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「鉄旅日記」2017年秋【湘南へ向かう休日。江ノ電に乗りに行ったのでございます。】その3-腰越、龍ノ口寺、江ノ島、湘南江の島、片瀬江ノ島、新宿(江ノ島電鉄/小田急電鉄江ノ島線)

公開日: : 最終更新日:2023/06/14 旅話, 旅話 2017年

鉄旅日記2017年11月12日・・・腰越駅、江ノ島駅、湘南江の島駅、片瀬江ノ島駅、新宿駅(江ノ島電鉄/小田急電鉄江ノ島線)
16:18 腰越(こしごえ)駅(江ノ島電鉄 神奈川県)
義経が鎌倉への門を閉ざされた腰越は江の島の目の前。

サーファーが浮かび、かつて友人との海水浴で車を止めた吉野家は海岸の灯を守り、生涯で一番江の島を愛でた日になった。

季節外れの湘南海岸での一日。
様々あった候補地の中でこの路線を選んだのは湘南海岸を見たかったから。

江ノ電の遅れは今日一日解消しないようだ。

腰越海岸から眺める江の島

腰越~江ノ島(徒歩)


龍ノ口寺にて

湘南江の島(しょうなんえのしま)駅(湘南モノレール江の島線)にて

17:05 江ノ島(えのしま)駅(江ノ島電鉄 神奈川県)
路面電車に沿って日蓮上人法難地龍ノ口寺で幽閉窟にかがみ、山門を下りて江ノ電通過を待つ。

湘南江の島駅にかつての面影はなく、水谷豊似のマスターが迎えてくれたBARは撤退してから久しいらしく、現在は博物館になっていて、さらに閉鎖の憂き目を見ていた。

こんなところに来たら土産でも買って帰りたくなる。
ここは観光地だから。

暮れた江の島の灯はやさしい。

江の島と対岸の夜景

17:52 片瀬江ノ島(かたせえのしま)駅(小田急電鉄江ノ島線 神奈川県)
帰りはロマンスカーで。
これくらいの贅沢はいい。

暗くなるのが早くなった冬に向かう海岸街で、海辺に続く道の灯は暖かく、雑踏が発する音は喧騒にはほど遠く、静かな人の列は江の島へと続いていた。
かつてオレもあの列にいたことがある。

暮れた一日に訪れる闇もまたやさしく、恋人たちには救いをもたらし、子どもたちには非日常の高揚感を提供し、大人はその場に限り未来よりも過去の栄光にこだわる。

まだオレはこんな風に生きているのかと思ったのは、竜宮城のような駅を通り、ロマンスカーに乗り込んで家族連れの輪に入ってからのことだ。

脈絡が適当ではない気もするが、この人生はワルくないと思っている。

19:28 新宿(しんじゅく)駅(山手線/中央本線/総武線/埼京線/湘南新宿ライン/小田急電鉄/京王電鉄/東京メトロ丸の内線/都営大江戸線 東京都)
特急列車の眠り心地はよく、新宿まで73分の夢旅。

滅多に特急列車に乗ることのないオレに、620円で買えた空間は至福をもたらした。

もういいだろうと思えるまでに駅旅を重ねたら、次は特急列車に乗ってどこへでも行こう。

かつて仲間と待ち合わせたモザイク通り坂下は変貌し、坂を上がりきった左手にある従業員出入口の通りを挟んだ対面には、百貨店4階へと上がるエスカレーターができている。

30年が経っている。
当たり前だ。

当時のままであってくれとは思っていない。
そんな場所があってよかったと思っているだけだ。

夏になると、新宿駅を8:00に出る急行列車に途中駅から続々と乗り合わせて江の島へ向かった頃。
そんなことを当時のメンバーすべてが忘れても、オレは覚えているよ。

モザイク通りを上がる際、いくらか酒の入ったオレは甲斐バンドの「観覧車」を口ずさんでいた。

新宿モザイク通りにて

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