*

「鉄旅日記」2008年初夏 2日目(和歌山-松阪)その2-串本、新宮、尾鷲、紀伊長島、三瀬谷、多気、松阪(紀勢本線)【まほろばの路から紀州へ。紀伊半島で過ごした短い夏の記憶でございます。】

公開日: : 最終更新日:2025/05/19 旅話, 旅話 2008年

鉄旅日記2008年7月20日・・・串本駅、新宮駅、尾鷲駅、紀伊長島駅、三瀬谷駅、多気駅、松阪駅(紀勢本線)

14:37 串本(くしもと)駅(紀勢本線 和歌山県)
本州最南端串本。
ここで数分の停車。

この町に着くのは3度目になる。

ここらで雨に降られたことはなく、南海は今日も美しい。

16:03 新宮(しんぐう)駅(紀勢本線 和歌山県)
田辺から3時間。
和歌山県もまた大きい。

串本からはずっと海沿いを往き、景色は素晴らしい。

新宮で土産でもと思っていたが、乗り継ぎ時間はなく、ここで待てば次の発車まで2時間待たなきゃならない。
ここからは閑散区間となるようだ。

座り疲れていたけど、このまま行くことにした。

紀伊勝浦ではずいぶん人が降りた。
ここも観光地か。

いつの間にか電化区間ではなくなっていた。

17:30 尾鷲(おわせ)駅(紀勢本線 三重県)
紀勢本線の旅は長く、多気に着くのは20:00前。
新宮からは4時間弱ということになる。

途中長い停車もなく、たんたんと先へ進んでいる。
景色は素晴らしい。

九鬼水軍の根拠地でもあった入江が続く。

そして広い海岸線。

山側に目を移せば、天に向かって延びる畑。
わずかに景観を損ねたのは採石場くらいのもの。

熊野も尾鷲も、街の規模は想像以上に小さいようだ。

尾鷲に工場群があることを、かつて通った際に見て知っていたから、もう少し大きな駅を描いていた。

このあたりは東京はおろか大阪、名古屋からも遠い。
特急の運行もごくわずか。

線路は海辺を離れた。

18:11 紀伊長島(きいながしま)駅(紀勢本線 三重県)
養殖網が見られる入江がまた近づき、かつて険しい道を走り、疲れ果て、たどり着いたこの駅で10分以上の停車。

便所と煙草。
夕暮れが近づいている。

あの時は暗くて分からなかったが、駅前に商店はなく、タクシーが列車の到着を待つ光景もあの時と変わらない。

停車時間を終えて列車は動く。

高所を走っている。
あたりは杉山で、相当な標高。

人家などはなく、トンネルが続く。

海辺を離れるとこんなにも険しい。

日本の多様さを思う。

そしてこの地域の発展を願う。

19:02 三瀬谷(みせだに)駅(紀勢本線 三重県)
名古屋行の特急がやってきて、一緒だった電車男がひとり去った。

車内は似たような者ばかりで、もちろんオレもそのひとり。

涼しくなった。
風景もまたそう感じさせる。
素敵な夕暮れだ。

こんな時間に、思いがけなくこんな駅にいられることがうれしい。
大きな街を基準にすべてを語るものじゃない。

この町も山は削られ、トンネルが掘られ、高速道路が開通した。

そんな夕暮れ風景を眺めていた。

20:01 多気(たき)駅(紀勢本線/参宮線 三重県)
寂しいターミナル駅。
駅前に商店はなく、町は静まりかえっている。

星がきれいに見えている。
だいぶ涼しくなった。

ホームに置かれた待合室で高校生たちが騒いでいる。
昨日の和歌山で接した高校生とはちょっと違うけど、人や器物を傷つけない限り寛大でいてやろう。

コンビニのオバチャンは人格者だった。
素敵な大人がいる町では安心していていい。

階段の下では、昨日の高校生たちと同じ分類の坊主頭が二人いる。
共感するのはもちろんこっち。
オレもそうだったから。

どうやら亀山行は遅れている。

松阪で牛肉は食えるだろうか。

23:23 スーパーホテル松阪501号
松阪牛を扱う専門店の店じまいは早い。
どこも開いていない。

入った寿司屋で松阪牛の刺身を。
話のネタにはなるが、浅草で食べた牛鍋の方が感激できる。

対応はよく、気持ちよく店を出た。

駅はターミナル駅としての格を持ち、表通りもいい。
街の灯もいい。

ただ残念なのは、オレが着いたのは祭が終わったあとだったことだ。

いい街だよ。
人情も。

関連記事

「車旅日記」2005年初夏 最終日(新潟-長岡)走行距離246㎞ その1-新津駅、五泉駅、巻駅、弥彦駅、柏崎駅、笠島駅 【長岡、会津、庄内。戊辰戦争ゆかりの地を巡りたかったのだと記憶しております。】

車旅日記2005年7月18日・・・新津駅、五泉駅、巻駅、弥彦駅、柏崎駅、笠島駅 2005・7・18

記事を読む

「鉄旅日記」2019年長月 初日(東京-盛岡)その3-盛岡、上米内、区界(東北本線/山田線)/大正館 【三陸鉄道、八戸線に乗りにいきました。区界、吉里吉里など、駅旅の者として見過ごせない駅にも寄りましてございます。】

鉄旅日記2019年9月21日・・・盛岡駅、上米内駅、区界駅(東北本線/山田線)/大正館 17:39

記事を読む

「鉄旅日記」2013年春 初日(東京-和歌山)その2-和泉府中、東岸和田、日根野、熊取、りんくうタウン、関西空港、紀三井寺、黒江、紀伊中ノ島、和歌山(阪和線、関西空港支線、紀勢本線) 【爆弾低気圧襲来日、青春18きっぷで西へ】

鉄旅日記2013年4月7日その2・・・和泉府中駅、東岸和田駅、日根野駅、熊取駅、りんくうタウン駅、関

記事を読む

「鉄旅日記」2017年春【近鉄に乗る日々】最終日(JR難波-東京)その1-JR難波、八尾、奈良、笠置、伊賀上野、上野市、伊賀神戸、伊勢中川、近鉄長島、長島(関西本線/伊賀鉄道/近鉄大阪線/近鉄名古屋線)

鉄旅日記2017年3月20日・・・JR難波駅、八尾駅、奈良駅、笠置駅、伊賀上野駅、上野市駅、伊賀神戸

記事を読む

「鉄旅日記」2019年長月 最終日(宮古-東京)その3‐白石、郡山、黒磯、宇都宮(東北本線) 【三陸鉄道、八戸線に乗りにいきました。区界、吉里吉里など、駅旅の者として見過ごせない駅にも寄りましてございます。】

鉄旅日記2019年9月23日・・・白石駅、郡山駅、黒磯駅、宇都宮駅(東北本線) 15:49 白石(

記事を読む

「車旅日記」1998年春 2日目(岩手山SA-大間崎-青森駅)-岩手山SA、折爪PA、三沢市ドライブイン三陸、東通村レストラン潮騒、田名部駅、大間崎公営パーキング、大湊駅、陸奥横浜駅、青森駅 【下北半島を目指した春。男の旅は北を目指すものと思っていた20代後半。高倉健さんの影響でございましょうか。】

車旅日記1998年5月2日 1998・5・2 7:43 東北自動車道-岩手山SA 昨夜の強風が続い

記事を読む

「鉄旅日記」2020年弥生 初日(東京-高山)その5‐飛騨金山、下呂、禅昌寺、飛騨萩原、上呂(高山本線) 【富山地方鉄道に乗りにまいりました。太多線、高山本線に乗るのも楽しみにしていたのでございます。】

鉄旅日記2020年3月20日・・・飛騨金山駅、下呂駅、禅昌寺駅、飛騨萩原駅、上呂駅(高山本線) 1

記事を読む

「鉄旅日記」2020年如月 2日目(大船渡-釜石)その2‐平田、釜石、陸中山田(三陸鉄道リアス線) 【東日本大震災で被害を受けた大船渡に泊まりにまいりました。山田線完全乗車も目指しておりましたが・・。】

鉄旅日記2020年2月23日・・・平田駅、釜石駅、陸中山田駅(三陸鉄道リアス線) 8:52 平田(

記事を読む

「鉄旅日記」2018年弥生 最終日(会津若松-東京)その1-会津若松、広田、野沢、徳沢、津川、五十島(磐越西線) 【青春18きっぷを握り、目指したのはまたしても会津。練馬から旅立つ最後の旅でございます。】

鉄旅日記2018年3月4日・・・会津若松駅、広田駅、野沢駅、徳沢駅、津川駅、五十島駅(磐越西線)

記事を読む

「鉄旅日記」2020年盛夏 2日目(防府-肥前鹿島)その1‐防府、新山口、宇部、小野田(山陽本線)/防府天満宮 【コロナ禍の内緒旅VOl.2。宮島へ。錦帯橋へ。筑豊へ。島原へ。千綿駅へ。そして若松~戸畑の渡船。日本晴れの4日間の記録でございます。】

鉄旅日記2020年8月14日・・・防府駅、新山口駅、宇部駅、小野田駅(山陽本線)/防府天満宮

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

「鉄旅日記」2022年新春 2日目(湯瀬温泉-三沢)その2 ‐東大館、大館、弘前(花輪線/奥羽本線) 【巨大な土偶が貼りつく木造駅を見たくて冬の東北を旅しました。】

鉄旅日記2022年1月9日・・・東大館駅、大館駅、弘前駅(花輪線/奥

「鉄旅日記」2022年新春 2日目(湯瀬温泉-三沢)その1 ‐湯瀬温泉、鹿角花輪、十和田南(花輪線)/和心の宿姫の湯 【巨大な土偶が貼りつく木造駅を見たくて冬の東北を旅しました。】

鉄旅日記2022年1月9日・・・湯瀬温泉駅、鹿角花輪駅、十和田南駅(

「鉄旅日記」2022年新春 初日(東京-湯瀬温泉)その3 ‐盛岡、渋民、八幡平、湯瀬温泉(IGRいわて銀河鉄道/花輪線) 【巨大な土偶が貼りつく木造駅を見たくて冬の東北を旅しました。】

鉄旅日記2022年1月8日 盛岡駅、渋民駅、八幡平駅、湯瀬温泉駅(I

「鉄旅日記」2022年新春 初日(東京-湯瀬温泉)その2 ‐竜田、原ノ町、鹿島、仙台、小牛田、一ノ関(常磐線/東北本線) 【巨大な土偶が貼りつく木造駅を見たくて冬の東北を旅しました。】

鉄旅日記2022年1月8日・・・竜田駅、原ノ町駅、鹿島駅、仙台駅、小

「鉄旅日記」2022年新春 初日(東京-湯瀬温泉)その1 ‐松戸、神立、友部、水戸、いわき(常磐線) 【巨大な土偶が貼りつく木造駅を見たくて冬の東北を旅しました。】

鉄旅日記2022年1月8日・・・松戸駅、神立駅、友部駅、水戸駅、いわ

→もっと見る

    PAGE TOP ↑