「鉄旅日記」2012年夏 最終日(富山-東京)その1-富山、水橋、速星、千里、越中八尾、笹津、猪谷、飛騨古川、高山、久々野、下呂、白川口、上麻生、下麻生(北陸本線、高山本線) 【青春18きっぷで、富山・岐阜途中下車旅】
鉄旅日記2012年8月26日その1・・・富山駅、水橋駅、速星駅、千里駅、越中八尾駅、笹津駅、猪谷駅、飛騨古川駅、高山駅、久々野駅、下呂駅、白川口駅、上麻生駅、下麻生駅(北陸本線、高山本線)
2012・8・26 6:22 富山(とやま)駅(北陸本線/高山本線/富山地方鉄道/富山ライトレール 富山県)
高岡に続き、富山駅も工事中。
北陸新幹線建設に合わせた動きだろう。
完成はいつになる。
その時はまた北陸を目指さなきゃな。
0:00の富山は都会だった。
ホテルが建ち並び、リュックを背負った登山者が行き交い、酔人の狂声が鳴り響き、シネマ食堂街は昭和の街角の灯を保つ。
何年か前の5月に隅々まで歩いたと思っていたが、あの片隅の記憶はない。
面白い街だよ富山。
好きな街だ。
いま車窓から富山平野を眺めている。


6:37 水橋(みずはし)駅(北陸本線 富山県)
富山湾に出ればそこはホタルイカの群遊地。
この町出身の明治の横綱梅ヶ谷の身長はオレより3センチ低い。
ここは薬の町だ。
立山連山がぼんやりと見える。
その稜線の連なりはどこか女性を思わせる遥かな山並みだ。
随分線路が剥がされている。
使われなくなったホームというのは侘しい。
いつまで使われていたのだろう。
これからまた富山駅に戻る。

7:15 速星(はやほし)駅(高山本線 富山県)
2分の停車。
神通川を越えて富山とお別れ。
駅員は女性だった。
涼しげな駅前を囲んでいるのは婦中という町で、駅に着く手前に大きな工場があった。
地図で見ると富山空港が近い。

7:27 千里(ちさと)駅(高山本線 富山県)
3分の停車。
婦中町。
古城跡と古墳が散見される周辺。
駅前は商店の見当たらないごく平凡なものだった。

7:52 越中八尾(えっちゅうやつお)駅(高山本線 富山県)
「おわら風の盆」はすでに20日から始まっている。
今日の開催は東町といったか。
駅は祭の入口にあたり、駅前には仮設便所の設置が完了している。
風の舞台にしては平らな土地だった。
てっきり山間の町だと思っていた。
駅前旅館が小説の舞台になったのだろうか?
川上健一さんの「祭り囃子がきこえる」で描かれた涼しげな町。
時間的継続性のある切なくも美しい物語だった。
神通川を再び渡る。
まるで棒杭のように釣り人たちが川中に佇立していた。
「おわら風の盆」は9月1日から3日まで開催される。


8:06 笹津(ささづ)駅(高山本線 富山県)
山間に入る前の最後の町。
ここでも数分の停車。
神通川を渡る際に美しい風景を見た。
かつて2度この道を高山側から辿ったことがあるが、いずれのケースもあたりは闇に閉ざされていた。
楡原着。
眼下に興味深い駅が見える。

8:55 猪谷(いのたに)駅(高山本線 富山県)
吹く風が心地よい。
こんな風の中、「おわら風の盆」は佳境を迎えていくのだろう。
大雨で線路が流され、かつてここにいた日は雪にも閉ざされていた猪谷。
そして今日、目にしたものすべてが朽ち果てていた。
飛越国境の村で、神通川の流れがかつては恵みをもたらし、神岡鉱山が元気な頃はこの駅の乗降客もかなりの数に上ったのだろう。
でも今じゃ駅前喫茶は廃墟と化し、神通川遊歩道に続く道に彫られた絵は色褪せ、関所公園は夏草に埋もれていた。
遊歩道の先にも便所つきの広場があったけど、手前に行き止まりの柵が設けられ、もうそこにはいけなかった。
未来永劫いけないだろう。
神岡鉱業の社宅と思しき駅横の集合住宅も住む者はなさそうだった。
そんな村を夏の終わりを思わせる風が吹き抜けている。




10:01 飛騨古川(ひだふるかわ)駅(高山本線 岐阜県)
ここでも数分の停車。
岐阜まで150キロ。
山から下りきった飛騨市中心部。
41号国道は蝉の声に包まれていることだろう。
本数の少ない高山本線を求めて乗客が増えてきた。
しかし岐阜までは遠い。
駅前に出ると温泉街に着いたような気分にさせられる。
そんな街路が形成されていた。


10:23 高山(たかやま)駅(高山本線 岐阜県)
かつての雪の記憶が鮮明な高山で、真夏に降りる。
10分近くの停車。
人は多いが、あの1月ほどではない。
中国あたりの言葉が聞こえた。
乗客はほぼ入れ替わった。
高山に遊びにいくという日常もなかなかステキだ。
かわいらしい女子高生たちもみんな下り、うるさいおばさん連中が乗ってきた。
急病人発生で4分遅れの発車。
これでまた予定が狂うのか。
この夏は随分苦しめられたよ。

10:47 久々野(くぐの)駅(高山本線 岐阜県)
特急列車も歩みを遅めたようだ。
久々野駅での交換はうまくいき、走り降りると食堂商店が並ぶちょっとした町だった。
列車はさらに飛騨川に沿って進んでいく。
河原にテントを広げて川遊びに興じる家族の姿が見えた。
いろいろ考えたいことがあるけど、旅とは天秤にかけたくはない。

11:41 下呂(げろ)駅(高山本線 岐阜県)
2度目の乗客交換。
下呂で一番たくさんの人が下り、賑わいはかつての1月と変わらない。
天下の名湯温泉地。
河原を歩くご夫婦が風景にアクセントを与え、下呂を過ぎて飛騨川はまた自然の姿に戻り、車窓はにわかに峡谷に囲まれた。


12:27 白川口(しらかわぐち)駅(高山本線 岐阜県)
飛騨川の雄大な流れとの道行はまだ続き、ここは美濃白川。
白川郷の入口ということになるのか。
この駅に降りてもよく分からない。
岐阜に近づいているが峡谷はより狭く険しくなり、飛騨川はダムにより何度も寸断されているが、山水画の如き太古の姿を保ち寄り添う。
名勝日本ラインに劣らぬ絵を見ている。

12:42 上麻生(かみあそう)駅(高山本線 岐阜県)
赤池弁財天、飛水峡。
人間が険しい場所に神を設けたがる理由が分かる。
それはこの険しい土地に鉄道を通す理由と変わらないんだろう。
山頂が丸く尖った独特な形状の山々と飛騨川。
街から離れ、また街に近づく。

12:53 下麻生(しもあそう)駅(高山本線 岐阜県)
3駅連続で5分の交換待ち。
晴天だが日差しは弱まり気怠い午後が訪れつつある。
山並が低くなり突忽とした山も姿を消してきた。
いよいよ、街。
美濃加茂に近づいてきた。

関連記事
-
-
「鉄旅日記」2009年秋 5日目(松浦-若松)その2-宇美、西戸崎、香椎、福間、赤間、折尾、若松(鹿児島本線/香椎線/筑豊本線) 【遅い夏休みをとり、長崎までの切符を買いました。】
鉄旅日記2009年9月22日・・・宇美駅、西戸崎駅、香椎駅、福間駅、赤間駅、折尾駅、若松駅(鹿児島本
-
-
「鉄旅日記」2009年秋-川口、浦和、深谷、倉賀野、寄居、東飯能、飯能、寒川、茅ヶ崎、辻堂、新橋(京浜東北線/高崎線/八高線/相模線/東海道本線)【関東ぶらぶら旅その2-武蔵から相模へ】
鉄旅日記2009年10月27日・・・川口駅、浦和駅、深谷駅、倉賀野駅、寄居駅、東飯能駅、飯能駅、寒川
-
-
「鉄旅日記」2021年春 初日(東京-松本)その3 ‐小淵沢、甲斐大泉、中込、三岡、小諸(小海線) 【週末パスで信濃へ。妙高高原駅で引き返し、松本の友人を訪ね、大糸線を旅して思い出の白馬へ。先の旅から一週間後のことでございました。】
鉄旅日記2021年4月24日・・・小淵沢駅、甲斐大泉駅、中込駅、三岡駅、小諸駅(小海線) 1
-
-
「鉄旅日記」2023年新春 初日(東京-泉佐野)その2 ‐豊橋、大垣、大阪、新今宮(東海道本線/大阪環状線)【南海各支線、水間鉄道、阪堺電気軌道、泉北高速鉄道、信楽高原鉄道、、、関西乗り鉄旅でございます。】
鉄旅日記2023年1月7日・・・豊橋駅、大垣駅、大阪駅、新今宮駅(東海道本線/大阪環状線)
-
-
「鉄旅日記」2013年春【青春18きっぷで、甲斐駿河途中下車旅】その1-新宿、初狩、笹子、酒折、善光寺、甲斐岩間、波高島、内船、芝川、西富士宮(中央本線、身延線)
鉄旅日記2013年3月3日その1・・・新宿駅、初狩駅、笹子駅、酒折駅、善光寺駅、甲斐岩間駅、波高島駅
-
-
「鉄旅日記」2015年春【浜名湖周辺で遊ぶ一日】その1-掛川、掛川市役所前、西掛川、天竜二俣、西気賀、寸座、浜名湖佐久米、三ケ日、新所原(天竜浜名湖鉄道)
鉄旅日記2015年3月28日その1・・・掛川駅、掛川市役所前駅、西掛川駅、天竜二俣駅、西気賀駅、寸座
-
-
「車旅日記」2005年冬 最終日(人吉-熊本空港)走行距離240㎞ その1-人吉駅、一勝地駅、球泉洞駅、佐敷駅、上田浦駅、千丁駅、有佐駅、道の駅不知火 【どこへ行こうか。まっさきに浮かんだのが、昨夏に旅した南九州でございました。】
車旅日記2005年2月13日・・・人吉駅、一勝地駅、球泉洞駅、佐敷駅、上田浦駅、千丁駅、有佐駅、道の
-
-
「鉄旅日記」2014年春 最終日(魚津-東京)その1-魚津、生地、黒部、電鉄黒部、泊、親不知、越中宮崎、糸魚川、能生、梶屋敷、浦本(北陸本線) 【青春18きっぷで、丹後若狭から北陸、信州へ】
鉄旅日記2014年3月23日その1・・・魚津駅、生地駅、黒部駅、電鉄黒部駅、泊駅、親不知駅、越中宮崎
-
-
「鉄旅日記」2014年春 初日(東京-紀伊勝浦)その2-山田上口、宮川、川添、伊勢柏崎、尾鷲、新鹿、熊野市、紀伊勝浦(参宮線、紀勢本線) 【青春18きっぷで、紀伊半島へ】
鉄旅日記2014年3月8日その2・・・山田上口駅、宮川駅、川添駅、伊勢柏崎駅、尾鷲駅、新鹿駅、熊野市
-
-
「鉄旅日記」2016年夏 最終日(大館-東京)-大館、十和田南、荒屋新町、前沢、一ノ関、愛宕、国府多賀城、陸前山王、北白川、東白石、蒲須坂、片岡(花輪線/東北本線) 【じきに廃線を迎える留萌~増毛に用がありました】
鉄旅日記2016年8月13日・・・大館駅、十和田南駅、荒屋新町駅、前沢駅、一ノ関駅、愛宕駅、国府多賀
