*

「鉄旅日記」2009年秋 初日(東京-新山口)その2-廿日市、広電廿日市、宮島口、広電宮島口、大竹、岩国、徳山、新山口(山陽本線/岩徳線) 【遅い夏休みをとり、長崎までの切符を買いました。】

公開日: : 最終更新日:2025/05/24 旅話, 旅話 2009年

鉄旅日記2009年9月18日・・・廿日市駅、広電廿日市駅、宮島口駅、広電宮島口駅、大竹駅、岩国駅、徳山駅、新山口駅(山陽本線/岩徳線)

2009・9・18 15:46 廿日市(はつかいち)駅(山陽本線 広島県)
眠っている間に大都市広島へ。
強い日差しの下の被爆地広島はとても平和に見えた。

太田川沿いを快走する白い車を眺めながら、かつてのオレを重ね合わせる。
とてもイカした風景だった。

いつだったか宇部から広島に向かう途中、記憶に残った廿日市。

どこか別の町と思い違いをしたのだろうか。
高速道路から眺めた町と、実際に歩く町が記憶の中でうまく噛み合わない。

まぁいい。
規模は大きくないが、賑やかな感じのする好ましい町だった。

駅から2号国道に向けて、商店を従えた一本の道が延びていて、広島電鉄廿日市駅を過ぎるとスナック街になる。
そんな通りを得意先と電話で話しながら往復した。

だんだん本州の行き止まりに近づいている実感が湧いてくる。

広電廿日市(ひろでんはつかいち)駅(広島電鉄宮島線 広島県)にて

16:32 宮島口(みやじまぐち)駅(山陽本線 広島県)
これまで車で通るたびに、何度も混雑を味合わされた天下の観光地宮島口。
平日の顔は静かでいい。
何組かの外国人グループが降りていった船着き場は閑散としている。

宮島には渡らないし、もちろん厳島神社にお詣りすることもないが、この場にいることを「ハレ」と思う。

仕事の電話をかけるのはもうよそう。

宮島競艇に用がありそうなオッサンに、広島弁の若者。
強烈な西日を受けている。

駅に戻って、船着き場でフェリーに乗らなかったことを少しだけ後悔している。
あそこで眺めた景色はとても素晴らしかった。

彼女は、尾道に降りたのと同じ旅行で宮島にも渡っている。

貨物列車が少女の会話を遮る。
こんな旅先の一風景を眺めるために、オレはこうして東京の暮らしから時に離れる。

宮島口(みやじまぐち)フェリー乗場(JR西日本宮島フェリー)

広電宮島口(ひろでんみやじまぐち)駅(広島電鉄宮島線 広島県)にて

17:17 大竹(おおたけ)駅(山陽本線 広島県)
人の和と産業の町、大竹。
長州と国境を接するこの町で、幕末に激戦があったことは知られていない。

この大竹から瀬戸内の重化学工業地帯は始まる。

宮島口を出ると、海上に立つ有名な大鳥居が車窓に現れ、その先に工業地帯が見えた。
波打ち際から離れ、町へ。

駅構内は広く、貨物駅もある。

商店街に奥行きはなく、宿泊施設は見かけなかった。
山と海に囲まれた静かな町だ。

女子高生が大きな声で喋っている。
町も様々だと感慨深い。

カープのエースは大竹投手。
90年代に入る頃に好きだった女性の姓もこの町と同じだった。

彼女の出身地だった足利に行って以来、久し振りに当時を思い出している。
それは予期していたことではあったけれど。

18:05 岩国(いわくに)駅(山陽本線/岩徳線/錦川鉄道 山口県)
西国の日暮れは遅い。
まだ十分に明るい。

改札口を抜けた風景には見覚えがあった。
あの時は、駅に入っている甘味屋でラーメンを食べたんだよな。

岩国は都会といっていいだろう。

歓楽街の人通りはまだ少ない。
街の灯がまだ明るくなる前だった。
かつてのオレたちのような坊主頭をした少年の一団が歩いている。
岩国のシンボル、錦帯橋をイメージさせるアーケードが大通りの両側に続いていた。

この街で夕暮れを迎えられた今回の旅を気に入っている。

岩徳線のホームにいった。
徳山行のディーゼル車が待っている。

19:51 徳山(とくやま)駅(山陽新幹線/山陽本線/岩徳線 山口県)
岩徳線には味があった。
おそらくすべてが無人駅だろう。
まだ明るいうちに通った西岩国は立派な駅だった。

錦帯橋はお城近くに架かっているのだろう。
繁華街からも遠くなさそうだ。

大半が周防高森で降りて、また乗ってきた。
終点は徳山。
ここも都会だ。

徳山は大きな街だ。
アントニオ猪木は、この街でアブドーラ・ザ・ブッチャーとの闘いに終止符を打ち、地元の英雄長州力はPWF王者として凱旋して、「ミスター・パーフェクト」を名乗る前のカート・ヘニングを相手に防衛戦を行った。

商店街は閉まっていたけど、複雑な造りでわくわくする。
商圏は広いのだろう。
歓楽街までは辿り着けなかった。

駅前の屋台には惹かれた。
当初は徳山で宿をとるつもりでいたけど、そうしていたら間違いなくあの暖簾をくぐっただろう。
去年、柳井で寄った店の店長は、普段は徳山の店にいると言っていたっけ。

徳山を離れてしばらく経つ。
工場明かりが美しかった。

2013年8月10日撮影

新山口(しんやまぐち)駅(山陽新幹線/山陽本線/山口線/宇部線 山口県)にて

22:21 東横イン新山口駅新幹線口904号
去年降りた防府に一礼して、じきに新山口。
沿線の灯は変わらず乏しかった。

ある程度の想像はついていたが、実際に降りてみて驚いた。
駅以外にめぼしいものを持たない町だった。

スナックの数は充実していたけど、奥行きは視界の限り。
そんな中を麗しいマダムが歩いている。

そうだった。
長州娘もまた美人が多い。

入った店は、おかみさんが一人で切り盛りしている歴史の古そうな焼鳥屋だった。
後ろでは二人のオッサンが宗教をはじめとした小難しい話をしている。

注文したものは例外なく美味かった。
店の常連たちは、おかみさんの手を煩わせないように自ら立ってあれこれと動いている。
代々の教えなのだろう。
あれは人にしか作れない光景だ。
そう思いながら飲んでいた。

かつて岡山で出会ったおかみさんのように、ここのおかみさんも一年中休んでいないのかもしれない。
なかなか素敵な笑顔の持ち主だったよ。

この駅は、旧の小郡の方がしっくりくる。
そう思いながらここまで歩いてきた。

長い跨線橋は壮観だった。
明日また渡ろう。
こっちの新幹線口にはホテルしか見当たらないから。

昨夜は新橋で飲んで、今は山口にいる。
山口に着くまでこんなにも時間を必要としない世の中だが、オレにはこれでいい。

駅前に種田山頭火の銅像が立っていた。
彼所縁の町らしい。

彼女はまだ新橋にいる時分。

関連記事

「鉄旅日記」2009年秋 5日目(松浦-若松)その1-松浦、有田、伊万里、唐津、筑前前原、姪浜、天神、西鉄福岡、博多(松浦鉄道/筑肥線/福岡市地下鉄空港線) 【遅い夏休みをとり、長崎までの切符を買いました。】

鉄旅日記2009年9月22日・・・松浦駅、有田駅、伊万里駅、唐津駅、筑前前原駅、姪浜駅、天神駅、西鉄

記事を読む

「鉄旅日記」2009年初夏【上信越ひとり旅】初日(東京-十日町)-上野、高崎、大前、渋川、沼田、水上、越後湯沢、六日町、越後川口、十日町(高崎線/吾妻線/上越線/飯山線)

2009・7・18 8:42 上野(うえの)駅(東北新幹線/秋田新幹線/山形新幹線/上越新幹線/長野

記事を読む

「鉄旅日記」2005年秋 最終日(小諸-東京)その2-高崎、新前橋、前橋、中央前橋、小山、水戸、東京葛飾金町(信越本線/両毛線/水戸線/常磐線) 【軽井沢で挙式する身内を祝うために、初めて鉄道で旅をいたしました。】

鉄旅日記2005年11月7日・・・高崎駅、新前橋駅、前橋駅、中央前橋駅、小山駅、水戸駅(信越本線/両

記事を読む

「鉄旅日記」2020年文月 3日目(萩-三次)その1‐萩、玉江、東萩(山陰本線)/萩散策 【コロナ禍でございます。内緒の旅でございました。余部鉄橋へ。萩へ。霧の街へ。東京五輪延期で浮いた4連休の記録でございます。】

鉄旅日記2020年7月25日・・・萩駅、玉江駅、東萩駅(山陰本線)/萩散策 2020・7・2

記事を読む

「鉄旅日記」2008年皐月 3日目(柳井-徳島)-柳井、大畠、西条、岡山、高松、高松築港、オレンジタウン、引田、池谷、鳴門、徳島(山陽本線/本四備讃線/高徳本線/鳴門線) 【旅は京都から始まり、山陰から下関へ。そして四国へと渡ったのでございます。】

鉄旅日記2008年5月4日・・・柳井駅、大畠駅、西条駅、岡山駅、高松駅、高松築港駅、オレンジタウン駅

記事を読む

「鉄旅日記」2020年弥生 最終日(速星-東京)その4‐藤枝、静岡、熱海、上野、北千住(東海道本線/常磐線) 【富山地方鉄道に乗りにまいりました。太多線、高山本線に乗るのも楽しみにしていたのでございます。】

鉄旅日記2020年3月22日・・・藤枝駅、静岡駅、熱海駅、上野駅、北千住駅(東海道本線/常磐線)

記事を読む

「鉄旅日記」2018年如月 初日(東京-直江津)その1-保谷、代々木、都留市、富士山、河口湖(西武池袋線/山手線/中央本線/富士急行) 【冬の町を見たくて、週末パスを買いました。】

鉄旅日記2018年2月10日・・・保谷駅、代々木駅、都留市駅、富士山駅、河口湖駅(西武池袋線/山手線

記事を読む

「鉄旅日記」2018年秋 初日(松戸-流山-潮来-銚子-東金-松戸)その2-湖北、下総松崎、成田、香取、延方、北浦、佐原、大戸(我孫子支線/成田線/鹿島線) 【サンキューちばフリーパスでめぐる上総下総安房旅】

鉄旅日記2018年9月22日・・・湖北駅、下総松崎駅、成田駅、香取駅、延方駅、佐原駅、大戸駅(我孫子

記事を読む

「鉄旅日記」2020年如月 初日(東京-大船渡)その5‐奇跡の一本松、陸前高田、大船渡(大船渡線)/居酒屋膳/やきとり香善 【東日本大震災で被害を受けた大船渡に泊まりにまいりました。山田線完全乗車も目指しておりましたが・・。】

鉄旅日記2020年2月22日・・・奇跡の一本松駅、陸前高田駅、大船渡駅(大船渡線)/居酒屋膳/やきと

記事を読む

「鉄旅日記」2020年初秋 初日(東京-高松)その1 ‐金町、東京、米原、坂田(常磐線/東海道新幹線/北陸本線) 【時空の友を訪ねて讃州高松へ。金比羅さん、瀬戸大橋、大歩危、小歩危などを友とめぐり、義仲寺に寄り、直島に渡り、水島臨海鉄道にも乗った4日間の記録でございます。】

鉄旅日記2020年9月19日・・・金町駅、東京駅、米原駅、坂田駅(常磐線/東海道新幹線/北陸本線)

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

「鉄旅日記」2022年新春 2日目(湯瀬温泉-三沢)その3 ‐川部、五所川原、木造(五能線)/神武食堂 【巨大な土偶が貼りつく木造駅を見たくて冬の東北を旅しました。】

鉄旅日記2022年1月9日・・・川部駅、五所川原駅、木造駅(五能線)

「鉄旅日記」2022年新春 2日目(湯瀬温泉-三沢)その2 ‐東大館、大館、弘前(花輪線/奥羽本線) 【巨大な土偶が貼りつく木造駅を見たくて冬の東北を旅しました。】

鉄旅日記2022年1月9日・・・東大館駅、大館駅、弘前駅(花輪線/奥

「鉄旅日記」2022年新春 2日目(湯瀬温泉-三沢)その1 ‐湯瀬温泉、鹿角花輪、十和田南(花輪線)/和心の宿姫の湯 【巨大な土偶が貼りつく木造駅を見たくて冬の東北を旅しました。】

鉄旅日記2022年1月9日・・・湯瀬温泉駅、鹿角花輪駅、十和田南駅(

「鉄旅日記」2022年新春 初日(東京-湯瀬温泉)その3 ‐盛岡、渋民、八幡平、湯瀬温泉(IGRいわて銀河鉄道/花輪線) 【巨大な土偶が貼りつく木造駅を見たくて冬の東北を旅しました。】

鉄旅日記2022年1月8日 盛岡駅、渋民駅、八幡平駅、湯瀬温泉駅(I

「鉄旅日記」2022年新春 初日(東京-湯瀬温泉)その2 ‐竜田、原ノ町、鹿島、仙台、小牛田、一ノ関(常磐線/東北本線) 【巨大な土偶が貼りつく木造駅を見たくて冬の東北を旅しました。】

鉄旅日記2022年1月8日・・・竜田駅、原ノ町駅、鹿島駅、仙台駅、小

→もっと見る

    PAGE TOP ↑