「鉄旅日記」2020年盛夏【コロナ禍の内緒旅VOl.2。宮島へ。錦帯橋へ。筑豊へ。島原へ。千綿駅へ。そして若松~戸畑の渡船。日本晴れの4日間の記録でございます。】3日目(肥前鹿島-門司港)その3‐諫早、松原、千綿(大村線)
鉄旅日記2020年8月15日・・・諫早駅、松原駅、千綿駅(大村線)
11:37 諫早(いさはや)駅(長崎本線/長与支線/大村線/島原鉄道 長崎県)
島原鉄道は十分に堪能した。

所用を済ませてホームに降りると大村線シーサイドライナーはすでに停車中。計画より1本早いのに乗れる。

これより車窓に現れる大村湾を楽しむ。
進行方向左手に現れる湖のような湾。この線区にどうしてももう一度寄りたい駅がある。その千綿駅に降りるのが、この旅の大いなる目的でもある。
博多行の特急「かもめ」が停車している。豪華列車のようで、ランプの灯で楽しむ初老のカップルの姿がある。
コンビニに置かれた新聞で知ったが、渡哲也さんが亡くなった。78歳。「男」を体現する名優がまたひとり。
オレの人生もあと35年だ。それでいい。
大村湾は大村駅の手前で一度覗く。

歴史的建造物と言える大村駅は変わっていなかった。
12:03 松原(まつばら)駅(大村線 長崎県)
行き違い列車の遅れで、思いがけずしばらくの停車。
運転士さんに挨拶と断りを入れて下車。駅周辺を写す。思い出深き真夏のひとこま。

白い駅舎はまぶしげでもあり、涼しげでもある。


発車してしばらく経つと大村湾が見え始めた。





次が千綿駅。
12:36 千綿(ちわた)駅(大村線 長崎県)
駅に着いて驚いた。列車を見に大勢が繰り出していて、迎えられるように降りた。
かつて嘱託の事務員さんがいらっしゃった駅舎内も様子が違う。千綿食堂という粋なレストランになっていた。
これだよ。これでいい。この駅舎と景観の素晴らしさに気づく者もいるだろうと思っていたが、16年の歳月はどうやら千綿駅を観光駅に変えたらしい。

そして変わらぬ駅前風景。

もっと静かにここでの時間を過ごせると思っていたが、食堂からはふわふわした音楽が漏れ聞こえ、並びには盛況の店内から注文料理出来上がりの声がかかるのを待つ女子連れの浮き浮きした姿がある。
博多からいらっしゃった年金暮らしの耳の不自由な紳士とスマホで会話。彼のような方の目に、オレが安心できそうな男だと映るのなら、それこそがなりたい人間像。
16年前にオレがここで眺めた大村湾は今日のように真っ青ではなく、グレーだったはずだ。その後に激しい雨に打たれたんだ。グレーさ。
トイレを借りにたまたま寄って、事務員さんに断りを入れてホームに立たせてもらったあの日。あの日の記憶がまたここにオレを立たせた。
あの日は夏休み最終日。それから福岡空港へ車を走らせた。
それにしてもこの駅が持つ景観の素晴らしさよ。飽きずに気が向くたびに写す。






鮮やかとも、素敵とも、真っ青でも表現する言葉は多々あるが、一度ここに来てみなよ。それが一番いい。
立ち寄った人々が感嘆しながら立ち去っていく。最愛の存在を連れてきたいよ。恋人も喜ぶだろう。
諫早行が到着してまたざわめき。去ってしまえばため息。




じきにここに着いて1時間が経つが、諫早で購入しておいた酒もある。
こんな時間が欲しくてオレは九州まできた。
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