いかに歩道が利用されていないかが分かる。
ただしどうでもいい。

「山越内」という最北の関所があったという歴史的な場所に通りかかった。

当時の井戸や夜泣き石などが残る野田生にかけての一帯は、江戸時代に蝦夷との境界線だったという。

路傍にカラスが眠るように死んでいた。

山越~八雲間(徒歩)

19:09 八雲(やくも)駅(函館本線 北海道)
北の大地で5駅間を歩いた日。
そりゃ足は痛む。

挑戦の最終地八雲駅前は4年前より人気は少ないが、人の声は絶えない。

跨線橋を2度越えて辿り着いた八雲市街。
旅館や飲食店、コンビニなどが集まる、森以降初めて現れた町だ。
新日本プロレスも数年前に興行を打っている。

もう少し余裕があれば海辺に出たかったけど、次の下り列車に乗るにはぎりぎりだった。

特急「北斗」に乗りこんでいる。
特急の乗り心地はやっぱりいいな。

でも函館本線の時刻表係には、もう少し接続よく組んでほしいと思う。

長万部(おしゃまんべ)駅(函館本線/室蘭本線 北海道)駅前風景

21:21 ニセコ駅(函館本線 北海道)
長万部で乗り継ぐ。
ここで数分の停車。

蕨岱、昆布などアイヌ語の駅名が続く区間。
道内屈指のリゾート地に着くと、どやどやと乗り込んでくる人たちがいる。

長万部小樽間は乗車3時間に及ぶ区間で、生活圏はいくつかに分かれているだろうが、ここはそのひとつか。
この先の倶知安は間違いなくそういう町だ。

旅行者は等しく小樽までいくだろう。
木古内あたりで見かけた男の姿がこの車中にある。

母親が幼い姉妹を連れている。
あぁかわいいなあ。

外に出て振り返って駅を眺めるとメルヘン的な建物が闇に浮かび、ロータリー横の広場には盆踊りの櫓が組まれていた。

駅舎の入口では若い男が2人向かい合って話に夢中だった。
ああいう時代が誰にでもある。
東京にいたオレたちはその場所として駅は選ばなかったけど。

次の比羅夫に着く頃に車内に特別なアナウンスが流れた。
比羅夫には公共、タクシー合わせ交通機関が存在しないから次の倶知安で降りるようにと。

その比羅夫駅のホームに入線して駅舎を眺めると、仄かな灯に2人の男の姿が影のように浮かび上がっている。
駅舎を利用してBARでもやっているのだろうか。

倶知安に着くと多くが席を立ち、入れ替わりにまた多くが乗ってくる。
さっきの母娘も降りていった。

日曜日に神宮球場でご一緒したKさんを見るまでもなく、女の子の父親という立場に羨望に近い思いを持っている。

言葉を交わすでもなく様々な巡り合いが人生を通過していく。

小樽(おたる)駅(函館本線 北海道)にて

関連記事

「鉄旅日記」2017年秋 その3-腰越、江ノ島、湘南江の島、片瀬江ノ島、新宿(江ノ島電鉄/小田急電鉄江ノ島線)/龍ノ口寺 【湘南へ向かう休日。江ノ電に乗りに行ったのでございます。】

鉄旅日記2017年11月12日・・・腰越駅、江ノ島駅、湘南江の島駅、片瀬江ノ島駅、新宿駅(江ノ島電鉄

記事を読む

「鉄旅日記」2022年神無月 ツレと訪ねた佐原~銚子~香取旅でございます。初日(東京-銚子犬吠埼)その2 ‐銚子、笠上黒生、外川、犬吠(銚子電鉄)【Facbookへの投稿より振り返ります。】

鉄旅日記2022年10月8日・・・銚子駅、笠上黒生駅、外川駅、犬吠駅(銚子電鉄) 【銚子電鉄

記事を読む

「車旅日記」1996年夏【再び北を目指した夏。不慮の事故に遭い、打ち切らざるを得なくなったのでございます。】最終日 事故から帰京を振り返って。

車旅日記1996年8月15日 1996・8・15 東京 望郷の思いとは別に昨日家に帰り着いた。 後

記事を読む

「鉄旅日記」2017年夏 初日(東京-大垣)その1-保谷、品川、三島、静岡、浜松、鷲津、豊橋、岐阜、蘇原、美濃太田(東海道本線/高山本線)【私鉄王国で過ごす夏】

鉄旅日記2017年8月11日・・・保谷駅、品川駅、三島駅、静岡駅、浜松駅、鷲津駅、豊橋駅、岐阜駅、蘇

記事を読む

「鉄旅日記」2020年初秋 最終日(高松-東京)その1 ‐高松港3番乗場、直島宮浦海の駅、宇野港、宇野駅(高松→直島宮浦フェリー/直島宮浦→宇野フェリー) 【時空の友を訪ねて讃州高松へ。金比羅さん、瀬戸大橋、大歩危、小歩危などを友とめぐり、義仲寺に寄り、直島に渡り、水島臨海鉄道にも乗った4日間の記録でございます。】

鉄旅日記2020年9月22日・・・高松港3番乗場、直島宮浦海の駅、宇野港、宇野駅(高松→直島宮浦フ

記事を読む

「鉄旅日記」2022年新春 初日(東京-湯瀬温泉)その1 ‐松戸、神立、友部、水戸、いわき(常磐線) 【巨大な土偶が貼りつく木造駅を見たくて冬の東北を旅しました。】

鉄旅日記2022年1月8日・・・松戸駅、神立駅、友部駅、水戸駅、いわき駅(常磐線) 2022

記事を読む

「鉄旅日記」2022年弥生vol.1 初日(東京-熱海)その4 ‐鎌倉、久里浜、京急久里浜、衣笠、東逗子(横須賀線) 【金沢シーサイドライン、根岸線、湘南モノレール、大雄山線、鶴見線、南武線etc.駅旅人本領発揮の旅でございます。】

鉄旅日記2022年3月5日・・・鎌倉駅、久里浜駅、京急久里浜駅、衣笠駅、東逗子駅(横須賀線)

記事を読む

「車旅日記」2006年初夏 最終日(近江八幡-長浜-揖斐-岐阜)-ホテルはちまん、近江八幡駅、安土駅、彦根駅、長浜駅、垂井駅、美濃赤坂駅、揖斐駅、木知原駅 【これが最後の車旅でございます。鈴鹿山脈を回るように、終着駅を探して走ったのでございます。】

車旅日記2006年7月17日・・・ホテルはちまん、近江八幡駅、安土駅、彦根駅、長浜駅、垂井駅、美濃赤

記事を読む

「鉄旅日記」2005年秋 初日(東京-名古屋)-根府川、島田、豊橋、岡崎、名古屋(東海道本線) 【軽井沢で挙式する身内を祝うために、初めて鉄道で旅をいたしました。】

鉄旅日記2005年11月5日・・・根府川駅、島田駅、豊橋駅、岡崎駅、名古屋駅(東海道本線) 200

記事を読む

「鉄旅日記」2015年夏 2日目(新南陽-鹿児島中央)その3-宇土、松橋、八代、出水、牛ノ浜、草道、鹿児島中央(鹿児島本線/肥薩おれんじ鉄道) 【日本最南端の終着駅、枕崎までの往復旅】

鉄旅日記2015年8月13日その3・・・宇土駅、松橋駅、八代駅、出水駅、牛ノ浜駅、草道駅、鹿児島中央

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

「車旅日記」2001年黄金週間 最終日その2(京都-東京)-朝日村栄荘、道の駅親不知ピアパーク、道の駅能生、小千谷駅、月夜野情報サービスセンター、道の駅おかべ、葛飾金町【目指したのは彼女が暮らす京都。この時からしばらく、向かう先は劇的なまでに西になったのでございます。】

車旅日記2001年5月5日・・・朝日村栄荘、道の駅親不知ピアパーク、

「車旅日記」2001年黄金週間 最終日その1(京都-東京)-八坂神社石段下、志賀、道の駅河野、福岡の湯、道の駅ウェーブパークなめりかわ【目指したのは彼女が暮らす京都。この時からしばらく、向かう先は劇的なまでに西になったのでございます。】

車旅日記2001年5月5日・・・八坂神社石段下、志賀、道の駅河野、福

「車旅日記」2001年黄金週間 2日目その2(京都-志賀-京都)-祇園まで彼女をさらいに行ったのでございますが・・・【目指したのは彼女が暮らす京都。この時からしばらく、向かう先は劇的なまでに西になったのでございます。】

車旅日記2001年5月4日 大津方面に向かう161号国道は渋滞

「車旅日記」2001年黄金週間 2日目その1(京都-志賀-京都)-祇園まで彼女をさらいに行ったのでございますが・・・【目指したのは彼女が暮らす京都。この時からしばらく、向かう先は劇的なまでに西になったのでございます。】

車旅日記2001年5月4日 彼女は右手を投げ出してオレの体に置

「車旅日記」2001年黄金週間 初日その4(東京-京都)-四条烏丸~祇園~桂川PAラブストーリー。【目指したのは彼女が暮らす京都。この時からしばらく、向かう先は劇的なまでに西になったのでございます。】

車旅日記2001年5月3日・・・四条烏丸~祇園~桂川PA 26

→もっと見る

    PAGE TOP ↑