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「鉄旅日記」2012年夏【青春18きっぷで、富山・岐阜途中下車旅】最終日(富山-東京)その1-富山、水橋、速星、千里、越中八尾、笹津、猪谷、飛騨古川、高山、久々野、下呂、白川口、上麻生、下麻生(北陸本線、高山本線)

公開日: : 最終更新日:2020/08/29 旅話 2012年

鉄旅日記2012年8月26日その1
2012・8・26 6:22 富山(とやま)駅(北陸本線/高山本線/富山地方鉄道/富山ライトレール 富山県)
高岡に続き、富山駅も工事中。
北陸新幹線建設に合わせた動きだろう。
完成はいつになる。
その時はまた北陸を目指さなきゃな。

0:00の富山は都会だった。
ホテルが建ち並び、リュックを背負った登山者が行き交い、酔人の狂声が鳴り響き、シネマ食堂街は昭和の街角の灯を保つ。

何年か前の5月に隅々まで歩いたと思っていたが、あの片隅の記憶はない。
面白い街だよ富山。
好きな街だ。

いま車窓から富山平野を眺めている。

6:37 水橋(みずはし)駅(北陸本線 富山県)
富山湾に出ればそこはホタルイカの群遊地。

この町出身の明治の横綱梅ヶ谷の身長はオレより3センチ低い。
ここは薬の町だ。

立山連山がぼんやりと見える。
その稜線の連なりはどこか女性を思わせる遥かな山並みだ。

随分線路が剥がされている。
使われなくなったホームというのは侘しい。
いつまで使われていたのだろう。

これからまた富山駅に戻る。

7:15 速星(はやほし)駅(高山本線 富山県)
2分の停車。

神通川を越えて富山とお別れ。
駅員は女性だった。

涼しげな駅前を囲んでいるのは婦中という町で、駅に着く手前に大きな工場があった。

地図で見ると富山空港が近い。

7:27 千里(ちさと)駅(高山本線 富山県)
3分の停車。

婦中町。

古城跡と古墳が散見される周辺。

駅前は商店の見当たらないごく平凡なものだった。

7:52 越中八尾(えっちゅうやつお)駅(高山本線 富山県)
「おわら風の盆」はすでに20日から始まっている。

今日の開催は東町といったか。
駅は祭の入口にあたり、駅前には仮設便所の設置が完了している。

風の舞台にしては平らな土地だった。
てっきり山間の町だと思っていた。

駅前旅館が小説の舞台になったのだろうか?
川上健一さんの「祭り囃子がきこえる」で描かれた涼しげな町。
時間的継続性のある切なくも美しい物語だった。

神通川を再び渡る。
まるで棒杭のように釣り人たちが川中に佇立していた。

「おわら風の盆」は9月1日から3日まで開催される。

8:06 笹津(ささづ)駅(高山本線 富山県)
山間に入る前の最後の町。
ここでも数分の停車。

神通川を渡る際に美しい風景を見た。
かつて2度この道を高山側から辿ったことがあるが、いずれのケースもあたりは闇に閉ざされていた。

楡原着。
眼下に興味深い駅が見える。

8:55 猪谷(いのたに)駅(高山本線 富山県)
吹く風が心地よい。
こんな風の中、「おわら風の盆」は佳境を迎えていくのだろう。

大雨で線路が流され、かつてここにいた日は雪にも閉ざされていた猪谷。
そして今日、目にしたものすべてが朽ち果てていた。

飛越国境の村で、神通川の流れがかつては恵みをもたらし、神岡鉱山が元気な頃はこの駅の乗降客もかなりの数に上ったのだろう。

でも今じゃ駅前喫茶は廃墟と化し、神通川遊歩道に続く道に彫られた絵は色褪せ、関所公園は夏草に埋もれていた。

遊歩道の先にも便所つきの広場があったけど、手前に行き止まりの柵が設けられ、もうそこにはいけなかった。
未来永劫いけないだろう。
神岡鉱業の社宅と思しき駅横の集合住宅も住む者はなさそうだった。

そんな村を夏の終わりを思わせる風が吹き抜けている。



10:01 飛騨古川(ひだふるかわ)駅(高山本線 岐阜県)
ここでも数分の停車。

岐阜まで150キロ。
山から下りきった飛騨市中心部。
41号国道は蝉の声に包まれていることだろう。

本数の少ない高山本線を求めて乗客が増えてきた。
しかし岐阜までは遠い。

駅前に出ると温泉街に着いたような気分にさせられる。
そんな街路が形成されていた。

10:23 高山(たかやま)駅(高山本線 岐阜県)
かつての雪の記憶が鮮明な高山で、真夏に降りる。

10分近くの停車。
人は多いが、あの1月ほどではない。

中国あたりの言葉が聞こえた。
乗客はほぼ入れ替わった。
高山に遊びにいくという日常もなかなかステキだ。

かわいらしい女子高生たちもみんな下り、うるさいおばさん連中が乗ってきた。

急病人発生で4分遅れの発車。
これでまた予定が狂うのか。

この夏は随分苦しめられたよ。

10:47 久々野(くぐの)駅(高山本線 岐阜県)
特急列車も歩みを遅めたようだ。
久々野駅での交換はうまくいき、走り降りると食堂商店が並ぶちょっとした町だった。

列車はさらに飛騨川に沿って進んでいく。
河原にテントを広げて川遊びに興じる家族の姿が見えた。

いろいろ考えたいことがあるけど、旅とは天秤にかけたくはない。

11:41 下呂(げろ)駅(高山本線 岐阜県)
2度目の乗客交換。
下呂で一番たくさんの人が下り、賑わいはかつての1月と変わらない。

天下の名湯温泉地。

河原を歩くご夫婦が風景にアクセントを与え、下呂を過ぎて飛騨川はまた自然の姿に戻り、車窓はにわかに峡谷に囲まれた。

12:27 白川口(しらかわぐち)駅(高山本線 岐阜県)
飛騨川の雄大な流れとの道行はまだ続き、ここは美濃白川。
白川郷の入口ということになるのか。
この駅に降りてもよく分からない。

岐阜に近づいているが峡谷はより狭く険しくなり、飛騨川はダムにより何度も寸断されているが、山水画の如き太古の姿を保ち寄り添う。

名勝日本ラインに劣らぬ絵を見ている。

12:42 上麻生(かみあそう)駅(高山本線 岐阜県)
赤池弁財天、飛水峡。

人間が険しい場所に神を設けたがる理由が分かる。

それはこの険しい土地に鉄道を通す理由と変わらないんだろう。

山頂が丸く尖った独特な形状の山々と飛騨川。
街から離れ、また街に近づく。

12:53 下麻生(しもあそう)駅(高山本線 岐阜県)
3駅連続で5分の交換待ち。

晴天だが日差しは弱まり気怠い午後が訪れつつある。

山並が低くなり突忽とした山も姿を消してきた。

いよいよ、街。
美濃加茂に近づいてきた。

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