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「鉄旅日記」2020年如月 2日目(大船渡-釜石)その2‐平田、釜石、陸中山田(三陸鉄道リアス線) 【東日本大震災で被害を受けた大船渡に泊まりにまいりました。山田線完全乗車も目指しておりましたが・・。】

公開日: : 最終更新日:2025/05/05 旅話, 旅話 2020年

鉄旅日記2020年2月23日・・・平田駅、釜石駅、陸中山田駅(三陸鉄道リアス線)

8:52 平田(ひらた)駅(三陸鉄道リアス線 岩手県)

10:38 釜石(かまいし)駅(釜石線/三陸鉄道リアス線 岩手県)
平田駅から釜石大観音が見えた。

列車はイオンタウンを横目に鉄の街に入っていく。




日曜日の朝、新日鉄の製鉄所は盛大に煙を上げている。
安政年間から始まった製鉄事業。



釜石は、岩手県内では盛岡に次いで2番目に市政が敷かれたという。

甲子川を渡り、魚河岸テラスまで歩く。
テラスの下には港がある。






太陽は時に顔を出すが、やんでいた雨が落ち、やがて雪になる。
まだ2月だが、雪のない岩手でどこか名残雪を思わせる雪。

津波の到達箇所を示す表示が街のあちこちにあり、サンルート、ルートインがある街の中心部まで悪魔は浸入したのだと、あらためて知った。

かつての電話口の先で釜石はもうダメだろうと告げたホテルマン。
彼の当時の絶望が理解できる。

だが飲み屋横丁は復活して、街に当時の痕跡を探すのは難しい。

街の高台にある観音薬師で知ったが、釜石は9年前の震災前にも2度の津波被害を受け、第二次大戦では艦砲射撃を受け、いずれも壊滅的な打撃を被ったという。

観音薬師公園ではお稲荷様にお詣りした。
凄まじい形相で睨み付ける左右の狛犬のご苦労を労い、首元を撫でてあげる。
それにしても怖い顔だ。




不屈の三陸人。
今回も信じてみようと思う。

三陸鉄道は釜石から先、陸中山田まで昨年の台風19号被害で不通になっていて、代行バスでの移動を余儀なくされている。
それも3月14日まで。

不屈の三陸人は何度でも鉄道を通していく。

12:02 陸中山田(りくちゅうやまだ)駅(三陸鉄道リアス線 岩手県)
鵜住居の復興スタジアムは遠くから眺めた。
大槌までは雪だった。

オレは酒飲み。
大槌の飲み屋横丁は覚えておきたい。

やがて空は晴れ渡る。
山田湾が青く美しい。

9年前にはあの湾にも悪魔が宿り、駅はさらわれ、身内にも悲しい報せが届いた。

駅では子供たちの大きな笑い声が響いている。
追いかけ捕まえ、子供らしい。


トイレではバスの車掌さんに遇い、挨拶を交わす。
左薬指の結婚指輪を目にして、いかにも善人な彼の幸せを願う。

ここからは列車で宮古まで。
外には強い風が吹いていて、列車はこれから速度を落として運行するとのアナウンスが入った。
山田を出るとすぐに峠に差し掛かり、ありふれた山里に美を感じてスマホを向ける。

日差しを浴びた冬の車中ほど気持ちのいいものはない。
やがて眠りに落ちるであろうと、幸せな心地でいる。

【Facebookへの投稿より】
釜石におります。

昨年はラグビーW杯に沸きましたが、ラグビーといえば新日鉄釜石と、遠い記憶をたどられる方々もいらっしゃることと存じます。

釜石駅前の新日鉄では、日曜日の今日も、もくもくと製鉄の煙が上がっております。

小生はそこに美を感じるのでございます。

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