*

「鉄旅日記」2012年夏【青春18きっぷで、富山・岐阜途中下車旅】最終日(富山-東京)その2-美濃太田、可児、姫、下切、南木曽、田立、勝沼ぶどう郷(太多線、中央本線)

公開日: : 最終更新日:2025/06/19 旅話, 旅話 2012年

鉄旅日記2012年8月26日その2・・・美濃太田駅、可児駅、姫駅、下切駅、南木曽駅、田立駅、勝沼ぶどう郷駅(太多線、中央本線)

13:18 美濃太田(みのおおた)駅(高山本線/太多線/長良川鉄道 岐阜県)
街に下りた。

飛騨川はここで木曽川と合流し、やがて日本ラインとなる。

5年前この駅で下りた時は雨だった。
あの時は木曽川を見に行ったんだ。

ここが美濃加茂だったんだな。
美濃太田市だとばかり思っていたよ。

いずれ越美南線に乗りに戻ってくる。
その際にどういう計画を立てるが知らないが、過ごしやすそうなホテルがここにはある。

新可児(しんかに)駅(名鉄広見線 岐阜県)にて

14:01 可児(かに)駅(太多(たいた)線 岐阜県)
戦国時代の豪傑、可児才蔵の生まれ故郷であることは間違いないだろう。

駅を下りて名鉄の終着駅があることに驚いた。
駅前には何もないが、可児川を越えた先に行政区があり、ホテルも2、3遠望できる。

歩くにつれて驚きが増す。
たいした街じゃないか。
駅前からは想像もできない。

営業中かどうか疑わしいホテルの1階に、まるでシロアリが不法占拠したかのようにスナック街が並ぶ光景も驚きに値する。
何だか壮観だったよ。

名鉄の売店でビールを買ったら290円と、ちょっと高い。
そしたら柿ピーがおつまみとしてついてきた。
高いのは許すよ。

太多線・・・初めての土地を旅している。

14:34 姫(ひめ)駅(太多線 岐阜県)
ここは姫町。
涼しい風を受けてたたずむ。

なんでこんな場所にいるのかと思ったけど、長い人生のたかだか30分だ。
悪くない。
会社の椅子に座っていることを思えば奇跡のような場所に今オレはいる。

鐘つき堂が見え、線路沿いに5分ほど歩くと、煙草が吸える場所を見つけた。
角にJA、並行する通りに幸寿司。
そして恵美子という小料理屋。
その名前には甘い記憶がある。
そして特別な思いがふいに訪れて切なくなる。

浴衣姿の女性が乗っている。
今夜は近くの涼しげな河原で花火が打ち上がるのだろう。

14:43 下切(しもぎり)駅(太多線 岐阜県)
姫で時間を潰せずに一駅戻る。
さっき通り過ぎた何もない駅だ。

それでも列車はやってきて止まり、また人を乗せて終着駅に向かう。

ある意味崇高な営みだ。
乗客はオレとあとひとり。

これは秋の風だ。
そして虫の声も秋の勢力が奏でるものに変わりつつある。

でも不思議だな。
蝉の声が聞こえだすと秋の勢力はなりを潜める。

16:48 南木曽(なぎそ)駅(中央本線 長野県)
多治見で中央本線に乗り換える。

木曽川の流れとともに。

観光ホテルの送迎バスが出迎える町で、下りた客はとても少なかった。
スーパーのオバチャンの愛想はかなり下位にランクされることだろう。
駅前一等地には廃墟が見られ、木曽川沿いの国道を走る車もライダーも先を急いでいる。

失望したわけじゃないんだ。
ただ時間が潰せないだけなんだ。
だからまた一駅戻るという作戦を実行する。
うまくいけばそこで煙草が吸えるだろう。

駅舎は木曽福島駅と同じモデルだろう。
特急列車が遅れて到着した。
南木曽岳を確認したい。

17:14 田立(ただち)駅(中央本線 長野県)
駅に着いて煙草に火をつけると爆薬が弾ける音が間近で響いた。
猟師だか猟友会だかが放った銃声か。
それとも見張り塔にいる者が放ったオレの喫煙行為に対しての威嚇か。

いずれにせよ撃たれるのはイヤだなと思った。

田立の滝というのがあるようだ。
看板は夏草に埋もれている。

夏の香りを嗅ぐのはあれが今年最後の機会だったのかもしれない。
オレらしい幕引きとも言える。

「夏草がー」というケミストリーが歌ったヒット曲が頭に浮かんでくる。

21:28 勝沼ぶどう郷(かつぬまぶどうきょう)駅(中央本線 山梨県)
見事な夜景が見られる筈だと思っていたよ。

明るい時間でさえ甲府盆地は美しい。
今夜は目を見張ったよ。
まるで函館山だ。

たいていの名所の情報は目にしたり耳にするのが東京での暮らしの筈だが、山梨エリアは何者かの手によって隠蔽されてきたのだろうか。

別に構わないが、何を考えるでもなく茫々と30分景色だけに見とれて過ごせる場所をここ以外には知らない。
海は別格だが、それでもそのあとにどれだけ暇な時間を持ち合わせていたとしても、おそらく10分もすれば腰を上げてきた。

ここは静かで、見上げれば秋田で見たような星の瞬きがある。

こんな時間にこの駅にいて、灰缶が置かれているベンチを占拠できた幸運に酔いしれていたよ。

出発時刻が近づくとにわかに送迎車が丘を上がってくる。
駅は中央本線の中では唯一と言って差し支えない、暮らしの世界とはかけ離れた辺鄙な高台に位置している。

到着した21:00はぶどうとワインを売るのに適した時間じゃなく、地中海に面した金持ちの別荘のような駅舎はまるで廃墟のように暗く静まりかえり、裏手に目をやれば蔦の育成に適した環境を与えている。
007が柱の影で隙を覗っているようなミステリアスな駅舎だ。

あの夜景をうまく携帯カメラに収めたかったけど、叶わなかった。
ひとつくらいうまくいかないことがあるのが人生だ。
ある程度の達観が必要なのも人生だ。

諦めじゃない。
達観だ。
最後にあの最高にステキなひとりぼっちの世界を堪能できて幸せだ。

こういう終わり方は正直頭になかったよ。

関連記事

「鉄旅日記」2020年文月 3日目(萩-三次)その2‐益田、三保三隅、浜田、波子(山陰本線) 【コロナ禍でございます。内緒の旅でございました。余部鉄橋へ。萩へ。霧の街へ。東京五輪延期で浮いた4連休の記録でございます。】

鉄旅日記2020年7月25日・・・益田駅、三保三隅駅、浜田駅、波子駅(山陰本線) 10:03

記事を読む

「鉄旅日記」2015年春 最終日その1(岩倉-東京)-岩倉、御嵩、犬山、新鵜沼、鵜沼、名電各務原、各務ヶ原、新那加、那珂、名鉄岐阜(名鉄犬山線/名鉄広見線/名鉄各務原線) 【名鉄電車2DAYフリーきっぷで行く、中京旅】

鉄旅日記2015年3月8日その1・・・岩倉駅、御嵩駅、犬山駅、新鵜沼駅、鵜沼駅、名電各務原駅、各務ヶ

記事を読む

「鉄旅日記」2014年夏 3日目(鳥取-米子)その2-電鉄出雲市、川跡、旧大社駅、出雲大社前、雲州平田、松江しんじ湖温泉、松江、乃木、東松江、玉造温泉、揖屋、荒島、米子(一畑電車北松江線/一畑電車大社線/山陰本線)【青春18きっぷで、中国ぶらぶら旅】

鉄旅日記2014年8月15日その2・・・電鉄出雲市駅、川跡駅、旧大社駅、出雲大社前駅、雲州平田駅、松

記事を読む

「鉄旅日記」2014年秋 その1-日進、宮原、加茂宮、北大宮、大宮公園、土呂、東鷲宮、鷲宮、栗橋、古河、新古河、野木、間々田、岩舟(川越線/東北本線/両毛線) 【休日おでかけパスで、関東ローカル旅】

鉄旅日記2014年11月3日その1・・・日進駅、宮原駅、加茂宮駅、北大宮駅、大宮公園駅、土呂駅、東鷲

記事を読む

「鉄旅日記」2020年盛夏 初日(東京-防府)その5‐北河内、川西、西岩国、櫛ケ浜、防府(錦川鉄道/岩徳線/山陽本線)/錦帯橋 【コロナ禍の内緒旅VOl.2。宮島へ。錦帯橋へ。筑豊へ。島原へ。千綿駅へ。そして若松~戸畑の渡船。日本晴れの4日間の記録でございます。】

鉄旅日記2020年8月13日・・・北河内駅、川西駅、西岩国駅、櫛ケ浜駅、防府駅(錦川鉄道/岩徳線/

記事を読む

「鉄旅日記」2015年春 最終日その1(宇治-東京)-宇治、山城多賀、玉水、上狛、木津、加茂、貴生川(奈良線/関西本線/草津線) 【朝に宇治を出て、近江鉄道に乗る一日】

鉄旅日記2015年3月22日その1・・・宇治駅、山城多賀駅、玉水駅、上狛駅、木津駅、加茂駅、貴生川駅

記事を読む

「鉄旅日記」2018年弥生-小手指、西所沢、西武遊園地、小川、東村山、西武園、西武遊園地、萩山、小平(池袋線/狭山線/山口線/多摩湖線/国分寺線/拝島線/西武園線/新宿線)【西武線を楽しむ日。いくつかのターミナル駅に降りてみたかったのでございます。】

鉄旅日記2018年3月17日・・・小手指駅、西所沢駅、西武遊園地駅、小川駅、東村山駅、西武園駅、西武

記事を読む

「鉄旅日記」2012年春 その1-上尾、桶川、鴻巣、行田、岡部、神保原、新町、群馬総社、中之条、郷原、長野原草津口、万座・鹿沢口(高崎線、吾妻線)【青春18きっぷで、ダム湖に水没する鉄路へ】

鉄旅日記2012年4月1日その1・・・上尾駅、桶川駅、鴻巣駅、行田駅、岡部駅、神保原駅、新町駅、群馬

記事を読む

「鉄旅日記」2022年弥生vol.1 最終日(熱海-東京)その6 ‐向河原、津田山、久地、宿河原、中野島、稲城長沼、府中本町(南武線) 【金沢シーサイドライン、根岸線、湘南モノレール、横須賀線、大雄山線、相模線、鶴見線etc.駅旅人本領発揮の旅でございます。】

鉄旅日記2022年3月6日・・・向河原駅、津田山駅、久地駅、宿河原駅、中野島駅、稲城長沼駅、府中本

記事を読む

「鉄旅日記」2018年如月 初日(東京-直江津)その2-三つ峠、塩山、酒折、塩尻、新島々、西松本、松本(富士急行/中央本線/アルピコ交通上高地線) 【冬の町を見たくて、週末パスを買いました。】

鉄旅日記2018年2月10日・・・三つ峠駅、塩山駅、酒折駅、塩尻駅、新島々駅、西松本駅、松本駅(富士

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

「鉄旅日記」2023年新春 初日(東京-泉佐野)その4 ‐加太、和歌山市、泉佐野(南海加太線/南海本線)【南海各支線、水間鉄道、阪堺電気軌道、泉北高速鉄道、信楽高原鉄道、、、関西乗り鉄旅でございます。】

鉄旅日記2023年1月7日・・・加太駅、和歌山市駅、泉佐野駅(南海加

「鉄旅日記」2023年新春 初日(東京-泉佐野)その3 ‐みさき公園、多奈川、紀ノ川(南海本線/南海多奈川線)【南海各支線、水間鉄道、阪堺電気軌道、泉北高速鉄道、信楽高原鉄道、、、関西乗り鉄旅でございます。】

鉄旅日記2023年1月7日・・・みさき公園駅、多奈川駅、紀ノ川駅(南

「鉄旅日記」2023年新春 初日(東京-泉佐野)その2 ‐豊橋、大垣、大阪、新今宮(東海道本線/大阪環状線)【南海各支線、水間鉄道、阪堺電気軌道、泉北高速鉄道、信楽高原鉄道、、、関西乗り鉄旅でございます。】

鉄旅日記2023年1月7日・・・豊橋駅、大垣駅、大阪駅、新今宮駅(東

「鉄旅日記」2023年新春 初日(東京-泉佐野)その1 ‐金町、東京、三島、沼津(常磐線/東海道本線)【南海各支線、水間鉄道、阪堺電気軌道、泉北高速鉄道、信楽高原鉄道、、、関西乗り鉄旅でございます。】

鉄旅日記2023年1月7日・・・金町駅、東京駅、三島駅、沼津駅(常磐

「鉄旅日記」2001年祇園会【京都の女性に恋をしていた頃がございました。そんなある宵宵々山の記憶でございます。】

鉄旅日記2001年7月15日 2001・7・15の記憶(京都編

→もっと見る

    PAGE TOP ↑