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「鉄旅日記」2014年夏【青春18きっぷで、中国ぶらぶら旅】4日目(米子-呉)その2-浜原、粕淵、明塚、石見簗瀬、口羽、宇都井、伊賀和志、三次、矢賀、水尻、かるが浜、呉(三江線/芸備線/呉線)

公開日: : 最終更新日:2020/09/05 旅話 2014年

鉄旅日記2014年8月16日その2
浜原~石見簗瀬間(徒歩)
浜原(はまはら)駅(三江線 島根県)にて

粕淵(かすぶち)駅(三江線 島根県)にて

粕淵~明塚間

明塚(あかつか)駅(三江線 島根県)にて

明塚~石見簗瀬間

16:17 石見簗瀬(いわみやなぜ)駅(三江線 島根県)
浜原着14:39。
ビールが買える村だった。

江の川に沿う道をいくつかの商店、郵便局を過ぎる。
線路を渡るとガソリンスタンドが見えてその先に粕淵駅がある。
15:05着。
計画より5分余計にかかった。

ガソリンスタンドの店員と会釈を交わし、長い鉄橋を渡ると3軒ばかりの住居。
犬を連れた老人に挨拶。
鶯は春だけに鳴くものじゃないことを知る。
そこからしばらくは人間以外の気配に神経を尖らせながら先へ進む。
人間と野獣。
恐怖の対照としてみた場合、どちらがより脅威となるか。
間違いなく野獣だな。
そんなことを考えながら人の匂いが希薄な道を歩いて行く。
途中で大昔に祖母が暮らしていた住居を思わせる家屋を見かけ懐かしい気分に浸る。
祖母の家では蚕を飼っていたが、あのお宅はどうだろう。

対岸に去っていた線路が鉄橋に乗って再び渡ってきて、その線路を越えると小さな集落に出た。
明塚着15:45。
ここでも5分の遅れ。
足は若干の疲労を訴えているが、運動場の資材置き場みたいなこの駅では待ってはいられない。
線路に沿ってもうひと駅往く。

遥かな山並みが見渡せる。
そして左手上に線路が続いている。
橋が見えてきて、その道と合流すると石碑が2つ並んでいる。
判読は不能。

交番を指す矢印を左に行ってしばらくすると石見簗瀬着16:10着。
今度は10分早かった。
こんな人気のない集落にわざわざ歩いてやってきて、われながら何をしているのだろうと思う。

東京で浜原あたりを想像した時、高校野球のラジオ放送が流れている畳の部屋でビールでも飲んでいる絵が浮かんでいた。
でもそんな場所はなかった。
あの想像は、子供の頃に祖母の家に遊びにいった記憶が連れてきたものだろう。
記憶の中のその情景は、いつでも暑い夏の日のことだった。

涼しい風が吹いている。じきに次の列車がくる。

17:49 口羽(くちば)駅(三江線 島根県)
行き違いで数分の停車。

ま~た降ってきやがった。
これじゃ明日の天気も芳しくなさそうだ。

江の川は上流にくるに従い豪流濁流となり三江線の名所宇都井駅に至る。
一人残らず鉄道オタク的車内は異様を極める。
はたから見ればオレも一緒だろうが、あの人々とは一緒にはなれない。

ここは夏草香る集落。
頭上を道路が跨いでいる。

何もないところだ。
三江線をここまで辿ってきたが川本以外に町はなかった。
イオンをはじめとした商店街文化の壊し屋も出店を控えているように見えるし、余計な心配だが沿線住民は買い物はどうしているのだろうか。
選挙の時なんかも大変だろう。

下り列車で宇都井まで戻る。

宇都井(うづい)駅(三江線 島根県)にて


宇都井~伊賀和志間(徒歩)

19:26 伊賀和志(いかわし)駅(三江線 広島県)
定刻通りにトンネルから現れた三次行の2つの光は大いなる救済だった。
あの時ほど列車の到着が待ち遠しかったことはない。

雨に降られ虫の襲来に悩まされながらの夕食は人生最悪の食事だった。
ただ、読み方はまったく異なるが、オレの名前と一文字違いのこの駅を訪れることは、この旅の目的の中で上位を占めていた。
駅名標の写真を送ったら家ではウケてくれたよ。
わざわざ来た甲斐があったと言うものだ。

地上30メートルに位置する三江線の名所宇都井駅。
エレベーターがあるとの情報を得ていたが、そんなものはなかった。
ただ、やはり鉄道風景の一景観ではある。

一緒にひとりの男が降りて、鉄道オタクと分かる挙動不審な行動に出る。
それなりに男前だったから惜しいと思うし、仕方がないとも思う。
もちろんオレが外から受けている視点は考えの外だ。
彼とは伊賀和志から乗り込んだ列車で再会することになる。

螺旋階段で地上に下りると物珍しげな視線をひとりの男から浴びた。
少しばかり情緒不安定を思わせる目つきの男で、会話にはならず足早に離れてしまった。

雨が徐々に激しさを増してきた。
雷鳴も聞こえ出す中を江の川に沿って上流へ歩いていく。
川音は後ろから車が接近する音のようにも聞こえて落ち着かなかった。

玄関先でバーベキューを楽しむ家族を見て以来約40分、無人の道を黙々と歩く。
遠くから見張り塔のように見えたのがこの駅だった。
秘境駅に数えてもよさそうな駅前に小ぶりな団地が建っていて驚いた。

このカビ臭い駅へのもうひとりの訪問者は宇都井在住のオッサン。
葬式の帰りでベロベロに酔っ払ってぐしょぐしょに濡れている。
線路に放尿はするわ何を喋っているのか分からいわで多少迷惑には思ったが、宇都井へ向かう列車は当分やってこない事を納得させて出て行かせた。
娘さんを迎えに呼ぶと言っていた。
無事に帰れているといい。

そのオッサンも去って長い時間が過ぎている。
その間に二匹の蚊を仕留めたけど、それにしてもあちこち随分と食われたものだ。



20:34 三次(みよし)駅(芸備線/福塩線/三江線 広島県)
芸備線に乗り換える。
乗り換え時間は僅か。

伊賀和志を出ると闇で外の様子はまったく分からない。
これじゃ三江線にはまた乗りにこなきゃならないな。

三次駅前の風景に既視感はなく、まるで初めて降りたかのようだ。
霧の街の風情は見られず、明かりの乏しい地方都市的空虚を見て、広島行に乗る。

22:09 矢賀(やが)駅(芸備線 広島県)
数分の停車。

広島まであとひと駅。
外に明かりが目立つようになり本を閉じた。
僅かな時間しかないが、改札を出て駅を写す。
ありふれているようでそうでもない私鉄で見かけそうな駅で、駅灯があたたかな色をしていた。

もうじき広島に着くが、芸備線で広島に近づくと大都会に到着したことに気づかないほどあたりは暗い。
そして到着。

呉方面に臨時列車が出る。
広行赤ヘルライナー。
広島カープのユニフォームは街の中でとても目立つ。
この街では、球場周辺を除けば他のチームのユニフォームに袖を通す勇気は生まれ出てこない。

22:46 水尻(みずしり)駅(呉線 広島県)
思いがけずの行き違いで数分の停車。
雨から逃れるにはホームの上屋を頼るしかない簡易駅舎だった。

ホームからは広島湾を挟んで広島の夜景が見える。

23:03 かるが浜(かるがはま)駅(呉線 広島県)
あのまま赤ヘルライナーに乗っていても呉への到着時間が10分しか変わらないことを確認して降りる。
オレはひと駅でも多く降りることを目的に旅をしている。

ここもホームへと上がる階段があるだけの簡易駅舎だった。
広島湾を挟んで見える夜景が、街が発するものから江田島の工場群の灯に変わった。

列車に乗る。
駅を出ると呉へと向かう海沿いの道と並走する。
かつてオレもあの道を車で走った。

呉(くれ)駅(呉線 広島県)にて(翌朝)

2014・8・17 0:00 ビジネスホテル初勢510号
川原石駅2分の停車で駅へと続く階段を上り下り。
駅舎がないことは事前に知っていた。
人波に遠慮して証拠写真は撮れずじまい。
海辺から少し離れた民家の中にある駅だった。

呉線に入ってから降りた3駅は駅的文化を捨てた、言ってみれば路面電車的な駅だった。
広までは広島への通勤通学圏内で、本数も多いからだろうか。

明朝に呉を語る時間を持てるかどうか自信はないが、どうやら今いる場所が呉の歓楽街で、このビルの8階には安芸娘が出迎えるキャバクラがある。
エレベーターに乗ってからそれを知って思わず苦笑したよ。

ヤクザの街からカープの街へ。
独特の文化が生まれる街、広島。
カープファンの熱気が燃え盛るこの土地柄を過去にもさかのぼって想う。
今夜は巨人戦。
昨日はエースの前田健太を立ててゲームを落としたことは知っている。
首位まで5ゲーム差で迎えた今夜だけど、車内の赤い軍団はおとなしかったな。
結果は明日の東京で見ることになる。

分かってはいたが、ビールにプリンはとても合う。

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