「鉄旅日記」2019年如月 最終日(安中-東京)その1-安中、松井田、西松井田、横川、軽井沢、大屋(信越本線/しなの鉄道) 【週末パスで東京から伊豆。そして上州、信州へ。友人は言ったものでございます。何気に大層な移動距離だと。】
鉄旅日記2019年2月10日・・・安中駅、松井田駅、西松井田駅、横川駅、軽井沢駅、大屋駅(信越本線/しなの鉄道)
2019・2・10 7:05 安中(あんなか)駅(信越本線 群馬県)
霜の下りた安中市内。
冷気は顔を刺し、おそらく氷点下の寒さだろう。
ここしばらくは経験していない寒さだ。
碓氷川に架かる橋から妙義山を眺め、朝焼けを愛でた。
でたらめな配置のように見える突兀とした山々を望み、この気分を味わうためにここまでやって来て、今こうしているのだと思う。



吐く息は白く、東の空がまぶしい。
冬の朝とはこんなにも美しい。

駅に着いて、小さな待合室にしばらくいる。
地元の保育園児によるアート作品や、有志の好意が詰まった民芸作品が並べられた室内は彩りに満ちて、ちょっとした幸福感に包まれる。


7:24 松井田(まついだ)駅(信越本線 群馬県)にて


7:54 西松井田(にしまついだ)駅(信越本線 群馬県)
松井田駅で降りて、跨線橋から妙義山を眺める。

他に何もなく、次の列車が来るのは33分後。
ひと駅先の西松井田駅へは、地図を見る限り歩けない距離じゃない。
それから徒歩約15分。
途中、妙義山を背後に碓氷川に架かる時代を帯びた鉄橋を写した。
こんな風景に出会うためにオレは旅をしている。

西松井田駅でも安中から続く景色を写す。




松井田城跡を指す表示は4km先。

安中氏、武田氏、織田氏、北条氏と、戦国の頃に目まぐるしく領主が交代した土地。
城は豊臣秀吉による小田原征伐の際にひと月にも上る籠城戦に耐えた後に、開城。
そして廃城となった。
上州武士は強く、その名残が時に甲子園や国立競技場で栄冠をつかんでいる。
8:10 横川(よこかわ)駅(信越本線 群馬県)
峠の釜飯の荻野屋の看板が懐かしい。
信越本線が碓氷峠を越えて軽井沢につながっていたかつて。
急勾配の上り下りに対応するため、この駅に着くたびに補助機関車の連結作業行うにあたり、数分の停車時間が生まれた。
大勢の乗客はその間に釜飯売場に列を作った。
小学生だったオレは釜飯を好まず、駅そばを購入したら、カップ容器ではなくどんぶりで渡され、泣きそうなほどに戸惑ったことを覚えている。
そうした過去を持つ大鉄道駅も今は寂しく、駅弁売場も駅そばも撤退して、広い構内の多くを空地が占め、鉄道員の姿もない。






ちらほらと降りた客は、オレと同じように軽井沢行きのバス乗場に急ぐ。
妙義山が真正面にあった。

碓氷峠に雪はなく、碓氷バイパスを行くバスからはかつての鉄道遺跡は見えない。
少し目を閉じる。
8:50 軽井沢(かるいざわ)駅(北陸新幹線/しなの鉄道 長野県)
昨晩雪が降ったようだ。
バス乗場から雪を踏みしめて駅へと歩く。
駅前には雪かきの音が響き、ホームではイベントスタッフがストーブに火を入れている。



洋館造りの旧軽井沢駅舎が鎮座する脇のホームはまるで洋風庭園で、停車している列車はオブジェのように見えた。

冷気は厳しく、動き出した列車は次の中軽井沢に止まり、開いた扉から粉雪が舞い込んできた。
冬の旅もまた格別だ。
9:42 大屋(おおや)駅(しなの鉄道 長野県)
晴れた空から粉雪が舞ってきた。
真田の六連銭が描かれたバス案内が立つ大屋駅。


オレが生まれる頃まで、この駅から丸子町へ、上田東へと上田丸子電鉄が走っていた。
1970年代に甲子園に行った長野県勢の中に、丸子実業の名もある。
駅を出て千曲川まで歩く。
千曲川だとは思っていたが確証はなく、酒屋のおかみさんに聞いて納得した。



オレのルーツのそばを千曲川が流れていることに驚きつつも、誇らしい気持ちも湧く。
そう言えば町田の実家には、五木ひろしさんが歌う「千曲川」のレコードがかつてあり、共に歌う父の声を何度か聞いた。
川からは虫が上がってきて大変だと嘆きつつも、旅人のオレにはおかみさんもどこか誇らしげに見える。
待合室にはストーブが炊かれている。
「人の群れは誰も無口で」と歌われた「津軽海峡冬景色」を彷彿とさせる光景から脱け出してホームへ出ると、若い女性が続き、その後巣穴から出るように人々が続いた。
次の駅は広大な信濃国分寺跡の上にある。
しなの鉄道となってから新設された駅だと聞いた。
1969年に廃線となった上田東へと延びていた上田丸子電鉄。
当時の路線図を見ると、同じく現在のしなの鉄道に沿って数駅が存在していた。
関連記事
-
-
「鉄旅日記」2015年春 最終日その2(岩倉-東京)-笠松、新羽島、岐阜羽島、羽島市役所前、西笠松、新木曽川、名鉄一宮、玉ノ井、萩原、日比野、弥富、近鉄弥富(名鉄本線/名鉄竹鼻線/名鉄羽島線/名鉄尾西線) 【名鉄電車2DAYフリーきっぷで行く、中京旅】
鉄旅日記2015年3月8日その2・・・笠松駅、新羽島駅、岐阜羽島駅、羽島市役所前駅、西笠松駅、新木曽
-
-
「鉄旅日記」2013年春【青春18きっぷで、関東途中下車旅】その2-結城、下館、川島、岩瀬、笠間、十王、小木津、磯原、湯本、内原、羽鳥、土浦、ひたち野うしく(水戸線、常磐線)
鉄旅日記2013年3月31日その2・・・結城駅、下館駅、川島駅、岩瀬駅、笠間駅、十王駅、小木津駅、磯
-
-
「鉄旅日記」2022年盛夏 4日目(高松-大津)その3 ‐野里、香呂、仁豊野、溝口、鶴居、寺前(播但線)【讃州高松に時空の友を訪ねて。小海線、津山線、播但線、山陰本線の駅旅も印象深い旅でございます。】
鉄旅日記2022年8月14日・・・野里駅、香呂駅、仁豊野駅、溝口駅、鶴居駅、寺前駅(播但線)
-
-
「鉄旅日記」2014年春 初日(東京-紀伊勝浦)その1-熱田、尾頭橋、八田、四日市、亀山、一身田、津、高茶屋、松阪(東海道本線、関西本線、紀勢本線) 【青春18きっぷで、紀伊半島へ】
鉄旅日記2014年3月8日その1・・・熱田駅、尾頭橋駅、八田駅、四日市駅、亀山駅、一身田駅、津駅、高
-
-
「鉄旅日記」2020年卯月 最終日(新津-東京)その1‐新津、馬下、津川、喜多方(磐越西線) 【緊急事態宣言発令直前のことでございます。常磐線全線運転再開を祝して人知れず旅に出たのでございます。】
鉄旅日記2020年4月5日・・・新津駅、馬下駅、津川駅、喜多方駅(磐越西線) 2020・4・5 5
-
-
「鉄旅日記」2008年皐月 初日(東京-出雲)-静岡、豊橋、京都、亀岡、福知山、上夜久野、豊岡、浜坂、鳥取、青谷、倉吉、米子、出雲市(東海道本線/山陰本線) 【旅は京都から始まり、山陰から下関へ。そして四国へと渡ったのでございます。】
鉄旅日記2008年5月2日・・・静岡駅、豊橋駅、京都駅、亀岡駅、福知山駅、上夜久野駅、豊岡駅、浜坂駅
-
-
「鉄旅日記」2019年師走 最終日(酒田-東京)その3‐押切、帯織、長岡(信越本線) 【由利高原鉄道鳥海山ろく線に乗りにいきました。初冬の日本海は荒々しく、美しゅうございました。】
鉄旅日記2019年12月8日・・・押切駅、帯織駅、長岡駅(信越本線) 15:35 押切(おしきり)
-
-
「鉄旅日記」2017年春 最終日(JR難波-東京)その2-大曽根、勝川、春日井、中津川、上松、原野、広丘、みどり湖、相模湖、豊田(中央本線/篠ノ井線)【近鉄に乗る日々】
鉄旅日記2017年3月20日・・・大曽根駅、勝川駅、春日井駅、中津川駅、上松駅、原野駅、広丘駅、みど
-
-
「鉄旅日記」2012年春 その1-保谷、稲毛、都賀、四街道、久住、下総神崎、松岸、銚子(総武本線、成田線) 【青春18きっぷで、銚子へ、房総へ。】
鉄旅日記2012年3月12日その1・・・保谷駅、稲毛駅、都賀駅、四街道駅、久住駅、下総神崎駅、松岸駅
-
-
「車旅日記」1996年黄金週間【友を訪ねて大阪へ。そして約束の地、金沢へ。夢を見ながら国道を走った日々でございます。】最終日 北陸より東京へ‐その3(R20)諏訪湖、韮崎、道の駅甲斐大和
車旅日記1996年5月6日 16:28 諏訪湖 松本市内を通過して塩尻峠を下りていく。 塩尻峠は
