「鉄旅日記」2020年盛夏 3日目(肥前鹿島-門司港)その4‐南風崎、ハウステンボス、早岐(大村線)/小佐々弾正・甚五郎塚 【コロナ禍の内緒旅VOl.2。宮島へ。錦帯橋へ。筑豊へ。島原へ。千綿駅へ。そして若松~戸畑の渡船。日本晴れの4日間の記録でございます。】
鉄旅日記2020年8月15日・・・南風崎駅、ハウステンボス駅、早岐駅(大村線)/小佐々弾正・甚五郎塚
13:34 南風崎(はえのさき)駅(大村線 長崎県)にて



13:53 小佐々弾正・甚五郎塚


14:13 ハウステンボス駅(大村線 長崎県)
千綿駅での乗車直前に地元の方に声をおかけしたら、千綿食堂への批判をお聞きした。あのお店のカレー料理を口にされたことはあるのだろうか。
オレは意見を述べた。歴史的な千綿駅舎をこのような形で保存する若者の挑戦と判断を支持したいと。
彼は駅が食堂などではなく、人が集まる空間だった時代を追想しているのだろう。オレの中にもその気持ちは濃厚にある。
でも、きっとこれでいいのだ。千綿駅という素晴らしい場所を汚さずにいるのなら、それでいい。
順番待ちの客に声をかけるお店の若者に、「こっちにはいないよ」と何度か声を送る。素敵な時間だった。
そしてまた車窓には大村湾。




千綿から4駅目。南風崎で降りる。
戦後、ご苦労されて外地から引き上げられた方々に、故郷へと近づく列車が出たのが南風崎、そして早岐。
そんな駅で降りたよ。ここからひと駅を歩く。
酒の買い置きはあったが商店があり、寄る。できれば冷たい酒がいい。だからビールは向かいの酒屋から調達。
おかみさんの声にひかれて95歳の先代婦人が顔を出してくれた。お元気な姿を称え、さらなる長寿を祈って店を出る。みんな笑顔だよ。
道中、昭徳稲荷神社の鳥居に一礼。

さらに大村純忠の忠臣の墓に詣でた。九州戦国時代には、オレなどが知らぬ歴史がある。


大村純忠は最初のキリシタン大名で、長崎港を開き、大友宗麟、有馬晴信と共にローマ教皇の元へ天正遣欧少年使節団を送った人物。
1569年の葛の峠合戦。家臣の裏切りにあった大村純忠が成敗に向かったが、正面からの逆襲かつ南風崎から上陸した敵軍の挟み撃ちに遭い苦境に陥ったところ、水軍大将小佐々弾正と甥の甚五郎が殿として防ぎ、壮絶な最期を遂げた。
「ダンジョウ様」と地元民から呼ばれていた古い塚があったが、平成4年に子孫の方々によって再建されたとある。
天正遣欧少年使節団4名の内、千々石ミゲルは大村純忠の甥にあたり、後にキリスト教の在り方に疑問を感じて棄教。中浦ジュリアンは小佐々甚五郎の息子で、帰国後に弾圧に遭い殉教。父、甚五郎の豪強な性質を継いだのであろう。65歳になっていた彼は拷問にも屈せず棄教を拒み、神の愛を信じぬき、穴吊るしという極刑に従った。
オランダ的な風景はすぐに訪れる。







オレは違和感を持たない。駅への道を尋ねた地元のオジサンも、もはや受け入れて日夜西洋的な風景に満足していることだろう。
日本最大級のテーマパークの入口は涼しげな駅。18年前の開業時に新設された駅で佐世保に向かう列車を待っている。




それにしても灼熱。
おそらく天照は、新型コロナウイルスとの妥協点を提案している。
14:41 早岐(はいき)駅(大村線/佐世保線 長崎県)
戦後の引き上げ船の水路が南風崎から続く。その日の混雑具合に応じて早岐か南風崎に割り振ったのだろう。
このコロナ状況など足元にも及ばない混乱と生への執着があった頃。
生への執着。そして悟り。
九州は長らく戦乱の巷になった鎮魂の地。
ここから肥前山口へ。乗換はすぐ。

この区間の佐世保線に乗るのは初めてになる。
関連記事
-
-
「鉄旅日記」2020年盛夏 最終日(門司港-東京)その1‐門司港、小森江、折尾、若松(鹿児島本線/筑豊本線) 【コロナ禍の内緒旅VOl.2。宮島へ。錦帯橋へ。筑豊へ。島原へ。千綿駅へ。そして若松~戸畑の渡船。日本晴れの4日間の記録でございます。】
鉄旅日記2020年8月16日・・・門司港駅、小森江駅、折尾駅、若松駅(鹿児島本線/筑豊本線)
-
-
「鉄旅日記」2009年秋-東金、大網、大原、上総中野、上総牛久、五井(東金線/外房線/いすみ鐡道/小湊鉄道/内房線) 【関東ぶらぶら旅その1-房総鄙の里へ】
鉄旅日記2009年10月22日・・・東金駅、大網駅、大原駅、上総中野駅、上総牛久駅、五井駅(東金線/
-
-
「鉄旅日記」2020年弥生 2日目(高山-速星)その1‐高山、打保、猪谷、富山、電鉄富山(高山本線) 【富山地方鉄道に乗りにまいりました。太多線、高山本線に乗るのも楽しみにしていたのでございます。】
鉄旅日記2020年3月21日・・・高山駅、打保駅、猪谷駅、富山駅、電鉄富山駅(高山本線) 2020
-
-
「鉄旅日記」2012年春【青春18きっぷで、ダム湖に水没する鉄路へ】その1-上尾、桶川、鴻巣、行田、岡部、神保原、新町、群馬総社、中之条、郷原、長野原草津口、万座・鹿沢口(高崎線、吾妻線)
鉄旅日記2012年4月1日その1・・・上尾駅、桶川駅、鴻巣駅、行田駅、岡部駅、神保原駅、新町駅、群馬
-
-
「鉄旅日記」2020年初秋 2日目(高松)その1 ‐瀬戸大橋遠景、丸亀城、少林寺、津嶋神社参道、津島ノ宮駅、詫間海軍航空隊跡、箱浦(浦嶋伝説の地)、父母ヶ浜 【時空の友を訪ねて讃州高松へ。金比羅さん、瀬戸大橋、大歩危、小歩危などを友とめぐり、義仲寺に寄り、直島に渡り、水島臨海鉄道にも乗った4日間の記録でございます。】
車旅日記2020年9月20日・・・瀬戸大橋遠景、丸亀城、少林寺、津嶋神社参道、津島ノ宮駅、詫間海軍
-
-
「鉄旅日記」2020年盛夏 2日目(防府-肥前鹿島)その1‐防府、新山口、宇部、小野田(山陽本線)/防府天満宮 【コロナ禍の内緒旅VOl.2。宮島へ。錦帯橋へ。筑豊へ。島原へ。千綿駅へ。そして若松~戸畑の渡船。日本晴れの4日間の記録でございます。】
鉄旅日記2020年8月14日・・・防府駅、新山口駅、宇部駅、小野田駅(山陽本線)/防府天満宮
-
-
「鉄旅日記」2020年晩秋 2日目(砺波-武生)その3‐羽咋、能登部、徳田、七尾、和倉温泉(七尾線) 【大人の休日倶楽部パスで北陸へ。新幹線、在来線特急乗り放題でございます。魚津、雨晴をめぐり、氷見線、万葉線、城端線、七尾線、えちぜん鉄道、福武線、北陸鉄道との再会でございます。】
鉄旅日記2020年11月22日・・・羽咋駅、能登部駅、徳田駅、七尾駅、和倉温泉駅(七尾線)
-
-
「鉄旅日記」2020年睦月 初日(東京-湯沢)その1‐金町、北千住、上野、宇都宮、黒磯(常磐線/東北本線) 【秋田内陸縦貫鉄道に乗りにいきました。五能線の名所も歩いた旅初めでございます。】
鉄旅日記2020年1月11日・・・金町駅、北千住駅、上野駅、宇都宮駅、黒磯駅(常磐線/東北本線)
-
-
「鉄旅日記」2007年新春【本格的に鉄旅が始まりまして、まずは冬の北陸を目指したのでございます。】初日(東京-高岡)-東京、岐阜、美濃太田、下呂、高山、角川、猪谷、富山、高岡(東海道新幹線/高山本線/北陸本線)
鉄旅日記2007年1月6日・・・東京駅、岐阜駅、美濃太田駅、下呂駅、高山駅、角川駅、猪谷駅、富山駅、
-
-
「鉄旅日記」2007年皐月【夜汽車に乗って東京を離れ、山陰山陽へ。鉄旅最初の長旅でございました。】初日(東京-米子)-静岡、豊橋、本竜野、播磨新宮、佐用、東津山、米子(東海道本線/姫新線/因美線/山陰本線)
鉄旅日記2007年5月3日・・・静岡駅、豊橋駅、本竜野駅、播磨新宮駅、佐用駅、東津山駅、米子駅(東海