*

「鉄旅日記」2018年師走【伊勢のいくつもの終着駅に降りまして、神島で2018年最後の満月を眺めたのでございます。】初日(東京-桑名-阿下喜-西藤原-四日市-内部-西日野-津)その3-河曲、富田浜、河原田、津(関西本線/伊勢鉄道)

公開日: : 最終更新日:2023/06/05 旅話, 旅話 2018年

鉄旅日記2018年12月22日・・・河曲駅、富田浜駅、河原田駅、津駅(関西本線/伊勢鉄道)
18:12 河曲(かわの)駅(関西本線 三重県)
三岐鉄道をショートカットしたことで浮いた時間がある。
関西本線駅旅に使うことにした。

約1時間後に伊勢鉄道への乗り換えに降りる河原田をひと駅過ぎて、河曲に降りる。
確かここにはダルマ駅舎があったはずだが撤去され、無味乾燥な駅前広場に迎えの車が止まっている。

地図を見ると鈴鹿川に面しているようだが、川辺は感じられるがあたりはほぼ宵闇と同化している。
当初は鈴鹿駅として開業した駅とのことだが、利便性や地理的に見た発展性などを考慮して後進の旧伊勢線鈴鹿駅に駅名を譲ったとある。

今年最後の満月前夜の月は見事で、駅灯がスマホでの撮影の邪魔をする。
生意気だと軽く憤りながら何枚か撮る。



駅と月の相性はいい。

18:51 富田浜(とみだはま)駅(関西本線 三重県)
名古屋方面に4駅戻る。

駅名に浜がついているが浜辺は遠く、見えない。
古い木造の長椅子を備えた立派な駅舎と住宅しかない周囲には違和感がある。

何があるかと歩き出せば、角にミニマートがある。
客の到来を待ち望んでいたおかみさんにあたたかく迎えられる。

品薄な商品棚に比してビールは充実していた。
「人とはいいな」と感じながら駅へ。

すると階段に猫がポツンといる。
スマホを向けても動じず、眠たげな目を開ければにゃーと甘えた声を出す。

猫とは縁のない人生だが、情が移りそうだ。
猫の後ろ姿と満月前夜の月を眺め、彼女を想って過ごした待合室。

月は美しく、祈った。

19:17 河原田(かわらだ)駅(関西本線/伊勢鉄道 三重県)
月は美しく、この伊勢の地でオレを照らしている。

祈りは止まず、視線を外せない。

この世で一番美しいものを眺めていた。

駅前に酒屋がある。
今じゃ珍しい酒の自販機もある。

手は伸びて今日6本目のビール。
まったく酔いを感じない。

伊勢鉄道ホームは高台にある。
四日市の工場夜景が美しい。

特急に乗って通りすぎたことはあるが、今日をもって伊勢鉄道完乗を記録する。




19:54 津(つ)駅(紀勢本線/伊勢鉄道/近鉄名古屋本線 三重県)にて

20:52 APOAホテル津810号室
津駅周辺の商圏の狭さに驚く。
繁華街に人はなく、「いや実は国道を抜けた向こうにあるのだ」という、あってもおかしくはない事実が隠れているとも思えない。

伊勢国の現代的な繁栄の姿は近鉄四日市周辺にしか見られない。
四日市から津へのショートカット路線である伊勢線が、採算に合わず第三セクターになった頃から見えていたのかもしれない。

かつて安濃津の名で栄えた藤堂家のお膝元も名古屋港に地位を奪われ、有事の際には彦根藩と共に先鋒の名誉を与えられていた徳川家を鳥羽伏見の一戦で裏切った津藩。

皮肉なことに津藩兵は東海道の先鋒として各地で旧幕府軍と戦い、そして歴史の表舞台から去った。

今宵はいい月夜。
彼女と不特定多数の友人に告げて、早めにベッドに入る。

いつもの量の酒を購入したけど、今夜はもういい。

【Facebookへの投稿より】
ここが伊勢だと明確に判る写真はございませんが、現在県庁のある津に投宿しております。

雨が上がった東海路はあたたかく、今宵はいい月夜でございます。

明日が今年最後の満月。
願うことがあれば、月に祈るのもよろしいかと存じます。

どうぞ皆さま
素晴らしいクリスマス🎄連休をお過ごしくださいませ。

関連記事

「車旅日記」1996年夏【再び北を目指した夏。不慮の事故に遭い、打ち切らざるを得なくなったのでございます。】初日 東京‐三国峠‐新潟(R17) 成瀬センター前、東福生駅、籠原駅、北橘村、渋川、ドライブイン利根川、猿ヶ京湖城閣、越後湯沢駅、道の駅ゆのたに、堀之内パーキング

車旅日記1996年8月13日 1996・8・13 10:45 東京 ルートは決まった。 今まで

記事を読む

「JR東海&16私鉄乗り鉄☆たびきっぷ」でめぐる東海旅】最終日(桑名-揖斐-樽見-金城ふ頭-東京)その1-桑名、養老、大垣、揖斐、垂井、美江寺、本巣、樽見(養老鉄道/東海道本線/樽見鉄道)

鉄旅日記2018年9月16日・・・桑名駅、養老駅、大垣駅、揖斐駅、垂井駅、美江寺駅、本巣駅、樽見駅(

記事を読む

「鉄旅日記」2007年如月【初日天王寺、2日目奈良。宿泊地だけを決めて、心のままに移動した記録でございます。】最終日(奈良-東京)-奈良、亀山、桑名、弥冨、富士、沼津(関西本線/東海道本線)

鉄旅日記2007年2月12日・・・奈良駅、亀山駅、桑名駅、弥冨駅、富士駅、沼津駅(関西本線/東海道本

記事を読む

「鉄旅日記」2018年弥生【青春18きっぷを握り、目指したのはまたしても会津。練馬から旅立つ最後の旅でございます。】最終日(会津若松-新潟-吉田-三条-東京)その2-新潟、白山、内野、巻、吉田、燕(越後線/弥彦線)

鉄旅日記2018年3月4日・・・新潟駅、白山駅、内野駅、巻駅、吉田駅、燕駅(越後線/弥彦線) 11

記事を読む

「鉄旅日記」2009年初夏【上信越ひとり旅】最終日(長岡-東京)-長岡、東三条、吉田、新潟、新津、会津若松、郡山、磐城石川、磐城塙、玉川村、常陸大宮、金町(信越本線/弥彦線/越後線/磐越西線/水郡線/常磐線)

鉄旅日記2009年7月20日・・・長岡駅、東三条駅、吉田駅、新潟駅、新津駅、会津若松駅、郡山駅、磐城

記事を読む

「鉄旅日記」2007年如月【初日天王寺、2日目奈良。宿泊地だけを決めて、心のままに移動した記録でございます。】初日(東京-天王寺)-東京、名古屋、大垣、米原、草津、柘植、京都、木津、京橋、天王寺(東海道新幹線/東海道本線/草津線/奈良線/学研都市線/大阪環状線)

鉄旅日記2007年2月10日・・・東京駅、名古屋駅、大垣駅、米原駅、草津駅、柘植駅、京都駅、木津駅、

記事を読む

「車旅日記」2005年初夏【長岡、会津、庄内。戊辰戦争ゆかりの地を巡りたかったのだと記憶しております。】初日(長岡-会津-福島-山形)走行距離388㎞ その1-長岡駅、小出駅、田子倉駅、只見駅、会津水沼駅、会津坂下駅、猪苗代駅

車旅日記2005年7月16日 2005・7・16 9:38 長岡駅 MAXトキ307号で北越の街

記事を読む

「鉄旅日記」2017年冬【会津へ。会津へ行きたかったのでございます。】最終日(喜多方-会津若松-会津高原尾瀬口-下今市-東京)その1-会津若松、笈川、堂島、喜多方、会津若松(磐越西線)

鉄旅日記2017年12月3日・・・会津若松駅、笈川駅、堂島駅、喜多方駅(磐越西線) 2017・12

記事を読む

「鉄旅日記」2016年夏【じきに廃線を迎える留萌~増毛に用がありました】4日目(富良野-大館)その1-富良野、滝川、岩見沢、白石、新札幌、北広島、恵庭、千歳、新千歳空港(根室本線/函館本線/千歳線/石勝線)

鉄旅日記2016年8月13日・・・富良野駅、滝川駅、岩見沢駅、白石駅、新札幌駅、北広島駅、恵庭駅、千

記事を読む

「車旅日記」2006年皐月【東京から出かける最後の車旅。関東、東北を2,265㎞走った記録でございます。】2日目(黒磯-郡山-いわき-仙台)その2-末続駅、双葉駅、原ノ町駅、相馬駅、亘理駅、岩沼駅、名取駅、ホテルイーストワン仙台

車旅日記2006年5月3日 13:26 末続駅(403㎞) 国道から見えたんだ。 こんな素

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

「鉄旅日記」2019年霜月【津軽鉄道、弘南鉄道に乗りにいきました。羽州街道を歩いた晩秋の旅でございます。】初日(東京-五所川原)その5‐撫牛子、川部、五所川原、津軽五所川原(五能線)

鉄旅日記2019年11月2日・・・撫牛子駅、川部駅、五所川原駅、津軽五

「鉄旅日記」2019年霜月【津軽鉄道、弘南鉄道に乗りにいきました。羽州街道を歩いた晩秋の旅でございます。】初日(東京-五所川原)その4‐青森、新青森、津軽新城、鶴ヶ坂、浪岡(奥羽本線)

鉄旅日記2019年11月2日・・・青森駅、新青森駅、津軽新城駅、鶴ヶ坂

「鉄旅日記」2019年霜月【津軽鉄道、弘南鉄道に乗りにいきました。羽州街道を歩いた晩秋の旅でございます。】初日(東京-五所川原)その3‐小牛田、一ノ関、盛岡、八戸、野辺地(東北本線/IGRいわて銀河鉄道/青い森鉄道)

鉄旅日記2019年11月2日・・・小牛田駅、一ノ関駅、盛岡駅、八戸駅、

「鉄旅日記」2019年霜月【津軽鉄道、弘南鉄道に乗りにいきました。羽州街道を歩いた晩秋の旅でございます。】初日(東京-五所川原)その2‐郡山、福島、仙台、品井沼、松島(東北本線)

鉄旅日記2019年11月2日・・・郡山駅、福島駅、仙台駅、品井沼駅、松

「鉄旅日記」2019年霜月【津軽鉄道、弘南鉄道に乗りにいきました。羽州街道を歩いた晩秋の旅でございます。】初日(東京-五所川原)その1‐金町、北千住、上野、宇都宮、黒磯、新白河(常磐線/東北本線)

鉄旅日記2019年11月2日・・・金町駅、北千住駅、上野駅、宇都宮駅、

→もっと見る

    PAGE TOP ↑