「鉄旅日記」2018年弥生【青春18きっぷを握り、目指したのはまたしても会津。練馬から旅立つ最後の旅でございます。】最終日(会津若松-新潟-吉田-三条-東京)その2-新潟、白山、内野、巻、吉田、燕(越後線/弥彦線)
鉄旅日記2018年3月4日
11:59 新潟(にいがた)駅(上越新幹線/信越本線/越後線/白新線 新潟県)
新津までは雪景色。
新津で信越本線に乗り換える。
車窓風景に雪が消えた。
新潟から越後線に入る内野行きで5分の停車。
晴天下の新潟は初めてかもしれない。
日本海側に春が近づいている。
9年振りの新潟をとても大きな街だと感じる。
乗客は一気に減り、駅前には人があふれている。
越後人はもはやコートを脱いでいる。
信濃川を渡る。
12:24 白山(はくさん)駅(越後線 新潟県)
何でもない日曜日。
東京に暮らすオレが、新潟の縁もゆかりもない駅のホームのベンチに座って、ビール片手に駅前のだだっ広い駐車場を眺めている。
新潟駅から一駅。
新潟から新発田に通じる白新線の起点として計画された駅。
高架駅で、何があるかと降りてみれば、特に何もない。
列車が動けば信濃川が見えた。
旅に出て何をするでもない。
会いたい人がいるわけでもない。
日常と違った場所で日常を思うのが好きで、たぶんオレはこうしている。
もちろんひとつでも多くの駅に降りて、この国を知りたいという欲求がある。
また大河を渡る。
目の前に座る姿勢の美しい新潟美人が時折目を閉じる。
まるで菩薩さまだ。
彼女は常に笑みを浮かべている。
心が満ちている。
どうか今を生きるすべての人々に幸福を。
12:46 内野(うちの)駅(越後線 新潟県)
交換待ち4分の停車。
6年振りの再下車。
そう言えば、あの時駅は改装中だった。
改札口は橋上にある。
生真面目そうな若い駅員に切符を見せてかけ下り、駅前商店街が穏やかな日差しの下で午後を迎える様と駅を写し、かけ上がる。
命を賭けているわけじゃないが、これをするために東京から列車を乗り継いでいる。
列車が吉田方面に走り出すとすぐに小さな川を渡る。
そこには舟が繋がれ、なんとも涼しげな風情を浮かべている。
13:09 巻(まき)駅(越後線 新潟県)
交換待ち8分の停車。
東京じゃ気温20度。
こっちでもそれくらいあるだろう。
マフラーをリュックにしまい、生真面目な顔でアイスモナカを頬張る野球少年を眺めている。
「鯛車の町」とある。
何やら目出度い。
この駅にも車で寄ったことがある。
あの時と同じ重厚な駅だ。
駅員がいて、常に人がいて。
そんな駅だ。
新潟に上る列車は混んでいて風景を愛でることができず、かつて越後線にいい印象は持たなかったが、どうしてどうして。
新潟平野を突っ切るこの路線の沿線風景は素晴らしく、何度も平らな風景を撮りに席を立った。
弥彦山もきれいに見える。
平地に雪はほとんど見られなくなっている。
13:28 吉田(よしだ)駅(越後線/弥彦線 新潟県)
乗り換え時間8分。
3度目の吉田。
駅は変わらずターミナル駅の格を保ち、それなりの乗降客数を保っていそうだ。
「吉田祭」開催を伝えていた看板が外され、桟だけが浮いていた。
あれじゃ寂しい。
いつも何かを入れておくべきだ。
寂れた印象を与えかねない。
整った歴史を感じさせる町並に強い印象を持った吉田。
次がいつになるか分からないが、また弥彦に気持ちがいくことがあるだろう。
弥彦線東三条行きへ。
13:43 燕(つばめ)駅(弥彦線 新潟県)
小さな女の子を連れたご婦人が、「お昼寝の時間だよ」と話しかけている。
トイレに入っている間に一緒に降りた人々の姿は消えて、駅前にひとり取り残された。
ロータリーを囲む店はわずか。
頑丈そうな雪国仕様の駅を撮り、すぐに歩き出す。
風情を感じた商店街にスマホを向ける。
元は民宿らしき廃墟に目を止めた先、道の真ん中でフロント部分が大破した車が横向きに止まり、脇で若い男が複雑な表情を浮かべながら頭を抱えていた。
気の毒に。
あんな時、人はホントに頭を抱えるものなのだな。
決定的な場面でシュートを外したストライカーと、職場で自ら操作するマシンにネズミが挟まる瞬間を目撃した同僚。
ドラマじゃよく見かけるが、実際にはそれくらいしか前例を知らなかった。
通行人か商店街の店主だかが交通整理を買って出ていた。
素晴らしい善意に頭が下がる。
中央橋からは白い山々が望める。
美しい眺めだった。
歩き続け、やがて高架橋から巨大な燕三条駅が見えた。
関連記事
-
-
「鉄旅日記」2018年如月【冬の町を見たくて、週末パスを買いました。】最終日(直江津-六日町-大前-東京)その3-金島、中之条、川原湯温泉、大前、羽根尾、高崎問屋町(吾妻線)
鉄旅日記2018年2月11日 15:43 金島(かなしま)駅(吾妻線 群馬県) 渋川を過
-
-
「空旅日記」1997年弥生【若き日に高知に出張に行った記録が残っておりました。】-羽田空港内カフェテリア、市電グランド通り駅前オリエントホテル
鉄旅日記1997年3月11日 1997・3・11 羽田空港内カフェテリア 17:00を待
-
-
「鉄旅日記」2018年弥生【青春18きっぷを握り、目指したのはまたしても会津。練馬から旅立つ最後の旅でございます。】最終日(会津若松-新潟-吉田-三条-東京)その3-燕三条、北三条、三条、長岡、水上、高崎(弥彦線/信越本線/上越線)
鉄旅日記2018年3月4日 14:24 燕三条(つばめさんじょう)駅(上越新幹線/弥彦線
-
-
「車旅日記」1996年黄金週間【友を訪ねて大阪へ。そして約束の地、金沢へ。夢を見ながら国道を走った日々でございます。】最終日 北陸より東京へ‐その2(R8→R18→R19)直江津駅、新井、豊野町、長野駅、道の駅信州新町、道の駅大岡村
鉄旅日記1996年5月6日 6:58 直江津駅 恋する女よ、いつの間にか日本海とさよなら
-
-
「鉄旅日記」2017年冬【会津へ。会津へ行きたかったのでございます。】初日(東京-下今市-会津高原尾瀬口-会津若松)その3-鶴ヶ城、七日市、塩川、姥堂、会津若松(只見線/磐越西線)
鉄旅日記2017年12月2日 16:59 七日町(なぬかまち)駅(只見線/会津鉄道 福島県
-
-
「車旅日記」1996年夏【再び北を目指した夏。不慮の事故に遭い、打ち切らざるを得なくなったのでございます。】初日 東京‐三国峠‐新潟(R17) 成瀬センター前、東福生駅、籠原駅、北橘村、渋川、ドライブイン利根川、猿ヶ京湖城閣、越後湯沢駅、道の駅ゆのたに、堀之内パーキング
車旅日記1996年8月13日 1996・8・13 10:45 東京 ルートは決まった。
-
-
「鉄旅日記」2018年弥生【青春18きっぷを握り、目指したのはまたしても会津。練馬から旅立つ最後の旅でございます。】初日(東京-小出-会津若松)その1-保谷、池袋、赤羽、高崎、井野、水上(西武池袋線/埼京線/高崎線/上越線)
鉄旅日記2018年3月3日 2018・3・3 4:28 保谷(ほうや)駅(西武池袋線 東京
-
-
「鉄旅日記」2018年弥生【青春18きっぷを握り、目指したのはまたしても会津。練馬から旅立つ最後の旅でございます。】最終日(会津若松-新潟-吉田-三条-東京)その1-会津若松、広田、野沢、徳沢、津川、五十島(磐越西線)
鉄旅日記2018年3月4日 2018・3・4 7:31 会津若松(あいづわかまつ)駅(磐越
-
-
「鉄旅日記」2017年冬【会津へ。会津へ行きたかったのでございます。】最終日(喜多方-会津若松-会津高原尾瀬口-下今市-東京)その2-大塚山古墳群、会津若松、芦ノ牧温泉、大川ダム公園、芦ノ牧温泉南(会津鉄道)
鉄旅日記2017年12月3日 11:12 会津若松(あいづわかまつ)駅(磐越西線/只見線/
-
-
「鉄旅日記」2018年弥生【青春18きっぷを握り、目指したのはまたしても会津。練馬から旅立つ最後の旅でございます。】初日(東京-小出-会津若松)その2-土合、越後湯沢、大沢、上越国際スキー場前、越後堀之内、小出(上越線)
鉄旅日記2018年3月3日 9:09 土合(どあい)駅(上越線 群馬県) 「日本一のモグ