*

「鉄旅日記」2019年如月 初日(東京-安中)その3-高麗川、丹荘、児玉、高崎、安中(八高線/信越本線) 【週末パスで東京から伊豆。そして上州、信州へ。友人は言ったものでございます。何気に大層な移動距離だと。】

公開日: : 最終更新日:2025/05/10 旅話, 旅話 2019年

鉄旅日記2019年2月9日・・・高麗川駅、丹荘駅、児玉駅、高崎駅、安中駅(八高線/信越本線)

18:07 高麗川(こまがわ)駅(八高線/川越線 埼玉県)
彼女からのメッセージの返信に時を費やす。
あたたかくて素敵な時間だ。

高麗川駅は変わっていなかった。
かつて立ち寄ったマンション1階の赤提灯も変わらずあった。

通りまで歩いて駅に戻る。

全国チェーンの飲み屋の明かりだけがまぶしく、駅を照らす灯は心許ない。

アナウンスで注意を促していたが、この列車は18:12になったら音もなくすーっと動き出した。

19:21 丹荘(たんしょう)駅(八高線 埼玉県)
この駅に降りる人が5名を数えるに及んで、計画通りに降りてみることにした。

人々には皆迎えの車があり、それぞれに去っていくと暗闇が覆い、駅の顔や色さえ定かじゃない。

雪が降った形跡はなく、路面も濡れてはいない。
最強寒波はどうやら関東では本来の実力を発揮できなかったようだ。

かつて1986年までこの駅を起点とする上武鉄道日丹線が運行していたことを知った。
西武化学前駅までの6.1km。
間には3駅を置くのみの小さな鉄路。

つい最近のことじゃないか。

ただ残念なことに、当時のオレは旅にも鉄道にも何の関心もない。

19:50 児玉(こだま)駅(八高線 埼玉県)
上り列車でひと駅戻る。

猫にはあまり好かれたことはないが、この駅に居着いた猫に鳴かれて切なくなっている。

許してほしい。
リュックには何も入っていないんだ。

顔に斑点が浮いていたのが気になるけど毛艶はよく、痩せていないどころか丸々と太っている。
逞しく生きているのだろう。


駅前通りを歩いて行った。
立派な商店街が形成されていたが、この時間まで開いているのは3軒のみで、そこからはいずれも品のいい灯が洩れていた。

酒はないかと歩けども酒屋もコンビニもなく、徒歩5分ほどのところで引き返す。

駅の灯もあたたかげで好ましく、その灯の下で彼女に向けて今日6度目の返信をしていた。

20:49 高崎(たかさき)駅(上越新幹線/北陸新幹線/信越本線/高崎線/上越線/両毛線/吾妻線/上信電鉄 群馬県)
粉雪がちらつく街は冷気に満ちている。

ビールを持つ手が不意に震えはじめ、体の変調に驚いた。

ビールは体を冷やすな。
当たり前だが。

横川行の列車が早めに入線して人心地がついた。
この旅ももうじき終わる。

一ヶ月前に達磨が置かれていたスペースには花壇ができていた。

こんな高崎駅を愛したいと思う。

21:15 安中(あんなか)駅(信越本線 群馬県)にて

22:26 古久家旅館
武田家臣団の中に安中左近影繁の名を見かけて以来、気になっていた町に宿をとった。
この町にあるたったひとつの宿だ。

母方のご先祖様が信州真田氏の家臣だったこともあり、主筋にあたる武田信玄、武田勝頼に入れ込んだ時期がある。
10代の終わり頃だった。

江戸時代に書かれた「甲陽軍鑑」に、安中左近は150騎の侍大将として載っている。

1575年の長篠合戦に従軍して戦死。
その様は長篠合戦図屏風にも描かれている。

大将を討ち取られる悪戦に苛まれた安中勢。
この地に帰り着いた者はほぼいなかったとも伝わる。

ここの投宿者は常連客で占められ、部屋に鍵はかけないという。

今時珍しいコミニュティだ。
賛同して鍵は受け取らなかった。

18号国道安中バイパスが駅前を貫く安中に歓楽街はなく、食事ができる店は2軒にコンビニが1軒。
マクドナルド、すき家があったな。

駅の反対側に段丘状の工場夜景が見える。
朝が来て碓氷川を描写すれば、この町にいた事実のすべてが揃う。

安中はそうした町で、コンビニを過ぎてからはひたすらに暗い道を歩いてきた。

【Facebookへの投稿より】
伊豆急下田→熱海→茅ヶ崎→橋本→八王子→高崎。

最強寒波は関東平野では本来の実力を発揮できずにいたようで、北に向かうにつれて雪の気配は消えていったのでございます。

ただ、現在高崎には粉雪が舞っております。
今夜の宿泊地、上州安中にはもうじき到着いたします。

猫に好かれたことのない人生でしたが、先程ふらっと降りた駅で、温かな感触を得たりもした本日の旅でございました。

関連記事

「鉄旅日記」2019年弥生Part.1 最終日(紀伊田辺-東京)その3-奈良、加茂、伊賀上野、亀山、静岡、沼津(関西本線/東海道本線) 【和歌山電鐵に乗るために、青春18きっぷで紀伊半島一周を思い立ったのでございます。】

鉄旅日記2019年3月3日・・・奈良駅、加茂駅、伊賀上野駅、亀山駅、静岡駅、沼津駅(関西本線/東海道

記事を読む

「鉄旅日記」2020年文月 初日(東京-香住)その1‐東京、国府津、小田原、三島(東海道本線) 【コロナ禍でございます。内緒の旅でございました。余部鉄橋へ。萩へ。霧の街へ。東京五輪延期で浮いた4連休の記録でございます。】

鉄旅日記2020年7月23日・・・東京駅、国府津駅、小田原駅、三島駅(東海道本線) 2020

記事を読む

「鉄旅日記」2012年春 その1-新宿、塩崎、韮崎、日野春、富士見、青柳、奈良井、木曽福島、須原、中津川(中央本線) 【青春18きっぷで、名古屋往復】

鉄旅日記2012年3月25日その1・・・新宿駅、塩崎駅、韮崎駅、日野春駅、富士見駅、青柳駅、奈良井駅

記事を読む

「鉄旅日記」2016年春 2日目(下北-石巻)その2-金田一温泉、斗米、二戸、好摩、いわて沼宮内、厨川、矢幅、日詰、小牛田、涌谷、石巻(IGRいわて銀河鉄道、東北本線、石巻線) 【下北半島から東日本大震災被災地へ】

鉄旅日記2016年3月20日その2・・・金田一温泉駅、斗米駅、二戸駅、好摩駅、いわて沼宮内駅、厨川駅

記事を読む

「鉄旅日記」2020年文月 最終日(三次-東京)その5‐京福嵐山、阪急嵐山、嵐電嵯峨、トロッコ嵯峨、嵯峨嵐山、京都(京福電鉄嵐山本線/東海道新幹線) 【コロナ禍でございます。内緒の旅でございました。余部鉄橋へ。萩へ。霧の街へ。東京五輪延期で浮いた4連休の記録でございます。】

鉄旅日記2020年7月26日・・・京福嵐山駅、阪急嵐山駅、嵐電嵯峨駅、トロッコ嵯峨駅、嵯峨嵐山駅、

記事を読む

「鉄旅日記」2020年盛夏 最終日(門司港-東京)その5‐岩国、五日市、広電五日市、広島(山陽本線/東海道・山陽新幹線) 【コロナ禍の内緒旅VOl.2。宮島へ。錦帯橋へ。筑豊へ。島原へ。千綿駅へ。そして若松~戸畑の渡船。日本晴れの4日間の記録でございます。】

鉄旅日記2020年8月16日・・・岩国駅、五日市駅、広電五日市駅、広島駅(山陽本線/東海道・山陽新

記事を読む

「鉄旅日記」2014年夏 3日目(鳥取-米子)その2-電鉄出雲市、川跡、旧大社駅、出雲大社前、雲州平田、松江しんじ湖温泉、松江、乃木、東松江、玉造温泉、揖屋、荒島、米子(一畑電車北松江線/一畑電車大社線/山陰本線)【青春18きっぷで、中国ぶらぶら旅】

鉄旅日記2014年8月15日その2・・・電鉄出雲市駅、川跡駅、旧大社駅、出雲大社前駅、雲州平田駅、松

記事を読む

「鉄旅日記」2020年弥生 初日(東京-高山)その5‐飛騨金山、下呂、禅昌寺、飛騨萩原、上呂(高山本線) 【富山地方鉄道に乗りにまいりました。太多線、高山本線に乗るのも楽しみにしていたのでございます。】

鉄旅日記2020年3月20日・・・飛騨金山駅、下呂駅、禅昌寺駅、飛騨萩原駅、上呂駅(高山本線) 1

記事を読む

「鉄旅日記」2021年師走 初日(東京-古川)その2 ‐水沢江刺、盛岡、上米内(東北新幹線/山田線)【特急乗り放題の大人の休日倶楽部パスで冬の国へ。山田線完全乗車と鳴子温泉郷を始めとした陸羽東線沿線を歩くことが目的でございました。】

鉄旅日記2021年12月4日・・・水沢江刺駅、盛岡駅、上米内駅(東北新幹線/山田線) 9:4

記事を読む

「車旅日記」2005年冬 2日目(都城-人吉)走行距離284㎞ その2-伊集院駅、串木野駅、川内駅、薩摩高城駅、大隅横川駅、吉松駅、人吉駅前ホテル 【どこへ行こうか。まっさきに浮かんだのが、昨夏に旅した南九州でございました。】

車旅日記2005年2月12日・・・伊集院駅、串木野駅、川内駅、薩摩高城駅、大隅横川駅、吉松駅、人吉駅

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

    PAGE TOP ↑