「鉄旅日記」2020年文月【コロナ禍でございます。内緒の旅でございました。余部鉄橋へ。萩へ。霧の街へ。東京五輪延期で浮いた4連休の記録でございます。】最終日(三次-東京)その5‐京福嵐山、阪急嵐山、嵐電嵯峨、トロッコ嵯峨、嵯峨嵐山、京都(京福電鉄嵐山本線/東海道新幹線)
鉄旅日記2020年7月26日・・・京福嵐山駅、阪急嵐山駅、嵐電嵯峨駅、トロッコ嵯峨駅、嵯峨嵐山駅、京都駅(京福電鉄嵐山本線/東海道新幹線)
17:18 嵐山(あらしやま)駅(京福電鉄嵐山本線 京都府)にて
17:35 嵐山(あらしやま)駅(阪急電鉄嵐山線 京都府)にて
17:49 嵐電嵯峨(らんでんさが)駅(京福電鉄嵐山本線 京都府)にて
17:52 トロッコ嵯峨(とろっこさが)駅(嵯峨野観光鉄道 京都府)にて
17:57 嵯峨嵐山(さがあらしやま)駅(山陰本線 京都府)
京都西郊のささやかな風景の中を往く。特に目につくものもない。住宅街を歩くようなものだ。
嵐電北野線は北野白梅町から帷子ノ辻まで9駅あるが、およそ11分で到着する。
有栖川、車折神社、鹿王院、嵐電嵯峨と、帷子ノ辻から先の嵐山本線の駅名もまた豪華だ。
ホームから線路までの距離はおよそひと跨ぎ。引き続き住宅街を往くが、前方に山の気と観光地の気が漂いだした。車折神社は駅前にある。
客は減り、終点の嵐山まではオレを含めて3名。世界が縮まっている現在、嵐山で人波に揉まれずに済むのはありがたいと言える。
歌舞伎座のような京福嵐山駅。日本一美しい駅と言えるだろう。この駅を見るのは2度目になる。あの日は何を思ったかひとつ手前の嵯峨駅前駅で降りてここまで歩いてきた。
渡月橋、天龍寺と続く駅前通りも雅で、まるで名優が歩く花道のようだ。
桂川の水量は多く、渡月橋は思いのほか長い。この橋を渡った記憶がないのは人波の中にいたからだろうか。
あの日に寄った阪急駅はこんなにも外れにあったかと、道に置かれた地図を見て急ぐ。
世界的観光地の終着駅は雅で、阪急駅もまた世界劇場のようなたたずまいだが人気はなく、あらためて現在世界で何が起きているのかを実感した。
帰りの渡月橋で最愛の存在を想う。連れてきてあげたい。きっと喜ぶだろう。
でもやはり、京都では悲しいことを想う。切ないことを想う。
いけないな。輝かしい未来を持つ愛しい存在に悲しい思いなど伝えてはいけない。
嵯峨駅前駅は、嵐電嵯峨へと駅名変更され、嵯峨嵐山駅は建て変わっていた。以前の重厚な姿は忘れてしまったが、広大無辺な待合室を覚えている。
家族を知って、いま愛する女性がいて。嵐山はそんな男がひとりで訪ねるところじゃない。
リュックを背負っていかにも余所者然としたオレにきつい視線を向けてくる男がいる。オレをコロナ感染源のように思ってのことだろう。もう帰るよ。
しかしやはり嵐山は類を見ないほど素敵な場所だ。
18:49 京都(きょうと)駅(東海道・山陽新幹線/東海道本線/山陰本線/奈良線/湖西線/近鉄京都線/京都市営地下鉄烏丸線 京都府)
烏丸口から八条口。かつて愛した駅周辺の街を撮った。懐かしいと思い出すにはその間にいろいろありすぎた。特定の過去が蘇ることはなく、この旅を締めた。
静岡県内に降った大雨のために新幹線に遅れが出ている。2020年は本当にどこまで人の予定を狂わせるつもりでいるのか。
でも新幹線の遅れは珍しいことじゃない。20分遅れの列車に乗車。席を得る。
静岡県内に入ったところでアナウンスが入る。今日を狂わせた雨がまだ三島~静岡間に降っていて、この列車は浜松に停車。そうしてじきに1時間になる。同じ旅で2度もこうした目に遭うとは。。この7月の天候を恨む。
こうして京都タワーが写った写真を見ると当時が蘇る。あのタワーホテルを定宿のようにしたこともあり、京女に激しく恋をしたかつて。正確には彼女は比叡山坂本の出身だったが。
山陰を旅したこの旅。山陰の入口は京都。だから京都で締めればちょうどいい。
品川着22:15。常磐線直通の成田行との接続がいい。これで少しは多めに見ろと神が言っている。
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