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「鉄旅日記」2020年文月 最終日(三次-東京)その2‐万能倉、神辺、井原、吉備真備(福塩線/井原鉄道)【コロナ禍でございます。内緒の旅でございました。余部鉄橋へ。萩へ。霧の街へ。東京五輪延期で浮いた4連休の記録でございます。】

公開日: : 最終更新日:2025/05/04 旅話, 旅話 2020年

鉄旅日記2020年7月26日・・・万能倉駅、神辺駅、井原駅、吉備真備駅(福塩線/井原鉄道)

9:06  万能倉(まなぐら)駅(福塩線 広島県)
列車行き違い2分の停車。

思いきって列車を飛び出して跨線橋を渡り、駅舎を撮りにいって小走りで戻ったが、少し安心した気持ちでいたところをドアに挟まれてしまった。

オレの姿は見えていたはずだが、府中でのことといい、あまりにも無情。

しかし情けない。どうにもならず、蜘蛛の巣に絡まった虫みたいだった。そうか、ドアに挟まるとこんなにも身動きができないものなのか。目の前に座っていた女性がすぐに開けるボタンを押してくれて脱出できた。

情けない。助けてくれた女性に頭を下げる姿も情けなかっただろう。でも旅の恥はかき捨て。もう気にしない。

待合室には2名の学生の姿があった。

9:26  神辺(かんなべ)駅(福塩線/井原鉄道 広島県)
予定が狂って、ドアにも挟まれて冷静さを失っていたかもしれないが、井原鉄道との接続駅の神辺に着いて不意に旅心が疼き、岡山へのルートを変更する。

神辺は本陣が置かれた町。参勤交代の大名連が宿泊した町。南国的な駅前風景にはホテルも見える。

今朝の雨は粒がやけに大きい。

井原鉄道に初めて乗る。

沿線には鬼伝説が見られる。桃太郎の国に入っていく。

10:25  井原(いばら)駅(井原鉄道 岡山県)

北条早雲は井原の出だったのか。ここじゃ早雲から続く北条五代を大河ドラマに推す運動があるようだ。井原の次の駅が早雲の里を謳っている。

井原はデニムの産地でもあり、駅にはアート的な店がある。児島のデニムも知られている。岡山はデニム王国と言える。

国鉄が断念した井原線が、第三セクター方式で開業したのは1999年。歴史は新しい。

かつての車旅で寄ったことがある。高架の線路を眺めながら、だけどそんなにも新しいものだとは思いもよらなかった。そして数年後のオレが乗り鉄に乗り換えていることなど、あの夏の日には予感すらない。

駅前では那須与一との縁を紹介している。屋島での源平合戦で、扇の的を射落として喝采を浴びた与一に褒美として与えられた土地の内のひとつが井原とのこと。

小田川の堤まで歩く。なかなかの眺めだ。帰りにコンビニでビールを購入。

列車は2年前の西日本豪雨に苛まれた一帯に近づいていく。高架を往くと思っていた井原鉄道だが、ここでは地上に下りた。

10:53  吉備真備(きびのまきび)駅(井原鉄道 岡山県)
行き違い2分の停車。奈良時代に政争に参入した男の名が冠せられた駅。

歴史に名を残した吉備真備。二度にわたり唐に渡った学者で、不遇の時を過ごしながらも地方豪族の出身で大臣へと登りつめ、藤原仲麻呂の乱では追討軍を率いている。

ホームに降りてあたりを見渡す。あの豪雨で、この高架に上がって水が引くのを待つ民を映像で見た。

いま井原鉄道は小田川と共に進んでいる。そして、今後も川と共に生きていく。

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