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「鉄旅日記」2008年初夏【まほろばの路から紀州へ。紀伊半島で過ごした短い夏の記憶でございます。】2日目(和歌山-西御坊-松阪)その2-串本、新宮、尾鷲、紀伊長島、三瀬谷、多気、松阪(紀勢本線)

公開日: : 最終更新日:2023/04/28 旅話, 旅話 2008年

鉄旅日記2008年7月20日
14:37 串本(くしもと)駅(紀勢本線 和歌山県)
本州最南端串本。
ここで数分の停車。

この町に着くのは3度目になる。

ここらで雨に降られたことはなく、南海は今日も美しい。

16:03 新宮(しんぐう)駅(紀勢本線 和歌山県)
田辺から3時間。
和歌山県もまた大きい。

串本からはずっと海沿いを往き、景色は素晴らしい。

新宮で土産でもと思っていたが、乗り継ぎ時間はなく、ここで待てば次の発車まで2時間待たなきゃならない。
ここからは閑散区間となるようだ。

座り疲れていたけど、このまま行くことにした。

紀伊勝浦ではずいぶん人が降りた。
ここも観光地か。

いつの間にか電化区間ではなくなっていた。

17:30 尾鷲(おわせ)駅(紀勢本線 三重県)
紀勢本線の旅は長く、多気に着くのは20:00前。
新宮からは4時間弱ということになる。

途中長い停車もなく、たんたんと先へ進んでいる。
景色は素晴らしい。

九鬼水軍の根拠地でもあった入江が続く。

そして広い海岸線。

山側に目を移せば、天に向かって延びる畑。
わずかに景観を損ねたのは採石場くらいのもの。

熊野も尾鷲も、街の規模は想像以上に小さいようだ。

尾鷲に工場群があることを、かつて通った際に見て知っていたから、もう少し大きな駅を描いていた。

このあたりは東京はおろか大阪、名古屋からも遠い。
特急の運行もごくわずか。

線路は海辺を離れた。

18:11 紀伊長島(きいながしま)駅(紀勢本線 三重県)
養殖網が見られる入江がまた近づき、かつて険しい道を走り、疲れ果て、たどり着いたこの駅で10分以上の停車。

便所と煙草。
夕暮れが近づいている。

あの時は暗くて分からなかったが、駅前に商店はなく、タクシーが列車の到着を待つ光景もあの時と変わらない。

停車時間を終えて列車は動く。

高所を走っている。
あたりは杉山で、相当な標高。

人家などはなく、トンネルが続く。

海辺を離れるとこんなにも険しい。

日本の多様さを思う。

そしてこの地域の発展を願う。

19:02 三瀬谷(みせだに)駅(紀勢本線 三重県)
名古屋行の特急がやってきて、一緒だった電車男がひとり去った。

車内は似たような者ばかりで、もちろんオレもそのひとり。

涼しくなった。
風景もまたそう感じさせる。
素敵な夕暮れだ。

こんな時間に、思いがけなくこんな駅にいられることがうれしい。
大きな街を基準にすべてを語るものじゃない。

この町も山は削られ、トンネルが掘られ、高速道路が開通した。

そんな夕暮れ風景を眺めていた。

20:01 多気(たき)駅(紀勢本線/参宮線 三重県)
寂しいターミナル駅。
駅前に商店はなく、町は静まりかえっている。

星がきれいに見えている。
だいぶ涼しくなった。

ホームに置かれた待合室で高校生たちが騒いでいる。
昨日の和歌山で接した高校生とはちょっと違うけど、人や器物を傷つけない限り寛大でいてやろう。

コンビニのオバチャンは人格者だった。
素敵な大人がいる町では安心していていい。

階段の下では、昨日の高校生たちと同じ分類の坊主頭が二人いる。
共感するのはもちろんこっち。
オレもそうだったから。

どうやら亀山行は遅れている。

松阪で牛肉は食えるだろうか。

23:23 スーパーホテル松阪501号
松阪牛を扱う専門店の店じまいは早い。
どこも開いていない。

入った寿司屋で松阪牛の刺身を。
話のネタにはなるが、浅草で食べた牛鍋の方が感激できる。

対応はよく、気持ちよく店を出た。

駅はターミナル駅としての格を持ち、表通りもいい。
街の灯もいい。

ただ残念なのは、オレが着いたのは祭が終わったあとだったことだ。

いい街だよ。
人情も。

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