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「鉄旅日記」2018年神無月【北陸へ。信州へ。友を訪ねての巡礼旅でございます】初日(東京-米原-福井-越前大野)その1-金町、大垣、米原、近江塩津、王子保、湯尾(常磐線/東海道本線/北陸本線)

公開日: : 最終更新日:2024/04/23 旅話, 旅話 2018年

鉄旅日記2018年10月6日・・・金町駅、大垣駅、米原駅、近江塩津駅、王子保駅、湯尾駅(常磐線/東海道本線/北陸本線)
2018・10・6 4:28 金町駅(常磐線 東京都)
台風24号の影響が残った今週。

京成電車は塩害で止まり、雨が静かに降り続けた昨日。
眠る時まで雨の音は聞こえていた。

スピリチュアルな要素が加わった人生で、神々が出雲に集う神無月に願いをかけている。
だけど叶わなかったところで気にしない。
いつかきっと叶うさ。

SMAPを聴いていた今朝。
言霊を唱え、祈りを捧げ、大切な人の無事を確信して家を出る。

東京の外れに位置する町の朝食堂には常に人の姿があり、コンビニ前には若者の姿がある。

遠くまで友達に会いにいく。
台風25号が向かいつつある北陸まで友達に会いにいく。

12:04 大垣(おおがき)駅(東海道本線/美濃赤坂支線/樽見鉄道/養老鉄道 岐阜県)
4:44北千住、4:55日暮里、5:20東京、7:29三島、8:31静岡、9:44浜松。
大垣着は定刻から3分遅れて11:50。

三島からはスマホで仕事。
名古屋市内は雨上がりだった。

3週間前にもここにいた。
東京から300kmも離れた街とオレはそんな付き合いをしている。

待ち時間でビールと味噌カツサンド。
それも変わらない。

台風25号が寄越した雨がたまに吹きつける構内。
空は不穏な色をしている。

13:01 米原(まいばら)駅(東海道新幹線/東海道本線/北陸本線/近江鉄道本線 滋賀県)
通りすぎることばかりが多い大鉄道駅に3年振りに降りる。

レンタサイクル屋が併設された近江鉄道改札口。
この線で旅した3年前の春。


親兄弟を除けば、大切に想う人々はまだ生まれていないか、出会っていないかのどちらかで、当時とはまったく違う心持ちで今を生きている。

台風の影響はなく、湖北に向かう列車の席は埋まっている。
これも長浜までか。

やたら声の大きいおじさんの話し声が聞こえてくる。

そうだった。
関西とはそんな土地柄だった。

13:51 近江塩津(おうみしおつ)駅(北陸本線/湖西線 滋賀県)
長浜駅からお城が見える。
あの街を歩いたのは何年前だったのか。
思い出すのも厄介なほど過去の記憶になった。

やがて眠りこけ、気づけば余呉。
賤ヶ岳に目をやり、また眠りが訪れる。

北のターミナル駅で人々は下ろされ、駅前には時間を潰せる場所もなく、濡れた通路を上り下りして行き先を変えていく。

台風の影響は風となって列車の運行を遅らせ、高台に位置するやたらと長いホームで強い風に吹かれている。



15:25 王子保(おうしお)駅(北陸本線 福井県)
永原近江塩津間の徐行運転で17分遅れで敦賀に到着。

ハイボールとポテチを購入してすぐに福井行に乗り継ぎ。
やれやれと缶を開けて喉を鳴らせば、すぐに木ノ芽峠を貫く長いトンネルに入る。

上杉謙信の上洛を容易ならざるものにした北陸の険。
通るたびに感じるものがある。

365号国道まで歩く。
柿の実はまだ色づく前で、小学校前で「王子保っ子」の健やかな成長を祈り交差点に出ると、最近営業を取り止めたのであろう立派な割烹に目を留める。
地方で夢の城を作った店主のご苦労に思いを馳せる。

地図には源頼政の墓と伝わる遺跡が載っている。
宇治で死んだ彼を慕う勢力が北陸の地にあったのだろうか。

やがて木曽義仲がこの道を通り平家政権を覆し、松尾芭蕉もまた静かにこの道を往った。

そんな街道の歴史を駅では伝えていた。


15:48 湯尾(ゆのお)駅(北陸本線 福井県)
2駅戻る。
人の声がしない代わりに、北陸自動車道と365号国道に挟まれたこの場所では、タイヤが路面を転がる音が耳につく。

北陸本線の旧道がトンネルとして残る一帯を鉄道遺産として、駅ではポスターを並べている。

台風25号が連れてきた温かい空気は気紛れに雨を降らせ、間近に鮮やかな虹の橋を架けてくれた。
まるで奇跡。
空は晴れ、半円を描いた夢の橋の両端がはっきりと見えた。

こんなに間近で、人生初めての奇跡はやってきた。
思わず胸の前で手を合わせ、オレの人生が好転していくことを確信し、いつの間にかベンチに座っていた女性に「虹がきれいですよ」と伝えた。

列車がやってきて発車の頃、鮮やかな半円はすでに右半分が消えていた。

「お前分かっただろ?」
天神様が教えてくれた気がした。

この春に松戸上空に龍が現れた時にも実は感じたんだ。
だけど忘れていた。

もうこの身に訪れる幸せを疑わない。




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