*

「鉄旅日記」2013年春【青春18きっぷで、房総途中下車旅】その1-検見川浜、大貫、保田、那古船形、富浦、安房勝山、館山、太海、江見、勝浦、行川アイランド、東浪見、御宿(京葉線、内房線、外房線)

公開日: : 最終更新日:2018/12/31 旅話 * 結婚後2013年

冒険家志望のあなたへ【1話】

 

鉄旅日記2013年3月9日その1
2013・3・9 6:43 検見川浜駅(京葉線 千葉県)
造られた街の先に美浜区役所。それは赤い大きな橋を渡った先にある。多摩ニュータウン、千葉ニュータウン・・・、他に思いつく街の名は出てこないが、そういったここ20年、30年の共通点がここにも多く見られる。高層住宅が建ち並び、適度に清潔で、見かける店はすべてがチェーン店と言ってもおかしくなく、公園は緑に溢れている。既視感のある街で早朝を迎えている。季節外れのあたたかい朝が続いて今日で3日目になる。

8:01 大貫(おおぬき)駅(内房線 千葉県)
蘇我で乗り換える。行き違いで数分の停車。
駅を発車すると海が見え、また隠れた。焼鳥屋とパチンコ屋がある駅前通り。沿線の家並みは途切れ、鄙び、旅情が現れる。あの日差しに満ちた房総に入った。

8:28 保田(ほた)駅(内房線 千葉県)
特急列車がやってきて梅の里に止まった。ここでまた数分の停車。
駅前喫茶に観光案内所。あのカーブを曲がれば海か。鋸山ハイキングツアーでもあるのかリュック姿の人々が地元の有志に迎えられていた。青い駅舎が続いている。日差しに映え、気分が上がる。

9:03 那古船形(なこふながた)駅(内房線 千葉県)
二つの町が合わさった駅名のようだ。那古と船形、それぞれに海水浴場を持ち、観音様も持っている。道路表示の行き先は北条海岸。静かな海辺の町。「停車場」という駅前喫茶に布団屋、釣り宿。そんな軒先を歩いた。
狭い駅前通りを車が行き交う。こんな旅をしていると車が憎くなることがある。

9:16 富浦(とみうら)駅(内房線 千葉県)
東京方面に戻り、ここで数分の停車。
気さくな駅員のいる町。日本一の道の駅を持つ町。南国椰子が聳える駅前。カラフルなシャッターを下ろしていた商店。
青い駅舎は途切れたが、リゾート地を連想させるステキな駅だった。沿線の菜の花畑が、目にとても柔らかな刺激を与えてくれる。

9:34 安房勝山(あわかつやま)駅(内房線 千葉県)
かつて宿にしたツインタワーが見える。ここらあたりじゃ一番高い建物だろう。この町を故郷に持つYさんにかつて尋ねた展望台が見える。再訪に伴う感動がなかなか現れず戸惑う。
今日は晴天だが、あの日見えた富士山は見えない。変わらない町に安堵し、住人の平穏無事を心の底から祈る。一心教の小屋は前回は閉まっていて気づかなかったんだろうが、場にそぐわず胡散臭い。田舎町でたまに見かける奇妙な風景といっていい。ここは伊豆で挙兵した源頼朝が、石橋山合戦で敗れて安房に逃れた際に上陸したという伝説の海辺の町。とてもステキな海水浴場がある。
館山方面へと再度向かう。

10:03 館山(たてやま)駅(内房線 千葉県)
館山は3度目になる。これでしばらく来ることはないだろう。「里見八犬伝」の里見氏を大河ドラマの主役にと街は願っているようで、同じ千葉県の大多喜では城主だった本多平八郎親子をと、運動を展開しているそうだ。実現するだろうか。
館山の駅弁はクジラ弁当とのことだが、店は閉まっていたよ。かつて夜の繁栄を見たが、あれも魔法にかかったのか。房総一の街だが、駅前からパチンコ屋は出ていき、後釜は埋まっていなかった。

11:15 太海(ふとみ)駅(内房線 千葉県)
風光明媚な気持ちのいい駅に降りた。酒屋の奥さんの愛想もいい。小径を辿って海辺へ。頼朝伝説が残る仁右衛門島を一望する。昭和の頃には皇太子はじめ皇族が来島したことがあるそうだ。
砂浜を筋骨隆々な上半身裸の男たちが徒党を組んで走っている。上品なサーファーかとも思ったが、岡上の城西国際大学の学生だろう。美しい光景ではある。春の日差しに満ちた駅頭で列車を待つ。ビールと煙草の時間は至福だった。こんな時を求めてオレはここまできた。雲雀のさえずりが耳にも心地いい。

11:37 江見(えみ)駅(内房線 千葉県)
一駅戻る。
リゾートマンションが睥睨する南房の小駅周辺は房州生花の生産地。
海辺への坂道を往復。玄関先で日向ぼっこの老婆と二度の会釈。なんて気持ちのいい日なのだろう。駅の案内板は他にタイ釣りに適した釣り場があるとことに触れている。

12:38 勝浦(かつうら)駅(外房線 千葉県)
安房鴨川で外房線に乗り換える。
大きな街についた。房総の大きな街に着いた。特急車両で鴨川へ引き返す。ホテル三日月の街、勝浦にてしばしの街歩き。勝浦灯台に官軍塚。案内板は無骨な名所を掲げている。
特急車両がやってきて、鴨川方面へ3駅引き返す。

13:03 行川アイランド(なめがわあいらんど)駅(外房線 千葉県)
風雨に剥がされた案内板に「国電」の文字が見える。昭和の景気のいい頃に営業していたであろう海の楽園。閉鎖されてからどれほどの歳月が流れたのだろうか。すべてが朽ち、入口は永遠に閉ざされ、夜になれば不気味な姿を晒す。でもあのトンネルだけは埋められることはないだろう。それに伴い人類の記憶からの完全喪失を免れることだろう。駅名も残る。ただし今となってはそのうち廃駅になる可能性もある。そんな誰もいなくなった広大な駐車場跡で珍しい女性運転手がバスを休ませていた。

15:05 東浪見(とらみ)駅(外房線 千葉県)
竹藪の駅。そう記憶していた駅に降りた。以前この駅を通った際は確か旧客車を転用した達磨駅舎だった。そして何もない駅。
確かに何もない。乗る者はオレひとり。でもここで降りて歩いて、駅の在り方について考えさせられた。つまりこの在り方は実はとても素晴らしいのではないのかと。
駅前に広場などなく、隣接する家からすれば隣がたまたま駅だったというような在り方。
通りの古い床屋から話し声が洩れ、竹藪、草叢では他の生物によるオレへの威嚇が、気配を音に示すという行為で行われていた。正体は掴めていない。

15:26 御宿(おんじゅく)駅(外房線 千葉県)
鴨川方面に戻る。
波乗りのメッカだ。月の砂漠公園に行くとサーファーたちが黒く固まっていた。2、3は波に揉まれている。ここの波は高いな。ナンパのメッカでもあり、その卑猥的とも言える存在は子供の頃何かの折に母に聞かされた。なるほど。30年前と同じなわけがないが、リゾートマンションが建ち並ぶ海辺の風情は若者たちを惹きつけるに足る。ワイキキを思い出したよ。もちろん景観、規模ともまったく違いはするけれど。
「月の砂漠」がここ御宿で生まれたとは知らなかった。名曲が生まれた頃、オレが歩いてきたあたりは荒涼とした砂丘だったという。口の中がしょっぱいよ。

関連記事

「鉄旅日記」2013年春【爆弾低気圧襲来日、青春18きっぷで西へ】最終日(和歌山-東京)その2-海老江、野田、吹田、摂津富田、向日町、西大路・・・(東西線、大阪環状線、東海道本線)

冒険家志望のあなたへ【1話】   鉄旅日記2013年4月7日その2 海老江(

記事を読む

「鉄旅日記」2013年春【爆弾低気圧襲来日、青春18きっぷで西へ】初日(東京-和歌山)その1-米原、弁天町、大正、芦原橋、今宮、杉本町、堺市、東羽衣、鳳(東海道本線、大阪環状線、阪和線、東羽衣支線)

冒険家志望のあなたへ【1話】   鉄旅日記2013年4月7日その1 2013

記事を読む

「鉄旅日記」2013年春【爆弾低気圧襲来日、青春18きっぷで西へ】最終日(和歌山-東京)その1-打田、妙寺、高野口、橋本、五条、吉野口、法隆寺、平城山、木津、京田辺、四條畷、住道(和歌山線、関西本線、学研都市線)

冒険家志望のあなたへ【1話】   鉄旅日記2013年4月7日その1 早朝、和

記事を読む

「鉄旅日記」2013年春【青春18きっぷで、甲斐駿河途中下車旅】その1-新宿、初狩、笹子、酒折、善光寺、甲斐岩間、波高島、内船、芝川、西富士宮(中央本線、身延線)

冒険家志望のあなたへ【1話】   鉄旅日記2013年3月3日その1 2013

記事を読む

「鉄旅日記」2013年夏【青春18きっぷで、鹿児島県志布志へ】4日目(隼人-岩国)その1-隼人、鹿児島、鹿児島中央、上伊集院、薩摩松元、川内、出水、新水俣、新八代(日豊本線、鹿児島本線、肥薩おれんじ鉄道)

冒険家志望のあなたへ【1話】   鉄旅日記2013年8月13日その1 201

記事を読む

「鉄旅日記」2013年春【青春18きっぷで、関東途中下車旅】その1-赤羽、岡本、烏山、大金、宝積寺、氏家、石橋、自治医大、小金井、小山(東北本線、烏山線)

冒険家志望のあなたへ【1話】   鉄旅日記2013年3月31日その1 201

記事を読む

「鉄旅日記」2013年夏【青春18きっぷで、鹿児島県志布志へ】3日目(南宮崎-隼人)その1-南宮崎、伊比井、北郷、飫肥、日向大束、志布志、油津、日南、木花、田吉、宮崎空港(日南線、宮崎空港線)

冒険家志望のあなたへ【1話】   鉄旅日記2013年8月12日その1 201

記事を読む

「鉄旅日記」2013年如月【休日おでかけパスで、上総下総途中下車旅&習志野シンフォニックブラス(NSB)演奏会】その1-我孫子、東我孫子、新木、湖北、布佐、小林、木下、安食、下総松崎、成田空港、酒々井、物井、東千葉、本千葉、西千葉、新検見川、幕張、東船橋、津田沼(成田線、総武本線)

冒険家志望のあなたへ【1話】   鉄旅日記2013年2月17日その1 201

記事を読む

「鉄旅日記」2013年夏【青春18きっぷで、鹿児島県志布志へ】3日目(南宮崎-隼人)その2-宮崎、清武、田野、山之口、西都城、餅原、都城、京町温泉、えびの、吉松(日豊本線、吉都線)

冒険家志望のあなたへ【1話】   鉄旅日記2013年8月12日その2 13:

記事を読む

「鉄旅日記」2013年夏【青春18きっぷで、鹿児島県志布志へ】2日目(徳山-南宮崎)その1-徳山、長府、西小倉、城野、行橋、新田原、中津、中山香、高城、佐志生、熊崎、上臼杵、臼杵(山陽本線、日豊本線)

冒険家志望のあなたへ【1話】   鉄旅日記2013年8月11日その1 201

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

「鉄旅日記」2016年春【東日本大震災被災地へ】初日(東京-水沢)その2-前谷地、柳津、気仙沼、一ノ関、水沢(石巻線、気仙沼線、大船渡線、東北本線)

冒険家志望のあなたへ【1話】   鉄旅日記201

「鉄旅日記」2016年春【東日本大震災被災地へ】初日(東京-水沢)その1-郡山、杉田、五百川、高城町、矢本、野蒜、陸前赤井、石巻、女川(東北本線、仙石線、石巻線)

冒険家志望のあなたへ【1話】   鉄旅日記201

「鉄旅日記」2015年夏【日本最南端の終着駅、枕崎までの往復旅】最終日(広島-東京)-広島、向洋、東岡山、高島、守山(山陽本線、東海道本線)

冒険家志望のあなたへ【1話】   鉄旅日記201

「鉄旅日記」2015年夏【日本最南端の終着駅、枕崎までの往復旅】4日目(西鉄柳川-広島)その2-田川後藤寺、糸田、糒、金田、門司港、厚狭、湯ノ峠、四郎ヶ原、南大嶺、美祢(平成筑豊鉄道糸田線、平成筑豊鉄道伊田線、鹿児島本線、美祢線)

冒険家志望のあなたへ【1話】   鉄旅日記201

「鉄旅日記」2015年夏【日本最南端の終着駅、枕崎までの往復旅】4日目(西鉄柳川-広島)その1-西鉄柳川、西鉄久留米、西鉄甘木、甘木、基山、けやき台、原田、桂川(西鉄本線、西鉄甘木線、甘木鉄道、鹿児島本線、筑豊本線)

冒険家志望のあなたへ【1話】   鉄旅日記201

→もっと見る

    PAGE TOP ↑