*

「車旅日記」2003年晩秋・番外編【京都にて】-京都御所、宇治川公園、京都駅

公開日: : 最終更新日:2025/05/22 旅話, 旅話 2003年

車旅日記2003年11月25日・・・京都御所、宇治川公園、京都駅

2003・11・25 10:57 京都御所
昨夜の雨は上がり今日は薄曇り。
ところどころに透き通った青空が覗く。

3連休に古都を訪ねた客たちも帰ってしまって、今日は穏やかな一日。
御苑の木々が鮮やかに色づいている。

どんな気分で今日を過ごすだろうか。
そう思っていたけど、昨夜のミチルさんのことが気になっている。

彼女に会いにいったけど、彼女の姿はなく、代わりにミチルさんがいた。
彼女と会えたなら、今度こそ気持ちにケリをつけて、しばらくは京都には降りないと決めていたけど、計画のすべてが狂い、オレはまたこの街で恋をしてしまいそうだ。

京都からは離れられない。
別にそれでも構わないけれど。

13:46 宇治川公園
丸太町から京阪電車で宇治へ。
宇治川の袂にある駅は現代的だった。

平等院へ。
源頼政の碑、宇治川。

冷たい風にあたって、しばらく川を眺めていた。

腰かける場所でもあれば、長いこといられる場所だ。
左手に赤い橋。
右手には艶やかな山々。
川の流れは早い。
忙しい現代とは一線を置く態度が街に見られる。

歴史の街に対する敬意は深く、白鷺が横切り、そしてミチルさんのことを相変わらず考えている。

日が暮れたら京都を離れる。

23:22 東京葛飾金町
いろいろなものを得て、愛しい人を失ったような気分で重い荷物を抱えて東京に戻ってきた。

こんな気持ちでいるはずじゃなかった。
京都での記憶をすべて清算して新しく始めるつもりでいたんだ。

京都は本当に素晴らしい。
宇治から清水への道。
適当にぶらぶら歩いた。

四条烏丸へ。
東洞院通りを左へ。
新明神社がそこにある。

あの街にいる時のオレの守り神は、あの小さな祠に降りてくる。

あと少しすればここも正月の準備で忙しくなるのだろう。
そんなことも思いながら約10秒の祈りを。

言うまでもないことだが、あの神様は今回会えなかった彼女のことも見守っている。
祈りには、彼女が無事で居続けることも確か含まれている。

烏丸通りを京都駅まで。
通りの風景は3年前から何も変わっていない。
右手に東本願寺が見えてくると同時に正面に京都タワーも覗く。

思えばオレの京都での日々はあのタワーホテルを予約することから始まった。
京都駅の在来線改札口で振り返れば、そこには最も愛する京都の風景がある。
昨夜そうしたように、また街へ出ていきたくなる。

こんなにも離れがたい街と、この先出会うことはないだろう。

振り切るように上がった新幹線ホーム。
次にきた「ひかり」はやけに空いていた。

関連記事

「鉄旅日記」2019年弥生Part.3 最終日(多治見-東京)その1-多治見、瑞浪、明智、岩村、極楽、恵那(中央本線/明知鉄道) 【明知鉄道、名鉄築港線。その2線に乗るために、東海道を下っていったのでございます。】

鉄旅日記2019年3月24日・・・多治見駅、瑞浪駅、明智駅、岩村駅、極楽駅、恵那駅(中央本線/明知鉄

記事を読む

「鉄旅日記」2019年弥生Part.1 最終日(紀伊田辺-東京)その1-紀伊田辺、箕島、和歌山、伊太祈曽、貴志(紀勢本線/和歌山電鐵貴志川線) 【和歌山電鐵に乗るために、青春18きっぷで紀伊半島一周を思い立ったのでございます。】

鉄旅日記2019年3月3日・・・紀伊田辺駅、箕島駅、和歌山駅、伊太祈曽駅、貴志駅(紀勢本線/和歌山電

記事を読む

「鉄旅日記」2013年春 初日(東京-和歌山)その2-和泉府中、東岸和田、日根野、熊取、りんくうタウン、関西空港、紀三井寺、黒江、紀伊中ノ島、和歌山(阪和線、関西空港支線、紀勢本線) 【爆弾低気圧襲来日、青春18きっぷで西へ】

鉄旅日記2013年4月7日その2・・・和泉府中駅、東岸和田駅、日根野駅、熊取駅、りんくうタウン駅、関

記事を読む

「鉄旅日記」2022年新春 2日目(湯瀬温泉-三沢)その3 ‐川部、五所川原、木造(五能線)/神武食堂 【巨大な土偶が貼りつく木造駅を見たくて冬の東北を旅しました。】

鉄旅日記2022年1月9日・・・川部駅、五所川原駅、木造駅(五能線)/神武食堂 12:53&

記事を読む

「鉄旅日記」2000年晩秋【京都の女性に恋をしていた頃がございました。その京都時代のはじまりでございます。】-京都タワーホテル

鉄旅日記2000年11月23日~24日 2000・11・23 0:03 京都タワーホテル924号室

記事を読む

「鉄旅日記」2022年弥生vol.1 初日(東京-熱海)その2 ‐八景島、金沢八景、杉田、新杉田(金沢シーサイドライン/京浜急行本線) 【根岸線、湘南モノレール、横須賀線、大雄山線、鶴見線、南武線etc.駅旅人本領発揮の旅でございます。】

鉄旅日記2022年3月5日・・・八景島駅、金沢八景駅、杉田駅、新杉田駅(金沢シーサイドライン/京浜

記事を読む

「鉄旅日記」2017年夏 初日(東京-大垣)その1-保谷、品川、三島、静岡、浜松、鷲津、豊橋、岐阜、蘇原、美濃太田(東海道本線/高山本線)【私鉄王国で過ごす夏】

鉄旅日記2017年8月11日・・・保谷駅、品川駅、三島駅、静岡駅、浜松駅、鷲津駅、豊橋駅、岐阜駅、蘇

記事を読む

「車旅日記」2004年秋 最終日(城崎-京都)走行距離256㎞-レイセニット城崎、城崎駅、豊岡駅、久美浜駅、宮津駅、西舞鶴駅、東舞鶴駅、福知山駅、京都駅 【瀬戸内から山陰へ。そんな旅がしたかったのでございます。】

車旅日記2004年11月21日・・・レイセニット城崎、城崎駅、豊岡駅、久美浜駅、宮津駅、西舞鶴駅、東

記事を読む

「鉄旅日記」2018年春 最終日(飯田-東京)その2-安曇沓掛、信濃常盤、細野、海ノ口、信濃大町、信濃松川、安曇追分、南松本(大糸線/篠ノ井線)【伊那谷へ。長篠へ。安曇野へ。木曽へ。青春18きっぷを握ったそんな旅でございます。】

鉄旅日記2018年4月8日・・・安曇沓掛駅、信濃常盤駅、細野駅、海ノ口駅、信濃大町駅、信濃松川駅、安

記事を読む

「鉄旅日記」2020年弥生 初日(東京-高山)その5‐飛騨金山、下呂、禅昌寺、飛騨萩原、上呂(高山本線) 【富山地方鉄道に乗りにまいりました。太多線、高山本線に乗るのも楽しみにしていたのでございます。】

鉄旅日記2020年3月20日・・・飛騨金山駅、下呂駅、禅昌寺駅、飛騨萩原駅、上呂駅(高山本線) 1

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

「鉄旅日記」2022年弥生vol.2 最終日(静岡-東京)その4 ‐西国分寺、北府中、新小平、青梅街道、北朝霞、朝霞台(武蔵野線) 【念願の大井川鐡道に乗る旅。帰りは身延線経由、武蔵野線全駅下車達成でございます。】

鉄旅日記2022年3月21日・・・西国分寺駅、北府中駅、新小平駅、青

「鉄旅日記」2022年弥生vol.2 最終日(静岡-東京)その3 ‐南甲府、金手、甲府、八王子、京王八王子(身延線/中央本線)/甲府城跡 【念願の大井川鐡道に乗る旅。帰りは身延線経由、武蔵野線全駅下車達成でございます。】

鉄旅日記2022年3月21日・・・南甲府駅、金手駅、甲府駅、八王子駅

「鉄旅日記」2022年弥生vol.2 最終日(静岡-東京)その2 ‐十島、鰍沢口、甲斐住吉、国母、常永(身延線) 【念願の大井川鐡道に乗る旅。帰りは身延線経由、武蔵野線全駅下車達成でございます。】

鉄旅日記2022年3月21日・・・十島駅、鰍沢口駅、甲斐住吉駅、国母

「鉄旅日記」2022年弥生vol.2 最終日(静岡-東京)その1 ‐新静岡、静岡、由比、富士、芝川(東海道本線/身延線)/駿府城址 【念願の大井川鐡道に乗る旅。帰りは身延線経由、武蔵野線全駅下車達成でございます。】

鉄旅日記2022年3月21日・・・新静岡駅、静岡駅、由比駅、富士駅、

「鉄旅日記」2022年弥生vol.2 2日目(焼津-静岡)その3 ‐尾盛、千頭、金谷、静岡(大井川鐡道井川線/大井川鐡道本線/東海道本線)/くれたけインプレミアム静岡駅前 【念願の大井川鐡道に乗る旅。帰りは身延線経由、武蔵野線全駅下車達成でございます。】

2022年3月20日・・・尾盛駅、千頭駅、金谷駅、静岡駅(大井川鐡道

→もっと見る

    PAGE TOP ↑