*

「鉄旅日記」2020年弥生【富山地方鉄道に乗りにまいりました。太多線、高山本線に乗るのも楽しみにしていたのでございます。】初日(東京-高山)その4‐多治見、坂祝、美濃太田(太多線/高山本線)

公開日: : 最終更新日:2024/04/13 旅話, 旅話 2020年

鉄旅日記2020年3月20日・・・多治見駅、坂祝駅、美濃太田駅(太多線/高山本線)
14:19 多治見(たじみ)駅(中央本線/太多線 岐阜県)
ちょうど一年振りの多治見。
あの日は、夜と朝の表情に接して街を離れた。

滞在可能時間は22分。
若干の躊躇を押し殺して陶都大橋を往復。
土岐川の流れの中に龍を探し、数度の深呼吸。

水辺にいることが好きで、今も水辺近くで暮らしている。
そんな因縁を遠く美濃の地で感じた。

去年の所縁の地あたりで路地に目をやると、繁華街によく見られる入場門が見えた。

あそこにあんな一角があったのか。
一年前にも目にしているはずだが。

NHK大河ドラマ「麒麟がくる」を観ている。
美濃で生まれた明智光秀は反逆者というよりは悲劇的な男で、織田信長の最期は本能寺の変が相応しいと、歴史を知った者は思う。

その後の秀吉の栄華が一代で終わり、羽柴や豊臣を名乗る者がいない現在に因果を思う。
さらにオレが今ここにいる因果。

太多線に乗っている。
可児を過ぎて美濃川合に着く直前に木曽川を渡る。


そのわずか数十秒にも、この旅の重要な目的があった。

15:13 坂祝(さかほぎ)駅(高山本線 岐阜県)
多治見から乗ったのは太多線経由岐阜行。
美濃太田で4分の停車後、最初の駅に降りる。

何やらめでたそうな駅名で、ずいぶん前から降りることを待望していた。
改札を抜けると正面に木曽川堤が見える。

歩くさ。
14分しかないけど。

鵜沼から「日本ライン」の名称を持つ木曽川の流れは心許なく、対岸の厳つい岩壁だけが目についた。

駅舎は古く、旅情を醸す。


どうか続いてほしい。
数代後の世代まで、日本の建築物とはこうなのだと理解していてほしいと願う。

15:33 美濃太田(みおおおた)駅(高山本線/太多線/長良川鉄道 岐阜県)
特急の接続待ちなどで15分の停車。
太多線、長良川鉄道とのターミナル駅だが、不思議と縁が浅い。


ここは美濃加茂市。
最近は目にしないが、以前はよく甲子園の出場校の中に美濃加茂高校の名を見た。

初めて高山本線をたどった日に降りて、木曽川まで歩いた。
あの日の印象を越えるものは、その後持ち得ていない。

駅前に出ると演歌が流れていた。
道理も何もなく懐かしいと感じる。

海のない国、岐阜。
画一化されていそうなこの世界にも、やはり独自の文化は残る。

高山本線に乗るのはこれが3度目。
この縁を深めたいと思う春。

過去、現在、未来。
確かにつながっている。
だからオレは3度目の視線で沿線を見るが、それにしても新たな発見ばかりだ。

下麻生あたりから寄り添い始めた飛騨川は、途方もない年月を要して生まれた彫刻美で車窓を楽しませてくれている。

関連記事

「鉄旅日記」2020年晩秋【大人の休日倶楽部パスで北陸へ。新幹線、在来線特急乗り放題でございます。魚津、雨晴をめぐり、氷見線、万葉線、城端線、七尾線、えちぜん鉄道、福武線、北陸鉄道との再会でございます。】2日目(砺波-武生)その3‐羽咋、能登部、徳田、七尾、和倉温泉(七尾線)

鉄旅日記2020年11月22日・・・羽咋駅、能登部駅、徳田駅、七尾駅、和倉温泉駅(七尾線)

記事を読む

「鉄旅日記」2020年卯月【緊急事態宣言発令直前のことでございます。常磐線全線運転再開を祝して人知れず旅に出たのでございます。】最終日(新津-東京)その4‐浪江、いわき、常陸多賀、石岡(常磐線)

鉄旅日記20220年4月5日・・・浪江駅、いわき駅、常陸多賀駅、石岡駅(常磐線) 16:34 浪江(

記事を読む

「鉄旅日記」2020年文月【コロナ禍でございます。内緒の旅でございました。余部鉄橋へ。萩へ。霧の街へ。東京五輪延期で浮いた4連休の記録でございます。】初日(東京-香住)その3‐米原、京都、梅小路京都西、丹波口、花園(東海道本線/山陰本線)

鉄旅日記2020年7月23日・・・米原駅、京都駅、梅小路京都西駅、丹波口駅、花園駅(東海道本線/山

記事を読む

「鉄旅日記」2012年夏【青春18きっぷで、北海道途中下車旅】3日目(室蘭-岩見沢)-室蘭、苫小牧、鵡川、静内、様似、追分、夕張、新夕張、清水沢(室蘭支線、室蘭本線、日高本線、石勝線、夕張支線)

鉄旅日記2012年8月13日・・・室蘭駅、苫小牧駅、鵡川駅、静内駅、様似駅、追分駅、夕張駅、新夕張駅

記事を読む

「鉄旅日記」2020年文月【コロナ禍でございます。内緒の旅でございました。余部鉄橋へ。萩へ。霧の街へ。東京五輪延期で浮いた4連休の記録でございます。】初日(東京-香住)その6‐上川口、養父、豊岡、香住(山陰本線)

鉄旅日記2020年7月23日・・・上川口駅、養父駅、豊岡駅、香住駅(山陰本線) 18:35&

記事を読む

「鉄旅日記」2017年夏【私鉄王国で過ごす夏】最終日(十三-東京)その1-十三、大阪梅田、大阪、東淀川、茨木、島本、桜井の繹跡、桂川、京都(阪急電鉄宝塚本線/東海道本線)

鉄旅日記2017年8月14日・・・十三駅、大阪梅田駅、大阪駅、東淀川駅、茨木駅、島本駅/桜井の繹跡、

記事を読む

「鉄旅日記」2019年師走【由利高原鉄道鳥海山ろく線に乗りにいきました。初冬の日本海は荒々しく、美しゅうございました。】最終日(酒田-東京)その3‐押切、帯織、長岡(信越本線)

鉄旅日記2019年12月8日・・・押切駅、帯織駅、長岡駅(信越本線) 15:35 押切(おしきり)駅

記事を読む

「鉄旅日記」2014年春【青春18きっぷで、丹後若狭から北陸、信州へ】最終日(魚津-東京)その2-有間川、谷浜、名立、直江津、犀潟、二本木、今井、川中島、姨捨、信濃境、すずらんの里、富士見(北陸本線/信越本線/篠ノ井線/中央本線)

鉄旅日記2014年3月23日その2・・・有間川駅、谷浜駅、名立駅、直江津駅、犀潟駅、二本木駅、今井駅

記事を読む

「鉄旅日記」2009年初夏【上信越ひとり旅】初日(東京-十日町)-上野、高崎、大前、渋川、沼田、水上、越後湯沢、六日町、越後川口、十日町(高崎線/吾妻線/上越線/飯山線)

鉄旅日記2009年7月18日・・・上野駅、高崎駅、大前駅、渋川駅、沼田駅、水上駅、越後湯沢駅、六日町

記事を読む

「鉄旅日記」2009年秋【遅い夏休みをとり、長崎までの切符を買いました。】最終日(若松-東京)若松、折尾、黒崎、黒崎駅前、戸畑、小串、長門市、益田、津和野、山口、新山口(筑豊本線/鹿児島本線/山陰本線/山口線)

鉄旅日記2009年9月23日・・・若松駅、折尾駅、黒崎駅、黒崎駅前駅、戸畑駅、小串駅、長門市駅、益田

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

「鉄旅日記」2021年春【大人の休日倶楽部パスで東北へ。新幹線、在来線特急乗り放題でございます。続くコロナ禍ではございますが、約半年の辛抱の時を過ぎて、天候にも苛まれながら秋田内陸縦貫鉄道に乗りに行きました。】初日(東京-米内沢)その1‐金町、上野、古川、陸前谷地(常磐線/東北新幹線/陸羽東線)

鉄旅日記2021年4月17日・・・金町駅、上野駅、古川駅、陸前谷地駅

2020年神無月~2021年弥生【SNSへの投稿より】写真をお楽しみいただけますと幸いでございます。ーハロウィン、柴又帝釈天、金町夕景、今年も暮れゆく東京、金町睦月如月、菜の花の頃

2020年11月1日 ハロウィンとは縁を持たない人生でございま

「鉄旅日記」2020年晩秋【大人の休日倶楽部パスで北陸へ。新幹線、在来線特急乗り放題でございます。魚津、雨晴をめぐり、氷見線、万葉線、城端線、七尾線、えちぜん鉄道、福武線、北陸鉄道との再会でございます。】最終日(武生-東京)その3‐西金沢、新西金沢、野町、鶴来、金沢、上野(北陸鉄道石川線/北陸新幹線)

鉄旅日記2020年11月23日・・・西金沢駅、新西金沢駅、野町駅、鶴

「鉄旅日記」2020年晩秋【大人の休日倶楽部パスで北陸へ。新幹線、在来線特急乗り放題でございます。魚津、雨晴をめぐり、氷見線、万葉線、城端線、七尾線、えちぜん鉄道、福武線、北陸鉄道との再会でございます。】最終日(武生-東京)その2‐敦賀、北鉄金沢、内灘、金沢、野々市(北陸本線/北陸鉄道浅野川線)

鉄旅日記2020年11月23日・・・敦賀駅、北鉄金沢駅、内灘駅、金沢

「鉄旅日記」2020年晩秋【大人の休日倶楽部パスで北陸へ。新幹線、在来線特急乗り放題でございます。魚津、雨晴をめぐり、氷見線、万葉線、城端線、七尾線、えちぜん鉄道、福武線、北陸鉄道との再会でございます。】最終日(武生-東京)その1‐越前武生、武生、三方、美浜(北陸本線/小浜線)

鉄旅日記2020年11月23日・・・越前武生駅、武生駅、三方駅、美浜

→もっと見る

    PAGE TOP ↑