*

「鉄旅日記」2020年盛夏 3日目(肥前鹿島-門司港)その2‐諫早、古部、島原港、島原船津、島原(島原鉄道) 【コロナ禍の内緒旅VOl.2。宮島へ。錦帯橋へ。筑豊へ。島原へ。千綿駅へ。そして若松~戸畑の渡船。日本晴れの4日間の記録でございます。】

公開日: : 最終更新日:2025/05/04 旅話, 旅話 2020年

鉄旅日記2020年8月15日・・・諫早駅、古部駅、島原港駅、島原船津駅、島原駅(島原鉄道)

7:42  諫早(いさはや)駅(長崎本線/長与支線/大村線/島原鉄道 長崎県)
朝早い諫早駅はまるで人がいないかのように静まりかえっている。

その優美な姿を愛でたかつての諫早駅舎は解体され、ホテル併設の銀色の駅ビルへと変貌していた。

無常。もう嘆かない。

本明川沿いの古びた歓楽街に町が歩んできた歴史を想う。かつてはあの川辺まで人がたくさん歩いていたのだろう。土曜日の朝、すれ違う人もなく、駅に戻る。

島原鉄道に乗っている。

16年前に一度島原に寄っている。当時は加津佐まで線路は延びていた。

8:21 古部(こべ)駅(島原鉄道 長崎県)
車窓に多良岳の全貌を見る。晴天下に雄偉な姿が映える。

海辺の駅に着いた。

スマホを向けていると、行き違い2分の停車とのこと。運転士さんに断って外に飛び出る。

よくぞこんな場所に駅を作ったものだ。こんな景観に接するためにオレはこれまでを生きてきた。そう結論づけても構わない。

車内に流れる観光案内は地元高校の放送部によるもの。島原を支える青少年の活動に賛辞を送る。

車内を移動して普賢岳、有明海を写す。

9:18  島原港(しまばらこう)駅(島原鉄道 長崎県)
線路は続いていたはずだった。唐突に終点を迎えた島原鉄道。廃線になった加津佐までが偲ばれる。

20駅に及ぶ加津佐~島原港間が廃線になったのは2008年。当時この駅は島原外港という駅名だった。

駅から港までは近く、港からは大牟田、熊本へ向かうフェリーが出る。そんな旅もいいだろう。港を囲むように旅館やホテルも並ぶ。

滞在18分。駅周辺や島原温泉の文字が印象深い。諫早へと折り返す。

普賢岳は雲をまとっている。30年前の噴火の記憶が褪せることはない。

9:27  島原船津(しまばらふなつ)駅(島原鉄道 長崎県)
島原港駅からひと駅。車両基地のある駅で5分の停車。

普賢岳が目の前に迫り、海辺には漁船がつながれている。

太陽とともに生きる夏。日差しは容赦なく、オレは水を含む。

島原を楽しむ終戦記念日。

10:11  島原(しまばら)駅(島原鉄道 長崎県)
16年振りの島原駅。駅正面に島原城が見える。

島原は松平10万石の城下町。武家屋敷が残り、駅からは少し離れているが古びた商店街が見えた。

禁教徒が起こした大反乱は当時を震撼させただろう。オウム真理教が起こした大規模な犯罪に震えた現代人にも理解できる話だ。

駅前には島原の子守唄の銅像が立つ。唐へと渡った少女を唄った悲しいメロディー。貧しい頃を生きた人々の伝承の伝わり形は様々だ。

佐賀の太守、龍造寺隆信が有馬晴信・島津家久軍との戦いで敗死した沖田畷古戦場跡は駅前案内から消えていた。

16年前は車旅で、線路沿いにあった古戦場を記している。写真に残したくて島原街道を歩くが見つからない。駅から近いように感じていたが当時は車での移動。わずかな時間で歩ける距離じゃなかったのだろう。

そんなことで20分を費やした。後悔はない。

恋人への土産は島原手延べそうめん。長崎カステラにするか迷ったけど、ここは島原。

関連記事

「鉄旅日記」2014年夏【青春18きっぷで、中国ぶらぶら旅】3日目(鳥取-米子)その1-鳥取、由良、下市、御来屋、名和、伯耆大山、東山公園、博労町、境港、木次、亀嵩、宍道(山陰本線/境線/木次線)

鉄旅日記2014年8月15日その1・・・鳥取駅、由良駅、下市駅、御来屋駅、名和駅、伯耆大山駅、東山公

記事を読む

「鉄旅日記」2020年弥生 2日目(高山-速星)その4‐富山大学前、丸ノ内、南富山駅前、南富山、電鉄富山駅前、富山(富山地方鉄道市内線) 【富山地方鉄道に乗りにまいりました。太多線、高山本線に乗るのも楽しみにしていたのでございます。】

鉄旅日記2020年3月21日・・・富山大学前電停、丸ノ内電停、南富山駅前電停、南富山駅、電鉄富山駅前

記事を読む

「鉄旅日記」2015年夏【日本最南端の終着駅、枕崎までの往復旅】最終日(広島-東京)-広島、向洋、東岡山、高島、守山(山陽本線、東海道本線)

鉄旅日記2015年8月15日その2・・・広島駅、向洋駅、東岡山駅、高島駅、守山駅(山陽本線、東海道本

記事を読む

「鉄旅日記」2013年夏【青春18きっぷで、鹿児島県志布志へ】4日目(隼人-岩国)その1-隼人、鹿児島、鹿児島中央、上伊集院、薩摩松元、川内、出水、新水俣、新八代(日豊本線、鹿児島本線、肥薩おれんじ鉄道)

鉄旅日記2013年8月13日その1・・・隼人駅、鹿児島駅、鹿児島中央駅、上伊集院駅、薩摩松元駅、川内

記事を読む

「鉄旅日記」2020年睦月 最終日(鷹ノ巣-東京)その4‐中条、新発田、新津、長岡(羽越本線/信越本線) 【秋田内陸縦貫鉄道に乗りにいきました。五能線の名所も歩いた旅初めでございます。】

鉄旅日記2020年1月13日・・・中条駅、新発田駅、新津駅、長岡駅(羽越本線/信越本線) 17:3

記事を読む

「鉄旅日記」2020年卯月 初日(東京-新津)その2‐水戸、いわき、原ノ町、鹿島(常磐線) 【緊急事態宣言発令直前のことでございます。常磐線全線運転再開を祝して人知れず旅に出たのでございます。】

鉄旅日記2020年4月4日・・・水戸駅、いわき駅、原ノ町駅、鹿島駅(常磐線) 7:40 水戸(みと

記事を読む

「鉄旅日記」2018年エイプリルフール その2-猪苗代、磐梯町、安子ヶ島、磐梯熱海、郡山(磐越西線) 【8年振りに金町に帰ってまいりました。青春18きっぷはまだ3日分残っております。呼んでくれたのは会津でございました。】

鉄旅日記2018年4月1日・・・猪苗代駅、磐梯町駅、安子ヶ島駅、磐梯熱海駅、郡山駅(磐越西線) 1

記事を読む

「鉄旅日記」2020年盛夏 初日(東京-防府)その1‐金町、東京、広島(常磐線/京浜東北線/東海道・山陽新幹線) 【コロナ禍の内緒旅VOl.2。宮島へ。錦帯橋へ。筑豊へ。島原へ。千綿駅へ。そして若松~戸畑の渡船。日本晴れの4日間の記録でございます。】

鉄旅日記2020年8月13日・・・金町駅、東京駅、広島駅(常磐線/京浜東北線/東海道・山陽新幹線)

記事を読む

「鉄旅日記」2013年春【青春18きっぷで、関東途中下車旅】その1-赤羽、岡本、烏山、大金、宝積寺、氏家、石橋、自治医大、小金井、小山(東北本線、烏山線)

鉄旅日記2013年3月31日その1・・・赤羽駅、岡本駅、烏山駅、大金駅、宝積寺駅、氏家駅、石橋駅、自

記事を読む

「車旅日記」2000年夏Part.1 初日(東京‐諏訪)葛飾金町、調布駅、高尾駅、桂川ドライブイン、甲府芸術の森公園、道の駅信州蔦木宿、上諏訪 【信濃、飛騨、そして能登島。帰りは北陸路。この国の美しさをあらためて感じました夏旅でございます。】

車旅日記2000年7月20日 2000・7・20 8:10 東京葛飾金町 天気は良好。 やけに雲が

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

「鉄旅日記」2021年師走 初日(東京-古川)その1 ‐金町、東京、くりこま高原(常磐線/東北新幹線) 【特急乗り放題の大人の休日倶楽部パスで冬の国へ。山田線完全乗車と鳴子温泉郷を始めとした陸羽東線沿線を歩くことが目的でございました。】

鉄旅日記2021年12月4日・・・金町駅、東京駅、くりこま高原駅(常

「鉄旅日記」2021年秋 最終日(飯坂温泉-東京)その5 ‐仙台、鹿島、原ノ町、浪江、常陸多賀(常磐線) 【4度目の緊急事態宣言明け。これ以降そのようなものが発令されることはございませんでした。阿武隈急行、峠駅、立石寺。お宿は飯坂温泉。秋の東北を満喫すべく常磐線に乗りました。】

鉄旅日記2021年10月10日・・・仙台駅、鹿島駅、原ノ町駅、浪江駅

「鉄旅日記」2021年秋 最終日(飯坂温泉-東京)その4 ‐山寺(仙山線)/立石寺山門売店/高砂屋本舗 【4度目の緊急事態宣言明け。これ以降そのようなものが発令されることはございませんでした。阿武隈急行、峠駅、立石寺。お宿は飯坂温泉。秋の東北を満喫すべく常磐線に乗りました。】

鉄旅日記2021年10月10日・・・山寺駅(仙山線)/立石寺山門売店

「鉄旅日記」2021年秋 最終日(飯坂温泉-東京)その3 ‐米沢、赤湯、中川、山形、北山形(奥羽本線) 【4度目の緊急事態宣言明け。これ以降そのようなものが発令されることはございませんでした。阿武隈急行、峠駅、立石寺。お宿は飯坂温泉。秋の東北を満喫すべく常磐線に乗りました。】

鉄旅日記2021年10月10日・・・米沢駅、赤湯駅、中川駅、山形駅、

「鉄旅日記」2021年秋 最終日(飯坂温泉-東京)その2 ‐峠(奥羽本線)/力餅商店/峠の力餅売り/峠駅今昔物語 【4度目の緊急事態宣言明け。これ以降そのようなものが発令されることはございませんでした。阿武隈急行、峠駅、立石寺。お宿は飯坂温泉。秋の東北を満喫すべく常磐線に乗りました。】

鉄旅日記2021年10月10日・・・峠駅(奥羽本線)/力餅商店/峠の

→もっと見る

    PAGE TOP ↑