*

「鉄旅日記」2008年皐月 2日目(出雲-柳井)-出雲市、大田市、益田、長門市、仙崎、阿川、小串、幡生、防府、柳井(山陰本線/仙崎支線/山陽本線)【旅は京都から始まり、山陰から下関へ。そして四国へと渡ったのでございます。】

公開日: : 最終更新日:2025/05/19 旅話, 旅話 2008年

鉄旅日記2008年5月3日・・・出雲市駅、大田市駅、益田駅、長門市駅、仙崎駅、阿川駅、小串駅、幡生駅、防府駅、柳井駅(山陰本線/仙崎支線/山陽本線)

2008・5・3 8:10 出雲市(いずもし)駅(山陰本線 島根県)
出雲を後にする。

昨夜は明かりにつられて歩いた。
人の姿は見かけなかった。
街の規模に対して、地味ながらも立派な歓楽街が形成されていた。
スナックが多かった。

出雲大社の方を望む。
神々が集う山々が神々しい。
今朝歩いたら、昨夜は見えなかったものの多さに仰天した。
面白い街だった。

元気な雲州娘たちが乗ってきた。
背中には「松江女子」とある。

乗り合わせた母娘に手を振っている。
人が作る素敵な風景と言える。

10:02 大田市(おおだし)駅(山陰本線 島根県)
1時間ばかり街を歩いた。


スナックの多い通りを抜けて川を渡り、喜多八幡宮。
そこから街を眺める。


朝からいい陽気だ。
山陰本線の車窓風景が素晴らしい。
水平線が霞んで、海と空が同化していた。

石造りの古いトンネルを抜けると、石州大田。
跨線橋の鉄柱は年代物らしい。

駅を出ると世界遺産石見銀山へ向かうバス停に行列ができている。
ちょうどブームに沸く頃だ。

ホームで騒いでいるのは大田高生か。
連休にクラブ活動に出かける子供たちを見るオレの目は優しいはず。
オレもそうだったから。
去年は広島の塩町でそんな少年と親しく話す機会が持てた。

土産はここで買ったよ。
とても親切な店員さんで、素敵な思い出ができた。

送料に、ビール代までまけてくれたよ。
順番を人に譲り、少し待っただけなのに、あんなにも感謝されるとは。

石見人を称賛する司馬遼太郎の石碑を見たのは、確か浜田でのことだった。

13:13 益田(ますだ)駅(山陰本線/山口線)
こじんまりとした街だった。

さっき大勢が降りた街だけど、みんなバスに乗ってどこかへ行ってしまった。

市内に4軒の店を持つという回転寿司屋に入ったが、回ることはなく、客はオレひとり。
サービスで出してくれた汁物が美味かった。

寿司屋の大将から聞いた話を並べると、自民党を出て、現在国民新党の亀井代議士はこの地域の殿様の末裔とのこと。
そういえば、大田にもポスターが貼られていた。

繁華街と呼べるものは今はなく、人の流れは郊外に移っている。
そして経営も大変だと。

夜の灯は想像しなかった。

新天街を歩いていて、目があったご婦人に会釈をしたら返してくれて、おまけに「オニイサン何の商売?」ときたもんだ。

うれしいね。
大きなトランクを持って歩く車寅次郎スタイルでいる甲斐がある。

地元の悩みしか聞けなかったが、旅をするにはいい土地だ。
ずっと海を眺めていたよ。

それにしても浜田~長門市間の時刻表は寂しすぎる。

今も海を見ている。
益田は日本一の清流高津川が流れる街とのこと。

市役所は歴史的建造物と言っていい。

15:36 長門市(ながとし)駅(山陰本線/仙崎支線/美祢線 山口県)
長州の小さな街に着いた。

街道筋の街。
日本一の焼鳥の街でもあるらしい。

駅を降りて、特徴を挙げられない。
駅舎がある反対口には古ぼけたセントラルホテルと大型スーパー。

仙崎行の車内では日除けのカーテンが引かれている。

16:00 仙崎(せんざき)駅(山陰本線仙崎支線 山口県)
金子みすゞの町を、みすゞロードの途中まで。

風情が素晴らしい。
まるで島のように、町は独立していた。

赤ら顔の外人が歩いていたり、萩焼を売っていたり。

すぐに立ち去るには惜しい町並だった。
せめて埠頭までたどり着きたかった。

16:15 長門市(ながとし)駅(山陰本線/仙崎支線/美祢線 山口県)
小串行に乗り込んでいる。
山陰本線はまだしばらく続く。

さっき萩を通った。
宇部で知り合った女性の運転する車で降りて以来。

彼女とはあれから秋吉台に行って、宇部でお茶を飲み、空港で別れてそれきり。

歴史的な萩駅にも案内してくれた。
あれきりの縁だったが、心を豊かにしてくれたよ。

山陰本線は郷愁をそそる。

相変わらず海を眺めている。

16:56 阿川(あがわ)駅(山陰本線 山口県)にて
列車行き違い数分の停車。

17:37 小串(こぐし)駅(山陰本線 山口県)
いよいよ山陰本線も最終区間に入った。

駅からは海が見える。
日本海と長閑な風情が続いている。

かつての革命家たちの王国が、当時のまま残されているとも言える。

時折見かける藤の花の可憐さに惹かれている。

石見での車中の賑わいは、とうに消えている。

18:29 幡生(はたぶ)駅(山陽本線/山陰本線 山口県)
下関車両区の壁のムコウ。

夕方の高校生の集団と一緒に乗り込んだら、席はすでに埋まっている。
山陰路との明確な差がある。

新下関ではかなり降りた。
下関市内には、しばらく嗅いでいなかった都市の匂いがある。

厚狭あたりまではこの状態が続くのだろうか。
日暮れまではまだ時間がある。

長州人は訛を隠さない。
美人も多い。

次の停車駅は乃木大将を生んだ長府。

山陰本線はすでに完全な過去になっている。

20:23 防府(ほうふ)駅(山陽本線 山口県)
下関を除いて山陽本線に現れた最初の高架駅。
防府という街で、列車の到着を待っている今を気に入っている。

ここまで歩んできた人生も同時に想う。
感動しながらビールを空ける。

ホームだけを見ると東京の近郊駅のようだ。
街に目立つものはなかったが、駅には何事かがあった。
防府という街が、県内に向けて誇示したいものがあるように思う。
有名な防府天満宮の玄関として恥じない顔を、駅は持つ。

周辺に田舎の風情はあまり見られないが、これぞ防府というものも見られない。

走り出した。
歓楽街がすぐに見つかり、空港を思わせる巨大な灯の集合体が見え、今また車窓は闇に変わった。

大型店舗に見たこともないような巨大なパチンコ屋。

防府もそんな街になり、富海という駅に着いて、防府で起きていたことは収まった。

23:14 柳井ステーションホテル307号
厚狭、宇部、徳山。
人の流れが分かった。
行儀の悪いヤツはどこにでもいるが、愛する山口県内では見たくなかった。

下松、光、工業地帯の灯。
余計なお世話だろうが、山口には廃れてほしくない。

そして過去となった宇部を、あれはもう過去のことだと思う気持ちのまま通り過ぎた。

今思う。
あの街で、友人は元気か。
あの女性は元気だろうか。

「豊饒の海」4部作の第1部「春の海」を読了した。
読後感は悪くない。
まだ3部が残る。
この旅でどこまで進むだろうか。

司馬遼太郎がよく著書に記した「中国者の律儀」。
会話を交わしたすべての人々が素晴らしかった。

今、柳井にいる。
白壁の街として知られる柳井の人口は3万人ほどだという。

さっきまでいた店のマネージャーに聞いたよ。
人懐こい、いい男だった。
ちょっとしたウソをついてしまったが、許してほしい。
旅の方便さ。

街の灯は想像以上に暗かった。

「柳井に何があるの?」
宇部のあの女性は、オレにそう聞いた。

柳井の売りは駅周辺にはないという。
大田でもそうだった。
朝になったら見つけにいこう。

明日は四国上陸。

関連記事

「車旅日記」2006年皐5日目(青森-安達)その1-駅前ホテルニュー青森館、野辺地駅、三沢駅、十和田市駅、本八戸駅、陸中八木駅、久慈駅、岩泉駅、茂市駅 【東京から出かける最後の車旅。関東、東北を2,265㎞走った記録でございます。】

車旅日記2006年5月6日・・・駅前ホテルニュー青森館、野辺地駅、三沢駅、十和田市駅、本八戸駅、陸中

記事を読む

「鉄旅日記」2005年聖夜-鹿島神宮、新鉾田、鉾田、石岡(鹿島線/鹿島臨海鉄道/鹿島鉄道/常磐線) 【廃線となった鹿島鉄道に乗った記録が残されておりました。】

鉄旅日記2005年12月24日・・・鹿島神宮駅、新鉾田駅、鉾田駅、石岡駅(鹿島線/鹿島臨海鉄道/鹿島

記事を読む

「鉄旅日記」2005年秋 最終日(小諸-東京)その2-高崎、新前橋、前橋、中央前橋、小山、水戸、東京葛飾金町(信越本線/両毛線/水戸線/常磐線) 【軽井沢で挙式する身内を祝うために、初めて鉄道で旅をいたしました。】

鉄旅日記2005年11月7日・・・高崎駅、新前橋駅、前橋駅、中央前橋駅、小山駅、水戸駅(信越本線/両

記事を読む

「鉄旅日記」2013年夏 3日目(南宮崎-隼人)その1-南宮崎、伊比井、北郷、飫肥、日向大束、志布志、油津、日南、木花、田吉、宮崎空港(日南線、宮崎空港線) 【青春18きっぷで、鹿児島県志布志へ】

鉄旅日記2013年8月12日その1・・・南宮崎駅、伊比井駅、北郷駅、飫肥駅、日向大束駅、志布志駅、油

記事を読む

「鉄旅日記」2009年秋 最終日(若松-東京)若松、折尾、黒崎、黒崎駅前、戸畑、小串、長門市、益田、津和野、山口、新山口(筑豊本線/鹿児島本線/山陰本線/山口線) 【遅い夏休みをとり、長崎までの切符を買いました。】

鉄旅日記2009年9月23日・・・若松駅、折尾駅、黒崎駅、黒崎駅前駅、戸畑駅、小串駅、長門市駅、益田

記事を読む

「鉄旅日記」2018年エイプリルフール その3-谷田川、磐城石川、磐城塙、常陸大子、玉川村、常陸大宮、上菅谷、水戸(水郡線) 【8年振りに金町に帰ってまいりました。青春18きっぷはまだ3日分残っております。呼んでくれたのは会津でございました。】

鉄旅日記2018年4月1日・・・谷田川駅、磐城石川駅、磐城塙駅、常陸大子駅、玉川村駅、常陸大宮駅、上

記事を読む

「鉄旅日記」2014年冬 最終日(桐生-東京)-間藤、足尾、通洞、神戸、水沼、大間々、相老、桐生、西桐生、新里、膳、大胡、江木、中央前橋、治良門橋、三枚橋、太田(わたらせ渓谷鐵道/上毛電鉄/東武伊勢崎線) 【フリー切符で行く、両毛ローカル旅】

鉄旅日記2014年12月29日・・・間藤駅、足尾駅、通洞駅、神戸駅、水沼駅、大間々駅、相老駅、桐生駅

記事を読む

「鉄旅日記」2019年霜月 初日(東京-五所川原)その5‐撫牛子、川部、五所川原、津軽五所川原(五能線) 【津軽鉄道、弘南鉄道に乗りにいきました。羽州街道を歩いた晩秋の旅でございます。】

鉄旅日記2019年11月2日・・・撫牛子駅、川部駅、五所川原駅、津軽五所川原駅(五能線) 19:5

記事を読む

「鉄旅日記」2016年春 初日(東京-下北)その2-村崎野、六原、盛岡、八戸、野辺地、下北(東北本線、IGRいわて銀河鉄道、大湊線) 【下北半島から東日本大震災被災地へ】

鉄旅日記2016年3月19日その2・・・村崎野駅、六原駅、盛岡駅、八戸駅、野辺地駅、下北駅(東北本線

記事を読む

「鉄旅日記」2022年如月 初日(東京-常陸大子)その4 ‐鹿島神宮その2、大洗、水戸(鹿島臨海鉄道)/塚原卜伝生誕地 【十二橋駅~潮来駅、鹿島神宮西の一之鳥居~鹿島神宮、棚倉を歩く旅。】

鉄旅日記2022年2月5日・・・鹿島神宮駅、大洗駅、水戸駅(鹿島臨海鉄道)/塚原卜伝生誕地

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

「鉄旅日記」2022年師走 最終日(会津宮下-東京)その1 ‐会津宮下、会津川口、只見、小出(只見線)【11年ぶりに全線運転再開を果たした只見線に乗りにいきました。】

鉄旅日記2022年12月11日・・・会津宮下駅、会津川口駅、只見駅、

「鉄旅日記」2022年師走 初日(東京-会津宮下)その3 ‐会津水沼、会津宮下(只見線)/宮下温泉ふるさと荘【11年ぶりに全線運転再開を果たした只見線に乗りにいきました。】

鉄旅日記2022年12月10日・・・会津水沼駅、会津宮下駅(只見線)

「鉄旅日記」2022年師走 初日(東京-会津宮下)その2 ‐郡山、会津若松、会津坂下、会津中川(磐越西線/只見線)【11年ぶりに全線運転再開を果たした只見線に乗りにいきました。】

鉄旅日記2022年12月10日・・・郡山駅、会津若松駅、会津坂下駅、

「鉄旅日記」2022年師走 初日(東京-会津宮下)その1 ‐金町、水戸、常陸大子(常磐線/水郡線)【11年ぶりに全線運転再開を果たした只見線に乗りにいきました。】

鉄旅日記2022年12月10日・・・金町駅、水戸駅、常陸大子駅(常磐

「鉄旅日記」2022年神無月 ツレと訪ねた佐原~銚子~香取旅でございます。最終日(銚子犬吠埼-東京)その2 ‐津宮鳥居河岸から香取神宮へ。/香取駅/水郷駅【Facbookへの投稿より振り返ります。】

鉄旅日記2022年10月9日【香取神宮にて】・・・香取駅、水郷駅(成

→もっと見る

    PAGE TOP ↑