*

「鉄旅日記」2018年師走 初日(東京-津)その2-西藤原、あすなろう四日市、内部、日永、西日野、泊、南四日市(三岐鉄道三岐線/四日市あすなろう鉄道内部線/四日市あすなろう鉄道八王子線) 【伊勢のいくつもの終着駅に降りまして、神島で2018年最後の満月を眺めたのでございます。】

公開日: : 最終更新日:2025/06/10 旅話, 旅話 2018年

鉄旅日記2018年12月22日・・・西藤原駅、あすなろう四日市駅、内部駅、日永駅、西日野駅、泊駅、南四日市駅(三岐鉄道三岐線/四日市あすなろう鉄道内部線/四日市あすなろう鉄道八王子線)

15:08 西藤原(にしふじわら)駅(三岐鉄道三岐線 三重県)
阿下喜からも見えていた段々に削られた山は、鈴鹿7峰のひとつに数えられる藤原岳。

その麓に太平洋セメントを冠した貨物列車の積載駅がある。
この終着駅のふたつ手前にあたる東藤原駅。

長大な貨物列車の先頭が建屋に隠れる様は、龍の食事を思わせた。

行きに丹生川から乗った時は3両の列車に乗客は4名。
じきに近鉄名古屋本線との接続駅で終点の近鉄富田に向かい発車するが、オレの他に乗客が現れる気配はないが、おもむろにひとりの若者がやってきた。


駅前は小さな鉄道公園になっている。

以前訪ねた際は、子供連れの家族でそこそこの賑わいがあったその場所も今は冬。
冷たくなった風に、しまっていたマフラーを首に巻く。

16:27 あすなろう四日市(あすなろうよっかいち)駅(四日市あすなろう鉄道内部線/四日市あすなろう鉄道八王子線 三重県)
三岐線の車窓風景は終点の近鉄富田に近づくまでさしたる変化を見せず、時に眠りに落ち、目を覚ますと乗客が増えていたが、最後まで座席が埋まることはなく、終点へ。
約45分の乗車。

近鉄富田で四日市方面のホームに行くと、すぐに津新町行がやってきて、4駅で近鉄四日市へ。
通りを渡るとあすなろう鉄道の乗場がある。

その存在を知った時には近鉄だった内部線、西日野線は四日市あすなろう鉄道として再生されている。
北勢線のように狭い軌道を往く客車は後ろ向きに走り出して、夕日を浴びている。

その輝きに目を向けると、そこは川辺で、とても素朴な夕景を目にすることができた。

16:59 内部(うつべ)駅(四日市あすなろう鉄道内部線 三重県)
国道バイパスの手前で線路は途切れた。

終着駅を降りるとそこは狭い路地で、ここに一体何があるのかと思う。
住宅街を形成するにあたり、ここが限界地でもあったのか。

確かにあの国道はすべてを遮っている。

歩道橋から眺めた夕景はことのほか美しく記録されている。

四日市に貼ってあった内部周辺の地図は見所にあふれていたが、18分後に四日市へと引き返す列車に乗っている。

17:18 日永(ひなが)駅(四日市あすなろう鉄道内部線/四日市あすなろう鉄道八王子線 三重県)
小さなターミナル駅で乗り換える。

八王子線の終点、西日野はここからひと駅。
1976年までは西日野からひと駅先の伊勢八王子が終着駅だったが、その2年前に起きた水害により八王子線全線が運行困難に陥り、廃線が検討された結果、日永-西日野間は生き残り、西日野-伊勢八王子間は廃線になったとのこと。
伊勢八王子は線名に残った。

三角形のホームの先に夕焼けが見える。

四日市は関西語圏のようだ。

17:25 西日野(にしひの)駅(四日市あすなろう鉄道八王子線 三重県)
小さなという表現しか使っていないが、小さな終着駅。

四郷地区と言って、文化を謳う地図をここでも見かけたが、先に挙げた事情で鉄路は絶え、道路に遮られて夕闇が下りた駅前に行き先は見えず、9分後に四日市に戻る列車に乗っている。

運動少女たちが多く乗り込んだ車内は、列車が動き出すまで彼女たちの楽しそうな声に満ちていた。

日永駅に戻り、再び内部行に乗り泊駅まで。
そこから関西本線の南四日市駅が近い。

17:41 泊(とまり)駅(四日市あすなろう鉄道内部線 三重県)にて

17:55 南四日市(みなみよっかいち)駅(関西本線 三重県)
泊駅で降りて、徒歩で南四日市駅へ。
約10分。

国道に出ると広大な土地が囲われ、四日市泊イオンタウンができると記されている。

またこの国は狭くなる。
そんなことを思う。

さらにまた広大な土地が広がり、たくさんの車が止まり、都会的な明かりが灯っている。
外車の販売店かと思えばパチンコ&スロット。
あたりを睥睨している。
あの文化はオレには分からない。

南四日市駅は、工場夜景と月明かりをまぶした雲を背景にして厳かに沈黙していた。



関連記事

「車旅日記」1997年梅雨明け【疲れきっていた若き日々。またしても向かうのは北でございました。】(東京-鳴子温泉-東京)2日目~最終日-いわき久ノ浜パーキング、亘理、名取、松山町、鳴子サンハイツ、町田

車旅日記1997年7月20日 7:03 6号国道‐いわき久ノ浜パーキング 太陽光線で目が覚める。

記事を読む

「鉄旅日記」2022年如月 最終日(常陸大子-東京)その1 ‐常陸大子、磐城棚倉、東館(水郡線) 【十二橋駅~潮来駅、鹿島神宮西の一之鳥居~鹿島神宮、棚倉を歩く旅。】

鉄旅日記2022年2月6日・・・常陸大子駅、磐城棚倉駅、東館駅(水郡線) 2022・2・6&

記事を読む

「車旅日記」1996年夏【再び北を目指した夏。不慮の事故に遭い、打ち切らざるを得なくなったのでございます。】最終日 事故から帰京を振り返って。

車旅日記1996年8月15日 1996・8・15 東京 望郷の思いとは別に昨日家に帰り着いた。 後

記事を読む

「鉄旅日記」2008年皐月 初日(東京-出雲)-静岡、豊橋、京都、亀岡、福知山、上夜久野、豊岡、浜坂、鳥取、青谷、倉吉、米子、出雲市(東海道本線/山陰本線) 【旅は京都から始まり、山陰から下関へ。そして四国へと渡ったのでございます。】

鉄旅日記2008年5月2日・・・静岡駅、豊橋駅、京都駅、亀岡駅、福知山駅、上夜久野駅、豊岡駅、浜坂駅

記事を読む

「車旅日記」1996年黄金週間【友を訪ねて大阪へ。そして約束の地、金沢へ。夢を見ながら国道を走った日々でございます。】3日目 いよいよ金沢へ‐その2(R8→北陸道)敦賀、尼御前SA、金沢駅

車旅日記1996年5月5日 18:11 8号国道‐敦賀 琵琶湖ともお別れ。 8号国道を飛ばした。

記事を読む

「鉄旅日記」2008年初夏 初日(東京-和歌山)その1-浜松、豊橋、大垣、京都、六地蔵、城陽、京終、帯解、天理、桜井(東海道本線/奈良線/桜井線) 【まほろばの路から紀州へ。紀伊半島で過ごした短い夏の記憶でございます。】

鉄旅日記2008年7月19日・・・浜松駅、豊橋駅、大垣駅、京都駅、六地蔵駅、城陽駅、京終駅、帯解駅、

記事を読む

「鉄旅日記」2020年如月 最終日(釜石-東京)その4‐安積永盛、鏡石、須賀川、新白河、黒磯、宇都宮(東北本線) 【東日本大震災で被害を受けた大船渡に泊まりにまいりました。山田線完全乗車も目指しておりましたが・・。】

鉄旅日記2020年2月24日・・・安積永盛駅、鏡石駅、須賀川駅、新白河駅、黒磯駅、宇都宮駅(東北本線

記事を読む

「鉄旅日記」2006年晩夏-伊勢崎、桐生、西桐生、下仁田、上州富岡、高崎(高崎線/両毛線/上信電鉄) 【ふと誘われるように、上州へ向かう列車に乗ったのでございます。】

鉄旅日記2006年9月2日・・・伊勢崎駅、桐生駅、西桐生駅、下仁田駅、上州富岡駅、高崎駅(高崎線/両

記事を読む

「鉄旅日記」2018年師走 2日目(津-松阪-伊勢奥津-鳥羽-神島)その1-津、阿漕、松阪、家城、伊勢奥津(紀勢本線/名松線) 【伊勢のいくつもの終着駅に降りまして、神島で2018年最後の満月を眺めたのでございます。】

鉄旅日記2018年12月23日・・・津駅、阿漕駅、松阪駅、家城駅、伊勢奥津駅(紀勢本線/名松線)

記事を読む

「鉄旅日記」2005年初冬 その1-松戸、我孫子、成田、銚子(常磐線/成田線/銚子電鉄) 【鉄旅に目覚め、銚子へと向かったのでございます。】

鉄旅日記2005年12月10日・・・松戸駅、我孫子駅、成田駅、銚子駅(常磐線/成田線/銚子電鉄)

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

「鉄旅日記」2022年皐月 初日(東京-磐梯熱海)その2 ‐文挟、鹿沼、鶴田、宇都宮(日光線) 【日光線全駅乗降を果たし、猪苗代湖畔に遊び、磐梯熱海の湯につかり、国定忠治を訪ねた旅でございます。】

鉄旅日記2022年5月7日・・・文挟駅、鹿沼駅、鶴田駅、宇都宮駅(日

「鉄旅日記」2022年皐月 初日(東京-磐梯熱海)その1 ‐金町、上野、宇都宮(常磐線/東北本線) 【日光線全駅乗降を果たし、猪苗代湖畔に遊び、磐梯熱海の湯につかり、国定忠治を訪ねた旅でございます。】

鉄旅日記2022年5月7日・・・金町駅、上野駅、宇都宮駅(常磐線/東

「鉄旅日記」2022年弥生vol.2 最終日(静岡-東京)その5 ‐東浦和、東川口、吉川、吉川美南、南流山(武蔵野線) 【念願の大井川鐡道に乗る旅。帰りは身延線経由、武蔵野線全駅下車達成でございます。】/江戸川堤菜の花絶景

2022年3月21日・・・東浦和駅、東川口駅、吉川駅、吉川美南駅、南

「鉄旅日記」2022年弥生vol.2 最終日(静岡-東京)その4 ‐西国分寺、北府中、新小平、青梅街道、北朝霞、朝霞台(武蔵野線) 【念願の大井川鐡道に乗る旅。帰りは身延線経由、武蔵野線全駅下車達成でございます。】

鉄旅日記2022年3月21日・・・西国分寺駅、北府中駅、新小平駅、青

「鉄旅日記」2022年弥生vol.2 最終日(静岡-東京)その3 ‐南甲府、金手、甲府、八王子、京王八王子(身延線/中央本線)/甲府城跡 【念願の大井川鐡道に乗る旅。帰りは身延線経由、武蔵野線全駅下車達成でございます。】

鉄旅日記2022年3月21日・・・南甲府駅、金手駅、甲府駅、八王子駅

→もっと見る

    PAGE TOP ↑