「鉄旅日記」2020年弥生 初日(東京-高山)その4‐多治見、坂祝、美濃太田(太多線/高山本線)【富山地方鉄道に乗りにまいりました。太多線、高山本線に乗るのも楽しみにしていたのでございます。】
鉄旅日記2020年3月20日・・・多治見駅、坂祝駅、美濃太田駅(太多線/高山本線)
14:19 多治見(たじみ)駅(中央本線/太多線 岐阜県)
ちょうど一年振りの多治見。
あの日は、夜と朝の表情に接して街を離れた。


滞在可能時間は22分。
若干の躊躇を押し殺して陶都大橋を往復。
土岐川の流れの中に龍を探し、数度の深呼吸。


水辺にいることが好きで、今も水辺近くで暮らしている。
そんな因縁を遠く美濃の地で感じた。
去年の所縁の地あたりで路地に目をやると、繁華街によく見られる入場門が見えた。
あそこにあんな一角があったのか。
一年前にも目にしているはずだが。
NHK大河ドラマ「麒麟がくる」を観ている。
美濃で生まれた明智光秀は反逆者というよりは悲劇的な男で、織田信長の最期は本能寺の変が相応しいと、歴史を知った者は思う。
その後の秀吉の栄華が一代で終わり、羽柴や豊臣を名乗る者がいない現在に因果を思う。
さらにオレが今ここにいる因果。
太多線に乗っている。
可児を過ぎて美濃川合に着く直前に木曽川を渡る。



そのわずか数十秒にも、この旅の重要な目的があった。
15:13 坂祝(さかほぎ)駅(高山本線 岐阜県)
多治見から乗ったのは太多線経由岐阜行。
美濃太田で4分の停車後、最初の駅に降りる。
何やらめでたそうな駅名で、ずいぶん前から降りることを待望していた。
改札を抜けると正面に木曽川堤が見える。

歩くさ。
14分しかないけど。
鵜沼から「日本ライン」の名称を持つ木曽川の流れは心許なく、対岸の厳つい岩壁だけが目についた。


駅舎は古く、旅情を醸す。



どうか続いてほしい。
数代後の世代まで、日本の建築物とはこうなのだと理解していてほしいと願う。
15:33 美濃太田(みおおおた)駅(高山本線/太多線/長良川鉄道 岐阜県)
特急の接続待ちなどで15分の停車。
太多線、長良川鉄道とのターミナル駅だが、不思議と縁が浅い。



ここは美濃加茂市。
最近は目にしないが、以前はよく甲子園の出場校の中に美濃加茂高校の名を見た。
初めて高山本線をたどった日に降りて、木曽川まで歩いた。
あの日の印象を越えるものは、その後持ち得ていない。
駅前に出ると演歌が流れていた。
道理も何もなく懐かしいと感じる。

海のない国、岐阜。
画一化されていそうなこの世界にも、やはり独自の文化は残る。
高山本線に乗るのはこれが3度目。
この縁を深めたいと思う春。
過去、現在、未来。
確かにつながっている。
だからオレは3度目の視線で沿線を見るが、それにしても新たな発見ばかりだ。
下麻生あたりから寄り添い始めた飛騨川は、途方もない年月を要して生まれた彫刻美で車窓を楽しませてくれている。
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