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「鉄旅日記」2020年弥生 初日(東京-高山)その3‐上諏訪、塩尻、洗馬、中津川(中央本線) 【富山地方鉄道に乗りにまいりました。太多線、高山本線に乗るのも楽しみにしていたのでございます。】

公開日: : 最終更新日:2025/05/05 旅話, 旅話 2020年

鉄旅日記2020年3月20日・・・上諏訪駅、塩尻駅、洗馬駅、中津川駅(中央本線)

10:27 上諏訪(かみすわ)駅(中央本線 長野県)
18分の停車。



上りホームにある上諏訪温泉足湯場に在りし日を思い出す。
去年寛いだ常磐線湯本駅の足湯も同時に思い出す。

諏訪は坂の町。
そんな風景を見ている。

東京では半数以上がマスクをしているが、信濃路では2割ほど。

とかく東京では生きづらい。

10:52 塩尻(しおじり)駅(中央本線/篠ノ井線/辰野支線 長野県)
10:54発中津川行に乗り換え。
中央本線は方向を変えて名古屋に向かう。

信濃路もまた風が強い。
塩尻駅には名残雪が舞っている。

木曽路に向かう端緒はひたすらに直線を往く。

2年前から、木曽路の春先にはオレの姿がある。

11:06 洗馬(せば)駅(中央本線 長野県)
特急通過待ち並びに列車行き違いで8分の停車。

洗馬の地名は、木曽義仲の馬を村外れの清水で洗ったことに由来するとも言うが、たんなる伝説で狭間(せま)という狭い場所を指す言葉からきているとのこと。
ただ彼の馬の足跡と伝わるものが村には遺されている。

中山道31番目の宿場町でもある。


去年この駅で降りて、塩尻までの長い道を歩いた。

南木曽から十二兼までの道も長かった。

一昨年は日出塩から贄川の道。

修行を思わせる長く美しく静かな道程に、900年昔の木曽義仲軍の馬蹄を聞いたような気がした。
京を制圧した後に琵琶湖畔の粟津で討たれ、木曽に戻ることはなかった大将軍。

遥かな昔に京都から諏訪へ下ったオレのご先祖。
信濃武士の末裔としての誇りが時にこうして顔を覗かせる。

今思う。
かつて京都で恋をして、京都に恋したのは必然だったのだと。

歴史的建造物といえる洗馬駅舎。
待合室の黒光りした長椅子に日本的な美を感じる。


日本的なとは、この場合質素を意味している。

現在のマスクやちり紙不足の原因である人々の所業は浅ましい。
もちろん、遠い昔にも起こったことだが。

木曽谷に続く集落にも美を感じる。
その木曽谷に名残雪は降りやまない。

13:19 中津川(なかつがわ)駅(中央本線 岐阜県)
12:54着。


営業を断念する「駅そば」が多い中で、鉄道文化を守る中津川駅に敬意を。
ようやくその文化を味わう。

とろろそば520円。
高血圧に注意する身ながら、汁まで飲み干してしまう素朴な田舎そばだった。

栗きんとん発祥の地とある。

江戸時代まで治めていたのは織田信長に連なる遠山氏。
去年訪ねた岩村は数奇な運命をたどったが、やはり遠山氏が元は治めていた。

懐かしい名前を聞いたような気になる。

地歌舞伎など様々な文化を謳う中津川駅前に衰退の色はなく、繁華街は駅から続く中町にあるという。
いずれ泊まる計画を立てるだろう。

13:20発名古屋行快速に乗っている。
多治見までは各駅に止まる。

中津川にはリニア中央新幹線が通じるようだ。
興味がないわけじゃないが、リニアという文字に接しない限りは忘れている。

その線は南信の飯田から中津川へと至り名古屋に通じる。
約半世紀前に飯田~中津川間を走る中津川線が計画され、工事も進められたが、開業することはなかった。

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