*

「鉄旅日記」2012年夏 最終日(富山-東京)その1-富山、水橋、速星、千里、越中八尾、笹津、猪谷、飛騨古川、高山、久々野、下呂、白川口、上麻生、下麻生(北陸本線、高山本線) 【青春18きっぷで、富山・岐阜途中下車旅】

公開日: : 最終更新日:2025/06/16 旅話, 旅話 2012年

鉄旅日記2012年8月26日その1・・・富山駅、水橋駅、速星駅、千里駅、越中八尾駅、笹津駅、猪谷駅、飛騨古川駅、高山駅、久々野駅、下呂駅、白川口駅、上麻生駅、下麻生駅(北陸本線、高山本線)

2012・8・26 6:22 富山(とやま)駅(北陸本線/高山本線/富山地方鉄道/富山ライトレール 富山県)
高岡に続き、富山駅も工事中。
北陸新幹線建設に合わせた動きだろう。
完成はいつになる。
その時はまた北陸を目指さなきゃな。

0:00の富山は都会だった。
ホテルが建ち並び、リュックを背負った登山者が行き交い、酔人の狂声が鳴り響き、シネマ食堂街は昭和の街角の灯を保つ。

何年か前の5月に隅々まで歩いたと思っていたが、あの片隅の記憶はない。
面白い街だよ富山。
好きな街だ。

いま車窓から富山平野を眺めている。

6:37 水橋(みずはし)駅(北陸本線 富山県)
富山湾に出ればそこはホタルイカの群遊地。

この町出身の明治の横綱梅ヶ谷の身長はオレより3センチ低い。
ここは薬の町だ。

立山連山がぼんやりと見える。
その稜線の連なりはどこか女性を思わせる遥かな山並みだ。

随分線路が剥がされている。
使われなくなったホームというのは侘しい。
いつまで使われていたのだろう。

これからまた富山駅に戻る。

7:15 速星(はやほし)駅(高山本線 富山県)
2分の停車。

神通川を越えて富山とお別れ。
駅員は女性だった。

涼しげな駅前を囲んでいるのは婦中という町で、駅に着く手前に大きな工場があった。

地図で見ると富山空港が近い。

7:27 千里(ちさと)駅(高山本線 富山県)
3分の停車。

婦中町。

古城跡と古墳が散見される周辺。

駅前は商店の見当たらないごく平凡なものだった。

7:52 越中八尾(えっちゅうやつお)駅(高山本線 富山県)
「おわら風の盆」はすでに20日から始まっている。

今日の開催は東町といったか。
駅は祭の入口にあたり、駅前には仮設便所の設置が完了している。

風の舞台にしては平らな土地だった。
てっきり山間の町だと思っていた。

駅前旅館が小説の舞台になったのだろうか?
川上健一さんの「祭り囃子がきこえる」で描かれた涼しげな町。
時間的継続性のある切なくも美しい物語だった。

神通川を再び渡る。
まるで棒杭のように釣り人たちが川中に佇立していた。

「おわら風の盆」は9月1日から3日まで開催される。

8:06 笹津(ささづ)駅(高山本線 富山県)
山間に入る前の最後の町。
ここでも数分の停車。

神通川を渡る際に美しい風景を見た。
かつて2度この道を高山側から辿ったことがあるが、いずれのケースもあたりは闇に閉ざされていた。

楡原着。
眼下に興味深い駅が見える。

8:55 猪谷(いのたに)駅(高山本線 富山県)
吹く風が心地よい。
こんな風の中、「おわら風の盆」は佳境を迎えていくのだろう。

大雨で線路が流され、かつてここにいた日は雪にも閉ざされていた猪谷。
そして今日、目にしたものすべてが朽ち果てていた。

飛越国境の村で、神通川の流れがかつては恵みをもたらし、神岡鉱山が元気な頃はこの駅の乗降客もかなりの数に上ったのだろう。

でも今じゃ駅前喫茶は廃墟と化し、神通川遊歩道に続く道に彫られた絵は色褪せ、関所公園は夏草に埋もれていた。

遊歩道の先にも便所つきの広場があったけど、手前に行き止まりの柵が設けられ、もうそこにはいけなかった。
未来永劫いけないだろう。
神岡鉱業の社宅と思しき駅横の集合住宅も住む者はなさそうだった。

そんな村を夏の終わりを思わせる風が吹き抜けている。



10:01 飛騨古川(ひだふるかわ)駅(高山本線 岐阜県)
ここでも数分の停車。

岐阜まで150キロ。
山から下りきった飛騨市中心部。
41号国道は蝉の声に包まれていることだろう。

本数の少ない高山本線を求めて乗客が増えてきた。
しかし岐阜までは遠い。

駅前に出ると温泉街に着いたような気分にさせられる。
そんな街路が形成されていた。

10:23 高山(たかやま)駅(高山本線 岐阜県)
かつての雪の記憶が鮮明な高山で、真夏に降りる。

10分近くの停車。
人は多いが、あの1月ほどではない。

中国あたりの言葉が聞こえた。
乗客はほぼ入れ替わった。
高山に遊びにいくという日常もなかなかステキだ。

かわいらしい女子高生たちもみんな下り、うるさいおばさん連中が乗ってきた。

急病人発生で4分遅れの発車。
これでまた予定が狂うのか。

この夏は随分苦しめられたよ。

10:47 久々野(くぐの)駅(高山本線 岐阜県)
特急列車も歩みを遅めたようだ。
久々野駅での交換はうまくいき、走り降りると食堂商店が並ぶちょっとした町だった。

列車はさらに飛騨川に沿って進んでいく。
河原にテントを広げて川遊びに興じる家族の姿が見えた。

いろいろ考えたいことがあるけど、旅とは天秤にかけたくはない。

11:41 下呂(げろ)駅(高山本線 岐阜県)
2度目の乗客交換。
下呂で一番たくさんの人が下り、賑わいはかつての1月と変わらない。

天下の名湯温泉地。

河原を歩くご夫婦が風景にアクセントを与え、下呂を過ぎて飛騨川はまた自然の姿に戻り、車窓はにわかに峡谷に囲まれた。

12:27 白川口(しらかわぐち)駅(高山本線 岐阜県)
飛騨川の雄大な流れとの道行はまだ続き、ここは美濃白川。
白川郷の入口ということになるのか。
この駅に降りてもよく分からない。

岐阜に近づいているが峡谷はより狭く険しくなり、飛騨川はダムにより何度も寸断されているが、山水画の如き太古の姿を保ち寄り添う。

名勝日本ラインに劣らぬ絵を見ている。

12:42 上麻生(かみあそう)駅(高山本線 岐阜県)
赤池弁財天、飛水峡。

人間が険しい場所に神を設けたがる理由が分かる。

それはこの険しい土地に鉄道を通す理由と変わらないんだろう。

山頂が丸く尖った独特な形状の山々と飛騨川。
街から離れ、また街に近づく。

12:53 下麻生(しもあそう)駅(高山本線 岐阜県)
3駅連続で5分の交換待ち。

晴天だが日差しは弱まり気怠い午後が訪れつつある。

山並が低くなり突忽とした山も姿を消してきた。

いよいよ、街。
美濃加茂に近づいてきた。

関連記事

「鉄旅日記」2018年水無月-松戸、八柱、新八柱、くぬぎ山、新鎌ヶ谷、北習志野、京成津田沼、ユーカリが丘、勝田台、東葉勝田台(新京成線/京成本線/山万ユーカリが丘線)【地元からひと駅先の松戸からは、新京成線が出ております。】

鉄旅日記2018年6月3日・・・松戸駅、八柱駅、新八柱駅、くぬぎ山駅、新鎌ヶ谷駅、北習志野駅、京成津

記事を読む

「鉄旅日記」2018年師走 最終日(神島-鳥羽港-伊良湖岬-三河田原-豊橋-東京)その2-中之郷駅、伊勢湾フェリー乗場、道の駅伊良湖クリスタルボルト(伊勢湾フェリー) 【伊勢のいくつもの終着駅に降りまして、神島で2018年最後の満月を眺めたのでございます。】

鉄旅日記2018年12月24日・・・中之郷駅、伊勢湾フェリー乗場、道の駅伊良湖クリスタルボルト(伊勢

記事を読む

「鉄旅日記」2019年師走 最終日(酒田-東京)その1‐酒田、象潟、砂越(羽越本線) 【由利高原鉄道鳥海山ろく線に乗りにいきました。初冬の日本海は荒々しく、美しゅうございました。】

鉄旅日記2019年12月8日・・・酒田駅、象潟駅、砂越駅(羽越本線) 2019・12・8 5:34

記事を読む

「鉄旅日記」2020年盛夏 2日目(防府-肥前鹿島)その2‐厚狭、美祢、長門湯本、長門市(美祢線) 【コロナ禍の内緒旅VOl.2。宮島へ。錦帯橋へ。筑豊へ。島原へ。千綿駅へ。そして若松~戸畑の渡船。日本晴れの4日間の記録でございます。】

鉄旅日記2020年8月14日・・・厚狭駅、美祢駅、長門湯本駅、長門市駅(美祢線) 7:34&

記事を読む

「鉄旅日記」2012年夏【青春18きっぷで、みちのく・北海道途中下車旅】2日目(横手-室蘭)-横手、土崎、八郎潟、大館、弘前、青森、泉沢、久根別、七飯、仁山、渡島沼尻、森、八雲、長万部、伊達紋別(奥羽本線、江差線、函館本線、渡島砂原支線、室蘭本線、室蘭支線)

鉄旅日記2012年8月12日・・・横手駅、土崎駅、八郎潟駅、大館駅、弘前駅、青森駅、泉沢駅、久根別駅

記事を読む

「鉄旅日記」2022年弥生vol.1 最終日(熱海-東京)その5 ‐川崎新町、八丁畷、矢向、平間(浜川崎支線/南武線)/ガス橋 【金沢シーサイドライン、根岸線、湘南モノレール、横須賀線、大雄山線、相模線、鶴見線etc.駅旅人本領発揮の旅でございます。】

鉄旅日記2022年3月6日・・・川崎新町駅、八丁畷駅、矢向駅、平間駅(浜川崎支線/南武線)/ガス橋

記事を読む

「鉄旅日記」2022年新春 最終日(三沢-東京)その3 ‐鹿島、原ノ町、いわき、常陸多賀、勝田(常磐線) 【巨大な土偶が貼りつく木造駅を見たくて冬の東北を旅しました。】

鉄旅日記2022年1月10日・・・鹿島駅、原ノ町駅、いわき駅、常陸多賀駅、勝田駅(常磐線)

記事を読む

「鉄旅日記」2014年春 初日(東京-紀伊勝浦)その1-熱田、尾頭橋、八田、四日市、亀山、一身田、津、高茶屋、松阪(東海道本線、関西本線、紀勢本線) 【青春18きっぷで、紀伊半島へ】

鉄旅日記2014年3月8日その1・・・熱田駅、尾頭橋駅、八田駅、四日市駅、亀山駅、一身田駅、津駅、高

記事を読む

「鉄旅日記」2020年睦月 初日(東京-湯沢)その4‐ゆだ錦秋湖、ほっとゆだ、横手、湯沢(北上線/奥羽本線)/慶 【秋田内陸縦貫鉄道に乗りにいきました。五能線の名所も歩いた旅初めでございます。】

鉄旅日記2020年1月11日・・・ゆだ錦秋湖駅、ほっとゆだ駅、横手駅、湯沢駅(北上線/奥羽本線)/慶

記事を読む

「鉄旅日記」2017年春【近鉄に乗る日々】2日目(新大宮-大阪難波)その1-近鉄奈良、新田辺、三山木、JR三山木、狛田、下狛、新祝園、祝園、学園前、学研奈良登美ヶ丘(奈良線/京都線/けいはんな線)

鉄旅日記2017年3月18日・・・近鉄奈良駅、新田辺駅、三山木駅、JR三山木駅、狛田駅、下狛駅、新祝

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

「鉄旅日記」2022年弥生vol.2 初日(東京-焼津)その4 ‐アプトいちしろ、川根小山、千頭、金谷、焼津(大井川鐡道井川線/大井川鐡道本線/東海道本線)/焼津温泉やいづマリンパレス 【念願の大井川鐡道に乗る旅。帰りは身延線経由、武蔵野線全駅下車達成でございます。】

鉄旅日記2022年3月19日・・・アプトいちしろ駅、川根小山駅、千頭

「鉄旅日記」2022年弥生vol.2 初日(東京-焼津)その3 ‐新金谷、千頭、アプトいちしろ、長島ダム(大井川鐡道本線/大井川鐡道井川線) 【念願の大井川鐡道に乗る旅。帰りは身延線経由、武蔵野線全駅下車達成でございます。】

鉄旅日記2022年3月19日・・・新金谷駅、千頭駅、アプトいちしろ駅

「鉄旅日記」2022年弥生vol.2 初日(東京-焼津)その2 ‐静岡、金谷、新金谷、代官町、日切、合格、門出(東海道本線/大井川鐡道本線) 【念願の大井川鐡道に乗る旅。帰りは身延線経由、武蔵野線全駅下車達成でございます。】

鉄旅日記2022年3月19日・・・静岡駅、金谷駅、新金谷駅、代官町駅

「鉄旅日記」2022年弥生vol.2 初日(東京-焼津)その1 ‐金町、東京、三島(常磐線/東海道本線) 【念願の大井川鐡道に乗る旅。帰りは身延線経由、武蔵野線全駅下車達成でございます。】

鉄旅日記2022年3月19日・・・金町駅/東京駅/三島駅(常磐線/東

「鉄旅日記」2022年弥生vol.1 最終日(熱海-東京)その6 ‐向河原、津田山、久地、宿河原、中野島、稲城長沼、府中本町(南武線) 【金沢シーサイドライン、根岸線、湘南モノレール、横須賀線、大雄山線、相模線、鶴見線etc.駅旅人本領発揮の旅でございます。】

鉄旅日記2022年3月6日・・・向河原駅、津田山駅、久地駅、宿河原駅

→もっと見る

    PAGE TOP ↑