*

「鉄旅日記」2009年秋【女川を目指した旅。ここには震災前の女川の姿が残されております。】初日(東京-いわき-米沢-新庄)松戸、取手、友部、上菅谷、常陸太田、高萩、いわき、郡山、福島、米沢、山形、新庄ニューグランドホテル(常磐線/水郡線/水郡線常陸太田支線/磐越東線/東北本線/奥羽本線)

公開日: : 旅話 2009年

鉄旅日記2009年10月10日
2009・10・10 6:54 松戸(まつど)駅(常磐線/新京成線 千葉県)
来た電車に乗ったよ。

区議選に出る自民党候補者が朝立ちしてた。
大変だよな。

昨夜、彼女の店に行けなかったことが引っかかっていたけど、帰宅して1981年のプロレスを見てすっきりして、夢でも見た。
起きた時は、仕事に出かけるんだったよな?と、おかしな夢からしばらく覚めなかった。

今来たコイツがオレを遠くまで連れていく。
3週間ぶりのトレイン・ソング。

2018年9月22日撮影

7:34 取手(とりで)駅(常磐線/関東鉄道常総線 茨城県)
雨上がりの町だった。
駅前通りと並行する歓楽街を歩く。

勝田行が来た。
乗車率はいい。
水戸あたりまでこのままの乗車率でいくのだろう。

藤代着。
駅前には何もないが、廃墟はない。
空が広い。
九州では見かけなかった広さだ。

関東平野の空が一番広いのかもしれないな。

佐貫着。
乗客がさらに増えた。

8:40 友部(ともべ)駅(常磐線/水戸線 茨城県)
冷たい小雨が冷気を運んできたのかと訝ったが、どうやら冷房の効きすぎだ。

古い町の駅舎が変わり、ロータリーは工事中。
その流れに取り残されたような喫茶店と食堂があった。
あれをカフェとは言わないよな。

駅前の雰囲気は変わっても、景色は変わらない。
たぶん今よりはよかった頃の友部の空気を、オレは確かに感じたよ。

だから駅が新しくなる前の友部に降りてみたかった。
駅から延びる通りの先を眺めながら、そう思った。

高萩行に乗る。
きれいな常陸娘が目の前に座っている。

9:29 上菅谷(かみすがや)駅(水郡線/水郡線常陸太田支線 茨城県)
水戸で水郡線に乗り換える。

那珂川を越えると、水戸の街は終わる。

そして6駅先の分岐駅で降りる。
ここから常陸太田に向けて枝線が延びている。

ターミナル駅だが、駅前には「ピンポンとコーヒー」というユニークな組み合わせの店と書店以外に何もない。
水戸を離れて、通ってきた駅のことごとくがそんな感じだった。

水戸芸術館の前衛的巨大オブジェやテレビ塔で、それと分かる水戸の街は、ここからそう遠くはないが、実際の距離より遠く感じる場所だ。

10:16 常陸太田(ひたちおおた)駅(水郡線常陸太田支線 茨城県)
駅舎と駅前が工事中。
とても残念で、ひどく時間のかかる交差点を渡ると、旧日立電鉄線常北太田駅。

こんな感じだったよな。
あれは3年前。
当時は客車の残骸や線路が残っていたが、それらは消えて、この町にもうひとつの鉄道が走っていた痕跡は、あの旧駅舎を除いてほぼ消滅した。

駅前にこそ何もないが、常陸太田駅に終着駅に相応しい雰囲気が感じられるのは、関ヶ原合戦までここが佐竹氏の城下町だったからだ。

その後佐竹氏は秋田へ転封となり、現在に至る秋田の礎を築いた。

旧日立電鉄常北太田駅にて

12:17 高萩(たかはぎ)駅(常磐線 茨城県)
感じのいい町に着いた。

この規模の町で、駅の東西口に商店街を持つのは珍しい。
何もないと聞いていたが、そんなことはない。

やがて奥州だが、奥州の香りはここになく、関東の田舎町の匂いがした。

線路が隙間なく敷かれた高萩駅構内はとても広かったが、何事かが終わった後に漂う空気に覆われていた。
オレは結構好きだよ。
祭りの後みたいで。

バザーだか何やらで、今日は駅前にたくさんの人々が出ていた。

いわき行に乗る。
日立あたりから視界に海はちらついている。
地の果ては随分先だが、某かのカテゴリーの終点が近づいている気配はある。

やがて広い空は姿を消して、海の姿が鮮明になってきた。

13:07 いわき駅(常磐線/磐越東線 福島県)
どうやら、駅舎はすでにオレが知っているものではなくなっている。
改札のムコウの景色に見覚えがない。

今日は外に出る時間はない。
明日、答えを知る。

磐越東線に乗る。
座席はほぼ塞がっている。

訛丸出しの磐城娘を愛しく思う。

14:52 郡山(こおりやま)駅(東北山形秋田新幹線/東北本線/磐越東線/磐越西線/水郡線 福島県)
小川郷、船引、三春。
大雑把に言えば、乗客の交換があったのはそのあたりの駅で、夏井を過ぎると眠くなり、ところどころ記憶にない。

阿武隈川を渡ると郡山。
ここにいわきの晴天はなく、冷たい風が吹いている。

15:54 福島(ふくしま)駅(東北山形秋田新幹線/東北本線/奥羽本線/阿武隈急行/福島交通飯坂線 福島県)
地から信夫山が覗く。
なかなか面白そうな店があったが、十分な時間がない。
福島は未練の残る街になった。

友人夫妻と宿泊した思い出の街だけれど、あの街区がどこにあるのかも分からない。

飯坂温泉に向かう福島交通の存在も元より知らなかった。

福島は奥羽本線の始発駅。
すでに米沢への登山区画に入っている。

東北本線では福島盆地を見下ろしながら街に入った。
奥羽本線では福島盆地が遠ざかる。
そんな光景を一番後ろの車両で眺めている。

二本松あたりで降っていた雨はすっかり上がり、空は西日を送るまでに回復している。

17:18 米沢(よねざわ)駅(山形新幹線/奥羽本線/米坂線 山形県)
福島盆地はよく見えたよ。
信夫山は黒々としていた。

9月の佐賀の夜で見たが、「天地人」では関ヶ原合戦が終わったから、あのドラマにようやくこの米沢が登場する。

重厚な雲が空を覆っている。
お日様が覗く方は明るい。
つまり晴れだ。

かつてここに寄ったかどうかは定かじゃないが、友人の運転する車で上杉神社の前は通ったことがある。
ここからは遠いらしい。

駅前の雰囲気は、高原駅のそれだ。
冷気が漂い、新鮮な気分になる。

米沢は観光地になるのだろうか。
夕暮れ間近だが、人々の往来は多くない。

米沢牛を扱った「牛肉ど真ん中」という駅弁を購入する。

高校生を多く乗せて山形行が発車する。

18:46 山形(やまがた)駅(山形新幹線/奥羽本線/仙山線/左沢線 山形県)
米沢新庄間はなかなかに多くの乗客を運ぶ。
九州でこの人出を見ることは稀だった。

かつて宿泊した山形。
街中の様子をたいして覚えていないことを知った。
ただ、あの夜に夕食を摂った場所の特定はできた。

サンルートホテルから駅に戻る途中の歓楽街に、もはや懐メロになった森高千里さんの「雨」が流れている。

歩道橋から見下ろした街を歩く者はまばらで、うら寂しい。
でも違うな。
大都会が煩わしすぎる。

夕暮れを過ごして心地いいのは、きっとこの規模の街だろう。
通りの灯だけは見渡す限り続いていた。

彼女への土産はこの街で選んだよ。

23:00 新庄ニューグランドホテル608号
新庄に着く頃には乗客もまばら。
閑散とした美しい駅に降りた。
今夜の町だ。

奥羽本線は新庄で一旦行き止まりになっていて、ここまでを山形線と称している。
その先が奥羽本線。
青森へとつづく鉄路は長い。

星が出ていた。
きれいな夜空だった。

駅を出て見渡したところ、繁華街らしき存在は目に入らない。
駅からの道を真っすぐに歩けば城址公園に出るはずだ。
かつて車で走ったよ。
その前に町の灯は絶えた。

途方に暮れて道を折れたら、「あけぼの町」に出た。
古くから続く新庄の繁華街なのだろう。

控え目な客引きのオッサンが角に立つ。
ああいうのに誘われるのもワルクないかと思ったのは、この町が初めてだ。
理由は特にない。
結局そこには行っていない。

その一帯は、宮崎駿監督のアニメ「千と千尋の神隠し」に登場する温泉場によく似ていた。

結局オレが探しているのは「昭和」か。
入るべき店を探し歩いた末に、蕎麦屋で一杯。

この町に着いて、このホテルに辿り着くまでにどれほどの時間を要しただろう。
店を出たら雨が去ったあとだった。
今日の奥羽上空は、まるで東京という都会のようにいい加減だ。

新庄は山形新幹線の開通によって駅が新しくなったのだろう。
上りに向かう利便性は大いに向上しただろうが、それがこの町に一体何を運んだのか。
蕎麦屋のご主人に聞きそびれた。

今夜もいい加減な感想を連ねて、明日の朝早く町を離れる。
よくよく歩いてみれば、新庄はオレ好みのいい町だったよ。

関連記事

「鉄旅日記」2009年秋【関東ぶらぶら旅その2-武蔵から相模へ】-川口、浦和、深谷、倉賀野、寄居、東飯能、飯能、寒川、茅ヶ崎、辻堂、新橋(京浜東北線/高崎線/八高線/相模線/東海道本線)

鉄旅日記2009年10月27日 2009・10・27 9:19 川口(かわぐち)駅(京浜東

記事を読む

「鉄旅日記」2009年初夏【上信越ひとり旅】2日目(十日町-長岡)-十日町、戸狩野沢温泉、長野、松本、信濃大町、南小谷、直江津、柿崎、長岡(飯山線/篠ノ井線/大糸線/北陸本線/信越本線)

鉄旅日記2009年7月19日 2009・7・19 十日町(とおかまち)駅(飯山線/北越急行

記事を読む

「鉄旅日記」2009年秋【遅い夏休みをとり、長崎までの切符を買いました。】3日目(大分-熊本-佐賀)その2-大牟田、銀水、西鉄銀水、瀬高、荒木、久留米、鳥栖、佐賀シティホテル(鹿児島本線/長崎本線)

鉄旅日記2009年9月20日 2009・9・20 17:52 大牟田(おおむた)駅(鹿児島

記事を読む

「鉄旅日記」2009年晩秋【陰陽を行き来した3日間。この国の秋は美しゅうございました。】2日目(倉敷-伯耆大山-鳥取-姫路-和田山)その1-倉敷、足立、生山、上菅、伯耆溝口、伯耆大山、赤碕、浦安、松崎、浜村、末恒、湖山、鳥取(伯備線/山陰本線)

鉄旅日記2009年11月22日 2009・11・22 5:32 倉敷(くらしき)駅(山陽本

記事を読む

「鉄旅日記」2009年晩夏【近くまでぶらっと】金町、新松戸、西国分寺、立川、青梅、奥多摩、御岳、武蔵五日市、拝島、高麗川、川越、武蔵浦和、南浦和(常磐線、武蔵野線、青梅線、五日市線、八高線、川越線、埼京線)

鉄旅日記2009年9月5日 2009・9・5 8:53 金町(かなまち)駅(常磐線 東京都

記事を読む

「鉄旅日記」2009年秋【遅い夏休みをとり、長崎までの切符を買いました。】初日(東京-新山口)その1-金町、北千住、東京、岡山、笠岡、尾道、糸崎、入野(常磐線/山手線/東海道山陽新幹線/山陽本線)

鉄旅日記2009年9月18日 2009・9・18 4:50 金町(かなまち)駅(常磐線 東

記事を読む

「鉄旅日記」2009年皐月【四国へ、途中下車の旅】5日目(宇和島-観音寺)-宇和島、卯之町、八幡浜、千丈、伊予大洲、伊予市、松山、伊予北条、今治、伊予小松、伊予西条、新居浜、関川、伊予土居、箕浦、観音寺(予讃本線)

鉄旅日記2009年5月5日 2009・5・5 6:53 宇和島(うわじま)駅(予讃本線/予

記事を読む

「鉄旅日記」2009年秋【遅い夏休みをとり、長崎までの切符を買いました。】2日目(新山口-長門本山-日田-大分)その1-新山口、宇部、居能、雀田、長門本山、小野田、厚狭、新下関、下関、門司、小倉(山陽本線/宇部線/小野田線/長門本山支線/山陽本線/鹿児島本線)

鉄旅日記2009年9月19日 2009・9・19 5:30 新山口(しんやまぐち)駅(山陽

記事を読む

「鉄旅日記」2009年秋【遅い夏休みをとり、長崎までの切符を買いました。】4日目(佐賀-長崎-諫早-佐世保-松浦)その1-佐賀、肥前竜王、里信号場、喜々津、浦上、浦上駅前、長崎駅前、長崎、長与、諫早(長崎本線/長崎電気軌道/長崎本線長与支線)

鉄旅日記2009年9月21日 2009・9・21 6:53 佐賀(さが)駅(長崎本線 佐賀

記事を読む

「鉄旅日記」2009年初夏【上信越ひとり旅】初日(東京-十日町)-上野、高崎、大前、渋川、沼田、水上、越後湯沢、六日町、越後川口、十日町(高崎線/吾妻線/上越線/飯山線)

鉄旅日記2009年7月18日 2009・7・18 8:42 上野(うえの)駅(東北新幹線/

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

「車旅日記」1996年黄金週間【友を訪ねて大阪へ。そして約束の地、金沢へ。夢を見ながら国道を走った日々でございます。】最終日 北陸より東京へ‐その2(R8→R18→R19)直江津駅、新井、豊野町、長野駅、道の駅信州新町、道の駅大岡村

鉄旅日記1996年5月6日 6:58 直江津駅 恋する女よ

「車旅日記」1996年黄金週間【友を訪ねて大阪へ。そして約束の地、金沢へ。夢を見ながら国道を走った日々でございます。】最終日 北陸より東京へ‐その1(北陸道→R8)有磯海SA、玉ノ木パーキング、親不知ピアパーク、能生

鉄旅日記1996年5月6日 3:40 北陸自動車道-有磯海S

「車旅日記」1996年黄金週間【友を訪ねて大阪へ。そして約束の地、金沢へ。夢を見ながら国道を走った日々でございます。】3日目 金沢を後にして‐その3(R8→北陸道)小矢部、富山駅、有磯海SA

鉄旅日記1996年5月5日 22:15 8号国道‐小矢部

「車旅日記」1996年黄金週間【友を訪ねて大阪へ。そして約束の地、金沢へ。夢を見ながら国道を走った日々でございます。】3日目 いよいよ金沢へ‐その2(R8→北陸道)敦賀、尼御前SA、金沢駅

鉄旅日記1996年5月5日 18:11 8号国道‐敦賀 琵

「車旅日記」1996年黄金週間【友を訪ねて大阪へ。そして約束の地、金沢へ。夢を見ながら国道を走った日々でございます。】3日目 いよいよ金沢へ‐その1(R1→湖岸道路)伏見、山科西野、大津駅、瀬田駅、守山、彦根

鉄旅日記1996年5月5日 1996・5・5 11:36 1

→もっと見る

    PAGE TOP ↑