「鉄旅日記」2017年夏【私鉄王国で過ごす夏】最終日(十三-東京)その1-十三、大阪梅田、大阪、東淀川、茨木、島本、桜井の繹跡、桂川、京都(阪急電鉄宝塚本線/東海道本線)
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最終更新日:2020/09/11
旅話 2017年
鉄旅日記2017年8月14日
6:50 十三(じゅうそう)駅(阪急電鉄神戸本線/阪急電鉄宝塚本線/阪急電鉄京都本線 大阪府)
アーケード街が縦横に伸びる十三。
昨夜の人出も凄かった。
東口の商圏は広くない。
でも優に街一個分の繁華街を形成している。
西口はさらにすさまじい。
あの小便小僧の後ろ姿はなんなのだ。
あれを街のシンボル的に扱っているところに、大阪のユーモアがある。
高架通り脇の薄暗い一帯にクラブが集まったビルがある。
そこだけ人の姿がなく、ヤバそうなまでに暗い。
もちろん用があるわけでもなく、引き返す。
大阪名物「じゃんぼ総本店」のお好み焼きが、あんなにも美味いとは。
ホテルでfacebooK、LINE。
そのまま眠ってしまった。
オレの日常も変わった。
真夏にしては涼しい日々。
明けた今日も、それは変わらない。
車窓から眺める淀川
7:05 大阪梅田(おおさかうめだ)駅(阪急電鉄神戸本線/阪急電鉄宝塚本線/阪急電鉄京都本線 大阪府)
車窓から淀川を写す。
梅田駅の自動改札には目を見張る。
横一列におそらく50以上並んでいる。
空港を思わせる長大な空間は、阪急らしくエレガントで、それは改札を出て阪急ビルを出るまで続く。
かつて、阪急百貨店に勤めながら、夜は京都祇園で働く女性と会った。
京都で働いてみたかったと、タフな日常を送る彼女は笑った。
たった一度だけ会った、たったひとりだけ知っている大阪出身の女性。
源氏名は確かミチルさんといった。
本名は知らない。
一昨日までは縁がないと思っていた阪急にも、そんな縁があったことを思い出した。
大阪(おおさか)駅(東海道新幹線/東海道本線/福知山線 大阪府)にて
7:25 東淀川(ひがしよどがわ)駅(東海道本線 大阪府)
大阪梅田駅から通りを渡れば、大阪駅。
いよいよ私鉄王国関西を離れなければならない。
もっと大阪に触れたくて、新大阪の次の東淀川で降りる。
東西口に別々の駅舎を構える広大な敷地。
線路はいくつ敷かれているだろう。
踏切がなかなか開かず、若干の焦りを覚える。
ここに大阪商店街文化はなく、どことなく侘しさを感じるグレーのビル。
角の「じゃんぼ総本店」が開くのは昼前だ。
7:48 茨木(いばらき)駅(東海道本線 大阪府)
駅は改装中。
スカイパレットのみ、先に完成を見ていた。
反対側の出口に人の流れが集まる。
右にある大きな集合住宅が目を引く。
見渡したところ、高架橋を下りてみようと思わせるものはない。
場所を変えて2度見渡す。
足を痛めている。
改札に戻った。
次の列車が発車して、バス通りを越える。
通りの両側にグレーのアーケードが見えた。
町はそこにあった。
茨木駅前風景
8:14 島本(しまもと)駅(東海道本線 大阪府)
列車は街を離れて、車窓に水田を見る。
島本で降りようと決め、改札を抜けて壁に貼られた歴史案内を見ると、なんと駅脇に楠公親子別れの「桜井の繹跡」がある。
昨日の湊川神社のこともあり、こんな偶然もあるものかと喜んだ。
楠木正成、正行親子の今生の別れなどイメージできようはずがなく、感動するよりも心情的にはツラい。
この別れの後、父楠木正成は、勝てぬ戦をするために神戸に向かい、
息子楠木正行も、数年後に同じく勝てぬ戦をするために河内四条畷で敵を待つ。
所詮は長生きできる身にあらずと、早くから決していた楠木正行。
何度書に目を通しても、そのたびに彼の心情に打たれる。
史跡公園である「桜井の繹跡」は、そこを日常とする人々の笑い声に満ちていた。
水田側に下りると、農道発展型のような道が山崎天王山に向かって続いていた。
桜井の繹跡
8:30 桂川(かつらがわ)駅(東海道本線 京都府)
オレが所持している古い時刻表に、この駅は載っていない。
2008年の開業とある。
新しい駅だ。
駅前は軍事施設とイオンモールが両翼を占め、中央を通りが地下を貫いている。
羽田あたりを見るような既視感を持つ。
エスカレーターでは、追い越し用に右側を空ける東京とは逆の関西仕様に慣れた頃だが、これでまたしばらくのお別れ。
列車は京都に着く。
桂川駅前風景
8:58 京都(きょうと)駅(東海道新幹線/東海道本線/山陰本線/奈良線/湖西線/近鉄京都線 京都府)
かつてあれほど焦がれ、通った京都。
最近じゃスルーしている。
今回もそのつもりだったが、まずはきざみうどん350円。
関西ではこれに限る。
ネギとあげさんを刻んだものが乗ってる。
天かすは盛り放題。
素晴らしい。
米原方面への新快速が思うように来ない。
仕方なくということもないが、改札を出る。
そうしたら、一気に京都時代が蘇った。
京都タワーホテル、当時から古かったが、随分古ぼけたものだ。
ただ一度、二人で幸せな朝を迎え、ひとりの時は地下の銭湯にいった。
あの中央改札を挟んで、軽く口づけを交わしたのは祇園祭の宵山。
それらの記憶も手元に置いていたつもりが、いつの間にか奥にいっていた。
無常そして無情は、オレにも当てはまる。
海外からの観光客が朝から多く行き交う京都。
東京も真っ青の人波だ。
もしオレに外国人の友人がいたら、オレも京都に行くことを勧めるよ。
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