*

「鉄旅日記」2006年晩秋 初日-掛川、尾奈(東海道本線/天竜浜名湖鉄道)/リステル浜名湖 【浜名湖へ。そして飯田線に乗って、友に会いにいったのでございます。】

公開日: : 最終更新日:2025/05/21 旅話, 旅話 2006年

鉄旅日記2006年11月3日・・・掛川駅、尾奈駅(東海道本線/天竜浜名湖鉄道)/リステル浜名湖

2006・11・3 リステル浜名湖239号室
飲みすぎた翌朝。
それが今朝。
シェラフにくるまって眠っていた。
重い朝だったよ。

旅立ちは正午。
冴えなかったことだけは確かだ。

カポーティーの「冷血」になかなか集中できず、車中で眠り、寄りかかってしまった少女に起こされ横浜、やがて大船。

平塚から見える高麗山は見ておこうと体を反らし、大磯あたりから見えた湘南海岸。

小田原で何事かを思い出し、そのまま熱海まで。

小田原熱海間の景観は素晴らしい。
一番前の車両からは遠ざかっていく江の島と海岸線がよく見えた。
「海だ!」と声を上げて喜ぶ少女と母親。
オレは尖ってなんかいなかったよ。

熱海からは立ちっ放しだった。
沼津を過ぎて、田子の浦では防風林の先に広がる景色を思い返していた。

清水では静岡鉄道が接近してくる。
あの電車にはいつか乗ることになるだろう。

静岡で8分停車。
煙草を吸いにいって戻ったら満員。
ちょうど開催されていた大道芸ワールドカップを見てきた人々だろうか。
あまりの人の多さに仰天したよ。
焼津、藤枝で一団が降りる。

大井川を渡り、掛川。
4か月前に降りた街に変化は発見できなかった。

天竜浜名湖鉄道へ。
もう夕暮れ時だったよ。
掛川の夜を美しいと感じた。

無人駅を往く。
天竜二俣の灯は乏しく、そうした夜を迎える町をひたすら過ぎていく。
政令指定都市になる浜松の裏側の風景だった。
暗くても浜名湖は湖面を輝かし、そして町は三ヶ日で終わった。

尾奈駅前は寂しいものだ。
食堂が1軒あったが、店内を覗いて入るのはやめた。
今夜はたいしたものにありつけないだろう。

月のきれいな夜だった。
無人地帯を歩き、光を放つ場所まで15分。
それがここ。

夕食の膳は高価だった。
刺身の造りは想像を超えるほどのものじゃなく、ビールはぬるい。
白飯が一番美味かったよ。
フルーツと呼ばれて出てきたのは丸ごとの蜜柑。
やっぱり高かったな。
あの夕食にいい思いは抱けない。

館内の三ヶ日温泉で老人が嘆く。
「この施設はなっていない」と。
頷いてみせたけど、老人はオレの話を聞こうとしなかった。

今見えている湖は猪鼻湖というらしい。
湖面の灯が消えて闇が深くなった。
魚が飛び跳ねる音も消えた。

彼女にメールを入れたけど、ここにいることは言わなかった。
日米野球を観に行かないかと誘った期間にあたるから。
今日はその第1戦にあたる。
彼女は明日はゴルフで朝が早い。

フロントマンは善良だった。
レストランの女性は美人じゃなかったが、チャーミングだった。

オレにはちょうどいいが、他の宿泊客は寒さを感じているようだ。
今年もそんな季節になって、一年前を思い出している。

名古屋も小諸も寒く、あの夜にたまたま流れていた黒木瞳、大塚寧々主演のドラマを東京に帰っても見続け、去年のオレを締めくくった。
あれから一年。
オレは正解の道を往っているのか?
多分そうだろうけれど。

ビールを飲んで歯を磨いたら、また湯に浸かろう。
窓は開けたままでいいだろう。
そのまま眠ろう。

不夜城を思わせた対岸のホテルの灯も落ちた。
この旅を終えて一息ついたら、きちんと彼女に思いを伝えよう。

11月はオレにとってそういう季節。

2006・11・4 リステル浜名湖239号室
湖畔の朝。
かくも素晴らしい。
早くから湖面を船が行き交い、ぼやぼやしていたら日が昇ってきた。

こうしちゃいられないと湯に浸かりにいった。
露天風呂はほどよく、オレにしては珍しく長く浸かっていた。

朝食は昨夜の夕食より素晴らしかった。
今日もいい天気で、今日もいい日になる。
こんな朝にはそんな確信が生まれる。

彼女はもうコースに出ているだろう。
オレは湖畔を立ち去る。

関連記事

「鉄旅日記」2006年如月 その2-勿来、いわき(常磐線) 【房総半島から1週間。常磐線に乗って、下っていったのでございます。】

鉄旅日記2006年2月11日・・・勿来駅、いわき駅(常磐線) 2006・2・11 いわき東急イン6

記事を読む

「鉄旅日記」2014年秋 その1-日進、宮原、加茂宮、北大宮、大宮公園、土呂、東鷲宮、鷲宮、栗橋、古河、新古河、野木、間々田、岩舟(川越線/東北本線/両毛線) 【休日おでかけパスで、関東ローカル旅】

鉄旅日記2014年11月3日その1・・・日進駅、宮原駅、加茂宮駅、北大宮駅、大宮公園駅、土呂駅、東鷲

記事を読む

2020年盛夏【二人でどこへ行こう。決めたのは甲府でございました。帰りは高尾の名店街で過ごした日帰り旅をSNS風に綴ります。】-高尾、四方津、塩山、甲府、甲斐大和(中央本線)

鉄旅日記2020年8月9日・・・高尾駅、四方津駅、塩山駅、甲府駅、甲斐大和駅(中央本線) 長

記事を読む

「鉄旅日記」2021年師走 初日(東京-古川)その1 ‐金町、東京、くりこま高原(常磐線/東北新幹線) 【特急乗り放題の大人の休日倶楽部パスで冬の国へ。山田線完全乗車と鳴子温泉郷を始めとした陸羽東線沿線を歩くことが目的でございました。】

鉄旅日記2021年12月4日・・・金町駅、東京駅、くりこま高原駅(常磐線/東北新幹線) 20

記事を読む

「鉄旅日記」2022年如月 初日(東京-常陸大子)その2 ‐十二橋、潮来(鹿島線) 【十二橋駅~潮来駅、鹿島神宮西の一之鳥居~鹿島神宮、棚倉を歩く旅。】

鉄旅日記2022年2月5日・・・十二橋駅、潮来駅(鹿島線) 8:18  十二橋(じ

記事を読む

「鉄旅日記」2018年師走 最終日(神島-鳥羽港-伊良湖岬-三河田原-豊橋-東京)その3-三河田原、新豊橋、豊橋、東静岡、沼津(豊橋鉄道渥美線/東海道本線) 【伊勢のいくつもの終着駅に降りまして、神島で2018年最後の満月を眺めたのでございます。】

鉄旅日記2018年12月24日・・・三河田原駅、新豊橋駅、豊橋駅、東静岡駅、沼津駅(豊橋鉄道渥美線/

記事を読む

「車旅日記」2000年春 4日目(鳴子温泉‐米沢‐猪苗代‐郡山)鳴子サンハイツ、道の駅むらやま、金渓ワイン、日布峠、こたかもりドライブイン、郡山スターホテル 【一年のブランクを経て、旅再開。出発場所は東京町田から、下町葛飾へと変わっております。】

車旅日記2000年5月6日 2000・5・6 7:19 鳴子サンハイツ 1011㎞ 低調な朝だ。

記事を読む

「鉄旅日記」2019年師走 最終日(酒田-東京)その1‐酒田、象潟、砂越(羽越本線) 【由利高原鉄道鳥海山ろく線に乗りにいきました。初冬の日本海は荒々しく、美しゅうございました。】

鉄旅日記2019年12月8日・・・酒田駅、象潟駅、砂越駅(羽越本線) 2019・12・8 5:34

記事を読む

「鉄旅日記」2021年春 初日(東京-松本)その2 ‐高尾、大月、塩山、甲府、日野春(中央本線) 【週末パスで信濃へ。妙高高原駅で引き返し、松本の友人を訪ね、大糸線を旅して思い出の白馬へ。先の旅から一週間後のことでございました。】

鉄旅日記2021年4月24日・・・高尾駅、大月駅、塩山駅、甲府駅、日野春駅(中央本線) 7:

記事を読む

2018年秋 最終日(松戸-五井-大原-安房鴨川-松戸)その2-養老渓谷、上総中野、大多喜、国吉、大原(小湊鉄道/いすみ鉄道) 【サンキューちばフリーパスでめぐる上総下総安房旅】

鉄旅日記2018年9月23日・・・養老渓谷駅、上総中野駅、大多喜駅、国吉駅、大原駅(小湊鉄道/いすみ

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

「鉄旅日記」2022年弥生vol.1 初日(東京-熱海)その2 ‐八景島、金沢八景、杉田、新杉田(金沢シーサイドライン/京浜急行本線) 【根岸線、湘南モノレール、横須賀線、大雄山線、鶴見線、南武線etc.駅旅人本領発揮の旅でございます。】

鉄旅日記2022年3月5日・・・八景島駅、金沢八景駅、杉田駅、新杉田

「鉄旅日記」2022年弥生vol.1 初日(東京-熱海)その1 ‐金町、桜木町、関内、新杉田(常磐線/京浜東北・根岸線) 【金沢シーサイドライン、湘南モノレール、横須賀線、大雄山線、鶴見線、南武線etc.駅旅人本領発揮の旅でございます。】

鉄旅日記2022年3月5日・・・金町駅、桜木町駅、関内駅、新杉田駅(

「鉄旅日記」2022年如月 最終日(常陸大子-東京)その3 ‐土浦、荒川沖、藤代、柏(常磐線) 【十二橋駅~潮来駅、鹿島神宮西の一之鳥居~鹿島神宮、棚倉を歩く旅。】

鉄旅日記2022年2月6日・・・土浦駅、荒川沖駅、藤代駅、柏駅(常磐

「鉄旅日記」2022年如月 最終日(常陸大子-東京)その2 ‐水戸、羽黒、稲田、福原、友部(水戸線) 【十二橋駅~潮来駅、鹿島神宮西の一之鳥居~鹿島神宮、棚倉を歩く旅。】

鉄旅日記2022年2月6日・・・水戸駅、羽黒駅、稲田駅、福原駅、友部

「鉄旅日記」2022年如月 最終日(常陸大子-東京)その1 ‐常陸大子、磐城棚倉、東館(水郡線) 【十二橋駅~潮来駅、鹿島神宮西の一之鳥居~鹿島神宮、棚倉を歩く旅。】

鉄旅日記2022年2月6日・・・常陸大子駅、磐城棚倉駅、東館駅(水郡

→もっと見る

    PAGE TOP ↑